2025年12月11日午前9時25分(PST)に展開が開始されたGoogleのコアアルゴリズムアップデートについて、私が見た範囲のまとめを制作しました。
ざっくり言い切ってしまうと「このコアアルゴリズムアップデートは、これまでのGoogleによる評価基準の延長にあり、さらにその方向性を突き詰めたものだった」ように思えます。
当社運営のサイトに限っていえば「専門性」をどこまで突き詰めているかで明暗が分かれました。
本稿制作時点(2025年12月31日JST)では、まだ有名どころの分析記事が出ていない点に留意してください。
従来路線を強化するアップデートだったと思える(当社視点)

当社で運営している4つの企業サイトにおいて(うち3つが.co.jpドメイン)、ある程度勝敗が分かれたと感じられるのは以下の点です。
- 専門性においてハッキリとしている(つまり最近サイト設計した)サイトは評価が上がったように思える。
- やや間口を広く「不動産売却」「不動産購入」の両方をカバーしているサイトは、.co.jpドメインの宅建業者であっても、評価が下がっている。
もう少し具体的にいうと、当社運営のサイトはすべて宅地建物取引業者公式サイトまたはオウンドメディアです。
すでに述べたとおり、その中で売却と購入が混在している2サイトはトラフィックが低下しています。
別の観点からいうと、設計が古い(2年前の)サイトは評価が下がっているともいえます。今回低調だった2つのサイトは比較的サイト開設が古く、その当時は許容されると考えていた「不動産売買」という広めのテーマでサイト構成(設計)を行っています。
一方、評価が上がったように見える2サイトは、それぞれ「不動産売却のみ」「不動産購入のみ」でした(実はさらにテーマを絞っています)。
とくに「不動産購入」については、競合に強い会社がやや少ない傾向があるためか、順位が上昇し「評価が上がった」という手応えがありました。
また特徴的だったのは、評価が下がった記事が圏外に飛ばされるわけではなく、ほとんどが順位下落だったという点です。そこからペナルティ的な要素や、Googleの方針変更があった事は推測できず、従来路線の強化だった可能性が感じられました。
それらを総合すると、今回のコアアルゴリズムアップデートは、これまでGoogleが進めてきたサイト評価に関する路線を継承し、さらに「厳しく見ていく」ものだったと推測できます。
海外のSEO会社はこのアップデートをどう見たか?

海外のSEO会社が今回のコアアルゴリズムアップデートをどのように分析しているかをまとめました。
ただし、現時点では、Search Engine LandやSearch Engine Roundtableのような大御所は、展開完了のアナウンスのみで、分析を出していません。
その点に留意しつつ参照してください。
SEO Sherpaは「重み付けの調整だった」と判断
SEO Sherpaの記事「Google’s December 2025 Core Update: What’s Changing and Why This One Feels Different」によると、今回のコアアルゴリズムアップデートは実験的なものではなく、またGoogleが特に神経質になっている感じもせず、「落ち着いて実行されたもの」だったとされます。
このアップデートでGoogleは新しい要素を思い切って導入したわけではなく、既存シグナルの重み付けを調整する方向でアルゴリズムを変更したのではないかという説です。
また、その裏には「AIによるランキングシステムの高度化がある」と読んでいます。
すなわち、トピックの深さや一貫性、有用性、ブランドの信頼性などをAIがより高度に判断できるようになり、それを前提としたランキングシステムへと移行・高度化しているということです。
「SEOのルールは変わらず、強化されただけだ」という説は、私の狭い観測範囲での変化とも一致しています。
やはり「これまでのGoogleの評価がより深く、厳しくなった」という見方には、一定の納得感があると考えます。
EasyInsightsはコアの評価基準に「調整が入った」と判断
EasyInsightsの記事「December 2025 Google Core Update: Post-Rollout Analysis for SEO Teams」では、今回のコアアルゴリズムアップデートは「スパム・ペナルティ目的ではない、通常のコアアップデート」で、検索意図への整合や有用性の再評価をより「広く行う」調整型のアップデートだと整理しています。
EasyInsightsの整理では、変動が大きかったのは 6〜20位あたりの中位帯(丸ごと消えるというより並べ替えが起きた)とし、強いドメインでも、検索意図のカバーが薄いページは弱かったという点にも触れています。
また、以下の点についても言及していました。
- テンプレ量産のような“過度に最適化された構造”で差別化が薄いページは選択的に下がった。
- 逆に、トピックの「所有感(topical ownership)」とエンティティ整合が明確なサイトは比較的強かった。
結論として、今回のコアアルゴリズムアップデートは「Googleが新しい考え方やルールを持ち込んだ」というより、既存トレンド……意図充足・網羅性・本当のユーザー価値をより精密に評価する方向……を再確認した更新だとまとめています。
December 2025 コアアップデートをGoogleはどうアナウンスしたか?

Googleの公式発表(Search Status Dashboard/Google Search Centralの告知/Search Centralドキュメント)に基づいて、December 2025コアアップデートを端的にまとめます。
| 項目 | 内容(公式) | 日本時間(JST)換算 |
| 名称 | December 2025 core update | |
| 開始 | 2025年12月11日 09:25(米国太平洋時間) | 2025年12月12日 2:25 |
| 完了 | 2025年12月29日 11:00(米国太平洋時間) | 2025年12月30日 4:00 |
ロールアウト開始時点で Google は「完了まで最大3週間かかる可能性」があると告知。告知チャンネルは、Google Search Central(X)で「本日リリースした」と、いつも通りの発表を行いました。
また、公式ドキュメントによれば、Googleはこのコアアップデートを「年に数回行う、検索アルゴリズム/システムへの大きく広範な変更」と説明しています。また、これもいつも通りですが、Search Consoleでの評価は少なくとも1週間待ってから比較分析することを推奨しています。
従って、この記事はややフライング気味であるといえます。その点はご了承ください。
筆者はGoogleの公式アナウンスを100%信用してはいませんので、参考程度に見ています。
まとめ「Googleは全体的にハードルを上げてきた」

今のところ(2025年12月31日)見解を出している海外のSEO会社は、今回のコアアルゴリズムアップデートを以下のようにとらえています。
今回の特徴は、「新しい評価軸を追加して一気に価値観が変わった」というより、既存の品質シグナル(有用性・関連性・検索意図への一致・権威性など)の“配点”を調整して、相対評価を作り直した、という理解が現在のまとめとなるでしょう。
- SEO Sherpa はこれを「Fix(修正)ではなく Refinement(精密化/重み付け調整)」の方向だと表現しています。
- EasyInsights は「絶対的な降格ではなく、同一SERP内で“より意図に合うページが上がる”相対評価」と説明しています。
ウエブサイト(コンテンツ)を制作している私の立場からは「AIの精度が上がり、小規模サイトについては専門性をより具体的かつ厳しく見られるようになった」と感じられます。
ご意見や補足があれば、コメント欄でお知らせください。