ウクレレを始めるにあたって、YouTubeだけで上手くなれるのか?
……というのが今回のテーマです。
結論から言うと、うまくカリキュラムを組めば上達の可能性も。
YouTube動画はすべて単発なので、全体を通したレッスンの流れや、上達に応じた練習計画はありません。教則本や教材とは違います。
そこで!
この記事では、YouTube動画をカリキュラム的に組み合わせてこの順番で練習すれば教材として使える!というメニューを作りました。
動画に合わせて、オリジナルの楽譜ファイルをダウンロードできるようにしました。
ていねいに基礎をマスターしたい人にはウクレレ通信講座のレビュー記事もおすすめです。
ウクレレの持ち方やチューニングのしかたを確認
この後は、ほとんどYouTubeだけでウクレレを練習するステップを解説していきます。
しかしその前に、時間があれば以下の記事に目を通しておいてください。基本的なチューニングのしかたがわかります。
では、初めて弾くちゃんとした曲「ハッピーバースデー・トゥ・ユー」に挑戦しましょう。
ステップ1 スリーコードの曲で練習をスタート
ほとんどの教本・教材で、最初のステップとして3コードの簡単な曲を練習します。
なかでも「ハッピーバースデー・トゥ・ユー」は多くのテキストで採用されている定番の練習曲。そこでYouTubeに登録されている、初心者向けの解説動画を探しました。
「ハッピーバースデー・トゥ・ユー」をトモsanで学ぶ
YouTubeでいろんな人が「ハッピーバースデー・トゥ・ユー」の解説をしていますが、初めてウクレレに触る人ならトモsanの動画がおすすめ。
この動画は完全初心者を想定して、ウクレレの持ち方などの基本から解説してくれています。
そこで、トモsanの動画に合わせた「ハッピーバースデー・トゥ・ユー」の楽譜を用意したので、動画と合わせて見ながら練習してください。
トモsan準拠のハッピーバースデー楽譜予備知識ゼロで見てもわかる動画なのですが、楽譜で全体を眺めることで、コード進行がつかめると思います。
使うコードフォームコードC
コードF
コードG7
楽器の練習において、「ゆっくりと、弾けるテンポで練習する」が鉄則です。CからG7にゆっくりしかコードチェンジできないなら、そのスピードで1曲を通して練習します。
「日曜日よりの使者」で右手のストロークを練習
ほとんどの教本・教材では、3コードの曲と平行して、右手のストローク(ストラムパターン)を少し練習します。
そこで、「ハッピーバースデー・トゥ・ユー」の次は、ザ・ハイロウズの名曲「日曜日よりの使者」で、8ビートのストロークを練習しましょう。
最初のルバート(自由なリズムで歌う)のところのウクレレは、トレモロといって右手をジャカジャカ鳴らします。
その後は、こんなリズムで弾いています。
ガズさんがやっている「8ビートのチャ」の音は、最初のうちは入れなくても全然OKです。
では、下のボタンからコード譜をダウンロードして練習してみてください。
ガズさん準拠の「日曜日よりの使者」コード譜著作権の関係で歌詞は載せられません。ちょっとめんどうですが自分で歌詞を書き込むと、さらに弾きやすくなります。
この段階で読んでおきたい参考記事
3コードの曲を練習する段階で、ぜひ見ておきたい記事を紹介しておきます。「日曜日よりの使者」の8ビートのストロークがスムーズになってきたら、ぜひ、あわせて読んでみてください。
ステップ2 少し難しいコードの曲を練習
これもほとんどの教本・教材で共通していますが、最初にハ長調(キーC)の3コードの曲で練習した後、今度はハ長調以外の調の、少し難しい曲を練習します。
そうなるとどうしてもセーハコード(バレーコード)が登場します。
セーハというのは、人差し指をウクレレの指板にぺたっと押しつけて、人差し指1本で4弦全部を押さえるという奏法。ちょっと難しくなるので、余力があればセーハを解説した下の記事で予習しておいてください。
「アロハ・オエ」はUkulele Play-Alongがおすすめ
初心者向けの「アロハ・オエ」で一番かっこいいのは、ウクレレ・アンダーグラウンドのオルドリン・ゲレロさんバージョン。
英語の動画ですが、全然英語を読む必要がないので楽勝です。
シンプルなのにかっこいいイントロはしばらく後で練習します。今回は歌が始まるところから練習しましょう。
以下のボタンから参考楽譜をダウンロードできるので、それを見ながら練習するとわかりやすいです。
「アロハ・オエ」楽譜ダウンロードこの楽譜は当サイト(「大人のウクレレ入門」)オリジナルなので、13小節目でF→D7とコードチェンジしていますが、ゲレロさんはFだけで弾いています。
最初はゲレロバージョンで、なれたらF→D7で弾いてみてください。
使うコードフォームは楽譜に記載しています。
つじあやの「風になる」をKoyuki channelさんの動画で練習
ちょっと難しいコードの練習曲第2弾は、この動画と、コードスケッチのコード譜で練習してみましょう。
ストロークパターンはガズさんの「日曜日よりの使者」の時と同じです。
動画とコード譜を照らし合わせると、押さえ方や弾き方はだいたいわかると思います。
ポイントは、この動画ではD7を省略形で弾いていること。最初は省略形のD7でもいいですが、弾けるようになったらセーハコードのD7で弾いてみてください。
使うコードフォームコードC
コードAm
コードF
コードG
コードEm7
コードFm
コードD7
セーハが上手くいかない時は、以下の記事を参照してみてください。
演奏するコードの数が増えるので、最初にすべてのコードの押さえ方を練習しておきましょう。
夏川りみ「涙そうそう」をFunmee!!で練習
ちょっと難しいコードの練習曲第3弾は、シンガーソングライター宮武弘さんの動画で「涙そうそう」を練習してみます。これも多くの教材で練習曲として取り上げられている名曲です。
練習するにあたって、
- コードチェンジが多いので、まずどんなコードが使われているか見ておきましょう
- 4小節ごとに区切って練習し、最後に全体を通しましょう
- ゆったりしたストロークなので歌にひっぱられないよう気をつけましょう
といった点に注意してください。
コード譜は以下のサイトで参照できます。
この段階で読んでおきたい参考記事
ウクレレの教程本・教材では、通常ストロークについてはかなり丁寧に解説しています。YouTube動画だけでマスターするのは難しいので、できれば以下の記事とあわせて練習してください。
ステップ3 アルペジオ(分散和音)を練習
多くの教程本・教材では、次の段階でアルペジオを練習します。アルペジオとは分散和音のことで、これまで「ジャン」と弾いていたコードを、バラバラに弾きます。
まずはこの動画で、アルペジオとは? という概要をつかんでください。
当サイト「大人のウクレレ入門」で用意しているアルペジオ入門用記事もおすすめです!
アルペジオってこれか! とわかったところで、練習に挑戦します。
「涙そうそう」をアルペジオで弾き語り
初めてのアルペジオは、夏川りみさんの「涙そうそう」で練習しましょう。なぜなら、この曲のコードはすでに練習ずみだからです。
左手は弾けているはずなので、右手に集中して練習しましょう。
この動画主さんは曲を通して同じパターンでアルペジオを弾いています(イントロを除く)。また、Bメロの「晴れわたーる日も…」に入るところで親指のストロークを入れていますが、全部アルペジオでも問題なさそうです。
部分練習用の参考ファイルを以下からダウンロードできます(PDF)。
「涙そうそう」アルペジオパターンイントロから弾いてみたい人は、以下のタブ譜もダウンロードしてください。
「涙そうそう」イントロのタブ譜著作権の関係でフルサイズの楽譜ダウンロードはできません。ご了承ください。
ステップ4 アルペジオに慣れたら簡単なソロに挑戦
ソロの練習に入る前のウォーミングアップとして、弾き語り(コード伴奏)の練習では飛ばしていた、「アロハオエ」のイントロを弾いてみましょう。
すでにコード伴奏を練習した「アロハオエ」の出だしの部分です。タブ譜はUkulele undergroundで公開されています。
Uke Lesson 109 ? Aloha ‘Oe (Farewell to Thee)
上記リンクから、「Aloha 'Oe (Play-Along Version) TAB (.pdf)」をダウンロードして、動画とあわせて見てみましょう。
「アメイジンググレイス」でアルペジオからソロへ
YouTubeの動画「だけ」でソロに挑戦するのは難しいですが、ウクレレ奏者の鈴木智貴さんが公開してくれている動画+無料楽譜なら、市販教材とかわらないくらいの練習になります。
これは、アルペジオから自然とソロ弾きに入れる動画です。ウクレレ奏者の鈴木智貴さんがPDFの楽譜も公開してくれているので、ぜひダウンロードして練習してください。
動画の中では「アルペジオの練習」と説明していますが、楽譜を見るとメロディも弾いているので立派なソロ譜。これを練習すると「コード(伴奏)とメロディーを一緒に弾くウクレレソロはこんな感じか」と、雰囲気がつかめます。
また、タブ譜の読み方がわかってきます。
「枯葉」で本格的なウクレレソロ入門
鈴木智貴さんの練習曲、2つめは「枯葉」をピックアップしました。もともとはシャンソンの楽曲ですが、ジャズアレンジで多く演奏されてきたため、ジャズイメージが強い1曲です。
智貴さんの解説がわかりやすいので、とくに補足することはないですが、全体にジャズのリズム(シャッフル)を意識するとかっこよく弾けると思います。
YouTubeだけではムリ!と感じた時のおすすめ教材
ここまでの練習でも、
- 楽器経験者(特にギター)
- やる気と根気と時間がある人
などなどであれば、けっこう弾けるようになると思います。しかし効率を考えると、できるだけ市販のわかりやすい教材を用意した方が速く身につくはずです。
そこで、最後にわかりやすさに定評があるおすすめ教材をピックアップしておきます。
YouTubeで歯が立たなかった人は、不明点を質問できる通信講座
YouTube動画だけでは「それって、どういうこと?」と疑問が浮かびすぎ!
……そんな場合は、質問をしたらしっかり回答してくれるウクレレ通信講座がおすすめです。
楽器を独学する時、ちょっとした弾き方がわからずに挫折する……ということは多々あります。
でも、ほんのちょっとのコツがわかれば解決することがほとんどです。
ウクレレの通信講座をひとつあげるとしたら、古川忠義先生のDVD講座をおすすめします。
独学でも続けられる、いくつもの工夫。古川忠義先生のおすすめウクレレDVD教材|関連記事
下記の記事では、現在受講可能な6つのウクレレ通信講座をレビューしていますので、そちらを参照しながら講座を選べばバッチリです。
動画はだいたい理解できる人なら定番の教則本
楽器経験がある方なら「YouTubeだけでもけっこう練習できる」と感じるかもしれません。
欲をいえば、YouTubeで得た知識を体系的に整理してくれる本が1冊あれば、さらに理解が深まるはずです。
そんなに高くもないですし、今はだいたいCDかDVDがついているので、教則本を見ながらの独学で十分上達できます。
教則本を1冊だけあげるとしたら「はじめよう!ウクレレ」がおすすめです。
また、教則本・教本について、以下の記事にくわしくまとめています。