広告 ウクレレ選び

ウクレレに使う木材を解説「理想のサウンドを探そう」

ウクレレに使われる木材の産地

初めてのウクレレにはマホガニー製を選んだ人が多いはずです。マホガニーはコアに次ぐ伝統的な材料ですし、価格もそれほど高くないので、予算内でよいものが買えます。

しかし、ウクレレには多種多様な木材が使われます。実はギターよりもずっとバラエティに富んだ木材が使われ、ルックスも音も好みによって選べるのがウクレレの魅力です。

そこでこの記事では、コアやマホガニーをはじめとして、ウクレレに使われる様々な木材を解説しました。木材の基礎知識を踏まえて、理想のサウンドを探してみてください。

注1……マホガニーが一番無難ということで、スプルースやアカシアもビギナーにおすすめできます。詳しくは記事中で解説しています。

ウクレレに適した木材の性質は?

実は、多くの物理学者が楽器用木材の音響的性質を研究してきました。論文などを読むと、いい木材のポイントは2つあるようです。

  1. ヤング率を比重で除した値が大きい(軽くて硬い)
  2. 内部摩擦が小さい(振動が減衰しにくい)

つまり、軽い割に強く、音がよく鳴り続けるのがよい木材。その点だけを重視するとウクレレ用の木材は数種類に絞られてきます。

マンゴーなどはまったく当てはまりませんが人気の木材です。ウクレレの場合、型にはまらずいろんな木材を使うという文化もあります。

トップの材が音を決定づける

ウクレレにはさまざまな部品があり、さまざまな木材が使われていますが、音を決定づけるのは主にトップ(サウンドボードまたはトーンウッド)です。

アメリカで発行されているギター製作者向けの本「A Guitar Maker's Manual」にもこう書かれています。

The choice of timber for the soudboard is quite obviously critical as this determines, to a large extent, the tone color of the instrument. サウンドボード用の木材の選択は、楽器の音色を大きく左右するためきわめて重要です。

A Guitar Maker's Manual

そこで、一般的にウクレレの使用木材について考える時、サウンドボードにどんな木を使っているのかを第一に見ていきます。

ところで現在のウクレレは、ブラギーニャとギターという2つのルーツをもっています。そのため、ウクレレ用の木材では、コアとマホガニーという2つの流れがうまれました。

この2つの木材から見ていきましょう。

ウクレレの歴史とコア材の関係

1879年8月23日、419名のポルトガル人を乗せた移民船がハワイに到着しました。その移民船によって持ち込まれたブラギーニャという5弦の民族楽器が、ハワイの人々の手でウクレレに作り変えられていきました(注2)。

当時王国だったハワイ。カラカウア王家の人々も、ハワイの文化としてウクレレを重視し、普及を図ります。ハワイのカルチャーと歴史の流れの中で、ハワイ特有のコア材こそがウクレレ用の木材だという伝統も定着していきました

注2……ハワイに持ち込まれたブラギーニャは5弦でしたが、4弦のブラギーニャも存在するようです。

アメリカ本土のウクレレとマホガニー

1910年代後半から、アメリカ本土のギターメーカーであるマーチン社がウクレレを作り始めます。

マーチン社は試行錯誤の末、ウクレレの製造にマホガニーを使いました。そこからウクレレにマホガニーを使用するという流れが生まれます。

ブラギーニャに着想を得たハワイのメーカーがコア材を使い始め、ギターメーカーのマーチン社がマホガニーを使い始めたわけです。

2つの主要木材はこのように決まっていきました。

ウクレレに使われる木材とその特徴

上の動画では、ハワイアンコアとスプルースのウクレレの音を比較しています。

「比べてみるとけっこう違うかな」という感じですね。

そこで、ウクレレに使われる木材の性質や、音の傾向を確認していきましょう。

まず最初に、メジャーな木材であるコア、マホガニーそしてスプルースについて紹介します。

コアとコア代替のアカシア

ハワイアンコアの木材(マイカイウッドハワイ
木材 科目 主要産地 特徴
コアマメ科ハワイ中域がしっかり出て明るく歯切れがよい

ハワイアンコアのウクレレはよく「からっとした音」と表現されます。弾いてみると、スプルースのようなキンキンした感じがないのに、十分シャープ。抜けるような明るさも感じられます。

しかし、現在、資源保護のためにコアの伐採は禁止されており、価格が高騰してしまいました。

そこで、コアにそっくりなアカシアに注目が集まっています。

初めての一本に選ぶなら、コアは高すぎるけれど、アカシア製のいいウクレレを狙うのはおすすめです。音だけでなく、見た目もコアに近いものが見つかる可能性があります。

3~5万円くらいだとコア単板のウクレレは手に入りません。しかし、アカシア単板なら手が届くため、見栄をはらなければ非常にいい選択だと思います。

上のモデル(Hanalei HUK-500)は送料込み3万円。オールアカシア単板で、お値段以上の楽器です。ぱっと見ハワイアンコアとそっくりですし、初めての一本には十分以上のウクレレです。

ウクレレ工房F's ukeさんの過去記事でコアの代わりにウォルナットをテストしていると書かれていました。今後コア代替材料の研究が進むかもしれません。

マーチン社が元祖のマホガニー

マホガニーの木(切り株)
木材 科目 主要産地 特徴
マホガニーセンダン科中南米・アフリカブライトで柔らかいトーン

マホガニートップのウクレレを叩くと、コアやスプルースに比べて少し重く柔らかい音がします。弾くとそこまで大きな差は感じないかも知れませんが、叩いた時の印象と似ていて、甘めで丸いサウンドが特徴です。

100年以上も昔、ギターメーカーのマーチン社があえてマホガニーを使ったのは、コロコロしたウクレレらしいサウンドを出すためだったようです。

たとえば米国AmazonのMartin S1 ukeの商品説明には以下のように書かれています。

Mahogany allows the ukulele to deliver a sweet, warm, and beautiful sound.マホガニーによってウクレレの甘く、暖かく、美しいサウンドが生まれます。

米国Amazon商品解説

事実、現在流通しているウクレレはマホガニー製が多く、そのなかには優秀なモデルがたくさんあります。

「予算内でいろいろ選べる!」という点で、初めての一本にマホガニーを選ぶのもおすすめです。あえて1本だけ選ぶとしたら、日本が誇る弦楽器ファクトリーFujigenのPupukea(ソプラノ)を推します。

マホガニーながら甘すぎないPupukeaのソプラノモデルは、弾き語りのバッキングが気持ちよく演奏できます。

楽器用木材の定番スプルース

ヤイリギターで加工中のジャーマンスプルース
木材 科目 主要産地 特徴
スプルースマツ科北米・ヨーロッパきらびやかでよく伸びる音

スプルースはトウヒ属の木材の総称で、古くからギターやバイオリン、ピアノの響板に使われてきました。

生粋のウクレレ弾きの中には「あれはギター用の材だよね」「ギターっぽいキンキンした音だよね」という事で、スプルースを好まない人もいます。

楽器用のジャーマンスプルース(Asturias

しかしスプルースは楽器用の材として理想的な特徴を備えています。特に高音域での立ち上がりが速く、全体的に鳴りがよい傾向も見逃せません。

その結果としてギターやバイオリンに似た西洋的なサウンドになりがちですが、それが嫌でなければ、初めての一本にスプルースのウクレレを選ぶのもありです。

弦楽器の見本市「サウンドメッセ」で、いろんなメーカー、材木店さんに「個人的にはスプルースが最強と思うんですが、どうでしょう?」と尋ねてみたところ、過半数の方が「僕もそう思いますね!」と返答。名前を明かさないぶっちゃけ話では、プロの多くもスプルースこそが最強と考えているようです。

スプルースのウクレレはAsturiasやKo'Aloha OPIOなど「手が出ないほど高い」と思う機種から、心配なくらい安い機種まで作られています。

その中で、本気の超おすすめをあげるとしたら、ヤイリギターの’olu’olu(オルオル)でしょう。ヤイリらしい上質なつくりで、適度にハリのあるバランスのいいサウンド。弾き手に返ってくる音が非常に心地よく、また手になじみ、弾きやすい楽器です。

しかも、ネット直販のみとすることで、税込み36000円という低価格を実現しています。ただし、在庫切れの場合も多いので「あれば即買いすべき」と言い切れるレベルのウクレレです。

お手頃な一台をもう1本あげるとすれば、スプルース合板ながら音のよいaNuenue aNN-UC10あたりがいいでしょう。

見た目の好き嫌いはありますが、メリハリのあるきれいな音で鳴ってくれます。

メイプル

メイプルの木目
木材 科目 主要産地 特徴
メイプルカエデ科北米・ヨーロッパ種類によりかなりサウンドが違う

メイプルやローズウッドはギター製作では通常、サイドやバックの材料として使用され、トップに使われることはまれです。ところがウクレレでは、よくトップの材に選ばれています。

キルトメイプル
楽器用のキルトメイプル(ESP提供)

ハードメイプルのウクレレは、「シャララーン」とした感じの明るくきらびやかなサウンドが印象的です。一方、メイプルでも材によっては太めのサウンドになったり、かなり個体差がある印象です。

そこで、メイプルのウクレレを検討している場合は、できるだけ試奏してみてから購入することをおすすめします。

楽器用のメイプル材

サウンドメッセに出展していた楽器用木材店の方を取材すると、ハワイアンコアが希少になり、手に入りにくくなっていることから「コアに次ぐ木材」としてメイプルに注目しているとのことでした。

ただしメイプルといっても様々な種類があり、特徴も違っています。

主なメイプルの種類

ヨーロピアンメイプル古くからバイオリンに使われてきた樹種で、曲げに対する強度があることから、サイドやバックにもよく使われます。
ソフトメイプルカーリーやキルトなど、美しい木目のメイプルは主にこの樹種。加工性がよくウクレレ以外の楽器にも使用されます。
シュガーメイプルハードメイプルとも呼ばれるとおり、硬くて木目が均質な材。アタックが強くサスティーンも豊かな傾向があります。

メイプルは素材や製作者によりサウンドの違いが大きいので、できれば店頭で試奏してから購入してください。

ローズウッド

ローズウッド
木材 科目 主要産地 特徴
ローズウッドマメ科中南米・東南アジア硬い材で独特の残響感

ローズウッドはかなり硬い材で、ギターのトップに使う事はめったにありませんが、ウクレレのトップには使用されます。重厚感がある硬めのサウンドが特徴です。ASTURIASギターのソロウクレレのページには「インディアンローズ材は、深い響きで心地よく奥行きのある鳴りが特徴です」と紹介されています。

ASTURIASで使用しているローズウッド

確かにローズウッドのウクレレを弾いてみるとパワフルな音で、重厚なイメージが欲しい場合に適していると感じます(注2)。

ただしローズウッドは今後取引量が制限され、希少材となる可能性が高いといわれています。

主なローズウッドの種類

ブラジリアン・ローズウッド楽器用の材としては最高級のローズウッドで、日本ではハカランダとも呼ばれています。ただしワシントン条約で絶滅危惧種とされたため、入手は困難です。
インディアン・ローズウッドブラジリアン・ローズウッドの代替材として、現在最もよく使われている樹種。野生のインディアン・ローズウッドは伐採が禁じられていますが、植林されたものは流通可能です。主にサイド・バック材に使われます。
ホンジュラス・ローズウッドブラジリアン・ローズウッドの代替材として使われる樹種。もともと木琴などに使われていた材で、非常に硬く重いのが特徴です。ちなみに主な産地はホンジュラスでなく、対岸のベリーズ。
マダガスカル・ローズウッドブラジリアン・ローズウッドに最も近い外観をもつといわれる代替材。近い音質になることから多用されてきましたが、2000年代以降なかなか手に入らなくなってきました。古いヤマハのギターでパリサンドルと記載されている材はこれです。

トップにローズウッドが使われたウクレレを買う機会は少ないと思いますが、カタログを見るときに指板の材に注目してみてください。昔のように黒檀などを気軽に使えない現在、指板にローズウッドが使われていれば、かなり優秀だと思います。

マンゴー

スポルテッドマンゴー材のウクレレ
木材 科目 主要産地 特徴
マンゴーウルシ科ハワイ・東南アジア甘めでパーカッシブ

マンゴーの音色についてはいろんな人が解説していますが、かなり話がバラバラです。

それは、マンゴーが部位によって硬さなどにばらつきが多い材だからです。見た目の印象が独特の材なので、その雰囲気がほしい時に検討すべきでしょう。

マンゴーなら合板の方が無難な気もします(極論ですが)。

また、相当バラツキがあるので、買うなら実店舗で試奏することは必須でしょう。物によってマホガニーより甘いサウンドだったり、意外とコアっぽいクリアな音だったりします。

マンゴーは木目に黒い斑点や網目模様が入ることがよくありますが、これは細菌による腐食跡で、スポルティング(Spalting)と呼ばれます。スポルテッドウッド(Spalted wood)は、独特の味わいがむしろ高評価されています。

エゾマツ

木材 科目 主要産地 特徴
エゾマツマツ科北海道・ロシア・中国スプルースに近く楽器製造に好適

名器と呼ばれるヤマハのアコースティックギターFG-180にも使われた日本の材。1960年代のヤマハウクレレにもエゾマツが使われていました。

その後、材が枯渇してしまい使われなくなったのは残念です。

現在、北海道のメーカーQUIAM(クワイアン)が独自に確保したエゾマツを使用しており、高品位なウクレレを製作しています。

サペリ

木材 科目 主要産地 特徴
サペリセンダン科アフリカマホガニーに似てバランス良好

マホガニーの代替材としてよく使用されるサペリは、サペリマホガニーと呼ばれることがあります。しかし、マホガニー属ではなく、あくまでも別の樹種です。ギターでトップに使われることはまれですが、ウクレレでは、とくに低価格帯のモデルでよく使用されます。サウンド的にはマホガニーに似た甘い響きで、決して悪いものではありません。

ブビンガ

木材 科目 主要産地 特徴
ブビンガマメ科アフリカクリアな低音と粒立ちのよさが魅力

ローズウッドに似た硬い材で、昔からギターの指板などに使われてきました。ウクレレではトーンウッドを含めたボディー材に使用されることもあり、マホガニーを歯切れよくしたようなサウンドです。

オバンコール

木材 科目 主要産地 特徴
オバンコールマメ科アフリカローズウッドに近く硬めの音

オバンコールもギターの世界ではサイドやバックに使われる材ですが、ウクレレではトーンウッドにも使用されます。ただし、国際自然保護連合によって危惧種に指定されており、今後は入手が難しくなりそうです。

パーフェロー

木材 科目 主要産地 特徴
パーフェローマメ科中米ボリビアン・ローズウッドとも呼ばれる

これも古くからギターの材として利用されてきた樹種で、加工性の高さからサイドやバックに使用されることが大半です。ウクレレでも、サイド&バックや指板に使用されることがほとんどで、トーンウッドに使用するケースはあまり見かけません。

アガチス

木材 科目 主要産地 特徴
パーフェローナンヨウスギ科東南アジアなど加工性がよく家具・建具などにも使用

耐久性があり木目が整っていることから、家具などにはよく使われる材で、ギターなどにも時々使用されます。音のよさで採用されるというよりも、柔らかく加工性が高いために選択されがちな材なので、初心者向けのモデルに多用されています。

ハイ・プレッシャー・ラミネート(HPL)

Martin(マーチン)がミニギターやウクレレに使用し始めた新素材、ハイ・プレッシャー・ラミネート(HPL)をボディに使用したウクレレも出始めています。

HPLはよく「木くずを樹脂で固めたもの」と説明されていますが、それは誤りで、実際には「HPLは複数枚のクラフト紙をフェノール樹脂で飽和させ、その上に装飾用に印刷した紙を載せてプレスしたもの」で、完全な人工物です(説明は米国の複合材協会から引用)。

木材ではなく樹脂なので、サウンド的には木の音ではありません。しかし、筆者の主観では、悪い音というわけではなく「使い方さえ選べば、これはこれでいい素材だ」と感じます。

またHPLについては、以下の記事で詳しく取り上げています。

合板と単板の違い

楽器用の木材には、単板(一枚板)と合板の2種類があります。とくにトップ(サウンドボード)が単板か合板かで、音が違ってきます。

単板は文字通り1枚板ですが、合板は薄くスライスした木材を何層かに貼り合わせています。もちろん合板の方が安く「合板は鳴らないんじゃないか」というイメージもあります。

しかし、実験してみると、別に合板だから鳴らないとか、単板だからよく鳴るということはありませんでした。そこで、筆者は合板か単板かで音の大きさは変わらないと考えています。

今回の実験では、すべてソプラノサイズでトップの違うウクレレの音量を測定しました。トップの材の種類は、

  1. スプルース単板
  2. ジリコテ合板
  3. マホガニー合板

の3種類です。

事前予想ではマホガニーの音が一番小さく、スプルース単板が最もよく鳴ると考えていました。ところが、結果はまったく逆でした

トップの材測定値
Leho LHS-SWRスプルース単板87.1db
KALA KA-ZCTジリコテ合板87.9db
KALA KA-J1マホガニー合板94.3db

サウンドボードから1.5m離れた地点で3回計測した平均値。

なんと、一番安いマホガニー合板のウクレレがもっともよく鳴っており、スプルース単板のウクレレが最も音が小さい、という結果でした。

実は最近、楽器用合板の製造技術が進化して、どんどんよくなっているそうです。

一番安いマホガニー合板のウクレレが大健闘したのも、そのせいかもしれません。

はじめてのウクレレなら、合板でも問題なく使えますね。

サウンドボードにマホガニーの合板を使う国産ウクレレFamous FS-1Gは、実売2万円くらいですが、抜けがよいサウンドで音量も十分です。

FS-1Gは、昔から定番の初心者モデルとして、いろんな人がすすめています。

なみのおと音楽教室ののりこ先生も、こればっかり使ってますね。

ただ、当社の測定でFS-1Gの音量は小さめだということがわかっています。音質はいいが鳴りはよくないということですね。

合板だと木材の特性はいかしにくいかも?

通常、合板を作る時は上の図のように木材をかつらむきして、薄くスライスしたものを貼り合わせます。その時強度を確保するため、一般に繊維の方向を変えて(縦横組み合わせて)貼り合わせていきます。

そのため、その材が本来持っている特性が出にくくなる、といわれています。

「どうしてもこの材の、こんな響きがほしい!」という時は合板でなく、単板の楽器を選ぶ必要が出てきます。

「こんな音の楽器がほしい」という希望が出てきたときが、2台めの買い時かもしれません。

2台目以降のウクレレを買うときは、単板か合板かをしっかりチェックしてみましょう。

単板か合板かのチェック方法

カタログや広告を見るとウクレレの材料が書かれています。通常は木材の種類にプラスして「単板」「合板」と明記されています。

表記としては「ソリッド」「ラミネート」と書かれていることも多く、スペックを見る時はこの点も確認するとよいと思います。

合板ソリッド
単板ラミネート

たとえばスプルース単板なら「スプルース単板」または「ソリッドスプルース」と書かれています。

しかし、単板か合板か明記されていないことがあります。その場合は合板の可能性が高く、とりあえず「合板かな」と判定しておくのが無難でしょう。

最近では高分子化学を応用した楽器用合板の研究が進んでおり、実験室レベルでは、安い杉板の合板でブラジリアンローズウッドと同等の性能を発揮することにも成功しています。今後は合板なのにすごいウクレレが生み出されるかもしれません。

最初の一本におすすめのウクレレ

最後に「最初の一本におすすめするとしたら?」という観点で、3台のウクレレをピックアップしました。いずれもマホガニーのモデルで、品質に定評があるブランドのものです。

最初の一本をさらに深掘りしてみたい方は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

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予算2万円くらいなら国産で合板のFamous FS-1G

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ただし中古のFS-1は避けた方が無難です。古いFS-1は詰まった音で、あまりよい印象がありませんでした。Famousを買うなら新品のほうが無難でしょう。

予算1万円以下ならEnya EUS 25D

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予算1万円以内であれば、音程がしっかりしているEnyaがおすすめです。

近くに楽器店があれば試奏してみよう

もちろん他にも同じ予算でいいウクレレはたくさんあると思います。ここではなみのおと音楽教室の備品だったり、弾いたことがあるものだけを紹介しているので、すべてのウクレレをカバーできているわけではありません。可能であれば店頭でいろいろと弾き比べてみてください。

とはいえ初めての一本だと試奏してもピンとこないかも。1~5万円の予算で選ぶなら、上にあげた3モデルにしておくと、少なくとも失敗はありません。

ウクレレが手に入ったら「最初の練習ステップ」

ウクレレが手に入ったら、一般的な教材では、以下の手順で練習をすすめます。

  1. 簡単なコードの曲を弾き語り
  2. 少し難しいコード進行に挑戦
  3. かんたんなウクレレソロに挑戦

以下の記事では、ウクレレを始めて1か月で上達するためのヒントを紹介しています。

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参考文献

「A Guitar Maker's Manual」(Jim Williams)1986年 Hal Leonard Publishing Corporation
「『大人のウクレレ』初歩の初歩 入門」(カイマナ佐藤)2008年 ドレミ出版 ISBN978-4-285-15339-2
「ハワイの森林と固有生物」(杉浦真治)2011年 公益財団法人国際緑化推進センター
「アコギ・ライフを100倍楽しむための木材徹底ガイド」2011年 アコースティックギターマガジンVol.49 リット-ミュージック
「エレキ・ギターと木材の話」2023年 ギター・マガジン 2024年1月号 リット-ミュージック
タカハシウクレレ工房HP(http://www.takalele.com/index.html
アストリアスギター・オフィシャルサイト(http://www.asturias.jp/
木材博物館(https://wood-museum.net/
※記事掲載写真は当社撮影もしくはフォトACによる

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