クレイジーGの楽譜2種類は記事中でダウンロードできます。
この記事では、初心者向けの「クレイジーG」を教材に、ウクレレの右手の動き「初級編」をマスターします。
ウクレレ初心者がレベルアップするための2つの練習が重要項目です。記事後半では少しだけ難しい「クレイジーG」を弾いて応用力をアップします。
レベル別インデックス
ステップ1 | 初めてのストロークに挑戦 | 初心者 |
---|---|---|
ステップ2 | 普通の「クレイジーG」でワンランクアップ | ある程度弾ける人 |
「クレイジーG」の楽譜もダウンロードできます
この記事は、ウクレレの右手の使い方を基礎から解説するメイン記事の補足記事として制作しています。初めてウクレレに挑戦する人は、ぜひ下のリンクから基本をマスターしてください。
ウクレレの右手の基本を解説。ストロークの基礎とアルペジオ|関連記事
超かんたん版「クレイジーG」でダウンストロークを練習
たぶん世界一かんたんな「クレイジーG」を以下のボタンからダウンロードできます。PDFなのでスマホやパソコンに保存したり、印刷したりできます。
「かんたんクレイジーG」PDFダウンロードスマホやタブレットの方は上記ボタンを押して楽譜を閲覧してください。パソコンで見ている方は、プリントしておくと便利です。
まずは以下の参考音源を聴いてみてください。
ウクレレソロが初めてでも、なんとなく弾けそうな感じがしますよね。
ウクレレでコード伴奏できるよ! という人なら絶対弾けます。これまでソロ弾きに苦手意識があった人も、ぜひチャレンジしてみてください。
「音の長さ」超基本編
かんたんバージョンの「クレイジーG」にはには2種類の音符しか出てきません。短い方が四分音符で、長い方がその2倍の二分音符です。
ほとんどが四分音符ですが、時々長い方の二分音符が登場します。この音符の長さの関係をもう少し深掘ると、下の図のようになります。
四分音符の倍の長さの二分音符の、さらに倍の長さが全音符です。4分の4拍子の場合、1小節=全音符1個=二分音符2個=四分音符4個です。
それを意識して楽譜の出だしの部分を見ると……
1小節目は四分音符4個なのですんなり弾けるとして、2小節目は四分音符2個+二分音符1個です。二分音符のところだけ倍の長さで弾けばいい訳ですね。
ちょっと動画で見てみましょう。
こんな感じです。音の長さについてはこれでOKですね。
右手はすべてダウンストロークで
ここでウクレレのストロークについて、再確認しておきましょう(注1)。この曲では、上から下にジャーンと弾く、ダウンストロークしか使いません。
注1……ストロークのことをストラムという人もいます。日本ではどちらも同じ意味で使われているので、好きな名前で呼んでOKです。
ステップ1 右手の人差し指を伸ばす
ウクレレを弾くときの右手の基本形は、手を握った状態からピストルの形をまねしたときのように人差し指を伸ばした形。ここからちょっと人差し指の力を抜きます。
すぐ上の写真のように脱力できればOKです。ウクレレは多くの場合人さし指でストロークを弾きます(注2)。
注2……ウクレレは自由な楽器なので例外はたくさんあります。親指やその他の指を使う弾き方もいずれ登場します。
ステップ2 右手の手首を回してストローク
かのジェイク・シマブクロ氏は「ウクレレを弾くときの右手の動きはドアノブを回すように」と言いました。ギターはヒジを支点にストロークしますが、ウクレレは手首を回してストロークします。
他には「うちわであおぐ時の動き」「手についた水滴を払う時の動き」ともいわれます。
大きな音を鳴らす必要はないので、軽く・ゆるく手首を動かしてください。
ウクレレの右手の動きは「ゆるゆる」が基本です。何か引っかかる、手が痛いと思ったら、ゆるゆる度が不足していることも多いです。
ステップ3 人さし指の爪を弦に当てていく
弦を上から下に打ち下ろすダウンストロークでは、原則として人さし指の爪を弦に当てて音を出します。
意識としては爪そのものを当てるのではなく、人さし指の爪側をざっくり当てていく感じです。特に爪の先で弾くと引っかかりがちなので、それは避けましょう。
ステップ4 狙う場所はサウンドホールより少しヘッド側
ギターはサウンドホールのあたりでストロークすることが多いですが、ウクレレはサウンドホールよりもヘッド側を狙って弾きます。
またその時右手はどれくらい遠くまで振り下ろすのかというと、せいぜい5センチくらいです。1弦から5センチほど下ったら、また戻っていくイメージです。
上の写真のように右手の動く範囲はかなり狭いのが正解です。大きな音を出そうとするより、スムーズさ優先で練習してみてください。
右手のストロークおさらい動画
最大のポイントはやはり「手首をゆるゆるに回転させる」というところです。最初は力が入りがちですが、そうするとぎこちない動きになってしまいます。
ゆるゆるに力を抜き、スムーズに手首を回転させてください。
2分音符は空ピックで長さ調節
ギターやウクレレの特権ですが、
- 常に同じ動きでストロークしつつ
- 音を出さない部分は空振りする
という弾き方があります。音を出さず空振りすることを「空ピック」と呼びます。
常にストロークの動きは同じですが、2小節目の3つめの音は二分音符なので、後半に空ピックを入れています。
常に右手のストロークの動きは同じで不要な音を空振りしているだけなので、リズムがキープしやすく、リズム楽器として伴奏するときに強みを発揮します。
と悩んでいる人は、この空ピックを覚えると解決する可能性があります。
タブ譜の読み方超基本編
記事をここまで読んだ方なら、すでに音の長さはわかっているはずです。実は音符の長さがわかれば、タブ譜は半分以上読めているのです。
右手のリズムがわかっているので、あとは左手でどの弦を押さえ方がわかれば弾けてしまいます。
上の図は「クレイジーG」かんたんバージョンの出だしですが、上から「2320」と書かれています。一番上の数字は1弦、次に2弦、3弦、4弦のフレットを表しています。
なので、上の図の右のように……
1弦 | 2フレット |
---|---|
2弦 | 3フレット |
3弦 | 2フレット |
4弦 | 押さえない |
と押さえるのが正解。これはGのコードの形になっていますよね。
次の音を見ると「2020」となっているので、
このように押さえます。
これで、右手のリズムと左手の押さえ方、どちらもわかったので、さっそく練習してみましょう。
まとめ 超かんたんバージョンを通して弾いてみよう
超かんたんバージョンですが、一応「クレイジーG」に聞こえるので、初めてのソロをこの曲で練習してみるのもおすすめです。
練習してみて「そろそろ1曲通して弾けそうかな」と思ったら、上の参考音源に合わせて演奏してみてください。
左手のポイント解説
この記事のポイントは「右手の動き解説」なので余談になりますが、このアレンジで左手の運指につまずくとしたら13小節・14小節めで小指を使うところ。1弦4フレットを小指で押さえたいのですが、最初はなかなかスムーズに弾けません。
そんな時は親指の動きに注目してみてください。
普段は親指が少々変な場所にいても、そんなに弾きにくくないのですが「指板上で指が思うように動かない」と思ったら、手首を少しだけ巻き込むような形にして、親指がネックの裏に当たるようにしてみてください。
指の第一関節をより立てられるようになりますが、これによって押弦する指の動きがスムーズになる場合があります。
上のBADのようにネックをべたっと握るのではなく、少し手首を巻き込むようにして、指の第一関節がしっかり立つようにすると力が入りやすくなります。小指は特に力が入りにくいので、この点を意識すると改善できる可能性大です。
普通バージョンのクレイジーGでストローク完全マスター
「クレイジーG」は演奏者の数だけバリエーションがある、といわれています。いろんな場所で聞く機会の多い曲ですが、確かにどこかオリジナルアレンジになっていることが多いようです。
そんな「クレイジーG」ですが、以下でダウンロードできるのは最大公約数的な「なんとなくいろんな人が弾いているアレンジに全般的に近い」というバージョンです。
PDFダウンロードとりあえずこの楽譜で弾いておけば、急に「クレイジーGやろうぜ」といわれた時にも対応できて便利です。
上のボタンで通して聴くことができます。
8分音符の長さを確認
このバージョンの「クレイジーG」では、最初に練習したかんたんバージョンになかった八分音符が登場します。
八分音符は四分音符の半分の長さです。そこで、これまではダウンストロークだけで弾いていたのですが、ここからはアップストロークも必要になります。
ダウンストローク&アップストロークでの演奏
ここからは、上の写真のように人さし指の爪側だけでなく、はら側も使うようになります。ダウンストロークは爪側で、アップストロークははら側で弾くからです。
ストローク記号の読み方について
下向きのコの字のような記号がついている時は「ここはダウンストロークで弾いてください」という意味、Vの字のような記号がついていると「アップストロークで弾いてください」という意味です。
実はこの記号、どっちがどっちかわからなくなることがあります。
そんな時は、ダウンストロークの記号=上からフタをかぶせる形なのでダウン、と覚えると忘れません。
コードソロでは1弦を中心に狙う
コードで伴奏する場合はある程度まんべんなく音を鳴らしたいので、2弦か3弦あたりを狙ってストロークします。
コードソロ(ジャカソロ)になると1弦がメロディーを担当することが多いので、1弦を狙ってストロークします。
「クレイジーG」だとそこまでメロディーが聞こえてきませんが、上の動画のようにメロディーラインを鳴らさないといけないときは、特に注意します。
左手の運指で難しいところ
このバージョンの「クレイジーG」で難しいのは、小指が担当する音がさらに増える点です。特に13小節め・14小節めは弾きにくいかもしれません。
この時最初のGの押さえ方を工夫するとうまくいきます。
左手の人さし指で1~3弦の2フレットをセーハしてしまい、中指で2弦3フレットを押さえます。Gのコードをこれで押さえておけば小指が動かしやすいので、運指がだいぶスムーズになります。
クレイジーGを通して弾いてみよう
ひととおり練習して「そろそろ弾けそうかな」と思ったら、上のサンプル音源に合わせて弾いてみてください。
さらにもう少し難しいバージョンの「クレイジーG」準備中
もう少し難しいバージョン(ジェイク風味だけどジェイクのバージョンより簡単)を準備中です。もしここにある2種類の「クレイジーG」を弾いてみて、物足りないと感じたら挑戦してみてください。
参考クレイジーG完全攻略……Coming soon!
リズムが読める!無料ツールをダウンロード
「音符のリズムがよくわからない」「音の長さがわかりにくい」という場合、なみのおと音楽教室で配布している無料ツール「パン屋さんのリズムカード」で練習してみるのもひとつの手です。
PDFでダウンロードして子どもと一緒に遊ぶこともできますし、ひとりでじっくり取り組むこともできます。
参考【無料】パン屋さんのリズムカード(PDF)……使い方説明もあります