いくつかのサイトで「不動産投資に失敗する人の特徴」という記事が掲載されています。しかしよく考えると、失敗する人の特徴はすべて「不動産投資を事業として考えていない(勉強していない)」という点にまとめられそうです。

私は沖縄県で不動産会社を経営してきました。市街地の、ごく普通の住宅も扱いましたが、得意だったのはリゾート系の投資案件。民泊物件への投資も、コロナ以前は多く問い合わせをいただきました。

では、不動産投資に失敗した人は、どんな特徴があったのかを振り返ってみます。
質問が漠然としている

経験上、質問がピンポイントでくる人は投資がうまくいきます。漠然としていて「何を聞かれているかわからない」という人は、ハズレ物件を引いてしまいがちです。
意外と経験するのですが、物件問い合わせの電話でいきなりこう尋ねる人がいます。

これはエスパーでもない限り答えられません。購入の目的も、現金購入か融資利用かもわからず「いいの?」と聞かれても、何を答えていいのかわからないからです。
これほど極端でなくても、質問が漠然としている人はよくいます。
敏腕経営者の質問はピンポイントだった

逆に超ピンポイントで質問が来たのは、有名なリゾートホテルチェーンを経営するKさんと、沖縄県内で有力なリゾート系企業を経営するMさんでした。
「面積は?」
「前面道路の幅員と種類は?」
「目の前のビーチとの高低差は?」
目の前の物件を見ただけで頭の中にざっくりと事業計画が思い浮かび、それに必要な数字を尋ねてくる、というスタイルでした。
おふたりとも必要なことを聞くと「ありがとう」と言って、いったんその場の会話は終了。知りたいことがはっきりしていると感じさせられました。
これに対して質問が漠然としている人は、一から十まで不動産屋に聞こうとします。もちろん正確にお答えするように努力しますが、ある程度勉強してから質問しないと、結局最後まで自分が何をしようとしているかわからないと思うのです。
人の話を聞いていない

説明してもほとんど内容を聞いていない人も、時々います。
不動産業者としてどんなに良心的な提案をしても、あまり聞いていもらえないことは時々あります。こういう人は失敗する確率が高いと思います。
たとえば、土地を購入して高値で売却する。いわゆるキャピタルゲインを狙う場合にも、購入前に綿密な調査が必要です。
しかしあまり調査をせずに、個人売買で水道が引けない土地を買ってしまった方からの相談を受けたことがあります。お名前を仮にAさんとしておきます。
その土地の状況は以下のようなものでした。
- 私の査定では坪単価15000円だが、Aさんは坪4万円で購入
- 4万円で買ったので4万円以上で売りたいとのご希望
- 数百坪と広いので分筆を提案したところ、費用がかかるので却下
私が提案したのは以下のような売却プランでした。
- 売却イメージが立てづらいので数年単位の売却活動を前提とする
- 売主様は井戸を試掘する
- 仲介業者は周辺で飲料水を購入できるルートを調査し広告に掲載する
- 1社では手に負えないので、一般媒介で他社にも任せる【最重要】

実は沖縄県内には、水道がない場所に井戸を掘って営業している宿泊施設が存在します。ですから、この土地でも井戸が掘れれば売却チャンスが広がると考えたのです。
Aさんから「ではそれで」という返答をもらい、広告・営業活動を開始して半年後のこと。

と、Aさんより電話が入りました。媒介契約締結前に、けっこう詳しく説明したことが通じていなかったようです。この物件は、数年単位の粘り強い売却活動が必要なのですが…。
結局Aさんより媒介契約解除の申込みがあり、解除に至りました。その後、残念なことにAさんは通常の住宅売却が得意な普通の全国チェーンの仲介業者に、専属専任媒介で売却を依頼したそうです。

かなりいい提案をして、聞いてもらえなかったときは凹みます。しかし私は凹むだけですみますが、悪手を選択したご本人はもっと大変だろうと思います。
結局、勉強していない人が失敗する
もうひとつ、残念な事例が記憶に残っています。一般媒介だったので、力及ばず他社さんで成約した9室のコンドミニアム。購入したのは医師の方でした。
当時私の会社では民泊の運営も受託していたので運営については打診をいただき、年間の事業計画案をお出ししました。稼働率は沖縄の民泊施設の平均より若干高めの年間42%。そしてその稼働率を達成するための施策も提案しました。ところが、提案は却下されました。

それが理由でした。どうやらこの物件の購入者さんは、仲介した業者から「年間稼働率70%」程度、と言われていたそうです。そしてそれを信じていたようなのです。
観光庁が出している統計を見ていれば、70%は考えにくい数字だとわかったはずです。しかもその統計は、観光庁のサイトからPDFでダウンロードでき、誰でも閲覧可能です。そうすれば当時の沖縄の民泊施設(簡易宿所)の平均稼働率(年間)が31.6%だとわかったはずです。

ひと手間を惜しまずに資料をダウンロードして、自分の目で見るだけでよいのですが…。
ポイント
結局、質問が漠然としている人は「あらかじめ自分で勉強してから物件について尋ねる」ということをしておらず、人の話を聞いていない人は「他人の知識による学びを得よう」としていないのだと思います。いずれも、不動産投資を事業としてとらえることを前提に、「学ぼう」という気持ちがあれば解決できるのではないかと思っています。

また、以下の記事も不動産投資を考えている方に役立つかもしれません。