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ウクレレが上手くならない時の練習方法【プロのアドバイス】

ウクレレを練習していると「がんばっているのに上手くならない」というカベが訪れます。そんな時よく効く、ワールドクラスの助言を集めました。

ジェイク・シマブクロをはじめとしたウクレレ奏者のヒントを元に、目の前のカベを越えてしまいましょう。

全レベル対象ゆっくり弾く
練習環境を見なおす
初心者ジェイムス・ヒルの3ステップ
ダニエルの手の使い方
中級者曲をよく聴く耳を鍛える
曲の構成をつかむ

この記事はのりこ先生(ピアノ・エレクトーン講師)に監修とアドバイスを依頼して作成しました。どんな楽器でも「上手くならない」というカベには共通点があるようです。

全レベル対象 ウクレレが上手くなるために大切なこと

本当に大切なポイントは「ゆっくり弾く」こと

ウクレレに限らず、またレベルにかかわらず、楽器上達に欠かせないポイントがあります。「わかっちゃいるけど、できない……」という方も多いと思いますが、ぜひこの機会に練習方法を見なおしてみてはどうでしょう?

楽器練習の基本「ゆっくり弾く」

ジェイク・シマブクロ オフィシャルホームページ

提唱しているプレイヤー:ジェイク・シマブクロ、エイブ・ラグリマス・Jr、ダニエル・ウォード、アル・ウッド

楽器練習では、ものすごくよく言われるアドバイスです。「ゆっくり弾くこと」が大事だとわかっていても、できてない人が多いですよね。

ゆるレレ
ゆるレレ
恥ずかしながら、僕もその1人です。

ジェイク・シマブクロはこう言っています。

若い時は速く弾こうとするあまり、自分が演奏するノート(音符または音)の頭だけを聴きがちです。ゆっくり練習すると、ノートやトーンにはさまざまなパーツがあることに気づきはじめます。

オンラインマガジン「Ukulele」の記事より

たとえば4分音符が4つあったとして……

ただこの図のように感じて弾くのか、ジェイクのようにひとつひとつの音に「さまざまなパーツがある」と感じて弾くのかで、演奏は大きく変わります。

このように1つのノートの中にさまざまなパーツがあると感じて弾くと、リズムも正しく表現できるようになります。たとえば小節の最後の拍の後半は走りがち(速くなってしまいがち)ですが、ジェイクのようにその音のテール部分まで感じて弾けば、走ることはなくなります。

ジェイクは2013年に発行された「ウクレレ アラモード」という雑誌でも「Practice everything really slow.(すべてゆっくり練習しよう)」というアドバイスを寄せてくれています。

ジェイクは、ゆっくり弾くことは非常に大切だと考えているようです。

「ゆっくりプレイする」というダニエルのアドバイス

ゆっくり弾く意識が上達のポイント

ダニエル・ウォードも、ゆっくりプレイすることが大切だと述べています。特に、曲を通して一定のリズムで弾ききることができない場合は、自分の実力より速く弾きすぎていると指摘しています。

そこで、いったんスピードを落として、ゆっくりと演奏してみましょう。そうすれば、より多くの課題が見えてきます。きれいな音が鳴らせていない部分、コードチェンジにもたついている部分などなど、課題を解決し、まずはしっかり弾けるようになりましょう。

ゆっくり弾けるようになったら、メトロノームにあわせてスピードアップするのが理想的。一定のリズムで演奏できるように練習すれば、確実にレベルアップできます。

ジャズを弾かせたら抜群にうまいエイブ・ラグリマスも「最速で何かを学ぼうと思ったら、忍耐をもとう」と言っています。急がずゆっくりと練習して、できてからテンポを上げた方が、効率よく、しかも確実に上手くなることができます。

自分の音に責任を持つ

ピアノやエレクトーンでも同じです。自分の実力にあわないテンポで練習してしまい、難しいところだけゆっくり弾く……ということを繰り返してしまうと、クセになってしまい、テンポが安定しなくなります。そこで、いったん全体のテンポを下げて練習し、ひとつひとつの自分の音を最後まで聴きましょう。自分の音に責任を持ち、弾けるようになってから、メトロノームを1メモリずつあげるのがおすすめです。

byのりこ先生

環境を整えて、自分自身を切り替える

ダニエル・ウォード ホームページ

提唱しているプレイヤー:ダニエル・ウォード、ニール・チン

練習環境を整える、ということには練習しやすい場所を見つけるということも含まれますが、それよりも「自分自身の環境を整える」という意味合いが強いアドバイスです。

ニール・チンは、実際の練習に入る前、10分くらい体操をして「物理的なウォームアップをする」と言います。ウォームアップすることで、より集中して練習できるというのがその理由です。

一方ダニエルは、練習を始める前の5~20分、お気に入りの場所でフィジカルを切り替えることをすすめています。

「ウクレレは気軽にどこでも弾けるのがいいトコロ」というのもその通りですが、上手くなりたい気持ちが強い時は、トッププレイヤーを見習って練習場所を選び、しっかり切り替えをして集中して練習してみてはどうでしょう?

きっとカベを越えるきっかけになるはずです。

初心者向け うまくならない時の練習法

ここではジェイムス・ヒルの弾き語り練習法と、ダニエル・ウォードが教える右手のピッキングのコツを紹介します。

ウクレレを始めたばかり、という人は、もう少しやさしいレベルから解説している以下の記事も参照してみてください。

弾き語りはジェイムス・ヒルの3ステップで

ジェムス・ヒル ホームページ

ジェイムス・ヒルの練習法でおもしろいと感じたのは、弾き語りを3つのパートに分ける考え方。

  1. メロディ
  2. 歌詞
  3. リズム

…と分解してみて、それぞれを段階的に練習していきます。弾き語りで「歌がぎこちなくなる」「ウクレレのリズムが歌にひっぱられる」という事はよくありますが、そんな時に効く練習方法です。

弾き語りを分割する練習法


  • 歌わないでしゃべる

    まず最初は歌わずに歌詞を「しゃべる」練習。しゃべるというよりメロディを気にせずただ歌詞を口にすると同時に、コードやリズムは普通に演奏します。右手のストローク(ストラム)に集中し、最初にこの部分をマスターしましょう。


  • ハミングする

    今度は歌詞をいったんカットしてしまいます。ハミング+伴奏とすることで、メロディと演奏に集中して練習します。


  • すべてをZコードで弾く

    次にコードをいったんカットしてしまいます。歌をしっかり歌いながら、ウクレレはすべてZコード(注1)とすることで、歌(歌詞+メロディ)とリズムに集中します。


  • 最後にすべてを同時に演奏する

    そこまでできたら、しっかり伴奏しながらしっかり歌ってみてください。ここまでの3ステップで苦手部分を克服しているはずなので、かなり上手に歌えるのではないでしょうか?


注1……Zコードはウクレレの4弦すべてをミュートしてしまい、ストロークするという演奏方法。「ジャッ」という音を出します。ミュートするために押さえる場所はネック付近がおすすめです。

Zコードは音が鳴らないようにふんわり押さえます

アルペジオやソロ弾きの安定感はダニエルの右手練習法で

ソロ弾きに挑戦する時、ダニエル・ウォードのピッキング練習法が効果的です。ダニエルは演奏中にピッキングする右手をしっかり見てみよう、と言います(注2)。

右手の甲を動かさず、安定させることがポイント。弦を強い力で弾きすぎたり引っかけたりしないために、手の甲をリラックスさせてください。

またダニエルは「手の甲の位置を安定させる」と説明しています。

右手のピッキング時に手の甲を安定させる意識をもつ

小指をウクレレのトップにつけて演奏してみるのもおすすめ。右手がぶれにくくなります。

注2……コードをジャカジャカ鳴らしながらメロディーも弾く「ジャカソロ」については、また違った弾き方になります。

最も確実に上達するコツは「誰かに質問する」こと

筆者がウクレレサークルを主宰して感じたのは「不明点を教えてくれる人がいないとカベにぶつかってしまう」ということ。

その点、メール、手紙、LINE、電話で不明点を質問し放題のウクレレDVD講座なら、今感じているカベを越えることができます。

入門レベルからやさしいソロ弾きまでをカバーしている「古川先生のウクレレ講座」は、3か月の受講期間を終えたあともずっと質問することができます(講座の範囲内)。これなら、ウクレレの基礎は必ずマスターできるはずです。

この教材であれば、YouTube動画とはまったく違う、プロが編集したわかりやすい動画(DVDでもスマホでも視聴できます)に加えて、質問し放題のQ&Aシステムがバックアップしてくれます。

講座の内容に関することならいつでも質問できますし、筆者の経験では、営業時間中であればその日のうちに返信してもらえました。

ウクレレに伸び悩みを感じている人は、ぜひ公式サイトをのぞいてみてください。または、以下の記事で詳しいレビューが読めます。

その他に役立つ記事を紹介

当サイト「大人のウクレレ入門」には、その他にも初心者に役立つ記事がたくさんあります。おすすめ記事をいくつか紹介しますので、ぜひのぞいてみてください。

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続きを見る

中級者向け 上手くならない時に試したい上達のヒント

録音するとたくさんの気づきが……

中級レベルの人なら「自分の演奏を録音して聴いてみよう」というのがのりこ先生のアドバイスです。

演奏している時はイッパイイッパイなので、自分の音は半分も聴けていないはず。

そこで、自分の演奏を録音で聴き直してみると、さまざまな発見があります。

足りないことや、思わぬミスにも気付くことができます。「ノリが悪い」「テンポが安定しない」といった点が気になったら、以下に紹介するトッププレイヤーのアドバイスを取り入れて、カベを越えてしまいましょう。

耳コピする(耳を鍛える)

エイブ・ラグリマス ホームページ

提唱しているプレイヤー:エイブ・ラグリマス、ニール・チン

エイブは新しい曲をマスターする時、いつもその曲を耳コピして楽譜に起こしているそうです。どちらかというと楽譜を作るのが目的ではなくて、その曲をよく知るために、耳コピするくらいの勢いでしっかり聴き込むことが重要ということだとか。

ニール・チンもまた「聴くことは非常に大切だ」と述べています。

ウクレレを含む楽器の練習では「自分が弾く曲をちゃんと聴いている人と聴いていない人の差」は大きく、しっかりと曲を聴いていれば、歌い方や節回しまでコピーできてきます。

ある程度レベルが上がってくると、こういった部分で演奏に差がついてきます。

聴くことは弾くことの第一歩

確かに耳コピする勢いで曲をよく聴くのは、とても大切なことです。弾きたいと思う曲をしっかりと聴き込み、グルーブ感まで理解すると、演奏で大切なノリまで表現できるようになりますし、そうすることで演奏が一歩前進します。

byのりこ先生

演奏する楽曲の構成を把握する

曲の構成をまず把握しよう

提唱しているプレイヤー:ダニエル・ウォード

ダニエルが具体的に言っているのは「演奏する曲のコードをよく知ろう」ということですが、コード進行をはじめとした、楽曲の構成を考えてから演奏するのは大切なポイントです。

なんとなく頭から弾いてしまうと「おっとEが出てきた……」と焦ってコードチェンジを迫られますが、あらかじめコード進行をざっくりと見ておくと、演奏がスムーズになります。

また、一歩進んで曲の全体像や構成をつかむのも大切なポイントです。

  1. どんな流れで演奏するのか
  2. サビで盛り上がるのはどこか

といった点を押さえて弾くと、全体的に演奏がよくなっていきます。

たとえばラヴェルの「ボレロ」のように最後に盛り上がる曲を普通に演奏しはじめてしまうと、あっというまにフォルテシモになり、それ以上盛り上げられない……ということになりますよね。

その曲のいいところ、盛り上げたいところはどこなのかも含めて、曲の構成を把握してから弾くようにしてみましょう。

遊び弾きをしてみる

ニール・チン ホームページ

ちょっとニュアンスが難しいのですが、ニール・チンは時にフレット上で迷ったりしながら適当に弾いてみる時間を大切にしているそうです。

彼は一種の「探検の時間」と考えているそうで、こうやって好きなフレーズをとりとめもなく弾いている中で、自分の強みや弱みがわかってくるよ、と語っています。

好きな曲をちょっとアレンジしながら弾いてみて(適当でいいですよ)、自分の弱みやストロングポイントについて考えてみるのもおすすめです。


参考文献

この記事の作成にあたっては、主に英語圏のウクレレ・オンラインマガジンを参考にしました。とくにおすすめはカリフォルニア州リッチモンドから発信する「Ukulele」というオンラインマガジン(紙媒体も発行)です。

「ウクレレ アラモード」2013年8月29日発行(シンコーミュージック・エンタテイメ

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