大阪で築25年の中古住宅を買う場合、阪急沿線と京阪沿線なら「阪急」を選ぶのが正解。その時代の物件なら、阪急沿線の方が明らかにクオリティーが高いのです。
気になる理由や背景、失敗しない中古住宅の選び方を現役の大工さんに聞いてきました。
大工さんが指摘する「京阪より阪急沿線で買うべき理由」とは?
この記事を作成するにあたって、TOMY建築工房さん(大阪府寝屋川市)を取材しました。
今と違って25~30年ほど前は、阪急沿線と京阪沿線で工務店の実力にものすごい差があったんです。ちょっと越えられないほどの実力差でしたね!
その当時の建物が築古物件となった現在、安心して買えるのは阪急沿線です。
それを前提に考えると、中古物件を選ぶ際には「ハズレ物件が多いエリア」「ハズレ物件を引きやすい条件」が存在しているのです。
大手メーカーの注文住宅なら、全国的にハズレが少ない
築古の中古戸建てを買うときは、大手メーカーの注文住宅を狙えばハズレが少ないといえます。もちろん25年前、30年前の材料は今より性能が劣るケースが多いですが、それでもその時代の良質な建材・資材を使って建てられています。
また、大手メーカーの仕事をする大工さんは、やはり腕もよく仕事ができました。
よい大工さんがよい材料を使って建てた家なので、現在でも比較的狂いが少なく、構造の補修・修理に思わぬ出費をしてしまう確率を減らすことができます。
ポイント
築25年、築30年にもなると、どんな建物もひとくくりで「価値なし」と判断されます。大手メーカーの建物であっても低評価されていますので、私たちにとっては「狙い目」と考えられます。
よく言われることですが、建売住宅より注文住宅の方がクオリティーが高い傾向があるので、大手メーカーが造った住宅で、なおかつ注文住宅を狙うのが正解です。
大手メーカーの注文住宅であれば、どんなエリアに建てられていても、一定の水準は担保されています。
軽量鉄骨造が多いのも大手メーカーの魅力
大手ハウスメーカーの中には、セキスイハウスなど軽量鉄骨造を得意とする会社がいくつかあります。
こういったメーカー製の軽量鉄骨造であれば、昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた物件であっても、最低限の耐震性能はクリアしています。現在耐震改修の必要性が叫ばれているのは、旧耐震の木造住宅です。
少し面倒な話をすると、小規模な木造建築物は建築基準法では「四号建築物」と呼ばれており、構造計算が不要です。この古い四号建築物が危ない、ということです。
ところが、軽量鉄骨造の場合は構造計算が必要なので、昔の建物であっても震度6強の地震には耐えるように設計されています。
軽量鉄骨造建物の耐震性能に関しては、耐震設計を得意とする一級建築士をはじめ、複数のルートで確認を取っています。ネット上では真逆の話が書かれていることもありますが、専門家の意見とは異なりますので注意してください。
ただし、軽量鉄骨造のデメリットは、いざ耐震診断をしようとしたときにお金がかかってしまうこと。構造計算をやり直す必要があるので数十万円程度はかかるといわれています。また、自治体の補助も出ません(ごく一部で補助をしてくれる市町村がある程度です)。
中古住宅+リフォームでできることを整理しよう
中古住宅を購入した後で「えっ! ここリフォームできないの」と気づいてしまうと、後戻りが難しくなります。
中古住宅を探し始める段階で、どんなポイントはリフォームが容易で、どんなポイントは難しいのかを把握しておきましょう。
特に要望が多い間取り変更などは、建物構造によって簡単だったり難しかったり様々です。こういった知識は、内覧する物件を決める段階で調べておくのがベストです。
間取り変更をしたい場合のポイント
大前提として「耐力壁は抜けない」という制限があります。
耐力壁とは、建物を支えている壁のことで、壁で構造を支えるツーバイフォーなどは耐力壁が多くて間取り変更がしにくいのが特徴。ここでは一戸建て住宅の代表的な工法と、間取り変更の難易度を見ていきます。
木造軸組工法
間取り変更自由度:★★★
在来工法とも呼ばれる木造軸組工法は、現在に至るまで最も一般的な建築構造です。
構造の特徴としては、上からかかる重量には柱と梁で構造を支え、横からの力には筋交いで抵抗しているという点があげられます。
間取り変更は比較的容易で、構造を支えていない、いわゆる内壁であれば抜いてしまっても問題ありません。
ただし、最近の木造軸組工法は耐力壁を多めに配置していますので、何でもいいから壁を抜いてしまうというのは厳禁! 安心して暮らすには、建築士さんの意見を前提としたリフォームをおすすめします。
ツーバイフォー(2×4)
間取り変更自由度:★☆☆
別名パネル工法ともいい、パネル状の壁や床を組み立てて建物を造っていく工法です。壁や床、天井のパネルが構造を支えるため、それらの部材は抜くことができません。
壁で構造を支えるツーバイフォーは、間取り変更の自由度が低いケースが多く、窓を大きくするようなリフォームにも制限が多くなります。
軽量鉄骨造
間取り変更自由度:★★☆
物件によって間取り変更の自由度がかなり違う、というのが特徴です。
軽量鉄骨造は鉄製の柱と梁、ブレース(筋交い)で構造を支えているのですが、小規模な一戸建てでは大回りの壁(建物外周の壁)だけで構造を支えているケースがあります。
この場合は内壁をすべて抜いてもOK。自由なレイアウト変更が可能です。
一方、建物内部の壁でも構造を支えているケースがあり、こういった壁は抜けませんし、場合によってはブレースが邪魔で壁を抜けないといったこともあります。
新築当時の設計図書を建築士さんに見てもらい、その上で相談できればベストです。
鉄筋コンクリート造(RC造)
間取り変更自由度:★★☆
鉄筋コンクリート造には2種類あり、間取り変更自由度がまったく違います。
- ラーメン構造
- 壁式構造
の2つがあり、ラーメン構造は柱と梁で構造を支えるため、比較的自由に間取りを変更できます。一方の壁式構造は、壁で構造を支えるため、間取り変更の制限がたいへん大きくなります。
鉄筋コンクリート造の建物を内見する場合、少なくともどちらの構造かは確認しておく必要があります。また、壁式構造の場合はどの壁が耐力壁なのか聞いておいてください。
増築は慎重な検討が必要。できれば建築士に相談を
不動産会社を経営している時、多くの中古物件を見てきました。その中で、増築をしている建物にはある特徴がありました。
増築物件には雨漏りが多い……。
国土交通省がまとめた『既存住宅流通・リフォーム市場の現状』という資料では、リフォームに関する相談件数ダントツ1位が「雨漏り」でした。
この点を考慮すると、増築はそもそもおすすめできません。もちろん増築してもずっと雨漏りしない家もありますので、どうしても増築したい! となったら、本当に信頼できる工務店を探すことを重視してください。
リフォームの見積りサイトを利用するとしたら、安さばかりをウリにしているところが多いので、リクルートが100%出資しているホームプロなど信頼できる業者を紹介してくれるサービスを使ってください。
参考ホームプロ……リクルート100%出資なので安心
窓を増やしたい場合はどうすればいい?
間取り変更の項目でも解説したように、耐力壁を抜くことはできません。そのため、耐力壁に新しく窓を増設することは避けましょう。
もうひとつ注意したいのが、耐震改修との兼ね合い。
木造軸組工法であれば、大回りの壁(建物外周の壁)であっても筋交いがなければ窓を増やすことは可能です。
しかし、耐震診断や耐震設計の結果、そこに筋交いを入れたいということになる可能性があります。
そこで、窓を増やせるかどうかは耐震診断や耐震設計を待って決める必要があると考えてください。
トップライトや吹き抜けを作ることはできる?
トップライト(天窓)については、増設できるケースが多いといえます。ただしあまり大規模なものだと構造上影響が出ることもあるので、建築士さんに相談すべきです。
吹き抜けに関しても、構造に影響を与えない場合は増設可能。こうったリフォームは、多くの工務店さん、大工さんが相談に乗ってくれるはずです。
小屋裏を収納にリフォームできる?
建築基準法の絡みがあり、小屋裏(屋根裏)に収納を増設できるケース、できないケースがあります。ただし、高さ1.4m以下の狭い小屋裏であれば床面積に算入されないため、法律の制限を受けずに増設可能です。
信頼できる施工業者をネットで探す方法
当サイトでは、いろいろなリフォーム見積りサイトを比較した結果、リクルートが出資している「ホームプロ」がよいと判断しています。
複数の工務店に見積り依頼できるサイトはいろいろありますが、どこも「格安」「激安」などをウリにしています。その点、ホームプロは「どうしたら安心してリフォームを依頼できるか」に重点を置いています。
参考ホームプロ……リクルートが100%出資。安心して利用できます
とくにおすすめできるポイントは以下の4点です。
- 厳しい審査を通過した1200社から自分に合った会社が選べる
- 工事完成保証が無料でつけられる
- 専用画面を使って匿名でいろいろ相談可能
- 9万件以上の写真付き事例を見て施工会社に相談できる
ホームプロはリクルートが100%出資しています。コンプライアンスにも配慮されており、中立的な立場でリフォーム会社を紹介してくれます。
たとえば、リフォーム中に施工会社が倒産するなど万一の場合に備えて、ホームプロでは「工事完成保証」を付けています。施工会社が倒産しても代替業者が完成まで引き受けてくれるなどのサポートは、無料で保証されています。
豊富な事例写真を確認した上で、匿名でのリフォーム相談が可能なので、聞きにくいことも確認することができ、リフォームで失敗する確率を少しでも減らすよう工夫されています。
参考ホームプロ……リクルートが出資する安心のサービス
水回りは移動も可能。ただしそれなりのノウハウは必要
キッチンやトイレの場所って移動できるんですか?
というのはよくある質問です。
実はけっこう自由がきくのですが、配管の勾配だけは気をつけたいポイントです。トイレを移動したら逆勾配になり水が流れない……といった場合は、その位置にトイレを持ってくることはできません。
水回りはコストがかかるポイント。施主支給も視野に入れて
一戸建て住宅や分譲マンションで使う設備であれば、普及クラスのシステムキッチンや洗面化粧台でも、かなりちゃんとした製品です。
私の場合は、たとえばLIXILのシエラあたりを使って、水回り3点(システムキッチン、トイレ、システムバス)交換で100万円位を目安にしています。
ホームプロなどを利用して見積りをとってみて、この部分が「高いな」と感じたら、施主支給が可能かどうかも問い合わせてみてください。ホームプロは匿名で質問できるので、こういった点もどんどん問い合わせ可能です。
施主支給をするなら、アウンワークスがおすすめです。野原産業(業界では非常に有名です)が運営するオンラインの建材系ECサイトで、私たちが仕入れる価格とほとんど同じレベル。
参考アウンワークス……建材をプロ価格で買えるサイト
アウンワークスなどで購入した資材・建材を施主支給して、しっかり施工できる工務店さんが組み付けを引き受けてくれたらベスト。コスト面でも品質面でも納得いくリフォームができるはずです。
アウンワークスのアウトレットコーナーに出ている床材は超おすすめです。
昭和56年以前の建物の耐震改修はほぼ「必須」
築古物件を購入する時は、必ず耐震診断や耐震補強を予定に入れておいてください。
耐震化を促進したいという国の政策もあり、耐震改修は年々安くなっています。また、自治体の補助を受けることもできます。
この点の費用をざっくりとまとめると、次のようになります。
- 多くの自治体(市町村)が想定する耐震改修の費用は150~200万円。
- 自治体の耐震補助はざっくり50万円ほど出る(ただし自治体によりバラバラ)。
リノベーションと同時に耐震補強をすれば、上記の150~200万円というのは大幅に安くなります。どっちにしても床をはがしたり壁をはがしたりするので、その費用を無視できるからです。
ものすごくざっくり言うと、リノベと同時に耐震改修をすれば、費用的には50~100万円見ておけばOK。
ということになります。
ただし、注意点がひとつあります。自治体の耐震補助の申請はだいたい4月なので、その時期に申請して、夏か秋ぐらいに着工するイメージで計画を立ててください。
また耐震改修に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
後で説明しますが、耐震改修すれば築古の中古住宅でも住宅ローン減税を受けることができます。長い目で見れば減税分でリフォームコストを回収できてしまいます。
電気のコンセントやテレビアンテナの位置は自由がきく
電気のコンセントを増やしたり、あとからダウンライトを増設したり……という工事はかなり自由に行えます。
壁をはがさずにコンセントを移動することも可能です(状況によってどうしても無理なこともあります)。
昔の住宅ではテレビアンテナの端子がリビングに1個だけ、というケースもよくありますが、これも意外と自由に増設することができます。
ただし、電気やガスの工事は資格を持った専門家しかできません。激安工務店の中には大工さんが施工しているケースも見受けられます。
こういった点もきっちり資格者に施工させている業者を選ぶと安心できます。
リフォーム前提で中古住宅を買う場合のチェックポイント
TOMY建築工房さんに、中古住宅を選ぶ際のポイントを尋ねてみました。プロでも直せないような問題点はありますか? と尋ねると……。
ないです。プロなら何でも直しますよ。
との返答が! しかし、腕のいい大工でもてこずるのは次の2点です。
- 基礎が傾いたり大きな亀裂がある
- 大規模な雨漏りがある
ちなみに、基礎が傾いていても大工さんなら直すことは可能です。問題はコスト面で、そこまでするなら新築したほうがよいというのがTOMY建築工房さんの意見。
また大規模な雨漏りがある場合は、雨漏りが原因で建物の構造が傷んでいる場合が多いので、これも避けたほうが無難です。
その他致命的ではない部分のチェックポイント
その他、何とかなる場合が多いけれど、注意したほうがいいポイントは以下の通りです。
- 断熱材が入っているか確認
- 床・壁の水平・垂直が出ているか確認
- 耐震補強が必要かどうか確認
30~40年前の住宅だと、断熱材が入っていない物件もけっこうあります。どうせリフォームするのでその時に断熱材を入れればOKですが、入っているに越したことはありません。
床や壁の水平が出ていない住宅もけっこうあります。私は自宅を探すために様々な中古住宅を内覧した時、BOSHの安いレーザー墨出し器を利用しました。
こういうもので測ると、何割かの住宅は床の水平が出ていないことがわかります。床が傾いている住宅はイメージよりけっこう多いので注意してください。
さらに詳細に見ていく場合は以下のポイントも確認してみてください。
- 現在の法律に違反していないか確認
- 水道の管径は20ミリ?13ミリ?
- 和室と廊下・洋間との段差はないか?
現在の法令に違反している既存不適格建築物であるかどうかは、案内してくれる不動産屋が必ず調査しています。もし既存不適格だったとしてもリフォームに支障はありませんが、将来建て替えるときに同じ規模の住宅が建たなかったり、そもそも再建築不可の可能性があります。
この点については以下の記事で詳しく解説しています。
参考再建築不可に抜け道はあるのか!?非道路と判定されても粘って調べる方法
水道の管径については、現在20ミリが一般的です。昔の建物では13ミリのケースが多いのですが、13ミリだとお風呂を入れながら食器を洗いながらトイレを流したりすると、がっくり水の出が悪くなったりします。水道管を取り替えた方がよいか流用できるか、建築士さんの判断が必要になるので、一応確認しておくとよいでしょう。
またバリアフリーの概念があまりなかった時代は、住宅内に細かい段差があるのが普通でした。和室の床がちょっと上がっている……などはよくあるので、確認しておくとよいでしょう。もし段差があれば、和室を洋間に変更する場合に少し手間がかかります。
シロアリの兆候がある場合は、以下の記事を参照してみてください。
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中古住宅+リフォーム。リノベ予算は600万円を基準に
内外装を改修するフルリノベをしたいけど、予算がわからない。
そんな場合はフルリノベがギリギリ狙える600万円を基準にすると、資金計画的にはコスパががよくなります。
リフォーム箇所 | 大まかな予算 |
外装(外壁・屋根) | 150万円 |
耐震改修 | 150万円 |
内部工事 | 300万円 |
ざっくりですがこの予算感に収まらない部分は機能に関しては不要な場合も。それが本当に必要かどうか再確認してみて「どうしてもほしい」と思う工事なら、追加していくスタンスでいいのではないでしょうか?
予算の組み方について詳しくは以下の記事を参照してみてください。
参考中古住宅のリフォームはどこまですべき?予算600万円を推奨する根拠とおすすめ予算配分
外壁塗装に関しては、以下の記事を参照してみてください。大幅コストダウンの可能性があります。その分、内部工事に予算を回せるかもしれません。
参考【外壁塗装】助成金頼みはNG!お金がないとき本当に役立つ3つのノウハウ
耐震改修に関しては、以下の記事にまとめています。
水回りの考え方は、すでに述べた通り3点まとめて100万円くらいというのが最低ラインの予算感です。
システムキッチン、システムバス、洗面化粧台を最低限納得のいくものに変更した場合に100万円程度かかります。100万円ほどみておけば、普及価格帯の新築建売住宅と同等レベルにリフォームすることができるので、けっこう満足できると思います。
もし見積りの項目を合計してみて3点セットの価格より大幅に高い場合は、その部分に工夫の余地があると思います。
「中古住宅+リフォーム」=まとめて住宅ローンが正解
中古住宅を買ってリフォームして住む場合、借り入れの方法は2パターンあります。
- 物件費用とリフォーム代金の両方を住宅ローンに組み込む
- 物件費用を住宅ローンで支払い、後からリフォームローンを組む
この2つを比べると、断然①が有利です。
利率 | 融資期間 | |
住宅ローン | 0.5%前後 | ~35年 |
リフォームローン | 3~5% | ~10年 |
表にして比べると一目瞭然ですが、リフォームローンはかなり不利です。それなのにあえてリフォームローンを選ぶ人がいる理由は、物件を買う手続きをしながらリフォーム代金までローンを組むのは、かなり面倒だからです。
手続きひとつをとってもリフォームローンなら担保設定(抵当権の設定)が不要なことが多いのに対して、住宅ローンでは必ず担保設定が必要です。
それだけではなく、まだ購入していない物件のリフォーム代金を元に金融機関と相談をしていく必要があります。けっこうハードルが高い作業です。
そこで、金融のプロがアドバイスしてくれる「モゲチェック」というサービスをおすすめします。ユーザーが借り入れできる最も有利な金利を提案してくれるほか、面倒な手続きを大幅にサポートしてもらえます。
参考リフォームするならモゲチェックで住宅ローンの借り換えを検討
昔は不動産屋が手探りでやっていたような作業を、金融のプロが引き受けてくれます。精度の高い住宅ローン選びが可能になりました。
中古住宅の補助・減税まとめ
国や自治体の補助・助成金はおおむね以下の3つのパターンが用意されています。このうち、耐震リフォームについてはすでに解説しました。
- 耐震リフォーム
- 省エネリフォーム
- 介護(バリアフリー)リフォーム
省エネリフォームは、太陽光発電システムやCO2冷媒ヒートポンプ給湯器、家庭用燃料電池などの省エネ機器を設置するリフォームに対して、国や自治体が補助する制度です。募集時期や補助金の額は自治体によって違うため、自分が住んでいる市町村で確認する必要があります。
バリアフリーリフォームは、介護保険適用を受けている高齢者がいる世帯で使える補助。段差を解消したり手すりを設置するバリアフリーリフォームに対して最大20万円補助されます。
ポイント
こういった補助金申請にしっかり対応してくれる工務店、リフォーム業者を選べると安心です。そういった点でも、見積依頼や発注にはホームプロがおすすめです。
中古住宅購入+リフォームで使える減税措置
中古住宅は新築住宅に比べて税金面で不利だという話はよく聞きます。しかし、リフォーム・リノベーションが前提であれば、新築住宅に匹敵する減税措置を受けることが可能です。
なかでも大きいのは住宅ローン控除ですが、要件に「築20年以内」という項目があり、ここであきらめてしまう人もいます。しかし、築古の中古住宅であっても住宅ローン控除を受けることは可能です。
要耐震改修住宅で住宅ローン控除を受ける方法
築20年以内という経過年数要件や、耐震基準を満たさない住宅を「要耐震改修住宅」といいます。
要耐震改修住宅であっても、要件を満たす耐震改修工事を行えば、以下の減税(特例)措置の対象になります。
- 住宅ローン控除
- 不動産取得税の特例
- 相続時精算課税の特例
住宅ローン控除も受けられるようになりますし、親から資金援助を受けても贈与税が課税されないため、かなり有利になります。
ただし要件や申込み時期が決まっているので、手順を間違えないようにしてください。
まず、購入申込みの後、残金決済・所有権移転登記の前に「耐震改修を行う申請」が必要になります。
入居前に耐震改修を終えておき、耐震基準適合証明書を入手します。耐震基準適合証明書は、耐震改修を担当した建築士さんにお願いしてください。
耐震改修を行う建築士や工務店さんの協力が必要なので、早めに相談しておいてください。また、手続き自体は税理士に頼むか自分で行う必要があります。いずれにせよ確定申告が必要です。
省エネ・バリアフリー・耐震リフォームの減税
住宅の性能をアップさせるリフォームを行うと、所得税や固定資産税が減税される制度もあります。
投資型減税
工事費などの10%が所得税から控除される制度です。ローンを組まなくても利用できます。
工事限度額 | 控除率 | 控除限度額 | |
省エネ | 250万円 | 10% | 25万円 |
バリアフリー | 200万円 | 10% | 20万円 |
耐震改修 | 250万円 | 10% | 25万円 |
2021年12月までに入居することが条件です。
ローン型減税
返済期間5年以上のリフォームローンを組んだ場合に使える制度です。年末のローン残高のうち一定の割合を所得税から控除でき、期間は5年間。投資型減税とは併用できません(耐震は併用可能)。
工事限度額 | 控除率 | 控除限度額 | |
省エネ | ~1000万円 | 1%/2% | 62.5万円 |
バリアフリー | ~1000万円 | 1%/2% | 62.5万円 |
2021年12月までに工事を終えることが要件です。その他細かい要件は税務署等で確認できます。
固定資産税
省エネ・バリアフリー・耐震リフォームなど一定の工事を行うと、固定資産税が減額される制度です。対象は50万円を超える工事です。
工事完了時期 | 減額期間 | 控除額 | |
省エネ | ~22年3月 | 1年度分 | 税額の1/3 |
バリアフリー | ~22年3月 | 1年度分 | 税額の1/3 |
耐震改修 | ~22年3月 | 1年度分 | 税額の1/2 |
控除額は家屋の固定資産税の1/3または1/2です。省エネとバリアフリーを併用することができます。
両親等からリフォーム工事代金の援助を受けた場合
両親や祖父母からリフォーム費用を援助してもらった場合に、一定額まで贈与税が非課税となる制度もあります。期間は2021年12月まで。金額は1000万円までですが、一定の基準を満たすリフォームを行うと1500万円まで非課税となります。
中古物件を購入し、両親の援助でリフォームをしたい、という場合にはぜひ利用したい制度なので、忘れずに申告してください。
詳細はあらかじめ税務署か市町村の無料税務相談などを利用して確認しておくとよいでしょう。
中古住宅を安く買い快適にリフォームするポイント(記事まとめ)
[toc]
この記事は築25~30年を経過した「土地値」物件の中からお宝を探して、500万円を目安にリフォーム・リノベーションをしようという趣旨で作成しました。
- 築古の土地値物件でも大手メーカーの注文住宅はねらい目
- 建物構造ごとの間取り変更のしやすさ
- リフォーム箇所ごとの難易度
上記のようなポイントを解説しています。助成金・補助金や税金についても簡単に触れていますが、詳しくは以下のページも参照してみてください。
参考【外壁塗装】助成金頼みはNG!お金がないとき本当に役立つ3つのノウハウ
もし「自宅を売却して住み替えを予定している」という場合は、以下の記事も参考になります。
参考居住用財産の3000万円控除。自宅を売却した時の手続きと必要書類まとめ
この記事で紹介したサイト・サービス
補助金や助成金などをしっかり狙い、安心してリフォーム・リノベーションをするなら、リクルートなど大手企業が出資するホームプロを利用してください。
参考ホームプロ……リクルートなど大手が出資。安心して利用できます
そのうえで価格を見直す、施主支給を検討するといった場合はアウンワークスが使えます。キッチンやトイレなどの設備も安いですが、一番見ておきたいのは床などの建材。かなり安いので、仕入れ先として押さえておきたいサイトです。
参考アウンワークス……建材をプロ価格で買えるサイト
取材協力
この記事を作成するにあたって、私の自宅の内装工事や事務所の外壁工事をお願いした、大阪府寝屋川市のTOMY建築工房さんに協力をお願いしました。
TOMY建築工房
大阪府寝屋川市の大工さん/中古住宅のリフォームも、新築住宅も手がけています。
連絡先は現在非公開なので、問い合わせは当サイトのお問い合わせフォームからお送りください。