ギタリストなら一度は思いますよね。
- ギターを旅行に持っていきたい
- 気になるコード進行を見たら秒速で弾きたい
- 作曲する時楽譜を書くジャマにならない楽器がほしい
- 寝転んでまったり弾きたい
…………
それ、ウクレレで全部できてしまいます。
買いましょう。ソンはさせません。
ギタリスト以外の人は、ぜひここからウクレレに入門してください。
ギタリストにウクレレをおすすめする理由
筆者がウクレレを始めたのは職場の同僚数名に「いっしょに始めましょうよ」と誘われたから。正直、「ギターに比べたらチープだなぁ」と、ややバカにしながらスタートしました。
それがこんなにハマるとは……。
ハマった理由は、
- 伴奏楽器として非常に優秀
- バンドでもいける
- いろんな木材のモデルがあり目移りしまくり
- 見た目がかわいい
- 最近いろんな人が弾き始めた
など、いろいろありますが、一番の理由はズバリ……
- どこにでも持ち歩ける
です。ギターを持ち歩くのがめんどくさいケースでも、ソプラノウクレレを背中にしょって歩くのはぜんぜん苦になりません。
結果、どこでも音楽できます。
飛行機にも乗せて持ち運べます(ソプラノなら機内持ち込みOK)。
そんなわけで気がついたら、ウクレレばかり弾くようになっていました。
ミニギターかウクレレか? 違いは?
ヤマハのギタレレに代表されるミニギターでも、上にあげたウクレレ同様のメリットがありそうです。実は筆者もギタレレを弾いてみたことがあります。
小ささ | 種類 | 楽譜の多さ | |
ミニギター | ○ | △ | △ |
ウクレレ | ◎ | ◎ | ○ |
ギタレレなどは、「テナーサイズ」と呼ばれる少し大きめのウクレレと同じくらいの大きさです。なので、十分持ち運びできそうですね。
ミニギターのメリットは?
ミニギターはある程度の大きさがあり、ギターから持ち替えた時の違和感が少なめです。また、ネックの太さや形状にも違和感が少なく、ギタリストなら「弾きやすい」と感じるはず。
他には、
- 6弦あり、ある程度低音も出る
- ギターと同じ感覚のソロ弾きならミニギター有利
といったメリットがあります。
ミニギターのデメリットは?
楽譜が少ないのが最大のデメリットです。弾きたい曲の楽譜はなかなか探し出せず、もう自分で作るしかありません(めんどくさいです)。
また、ギターと同じ感覚で弾けるもののチューニングが違うので、持ち替えた時に混乱しがちです(注1)。
もう1つのデメリットは機種が少なく選べないこと。ギタレレ系のミニギターを作っているメーカーは限られており、モデル数も少なく、結局「ヤマハのギタレレにしとくか」となりがちです。
注1……子ども用のギター弦をはる等の方法でギターと同じチューニングにしている人もいます。
ウクレレのメリットは?
このサイトは「大人のウクレレ入門」というウクレレサイトなので、ややひいき目で見ているかも知れませんが、ウクレレのメリットはたくさんあります。
- 小さい(どこでも持ち運べる)
- 機種が多く好きな1本を選べる
- 楽譜もそこそこ多い(無料もたくさん)
- ピックアップなどアイテムも多数
- ギターと違う思想が楽しめる
とにかく小さいのが便利で、どこででも弾くようになってしまいました。
最もメジャーなサイズだけで3種類ありますが、一番小さいソプラノがおすすめです(バリトンはやや特殊)。ソプラノウクレレはギタレレより1まわりか2まわり小さく、全長53cm前後なので、飛行機の手荷物として持ち込めます。
機種も豊富で選び放題。あのフジゲンもFujigenとPupukeaの2ブランドをラインナップしています。安い方のPupukeaなんて、フジゲン製なのに5万円くらいで買えます(ソプラノサイズ・税込)です(注2)。
注2……公式ショップやAmazonより、楽天(イケベ楽器)かPayPayモール(chuya-online)が安い事が多いので要チェックです。
ライブで使うなら最初からピックアップ付きモデルで
ウクレレの音は小さく、思いっきり弾いても平均84dBです(サウンドボードから1.5m離れた場所で複数のウクレレを測定した平均値)。
ライブなどで使うならピックアップは必須なので、最初からピックアップ付きモデルを選ぶのが正解です。
値段は2万円くらいから20万円以上までいろいろありますが、安くてもいい物が見つかるのがウクレレのいいところ。
ソリッドボディのエレキウクレレもエレアコタイプも、だいたい2万円くらいから、なんとか実用になるものが見つかります。
普段使いなら十分な楽器です。
ギターと違う思想が楽しめるソロ弾き
この動画はTT Cafeのかねだたつこさんが演奏する「コーヒールンバ」ですが、メロディーとコードをいっしょに弾いています。
ウクレレではけっこうメジャーな「ジャカソロ」という演奏スタイルです。
ギターのコードソロとも違う弾き方で、ギタリストでもいきなりこれを弾くのは難しいかも知れません。
ウクレレにどっぷりハマり始めたら、こういうソロ弾きにもチャレンジしてみてください。
ウクレレのデメリットも白状します
もちろんウクレレもいい事ばかりではなく、デメリットもあります。弾いていて感じる事を列挙すると……
- 低音が出ない(オンコード弾けません)
- 生音が小さすぎ
- ギターに比べると音に迫力がない
- テンションコードは省略形しか弾けない
といったところでしょうか。
ウクレレはすぐれた伴奏楽器ですが、低音がないのでオンコード(分数コード)が弾けません。そのため、原曲の雰囲気を表現するためにはベースなど低音を担当する楽器に入ってもらう必要がでてしまうケースも……。
また、生音が小さいので、他の楽器とあわせる時はピックアップ必須です。
また、ギターに比べると音に迫力がない……というのはよく言われます。ただそこは「その分音がかわいい」「癒やし系」などという反論も成り立ちます。
最後に、弦が4本しかないデメリットもあります。五和音以上の複雑なコードで、構成音をすべてちゃんと鳴らすことは不可能です(弦が4本しかないので)。そこで、市販の物を含めたウクレレコードブックでは、省略してもいい音を省略したコードフォームを掲載しています。
なお、ウクレレのコードを極めたい人にはキヨシ小林さんの「ウクレレ・コード・バイブル」という本をおすすめします。
ギタリストがウクレレを始める手順
とりあえず買いましょう。ぜんぜん問題ありません。買ったその日に弾き語りできているはずですし、1週間以内にソロも弾けています。
タイムスケジュール
ウクレレを買う
注意点は別記事にまとめています。「ギター弾きが陥りやすいウクレレ選びのワナ」という、かなりニッチなテーマですが、あなたにはぴったりなはずです。
その日のうちにコード弾きできる
普通にすぐ弾けます。コードを覚えるのにちょっと時間がかかるだけです。以下の記事は楽器未経験者が1週間~1か月くらいでマスターする内容ですが、あなたはその日のうちに全部終わります。
1週間以内にソロ1曲マスター
タブ譜を見ながらすぐに弾けます。以下の記事でダウンロードできる「Spanish Fandango」ソロ譜は、楽器未経験の人が3か月以内に弾けることを想定した難易度ですが、たぶんあなたはすぐ弾けます。
無料楽譜でバリバリ弾きまくり
コードを覚えたり、ウクレレのタブ譜に慣れるために、何曲か弾いてみたい場合は以下の記事で楽譜を探してください。
以上でOK。1週間もあれば(どんなにゆっくりペースでも1か月あれば)、あなたもウクレレ弾きの仲間入りです。
たとえば「ギターでは思いもよらなかった運指」「これまでのギター人生で見たことないストラム(ストローク)」「え?そこ人さし指で弾くの? と衝撃を受ける右手のフィンガーピッキング」などなど……。
ウクレレもかなり奥が深く、楽しめますよ。