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羽蟻を見たら即シロアリ対策が必要?シロアリか黒蟻かの見分け方も解説します

2024年6月現在、沖縄県、広島県、石川県、宮城県にシロアリが多発しています(シェアリングテクノロジーのシロアリ発生指数による)。

シロアリの羽アリを見て、慌ててシロアリ防除工事を依頼するケースは多いと思います。その時、注意したい点は2つ。

  1. 羽アリが窓の外から侵入しているか、建物内部から飛び立っているか?
  2. 羽アリの翅(羽)や触角の形からシロアリと判断できるか?

シロアリの羽アリが建物内部から飛び立っている場合は緊急性が高いので、早めにシロアリの調査を依頼してください。調査だけなら無料の場合が多いですから、急いだ方がよいでしょう。建物内部に、シロアリが大規模な巣を作っている可能性があるからです。

当サイトではシロアリ防除について、東証上場企業が運営しており安心して依頼できるシロアリ110番をおすすめしています。調査は無料ですし、不要なオプションを勧められることもありませんでした。実際に防除工事をしてもらった時のレビューは、以下の記事で読めます。

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これってシロアリの羽アリ?見分け方はココ

今目の前に羽アリがいる場合、上の2つのチェックポイントに注目してください。

  • シロアリの触角は数珠状、黒蟻はくの字
  • シロアリの翅は4枚同じ大きさ、黒蟻は違う

とりあえずこのポイントを押さえれば、シロアリか黒蟻かは判断できると思います。

この記事ではさらにくわしくシロアリと黒蟻の見分け方を解説するほか、シロアリの羽アリはなぜ、いつごろ大量発生するのかを見ていきます。

羽アリは新しい巣を作るために一斉に飛び立つ

ヤマトシロアリの羽アリ

夏前の蒸し暑い日の夕方、窓ガラスにシロアリの羽アリがむらがってきます。羽アリには雄と雌の両方がいて、その後つがいになり、新たなシロアリの巣を作ります。

このようにシロアリが一斉に飛び立つ現象を群飛(スォーム)と呼びます。

羽アリは巣の近くの蟻道を破って群飛を開始しますが、天候が悪い日や風が強い日には飛び立ちません。

群飛開始後しばらくすると雌雄がペアになり、建物の隙間から内部に侵入したり、土の中に潜っていきます。この雌雄のペアは創設女王と王になり、卵を産み、繁殖をはじめます。

羽アリがなかなか翅を落とさない場合は要注意!

地図出典:国土地理院ウェブサイト

シロアリの羽アリが群飛する範囲は2~300m程度。風に乗って建物の4階相当の高さに舞い上がることもあります。

羽アリの翅は、群飛し始めてから数分~十数分で脱落します。そこで、羽アリが家の中に入ってすぐに翅を落とす場合は遠くから飛んできている証拠。

一方、家の中で飛んでいる羽アリがなかなか翅を落とさない場合は、近くから飛び立っている可能性が高いため、より厳重な注意が必要です。

気になる場合は以下の記事で、シロアリ防除必要度をチェックしてみてください。

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シロアリの羽アリと蟻の羽アリの見分け方

記事の冒頭で、最もわかりやすい蟻とシロアリの見分け方を解説しました。触角の形が明らかに違っていますので、そこで見分けるのがひとつの方法です。

触角の形が一番わかりやすい

シロアリの羽アリはずんどうで、蟻の場合はクビレがある

羽アリだけでなく、シロアリは全体的にずんどうに近い体型をしています。それに対して蟻はクビレがあるので、そこで見分けるという方法もあります。

シロアリは昆虫分類学上シロアリ目(等翅目)に属する昆虫でゴキブリに近い仲間です。一方、蟻はハチ目(膜翅目)に属するため、ハチに近いプロポーションのいい体型をしています。

シロアリの昆虫分類学上の特徴については、以下の記事でも触れていますので、ぜひご参照ください。

参考シロアリはゴキブリの仲間って本当?2億年の歴史を持つシロアリを解説

シロアリの羽アリは翅の大きさが全部同じ

シロアリの羽アリの翅は4枚。左右に2枚ずつある翅の大きさはすべて同じくらいというのが特徴です。

これに対して蟻の羽アリの翅は、同じく4枚ですが、前の翅が大きくて後ろの翅が小さいという特徴があります。

翅を落とす前の羽アリであれば、その形にも注目してみてください。

シロアリの羽アリは自分で翅を落としてしまう

シロアリの羽アリは群飛を終えた後すぐ雌雄のペアになり、翅を落としてしまいます。シロアリの羽アリの付け根には、切離線というキリトリ線のようなものがあり、簡単に翅を切り離してしまいます。

そして、翅を落とした雌雄のペアはつながって歩きながら、新しく巣になる場所を探します。

これに対して、蟻の羽アリは切離線がなく、簡単には翅を落としません。また、雌雄は空中で交尾するため、着地後につながって歩くこともありません。

着陸後すぐに翅を落としてペアで歩き始めたら、シロアリの羽アリの可能性が高いといえます。

というわけで以下の4つのポイントを見ると、シロアリの羽アリか、黒蟻の羽アリかを見分けることができます。

  1. 触角がまっすぐで数珠状ならシロアリ
  2. 体型がずんどうならシロアリ
  3. 翅の大きさが全部同じならシロアリ
  4. 雌雄のペアで歩いていたらシロアリ

ここまで読んで「シロアリの羽アリだ!」と思い当たった方は、以下の記事も見てみてください。実際にシロアリ駆除業者を呼んで防除工事をしてもらった記録です。

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シロアリが疑われる場合は、早めに無料調査をお願いしておいた方が安心できます。

ヤマトシロアリは4~5月、イエシロアリは6~7月に群飛する

シロアリの種類によって群飛する時期が異なっています。ヤマトシロアリの場合は、地域により差がありますが、4月~5月の午前中、暖かい日を選んで飛び立ちます。体の色はかなり濃く、ほとんど黒っぽい色に見えます。

イエシロアリの場合は6~7月の蒸し暑い夜に群飛します。体の色はいろいろな資料で黄褐色と表現されていますが、どちらかというと白に近い色合いです。また、イエシロアリの羽アリは夜飛んで、光に集まってくる習性(走光性)があります。

夏前の蒸し暑い夜、白っぽい羽アリがアルミサッシの隙間などから部屋に入ってきますが、それはおそらくイエシロアリです。

室内から群飛するシロアリの羽アリを見つけてしまったら?

これらの時期に家の中からシロアリの羽アリが飛び立っていたら、最も注意が必要な状況です。すでに家の中に成熟したシロアリの巣がある可能性が高いですから、かなりの程度シロアリの被害が進んでいると考えられます。

このような場合、自分でできる事はあまり多くはありません。

絶対にやめておきたいのは、ゴキブリ用などの殺虫剤を撒いてしまうこと。シロアリはゴキブリの仲間ですから、確かにゴキブリ用の殺虫剤で目の前にいる羽アリは死にますが、全体としては状況を悪化させます。

シロアリは臆病な生き物なので、市販されている薬に含まれる成分によって警戒心を強め、巣を異動させてしまいます。そうなると、いったいどこに巣があるのかわかりにくくなり、シロアリを完全に駆除することを難しくしてしまう結果に。

そうならないためにも、忌避性の高い市販の殺虫剤を使用するのは控えておきましょう。プロが使う業務用の薬剤はフィプロニルなど忌避性のない薬品を使いますので、シロアリが逃げてしまうことはなく、シロアリ自身が気づかないうちに、薬剤に触れたり食べたりすることで、巣を全滅させる効果が発揮できます。

どうしても目の前の羽アリを何とかしたい場合は、ティッシュでつまんでポリ袋に入れて捨てたり、掃除機で吸うようにしてください。掃除機で吸われたシロアリは、すぐに乾燥して死んでしまいます。

では、そんなやっかいなシロアリの羽アリは、どこから来るのでしょうか? この後考えてみましょう。

羽アリが新たな巣を作り次の世代を産み育てるサイクル

群飛を終えてペアになった雌雄のシロアリが手頃な場所を見つけると、そこに住み着き、交尾をして卵を産みます。新たな女王と王の誕生です。

女王は最初、卵の世話をして子育てをしますが、子どもたちが大きくなり職アリとして働けるようになると産卵に専念するようになります。

そこからシロアリの巣は巨大なコロニーへと成長していきます。何年かたってその巣が成熟してくると、新たな羽アリが群飛して、また新たな女王と王が誕生します。

シロアリの巣の構成(カスト)は?

シロアリは女王アリと王アリを中心として何世代もが同居する巨大な家族が、それぞれの役割分担を明確にこなしながら生活しています。このような生活を送る昆虫を真社会性昆虫と呼びます。

シロアリの役割分担(カスト・上図)をざっくり分けると、卵を産むものと産まないものに分類できます。卵を産むもの(主に女王アリ)を生殖カスト、産まないものを非生殖カストと呼びます。

非生殖カストの代表格は、エサを集めたり女王や卵の世話をする職アリ(ワーカー)と、兵アリ。兵アリは外敵が来たときに対応するのが仕事です。

巣の中には、女王アリ、王アリ、職アリ、兵アリ以外に幼虫とニンフがいます。

幼虫の中からニンフになった個体は主として、将来羽アリになって巣を飛び出し、群飛していきます。

翅芽を持つ個体

そのため、ニンフの背中には将来翅になる翅芽がついています。

フドマガ
フドマガ
もし女王アリが死んだり卵を埋めなくなった場合、ニンフはピンチヒッターの女王に変身します(副女王)。実は職アリ(働きアリ)がピンチヒッターで女王になるケースもあったりして、シロアリ社会はすぐれたバックアップ性能を備えているといえます。
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参考文献

今井祐嗣・角田邦夫・吉村剛(2000)『住まいとシロアリ』海青社 ISBN4-906165-84-2
山野勝次(2010)「シロアリ目」『昆虫学講座第3回』文化財の虫菌害60号
松本忠夫、三浦徹(2001)「社会性昆虫としてのシロアリ その繁殖戦力とカースト分化」『化学と生物』Vol.39

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