ウクレレのストラップを100均グッズで自作しようという方に、まず予算をお伝えします! 事情により、220円以内で制作してください。
なぜなら、アマゾン最安のウクレレストラップは現在275円(送料90円)だからです。100均で材料購入に330円以上かけてしまうと、トータル的なコスパで絶対に負けてしまいます。
このアマゾン商品は275円ですが、長さ調節もできます。そういった機能を盛り込めないことや、自作するためにかかる時間的コストを考えると、100均で対抗するのはかなり厳しい印象です。
同じ商品が複数の業者から販売されており、価格が大幅に変動するため、上記価格は参考とお考えください。125円+送料で販売されていることもあります。
その上で究極のコスト削減を考えるとしたら、220円でストラップを制作することになります。さすがのAmazonでも送料込み200円前後で買えるストラップはありません。
この記事は、
- 220円で自作するウクレレストラップ
- エンドピンジャックに対応した自作ストラップ
- エンドピンジャック仕様にストラップを改造
の3テーマでお送りします。
ウクレレ用ストラップの選び方や付け方は別記事で解説しています。
この記事の用語解説
ウクレレのストラップは大きく2種類に分類できます。
写真左はネックレスのようにウクレレをぶら下げるタイプで、この記事では「ネックストラップ」と呼びます。
写真右はギターのストラップと同じ方式でウクレレをけさがけにぶら下げるタイプ。この記事では「ショルダーストラップ」と呼びます。
ネックストラップを220円で自作
このようなウクレレストラップを220円で作りました。3個まとめて作ると1個あたり約147円にコストダウン可能です。
必要な物は「台所吸盤フック」と「マルチストラップ」の2つ。「マルチストラップ」は事務用品などのコーナーで、首からIDをかけるヒモなどと並んで売られています。
作り方はかんたんです。
「台所吸盤フック」を分解
「台所吸盤フック」の吸盤部分をカッターで切り取ります。残った部分の軸が抜けやすい場合は接着剤で接着しておきます。
「マルチストラップ」に結ぶ
「マルチストラップ」の先端についている細いヒモに、「台所吸盤フック」のフック部分を取り付ければ完成です。
長さを調節できず、どちらかというと短めなので、体格の大きな人には使えないかもしれません。身長150~170センチくらいの人なら使えそうです。
普通にアマゾン最安製品を買っておいた方が無難だと思います。あえてストラップを自作するなら最安を狙うより、好みのデザインを実現するなど、他の目的で作るのがおすすめです(値段は上がりますが)。
もしくは普段ストラップを使わない人が「万が一を考えて」という感じで、ウクレレケースに1つ入れておくなら220円ストラップもアリだと思います。
ということで本題のショルダーストラップ制作の話に続きますが、その前に、意外と戸惑うことが多いネックストラップのつけ方をおさらいしておきます。
ネックストラップの正しいつけ方
ウクレレ用のネックストラップは、初めてつける時に少しとまどうかもしれません。そこで、ストラップのつけ方をざっくり解説します。
まず、ストラップを首からぶら下げます。ネックレスのように首にかける感じです。
次に、ストラップ先端のフックをサウンドホールに引っ掛けます。この時、ストラップのひもはウクレレの下側を通してください。
最後にウクレレを写真のように90度回転させれば完成です。ストラップのフックと自分のおなかと右ひじ、左手首でウクレレを支えている感じになります。手を離すとウクレレが落下してしまいますが、何もないより安定感が増します。
ネックストラップはウクレレを改造することなくサポートできる手軽さが魅力です。普段使わない人も1本持っておく価値は十分あります。
ギター風のショルダーストラップをウクレレ用に自作!
ウクレレのストラップを自作してみて「よかった」と思えたのは、エンドピンジャック仕様のウクレレのための専用ストラップを作った時のことです。エンドピンジャックとは以下のようなものです。
このウクレレはマイクを内蔵しているのですが、シールドケーブルを挿す部分(ジャック)と、ストラップピン(お尻についているのでエンドピン)が合体しています。
このようにシールドケーブルを刺せるようになっている分、エンドピンがかなり太いのが難点です。普通のエンドピンだとストラップにあける穴は6~7ミリくらいですが、エンドピンジャックに付けるには10ミリくらいの穴が必要です。
そこで自作してみたのが上のストラップ。エンドピンジャック仕様のウクレレをお持ちの方はぜひ試してみてください。500円位で作れます。
用意するものは手芸店で売っている手芸用布ベルトと革の切れ端。道具はダイソーなどで売っている皮用のポンチ(6ミリ・8ミリ)とはさみと裁縫道具です。
作り方は、
- 手芸用布ベルトを95cmにカット
- 皮の切れ端を布ベルトと同じ幅に切って縫い付ける
- ポンチで6ミリと10ミリの穴をあける
以上で完成です。
10ミリのポンチは販売されていなかったので8ミリの物を使って穴を少しずつ広げました。
革にあける穴は、エンドピンジャック側が10ミリ、ネック側が6ミリです。また、穴をあけたら写真のように少し切り込みを入れておきます。
このようになれば完成です。ウクレレは軽い楽器なのでそれほど強度は必要としません。好きな素材、好きなカラーで手軽に自作することができます。
手芸用布ベルトはナイロン平ベルト、手芸テープなどでもOKで幅は30ミリくらいがウクレレにぴったりの雰囲気です。
ちなみにウクレレの重さは以下の記事で詳しく検証していますが、ソプラノが400g弱、コンサートサイズで550g前後です。
ウクレレの重さと音質の違いを測定。購入時に重量チェックは重要?
実はギターのストラップを改造する方がラクかも
ここまでストラップの作り方を書いてきましたが、実はエンドピンジャック仕様のストラップは市販のギターストラップを改造した方がカンタンに作れます。
写真はフェンダーのギター用ストラップの片側の穴を10ミリに広げただけの物ですが、ずっしり重めのGodinウクレレでも不安なく吊り下げることができます。
ダイソーで販売している8ミリのポンチとハンマー、定規と市販のストラップがあれば作れます。
ストラップピンを止める側の穴を、ポンチで少し広げるだけです。ちょっとずつ穴を広げながら、実際にウクレレを吊り下げてみて様子をみてください。穴を大きくしすぎると楽器が落下する危険が高くなるので、ぎりぎりエンドピンジャックが留まる程度に調整するのがポイントです。
おすすめショルダーストラップの作り方は?ギター用ストラップを流用 | 穴を広げるだけなので簡単 |
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完全オリジナル | 手間はかかるがトータルコストは安上がりの可能性。また、納得のいくデザインを目指せます |
という切り分けになりそうです。
ここからは……
という人向けの情報です。
ストラップを買う時の選び方や注意点
首からさげるネックストラップは安くても案外十分です。このタイプなら、高いものを買う必要はないと思います。安くても高くても、あまり機能に差を出せるような部分がないからです。
その点、ショルダーストラップは少しいい物を買った方が無難です。ショルダーストラップはストラップピンを留める部分が革でできているのですが、安い物は合皮なので劣化してしまいます。
劣化する以前に、ストラップピンから不用意に外れてウクレレを落下させそうな怖さもあります。
そこで、ギタータイプのストラップの場合は、激安の物ではなく品質がよいものを選びましょう。ネットで買う時は説明文に革を使用しているかどうか明記しているものを選ぶと安心です。
1000円くらいの物でも革を使っていればけっこう安心できる、というのが実感です。
ストラップは使ったほうがいい……が時代の流れ
昔は「ウクレレでストラップは邪道」的な雰囲気があり、使う人は少数派でした。しかし、現在は「ウクレレでストラップは普通」という感じになっています。
ウクレレ用ストラップをめぐる時代の流れは、あのジェイク・シマブクロ氏の演奏スタイルから検証してみれば一目瞭然です。
2000年代のジェイクはストラップをしていなかった
これは2006年の動画。この当時、この演奏は衝撃でした。しかしよく見るとストラップをしていません。この頃のジェイクはライブやTVショーでもストラップをしていなかった記憶があります。
2010年代からストラップをし始めた!
これは2018年の動画ですが、普通に首からかけるタイプのストラップをしています。ライブではショルダーストラップも使用していた記憶があります。
それだけでなく、今やジェイクは自分の名前を冠したオリジナルのストラップを発売するようになっています。
時代の流れは「ストラップ必要」に傾いている!
というわけで、時代の流れは確実に「ストラップをするほうが弾きやすい」という方向に傾いています。
その他にストラップを常用しているアーティストは、ジェイムス・ヒル、勝誠二、鈴木智貴、名渡山遼、近藤利樹などなど(敬称略)。それに対してIWAOさんはあんまり使っていないイメージです。
結論 やはりストラップはあったほうが便利
あのジェイクをはじめとする、そうそうたるプレイヤーがストラップをしていることから、やはりウクレレにもストラップがあったほうが有利といえるでしょう。
とはいえ、ウクレレは自由な楽器です。ストラップがない方が弾きやすいなぁと思う人は、ストラップなしで弾くのがベスト。
結論としてストラップはあったほうが便利ですが、なくても弾けるという人はなくても大丈夫!
「ストラップなんていらないよ」という人が「万が一を考えて1本持っておく」という時こそ、220円の100均ストラップがちょうどいいかもしれないですね。もしくはAmazonの激安ストラップをおすすめします。
このストラップについては以下の記事で詳しく検証しています。