広告 ウクレレ楽譜

ウクレレですぐ役立つ楽譜の読み方。コード譜とタブ譜のかんたん解説!

ウクレレでは、五線譜が読めなくても弾くことができます。

一般的に、より直感的に理解できる「コード譜」「タブ譜」が使用されているからです。

この記事では、

  1. 弾き語りができる「コード譜」の超かんたんな読み方
  2. ソロが弾ける「タブ譜」の入門編

の2テーマを解説していきます。

独学が難しい場合は通信講座がおすすめ

「独学は難しいな」と感じたら、ウクレレの通信講座(DVD講座)がおすすめです。スクールに通うより安くウクレレの基本を身につけることができます。詳しくは「ウクレレの通信講座を8つレビュー!」という記事を参照してみてください。

2つのコツをつかんで「コード譜」を弾き語り

「コード譜」というと、歌詞にコードをつけだけのものを指す場合もありますが、この記事ではリズムも書かれた譜面を指しています。

こんな感じでリズム(ストロークパターン)が書かれている楽譜を読む、一番簡単な方法を考えていきます。

コツ①音の長さを4つだけ覚える

この図は、右から全音符、二分音符、四分音符、八分音符(最後が16分音符)。楽譜が苦手な人でも、なんとなく見覚えがあるのではないでしょうか。

ここで、まず音符の長さを再確認しておきましょう。

全音符は、小節まるまる1個分の長さです(四拍子の場合)。二分音符はその半分、四分音符はさらにその半分、八分音符はまたその半分です。

もっと短い長さの音符や、長さを1.5倍にする記号もありますが、4ビートや8ビートの曲のコード譜を演奏するなら、ひとまず上記の4つだけ覚えれば大丈夫(な場合が多いです)。

16ビートの弾き方は、以下の記事が参考になります。

よくあるストロークパターンを丸暗記で対応!

ここでは、よくあるストロークパターン4つを形で覚えてしまいます。これで全部の曲を弾く……のはムリですが、かなりの曲を弾くことができます。

4ビート基本型

四分音符の長さで、1小節あたり4回ストロークします。

ザ・ブームの「島唄」、荒井由実の「卒業写真」、コブクロの「桜」などを弾くことができます。

8ビート基本型

八分音符で1小節に8回ストロークします。

サザンオールスターズの「希望の轍」、ZARDの「負けないで」などはこのパターンで弾けます。

パターン3 4ビートのよくあるパターン

4ビートで非常によく使われるストロークパターンです。実際に弾く時は、以下のようにハネるリズムで弾きます。

坂本九さんの「上を向いて歩こう」や本名陽子さんの「カントリー・ロード」などはこのパターンで弾けます。

パターン4 8ビートのよくあるパターン

ポップスで非常によくあるパターン。これで弾ける曲がたくさんあります。

ザ・ブルーハーツの「リンダリンダ」、つじあやのの「風になる」、ベンEキングの「スタンド・バイ・ミー」などのギターバッキングがこのパターンです。

それ以外のパターンが出てきたら?

上に掲載した4つのパターンはかなりメジャーなので、とりあえずこれを覚えておけばある程度対応できます。しかし、それ以外のストロークパターンも出てきます。

弾き方がわからない場合は、記事後半で紹介している無料の楽譜ソフトTuxGuitarに入力してしまいましょう。

記事内LINKTuxGuitarで弾き方を確認する方法

TuxGuitarでは入力した楽譜を演奏する機能があるので、それを聞けばストロークの仕方がばっちりわかります。また、この後紹介するタブ譜で演奏しているうちに、だんだんリズム譜も読めるようになってきます。

コツ②リピート記号を2つだけ覚える

ネットや雑誌に掲載されている楽譜は、同じ演奏を繰り返す場合、リピート記号で表記しています。特に重要な2つの記号を覚えておくと、かなり多くの曲を弾くことができます。

もっともよく出てくるリピート記号

上のふたつの記号ではさまれた部分を繰り返して演奏します。左側の記号がない場合は、曲の最初に戻ります。

この記号はどうしても避けられないので、ぜひここで覚えてしまいましょう!

1カッコ・2カッコ

上記の楽譜では、最初は1カッコ部分を弾きます。リピート記号があるので繰り返し、2回目には2カッコ部分を弾きます。

繰り返しなんだけど、最後がちょっとだけ違う……という時使われます。

より詳しいタブ譜の読み方は、記事後半で紹介しています。

簡単なコード譜で練習(無料楽譜ダウンロードあり)

では、みんなが知っている「線路は続くよどこまでも」で、パターン4(8ビートよくある応用形)を練習してみましょう。

このコード譜を弾いてみます。ストロークパターンはこれです。

2小節目以降に書かれている割り算のマークのようなものは「同じ弾き方を繰り返す」という記号です。

楽譜は以下からダウンロードできます。PDFなので、パソコンから印刷することもできます。ちなみに、最後の1小節(Gを弾くところ)は全音符です。

「線路は続くよ」コード譜

練習用にマイナスワン音源(カラオケ)を用意したので、時間がある人は弾いてみてください。

この楽譜にはリピート記号などは出てきませんが、市販の弾き語り本などを買うとよく登場します。

もっとわかりやすい教材なら通信講座がおすすめです

ネットの記事だとどうしても駆け足での説明になってしまいます。ここまで読んで「ちょっと分かりにくい」と感じる場合は、ウクレレの通信講座がおすすめです。教室に通うよりかなり安く、ウクレレの基本からソロウクレレの導入まで学ぶことができます。

特におすすめを1つあげるとすれば、定評がある古川先生のDVD講座がいいでしょう。筆者は日本で受講可能な通信講座をすべて取り寄せて確認しましたが、この講座が最も分かりやすく、挫折する心配が少ないと判断しました。

また、講座の内容について不明点があれば、いつでもLINE、メール、電話などで質問することができます。なので「わからないまま講座が終わる」ということがありません。

ウクレレ通信講座について、より詳しくは以下の記事で解説しています。

関連記事

アルペジオやソロが弾ける「タブ譜」の基本

タブ譜はこんな風にウクレレを見た時の弦を表しています

TAB譜は上の写真のようにウクレレの指板を見た時の弾き方を、見た目でわかるように記述したものです。音楽を表現した楽譜の一種ですが、音の高低でなく指板上の場所を示している……ということです。

より直感的にわかるように工夫したラダー譜というものもあります。かなりマニアックですが、気になる方にはラダー譜の解説記事も用意しています。

かんたんなTAB譜を読んでみましょう

ここからは実際のTAB譜を見ながら、ウクレレを弾いてみましょう。

TAB譜を読む練習用に、「かえるのうた」をソロ譜にしてみました。

簡単なのですぐ弾けると思います。スマホでも見ることはできますが、できれば下のボタンから楽譜(PDF)を開き、印刷してみてください。

「かえるのうた」タブ譜

上のボタンから「かえるのうたソロ」の楽譜をダウンロードしたら、ちょっと内容を見てみましょう。

最初の音はCのコードを表しています

TAB譜には4本の線が書かれていますが、これは上から順に1弦、2弦、3弦、4弦を表しています。

一番最初の音(上の図)について見てみると、1弦は3フレットを押さえることがわかります。2・3・4弦はすべて0ですから、どこも押さえずに開放弦を鳴らします。

つまりこのTAB譜の先頭には「Cのコードを鳴らして」、と書かれているわけです。

その続きは3弦2フレット、2弦開放(0)、2弦1フレット…と続くので、冒頭部分を弾いてみると下の動画のようになります。

今日は右手のダウンピッキングのみでOK

TAB譜の「読み方解説」ということで、今回は右手の使い方はいちばん簡単な「親指ダウンピッキングのみ」で弾いています。こんな感じです。

親指でのピッキングのポイントは、右手をこの写真のように構えること。

人さし指、中指、薬指でウクレレのボディー下部をそっと押さえて、右手を安定させます。その上で親指をポローンと下に動かしてあげると安定してストロークできます。

詳しくはウクレレの右手の使い方を解説した記事を読んでみてください。親指ダウンピッキングからアルペジオまでを解説しています。

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ここまででなんとなく「TAB譜ってこういう感じかな」とイメージがつかめたと思います。

だいたいのタブ譜はここまでの知識+音源で弾けます

趣味で楽しく弾くなら、音符の長さや記号にあまり詳しくなくても大丈夫。音源(CDなど)を聴いて音の長さ(音価)や弾き方を理解した上で演奏するなら、ここまでの知識でほぼ十分です。

ゆるレレ
ゆるレレ
実際に多くの人が音源+TAB譜で演奏しています。

最初から完璧を目指してムリをするよりも「弾ければいいじゃん」という感じで楽しむのもウクレレっぽくていい気がします。

プロでも五線譜が読めないことも?

小学生時代にソニーミュージック系列からデビューした近藤俊樹くんも「タブ譜は読めるけど、五線譜は苦手なので、目と耳で覚えて弾いています。」と語っています(『ウクレレマガジン Vol.18』)。なので無理して五線譜を覚える必要はなさそうです。

TAB譜のもう少し突っ込んだ話

ゆるレレ
ゆるレレ
ここから先はブックマークしておいて、必要になったら読むくらいでいいと思います。

実は五線譜なしのTAB譜でも、どんな曲も表現することができます。音の長さ(音価)や楽譜の約束事がわかれば、タブ譜だけでも演奏レパートリーがどんどん広がります。

まず、音符の長さ(音価)を再確認するところから始めます。

音符と休符の長さ(=音価)

音符の長さ解説

音の長さは上の図のように、2分音符は全音符の半分。4分音符は2分音符の半分、8分音符は4分音符の半分……という関係です。

休符についても同じ関係です

休符の長さ解説

休符も音符と同じ長さ。図は上から全休符、2分休符、4分休符、8分休符ですが、長さがだんだん半分になっていきます。

ここからは、少し変わった音符や、リピート記号など楽譜の約束事をみていきます。

3連符

音符の長さを3等分したものが3連符です。元の音符によって書き方が変わります。

二分音符を3等分

3連符(2分休符)

四分音符を3等分

3連符(4分休符)

八分音符を3等分

3連符(8分休符)

元の音符2つ分の長さに3つの音が入ります。

反復記号

一番よく出てくるリピート記号はすでに紹介しましたが、その他にもいくつかのリピート記号や、演奏に必要な記号があります。五線譜だけでなく、タブ譜でもこういった記号が使われます。

ダ・カーポ(D.C.)

ダ・カーポ(D.C.)があるところから曲の先頭に戻ります。

ダル・セーニョ(D.S.)

ダル・セーニョ(D.S.)があるところから、セーニョがあるところまで戻ります。

ダ・カーポやダル・セーニョで戻った後、「Fine(フィーネ)」と書かれていたら、そこで曲が終わります。

コーダ

To Codaと書かれているところからCodaがあるところまで進みます。Codaと書かれている場合とコーダマークが書かれている場合があります。

拍子記号

拍子記号の例

上の図の右が4分の4拍子、左が4分の3拍子を表しています。楽譜で比べると、以下のようになります。

実際の拍子記号

4分の4拍子は1小節の中に4分音符が4個入っているのに対して、4分の3拍子では1小節につき4分音符が3つになります。

拍子記号の書き方例2

4分の4拍子、2分の2拍子は上図のように書くこともあります(けっこうよく出てきます)。

奏法に関する記号

ここまで見てきた音の長さや拍(ビート)を指定する記号の他に、「このように弾いてください」という奏法を指定する記号もあります。

スタッカート

スタッカート

音符の上に小さな点がついていることがあります。スタッカートと呼び、その音を短く切るように指示しています。元の音符の長さの半分くらいで鳴らす、と説明されることもあります。

フェルマータ

フェルマータ

音符や休符の上か下にフェルマータがついている時は、その音符や休符を伸ばします。通常「2倍くらいに伸ばす」といわれています。

タイとスラー

「(」を横に倒したような記号で音符を結ぶことがあります。同じ音を結ぶとタイといい、2つの音符をつなげた長さで弾きます。

違う音をつないでいる場合はスラーといい、音と音の間をつなげてなめらかに弾くことを指します。

タイとスラーの例

ウクレレやギターでは、スラーはスライドしてしまうことが多いです。後で出てきますがスライドすることが多く、その場合「s」「sl.」という記号がつきます。

ウクレレやギター特有の記号

ウクレレ・ギターなど弦楽器に特有の奏法を指定する記号もあります。意外とよく出てくるので、動画でもまとめ解説を付けています。

上の動画で弾いているのは、以下のようにウクレレで使われる奏法をむりやり詰め込んだフレーズです。

参考動画で弾いている楽譜

出てくる順番に、スライド、チョーキング、ハンマリングオン・プリングオフと解説していきます。

スライド
スライドの弾き方

上の図で「sl.」という記号がついている部分はスライドしています。少し上に掲載したまとめ動画でわかる通り、左手の人さし指を2弦2フレットから3フレットにスライドして弾きます。

チョーキング
チョーキングの弾き方

ギターに比べると出てくる頻度は低いですが、特定の音を押さえた状態で左手の指を動かし、音程を上下させる奏法をチョーキングといいます。

ウクレレでは意外と出てこないのですが、知っておいてソンのない知識です。

プリングオフ・ハンマリングオン
ハンマリングオン・プリングオフの弾き方
指を打ち付けて鳴らすのがハンマリングオン

2小節目の終わりから3小節目にかけての3つの音(ラ→シ→ラ)では、右手は最初の音1個しか弾きません。その代わり、ハンマリングオンでは、左手の指を力強く指板に当てていく感じで音を出します。

プリングオフは単に指を離す場合と、軽く引っかけながら離す(少し音を大きくする)場合があります。←そこまで細かいことは楽譜に書かれていません。

他にもたくさんありますが……

楽譜の記号・約束事は、他にも分厚い本1冊ぶんくらいあるようですが、ウクレレで当面必要なものはこれくらいです。

根本からしっかり学びたい人には、ヤマハ株式会社の「楽譜について学ぶ」という記事をおすすめします。

参考楽譜について学ぶ(ヤマハ株式会社)

五線譜の知識も押さえてみる

ソロを弾いたり、ウクレレだけでアンサンブル(合奏)する場合は、正直TAB譜だけでも問題はないと思います。

ゆるレレ
ゆるレレ
それでも五線譜がちょっと読めると助かることがありますが……。

他の楽器とのアンサンブルでは、最低限の五線譜の知識があったほうがいいかもしれません。そこで、ウクレレ弾きが最低限押さえておきたい知識に絞って解説します。

五線譜のしくみ

五線譜は上の図のように5つの線とプラスアルファの線(加線)で音の高低を表す楽譜。音の長さ(音価)はこれまでみてきたTAB譜と共通なので、ポジティブに考えれば「あと少しで読めそう」という感じがしますよね。

ト音記号

ト音記号

ト音記号は「高音部記号」ともいわれます(低音部記号はヘ音記号)。ト音=その音を示す記号で、実は第2線のソの音(=ト音)から書き始めるのが正解。

ヘ音記号はほぼウクレレで絡むことはないため、ここではパスしてしまいます。

小節

小節線の解説

楽譜にある縦の線を「小節線」といいます。そして小節線で区切られた部分を「小節」と呼びます。

2本線で右が太い小節線は曲の終わりを表し「終止線」と呼ばれます。同じ太さ(細い)の縦線2本の小節線は「複縦線」と呼ばれ、曲の拍子や調が変わる時に使います。

音符と休符

音符の種類と1小節に入る音符の数

上の図は、1小節に入る音符の個数で表した、音符の長さ。TAB譜が読める人ならピンとくると思いますが、すんなり理解できるまでにはちょっとした訓練が必要な場合も……。

ある程度体感的に理解するためには、なみのおと音楽教室で配布している「パン屋さんのリズムカード」で遊んでみることをおすすめします。

参考パン屋さんのリズムカード(PDF)をダウンロードできます

子ども向けの教材ですが、大人の練習にも十分応用できます。

変化記号(♯、♭、♮)

まず変化記号の中でも、演奏中に臨時に音を変える「臨時記号」を説明します。五線譜の楽譜を見ていて、音符に以下の記号がついている場合に、音を少し変化させます。

シャープ

変化記号(シャープ)

シャープは「半音上げる」ことを意味しています。演奏者から見て1フレット分右にずらします。

フラット

変化記号(フラット)

フラットは「半音下げる」ことを意味しています。演奏者から見て1フレット分左にずらします。

ナチュラル

変化記号(ナチュラル)

♯や♭で変化させた音を元に戻します。♮から後は元の音に戻して弾きます。

調号

調号の例(ヘ長調)

上の図のように、楽譜の先頭に♯や♭がついているものを「調号」と呼びます。上の図であれば♯が1つなのでヘ長調(Key=F)で、すべてのファの音に#を付けて弾きます。

ウクレレの楽譜では調号がないハ長調やシャープが1つだけのヘ長調が大半です。

指板上の音の位置を確認

指板上の音の場所

ウクレレの場合、五線譜が読めただけでは演奏できず、指板上のどこにどの音があるのか? を理解する必要があります。

ゆるレレ
ゆるレレ
鍵盤楽器より1工程多いため、ウクレレでは「五線譜が苦手」という人が多いのかもしれません。

指板上の音は基本的には上の写真のドレミ……を覚えておけばOKですが、より詳しい解説は以下の記事で読めます。

参考ウクレレの「ドレミファソラシド」を覚える3つのメリットと指板上の音の一覧ダウンロード

上にリンクした記事には、指板上の音の一覧表(フィンガーボード・チャート)のPDFダウンロードがあるので、ぜひプリントアウトして活用してください。

フィンガーボード・チャートは五線譜を見て弾く時だけではなく、コードの構成音を知りたい時にも役立ちます。「弾き語りしかしないよ」という人でも、1枚印刷しておくと役に立ちます。

ここまで読んだらあとは弾くのみ!

ここまで読んだら、あとは慣れです。いろんな楽譜を弾いてみてお気に入りの曲を3~5つくらい探してみてはどうでしょう?

おすすめは当サイト「大人のウクレレ入門」の「コードと楽譜」カテゴリー。

少しずつ掲載楽譜を増やしていくので、ぜひ時々のぞいてみてください。


参考文献

「ウクレレ・マガジン 」Vol.18(リットミュージック)

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