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ウクレレの右手の弾き方を解説。ストロークの基礎とアルペジオ

ウクレレで「右手の弾き方がわからない」という場合は……

まず覚えたい弾き方

弾き方音色向いている曲
親指ダウンストロークやさしいポロロンという音スローバラード、ボサノバなど
人さし指のストロークシャープでオールマイティロック、ポップスなどなど

この2つを覚えれば、ほとんどの曲が弾けます。またこの記事の後半では、「アルペジオの初歩」を解説しました。

音楽の理論的な部分は、のりこ先生(なみのおと音楽教室講師)に監修してもらいました。

入門編 親指でポロンと弾くダウンストローク

ほとんどすべてのウクレレ教程本・教材で、いちばん最初に親指でのダウンストロークを練習します。

ウクレレと聞いて多くの人がイメージする、やさしいサウンドで弾くことができます。

ウクレレの通信講座について詳しく解説した記事もあります。

ウクレレの持ち方と親指の使い方

親指のこの部分を使ってストロークします

親指のダウンストロークは、上の写真に示した部分を使って弾きます。

爪ではなく指のハラ部分を使うことで「ポロロン」というやさしい音を出すことができます。

弾く前の構え方としては、右手の薬指と小指をボディーの下にそえて、親指を弦とほぼ平行になるように構えます。

腕を大きく動かすことはせず、手首の回転で弾くようにします。

ねらう場所はネックとボディが接するあたり

ギターはサウンドホールの上をストロークしますが、ウクレレの場合はボディとネックの付け根付近をストロークします。

プロのウクレレ奏者の演奏を観察すると、だいたい上の写真の周辺を弾いています(人によりちょっとだけ違っています)。

親指ダウンストローク練習曲「ハッピーバースデー」

なるべくやさしく弾けるように、「ハッピーバースデー」を、ゆったりストロークで演奏してみましょう。

すべて四分音符で、上から下にポロロンと弾きます。この曲は4分の3拍子なので、1小節に3回「ポロロン」が入ります。

出だしの「ハッピ…」部分は歌だけで伴奏は入りません。

「バース」「デー」「トゥ」にあわせて、3回ポロロンと鳴らします。

その後は、右手のストロークは同じリズムで引き続けます。下のボタンから楽譜をダウンロードして練習してみてください。

「ハッピーバースデー楽譜(PDF)」

基本編 人差し指でアップダウンを弾く

人差し指でのピッキング(ウクレレのストロークの基本)

2つめにマスターしたいのが、人差し指でのストローク。弦を上から下に弾くダウンストロークと、下から上に弾くアップストロークの両方を弾きます。

アップ・ダウンの両方を交互に弾くことを、オルタネイト・ストロークといいます。

これができれば、ほとんどの曲を弾くことができます。

手の形の作り方

人さし指を伸ばして……

まず人差し指でピストル型を作ります。

伸ばした人さし指を軽く曲げます

その指を軽く曲げてリラックスさせます。

親指を添えて完成

人差し指の第一関節に親指を軽く添えて完成です。

この右手の形はカナダのウクレレ奏者ジェイムス・ヒルが提唱する基本形。親指を添えない派の人もいます。

人差し指の爪でダウンストロークを弾く

人さし指の爪でダウンストローク

親指のポロロンよりもシャープな音を出したいので、4弦すべてが、できるだけ同時に鳴るように弾きます。

やはりボディとネックの接点付近を狙います

ねらう場所は親指弾きと同じです。ただし、より手首の回転を意識して、人差し指の先が弧を描くようにストラムします。

指先は上の写真のような軌道を通ります。人差し指の間接を柔らかく曲げて、弦に引っかからないように意識します。

ソロを弾いている時にストロークを入れる場合は、1~4弦を均等にねらうのではなく、やや1弦寄りをねらいます。

人差し指のハラでアップストロークを弾く

アップストロークは爪でなくハラで

人差し指のオルタネイト・ストロークでは、ダウンストロークを爪で弾きました。

しかし、アップストロークは指のハラで弾きます。

アップストロークを親指の爪で弾く人など、さまざまなバリエーションがありますが、人差し指のハラを使う人が多数派です。

腕全体ではなく手首の回転を使って弾く

ギターではヒジを支点に腕を大きく振ってストロークしますが、ウクレレではヒジをあまり動かしません。

手首の回転を使ってストロークします。

イメージとしてよく言われるのは「ドアノブを回すような動き」「うちわであおぐような動き」。

わかりやすいのは「人差し指の先に付いたペンキを振り払う動き」です。

指先についたペンキを振り払うイメージ

人差し指の先にペンキが付いていると仮定して、それを振り払ってみてください。

その動きが右手のストロークの動きです。

ペンキを振り払う動き、というのもカナダのウクレレ奏者ジェイムス・ヒルの説明です。

ここまで弾けたら、ぜひ下の記事も読んでみてください。リズム譜の読み方がわかりますよ!

すぐ弾けるアルペジオの超基本

アルペジオは、これまでのように4弦すべてを「ジャン」と弾くのではなく、1つ1つの音をバラバラに鳴らすコードの弾き方です。

このアルペジオの解説をする前に、タブ譜の超基本をおさらいする必要があります。まず、下の図を見てみましょう。

コードCの基本的なアルペジオパターン

タブ譜というのは、下の写真のようにウクレレを見た時の4本の弦と、押さえるフレットを表しています。

タブ譜と照合した場合の実際のフレット場のポジション
タブ譜はウクレレの指板を自分に向けた時の弦の配置

ということは、上のタブ譜の最初の音は左手でCのコードを押さえたまま、右手は3弦を鳴らします。

2つめの音は、左手でCのコードを押さえたまま、右手は4弦と2弦を鳴らします。

上のタブ譜を弾くと、この動画のようになります。

右手の形と各指の使い方

ウクレレの右手の基本形
アルペジオを弾く時の右手の基本形

右手の基本形は上の写真のフォーム。

一応の原則として、親指が4弦を担当し、人さし指が3弦、中指が2弦、薬指が1弦を担当します。

余った小指を写真のようにウクレレのボディにそっと添えて支えにすることもあります。

ギターだと小指をつけるのがけっこう定番化していますが、ウクレレではきゅうくつになる場合もあるので、ムリに小指をボディにつけなくてもかまいません。

アルペジオの「弾く順番」は?

では、各指の弾く順番は? というと、実は決まっていません。曲により指定がある場合がありますが(楽譜を見て弾く場合)、コードだけ見て弾くなら自由です。

ギターであればベース音があるので、ある程度原則というか法則が成り立つのですが、ウクレレにはベース音がないため(Low-Gを除く)、きれいに聞こえるなら好きな順番で弾いてOKなのです。

4拍子「涙そうそう」冒頭

何にでも使えそうなオールマイティーなアルペジオのパターンのひとつ(High G向け)。

弾いているのは「涙そうそう」のコード進行(冒頭部分)ですが、このパターンであればいろいろと応用がききます。参考タブ譜は以下からダウンロードできます。

4拍子参考タブ譜

3拍子「アメイジング・グレイス」冒頭

ヨーロッパのトラディショナル、賛美歌などでよくある3拍子はこのパターンで。慣れたらいろいろと応用パターンを考えてください。

3拍子参考タブ譜

ところでアルペジオとは何?

ざっくりいうと、アルペジオは分散和音のこと。ドミソ(コードC)などの和音を、バラバラに演奏することを指します。

コードCの基本的なアルペジオパターン
よくあるアルペジオのパターン

もともとはハープの奏法に由来するそうで、ものすごくカタいことをいうと、低音→高音または高音→低音と、コードの構成音を順番に弾いていくことをアルペジオといいます。

本来のアルペジオ

しかし、最近は「どんな順番で弾いてもアルペジオでいいか」というイメージが定着しており、とくにギターやウクレレなどの弦楽器ではさまざまなバリエーションが生まれました。

カントリーミュージックなどで多用されるスリーフィンガーピッキングは、親指と人さし指、中指の3本の指だけで演奏しますが、これもアルペジオに含める場合があります。

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