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ウクレレ - 右手のストロークが上達する4つのポイント。引っかかる人は特に注目!

右手のストロークが引っかかりぎみ。きれいな音が鳴らない……。そんな悩みを解決する、すごい練習法をジェイムス・ヒルが解説しています。

この記事ではジェイムスのメソッドを中心に「どうやったら右手のストロークがうまくなるか」を紹介しました。

また、さまざまな演奏スタイルに対応するため、ジェイク・シマブクロやその他のプレイヤーの弾き方も紹介し比較していきます。

ゆるレレ
ゆるレレ
ウクレレは自由な楽器。プレイヤーごとに弾き方が違うのがまた楽しいんですよね。

初心者向けにウクレレの右手の基本を解説した記事もあります。

右手の形は1種類だけ!

ジェイムスの右手の構え方4ステップ

ジェイムス・ヒルが提唱する右手の形は、たった1つ。右手の形は次の4ステップで作ります。

  1. 人さし指を立ててL字型をつくります
  2. その手をリラックスさせます
  3. 中指、薬指、小指を手のひらに折りたたみます
  4. 人さし指を丸めて親指の先を人さし指の第一関節に

最後に親指の先を人さし指の第一関節に軽く触れるのがポイントです。これによって人さし指が安定し、人さし指が弦にアタックした時のショックアブソーバーになります。

ジェイムス・ヒルは、カナダの有名なウクレレ奏者。彼は子どもの頃にこの手の形を覚えてから、ずっとこれ一本で演奏しているそうです。

この形、ジェイムス・ヒル的にはかなりオールマイティーということです。実際にこれに近い形で弾いている人は多く、勝誠二さんやジョニー宜野湾さんも似たタイプです(注1)。

注1……2人とも似たタイプですが、勝さんはストロークが終わったところでふんわり手が開きぎみ。ジョニーさんはジェイムスより人さし指を伸ばす感じで弾いています。

アップストロークを親指で弾くジェイクスタイル

ジェイク・シマブクロは、ジェイムス・ヒルとは少し違う右手の形で弾いています。ジェイクはなんとアップストロークを親指の爪で弾くことがあり、下の写真のように人さし指と親指をほぼ揃えるような形にしています。

ジェイムス・ヒルとジェイクの構え方はたいへん似ていますが、ジェイクは最後に人さし指と親指を揃える点が違っています。

また、ジェイクがアップストロークを親指の爪部分で弾いている様子は、上の動画で確認できます。

ジェイクの弾き方は難しいので「応用編」と考え、ひとまずオーソドックスなジェイムス・ヒルの弾き方をマスターしましょう。

右腕の振り方は「ペンキ汚れ」がカギ

人さし指の先にペンキが着いている……とイメージ

右手の振り方については、よく「ドアノブを回すように」と言われますが、ジェイムス・ヒルはこれを否定しています。手首だけでストローク(ストラム)すると、指が描く弧が小さくなり、4つの弦に同じ強さでアタックできなくなるためです。

小さい弧だと各弦に均一に当たらない

かといって、ギターのように大ぶりするのもNG。

ドアノブを回すストロークが小さすぎてNG
ギター的なハンマーアクションストロークが強すぎてNG

ではどうすればいいのでしょうか?

答えは、ドアノブとハンマーアクションの中間にあるのだそうです。それを表現すると……

「指の先についたペンキをやさしく振り払う動き」

が正解です。人さし指の先にペンキかインクがついているつもりになり、手首のスナップでそれを振り払ってみてください。

その動きがウクレレのストロークではベストな動きです。

この時大切なのは、すべての弦をできるだけ同時に鳴らすことです。

弦のどこをストロークするか(スイートスポット)

ジェイムス・ヒルは、ストローク時に狙う場所は「ボディーとネックの接点」と説明しています。

ストロークする時の右手が通る場所を、ジェイムスはポジションと呼んでいます。ジェイムス・ヒルのポジションはソプラノウクレレであれば12フレットあたりになります。

ジェイクが狙うポジションはもう少しサウンドホール寄り

ジェイク・シマブクロは、ストローク時に狙うスイートスポットは「サウンドホールとネックジョイントの間」と説明しています。

ゆるレレ
ゆるレレ
ジェイクとジェイムス、どちらが正しいというより、体格の問題だといえます。

ジェイクとジェイムスの演奏ポジションの違いは、おそらく2人の身長差から来ています。170cm台半ばくらいのジェイクと190cmのジェイムスでは腕の長さが違うため、デカいジェイムスが弾くと、自然とボディとネックのジョイント部分に右手が来るのだと思います。

一方、動画などでもわかりますが、ジェイクの場合はストロークの軌道が自然に通るのが、サウンドホールとネックジョイント部の間あたり。

ストローク時に狙う場所は、だいたい2人のどちらかに近ければOKだといえます。

単音でソロを弾く時も、ジェイムスは同じ位置でピッキングしますが、ジェイクはサウンドホール上で弾くことがあります。ジェイムスの方が柔らかく、ジェイクの方がやや硬いサウンドになります。

力の入れ方とスピードの関係性

ジェイムス・ヒルの話で一番「目からうろこ!」と思ったのはこれです。ジェイムスが説明する原則は1つ。

ゆっくり弾くストロークの力は強め
速く弾くストロークの力は弱め

たとえば「クレイジーG」でだんだん速くしていくとしたら、最初は強めに弾き、最高速で弾く部分はごくごく弱い力のフェザータッチで弾くべきだということです。

でも弱い力で弾くと音が小さくならないのでしょうか? 実は、この法則で弾くと、ストロークを弱くしても音は小さくなりません

力を弱めた分、右手のスピードが上がっています。アタックのスピードが上がることによって、音量が上がる……というのがジェイムス・ヒルの法則。なので、速く弾けば弾くほど力を弱めてOKということになります。

そこで、ウクレレのストロークは、ゆっくりと弾く場合にはある程度力強く、速くなればなるほど力を弱めていく……という風に考えるとうまく演奏できます。

ゆるレレ
ゆるレレ
これは「高速ストラムで右手が引っかかる」と感じてる人はぜひ試してみてほしいポイントでした。

実際に騒音計を使って実験して確かめました

ウクレレを速く弾けば、軽い力で弾いても音量は下がらない……というジェイムス・ヒルの法則が正しいのかどうか、騒音計でテストしてみました。

ちょっと見えにくいですが、結果的には上の動画の通り、軽い力で引いてもぜんぜん音量は下がりませんでした。

ゆるレレ
ゆるレレ
「ジェイムス・ヒルの法則は正い」と確認できました。

「速く弾くと右手が引っかかる!」という人は、力をゆるめてください。軽い力で弾いても大丈夫です!

右手のストローク・まとめノート

ジェイムス・ヒルに学ぶ右手のストロークをまとめると……

  1. 右手の形は上の写真の4ステップで
  2. 右手の動きは人さし指についたペンキを払うイメージ
  3. ボディとネックの接点あたりを狙ってストロークする
  4. ゆっくり弾く時は力を入れ、速く弾く時は弱い力で

この4ポイントを押さえると、右手のストロークが確実にスムーズになります。特に①の右手の形と、④の演奏スピードと力の関係は大切だと思います。

ゆるレレ
ゆるレレ
プロでも演奏スタイルはさまざまですが、ジェイムスの弾き方は再現性が高く、アマチュアが学ぶのにも最適だと思います。

ジェイムス・ヒルについて

ジェイムス・ヒルはカナダ出身のウクレレプレイヤー。1980年生まれ。ブリティッシュコロンビア大学で音楽の学士号も取得しており、人気と実力がともなったミュージシャンです。過去に日本での公演も行っています。

奥さんはチェリストで、2人での仕事も多くこなしています。

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