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シロアリがいる家の特徴・いない家の特徴。危険なポイントがわかれば対策方法もわかります

2024年6月現在、沖縄県、広島県、石川県、宮城県にシロアリが多発しています(シェアリングテクノロジーのシロアリ発生指数による)。

シロアリが発生しやすい条件は、まとめると2つしかありません。

  1. シロアリが好む木材があること
  2. 適度な湿り気がありシロアリが活動しやすいこと

日本で住宅に被害を与えるシロアリの大半は地下シロアリに分類され、適度な湿り気がある環境を好みます

そこから、シロアリが発生しやすい危険な家の特徴をまとめると次のようになります。

シロアリ被害にあいやすい家の特徴 チェック
床下換気が地窓(もしくは存在しない)
建物の基礎がベタ基礎でなく布基礎
外壁や屋根の劣化で雨漏りが発生している
基礎断熱を施工している
建物の施工が悪い(基礎などにすき間がある)
水回り(とくに浴室)が在来工法
敷地内に廃材などが放置されている
庭に木や切り株が多い

表の右列にチェックを入れてみて、多ければ多いほどシロアリ被害の危険度が上がります。また、住宅が立っている環境について考えると、以下の条件に該当すると危険だといえます。

シロアリの被害にあいやすい立地条件 チェック
山を切り土した宅地や山の近くの宅地
近くに池や川があり湿気が多い
近所でシロアリ防除工事をしていた
そもそも温暖な地方である

山を切り土して開発された住宅地はかなり危険度が高く、研究論文でもその点が指摘されています(注1)。

フドマガ
フドマガ
ウチは山を切り土した宅地ですが、調査してもらうと見事にシロアリがいました

反対に、シロアリの危険度が低い住宅の特徴は次の通りです。

シロアリがいない家の特徴 チェック
新築から5年以内
最後のシロアリ駆除から5年以内

シロアリの防除が施工されている住宅はほぼシロアリ被害が発生せず、防除工事の効果が切れるとシロアリが発生することがわかっています(注2)。

フドマガ
フドマガ
この記事では「シロアリの被害にあいやすい家」の特徴を具体的に見ていきます。

低価格・高品質でおすすめのシロアリ駆除業者については以下の記事を参照してください。

注1……『腐れとシロアリ被害から家を守る』(角田邦夫)によると「山や丘があれば周辺にシロアリがいると覚悟しなければなりません。」と書かれています。
注2……国土交通省補助事業の『シロアリ被害実態調査』(日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合)によると、シロアリ予防工事の補償期限内の建物に比べて、補償期限切れの建物では約20倍も多くシロアリ被害が発生していると報告されています。

シロアリの被害にあいやすい家の特徴

シロアリの被害にあいやすい家には、シロアリが好む環境が存在します。シロアリが好むのは、

  1. シロアリが好む木材があること
  2. 適度な湿り気がありシロアリが活動しやすいこと

の2点でした。建物の工法や状態により、上の①と②がそろってしまった場合、被害にあいやすくなるといえます。

フドマガ
フドマガ
具体的には以下のような危険なポイントがあげられます。

床下換気が地窓(もしくは存在しない)

最近は基礎パッキン工法(ねこ土台)が増えてきたため、シロアリの被害発生率はある程度減少していると報告されています。

しかしまだまだ旧来の床下換気方式(地窓)を採用している建物も多く、こういったケースではシロアリの被害が多く発見されています。

床下換気が「地窓」の例

地窓というのは、写真のように基礎の一部に窓を設けて換気する方式。換気口がないよりマシだとは考えられていますが、日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合の調査では「換気なし」とほとんど差がない結果になりました。

地窓の場合はシロアリの被害にあう可能性がかなり高くなりますので、普段からシロアリの兆候に気をつけておく必要があります。

基礎パッキン工法では、写真のように建物と基礎の間に樹脂製の部品を挟むことで建物全周から換気を行います。通気性がかなりよくなり、シロアリが住みにくい環境になるといわれています。

建物の基礎がベタ基礎でなく布基礎

出典:日本長期住宅メンテナンス

基礎の構造がベタ基礎か布基礎かの違いでも、シロアリ被害の発生率には大きな差がありました。

布基礎は、逆T字型のコンクリート基礎を土の中に埋め込んだような形になります。床の下は元々の地面が見えている状態です(土の地面がむきだし)。そのため、シロアリがかんたんに侵入できます。

床下全体にコンクリートを打設するベタ基礎

ベタ基礎やスラブ基礎はコンクリートで地面を覆ってしまうため、シロアリがかんたんに侵入できません。

そこで、布基礎ではシロアリ被害が発生しやすく、ベタ基礎では発生しにくいといえます。

外壁や屋根の劣化で雨漏りが発生している

雨漏りが発生している場合、その家はシロアリにとって都合がよく、住みやすい環境になっています。

日本で住宅に被害を及ぼすシロアリの代表各は、イエシロアリとヤマトシロアリでした。

グループ名 害虫種 特徴
地下シロアリ タイワンシロアリ
イエシロアリ
ヤマトシロアリ
地下や地上に特別な巣を造る種が多く、水取蟻道によって地下水などから水を得る。
乾材シロアリ アメリカカンザイシロアリ
ダイコクシロアリ
特別に加工した巣は造らず、乾いた材木中で生活する。

水をキーワードにしてシロアリを分類すると上の表のようになるのですが、イエシロアリもヤマトシロアリも「地下シロアリ」で、木を分解するのに水を必要とします。

そこで、しっかり乾燥した状態の木材は食べられにくいのですが、雨漏りなどで水分を含んでいると食害を受けやすくなります

雨漏りを防ぎ家を守る、外壁や屋根のメンテナンスについて知りたい時は、以下の記事が役に立ちます。

参考【外壁塗装】塗料の種類と選び方。オシャレな色決めができるおすすめアプリも紹介

上記の表は『シロアリと水の話』(吉村剛)から引用しています(一部改変)。

基礎断熱を施工している

基礎断熱には写真のスタイロフォームのような断熱材を使う事が多いのですが、シロアリはこの断熱材自体を好み、住み着いてしまうことがわかっています。

出典:シロアリ被害実態調査報告書

日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合の調査でも、基礎内断熱がある住宅は、ない住宅に比べて2倍以上の確率でシロアリ被害が発見されることがわかっています。

基礎断熱が施工されていない基礎に比べて、ほぼ倍の被害発生率となっており、従来から言われているように、基礎断熱工法はシロアリの侵入を受けやすいことが実証された結果となっている。

「シロアリ被害実態調査報告書」

調査報告でも上のように結論づけられているほか、基礎外断熱の場合は、基礎内断熱よりもさらにシロアリ被害が増加するとも報告されています。

上記グラフのA区分は防蟻処理保証切れで再施工しなかった物件、B区分は防蟻処理保証期間内の物件です。

建物の施工が悪い(基礎などにすき間がある)

新築の建物であれば、基礎はベタ基礎で、基礎パッキン工法を採用しています。そのため、シロアリが簡単に入り込むことはできません。

しかし、施工ミスがあればベタ基礎にすき間ができることもあり、そうなるとシロアリが侵入しやすい環境になってしまいます。

『腐れとシロアリ被害から家を守る』にも、次のように書かれています。

メモ

不注意な施工ミスがあれば防蟻目的を果たすことができずに、資源の無駄遣いに終わってしまいます。

そこで、新築の住宅であっても施工次第ではシロアリの被害が発生するため、一定の注意は必要になります。

水回り(とくに浴室)が在来工法

在来工法の浴室

浴室がシステムバスの場合は、水密性といって、水が漏れないような密閉性が確保されています。

ところがタイル貼りの浴室(在来工法)では水密性が低く、ある程度築年数が経過していると、ほぼ確実に水が漏れて腐れが生じています

木材に腐れが生じると、よりシロアリが食べやすい状態となり、蟻害の発生率があがってしまいます。

そのため、在来工法の浴室では高い確率でシロアリの被害が発生しています。

耐震改修・耐震診断を行っている一級建築士によると「在来工法の浴室はほぼ100%廃朽が生じていると考えてよい」とのことでした。

敷地内に廃材などが放置されている

日本の住宅に被害を及ぼすシロアリとしては、イエシロアリとヤマトシロアリが代表格です。この2種類のシロアリが、いずれも「地下シロアリ」に分類されることはすでに解説しました。

地下シロアリは、自然の環境下では、切り株の下など土の中に住んでいます。そこから土中に道を造って巣を広げ、新しい樹木(木材)に侵入してきます。そして、市街地でも同じ行動を取ります。

家の周りに廃材や家具などが散乱していると、地下シロアリはそこにまず巣を造り、足がかりとして利用します。

敷地内に放置された木材があれば、そこに営巣して繁殖します。その後シロアリは地下から建物内に侵入してきます。

庭に木や切り株が多い

うちの庭で見つかったシロアリの巣

シロアリはすでに枯れた木を中心に食べる二次性穿孔虫に分類されています。しかし、条件さえ合えば生きている木にも住み着いて食べてしまいます。

そこで、庭に木や切り株がたくさんあると、シロアリはまずそこに営巣し、その後建物内部にも巣をひろげてきます。

フドマガ
フドマガ
実は私の家は切り株が多く、シロアリ110番の現地調査で「3か所の切り株にシロアリがいる」と指摘されました。

シロアリ110番の現地調査でシロアリが発見されたときの様子は、以下の記事で報告していますが、かなり焦りました。

【自宅に呼んでみた】実際にシロアリ110番の防除工事をお願いしたレビュー

シロアリ対策インデックス 沖縄から大阪に引っ越したタイミングで「シロアリ防除をしなければ」という話になりました。しかし、近くに知っているシロアリ駆除業者はいません。 シロアリ110番は安いよ、と聞いて ...

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シロアリの被害にあいやすい立地条件

シロアリは2億年の歴史をもつ古い昆虫です。もともとは家をエサにしていたわけではなく、山の枯死木を食べ「森の分解者」として生態系の一端を担っていました。

また、本来は熱帯性の昆虫で、温暖な気候を好む種が多いといわれています。

そこで、「森」や「温暖」「湿潤」といったキーワードに注目すると、シロアリの被害にあいやすい立地条件が見えてきます。

山を切り土した宅地や山の近くの宅地は危険

道路の突き当たりが山という環境

山を切り崩して造成した住宅地では、シロアリの発生率が高く、また根絶も難しいとされます。

イエシロアリやヤマトシロアリは「地下シロアリ」なので、山を崩して造成する以前から地下に巣を造っています。その上に家を建ててしまうと、被害にあう可能性はかなり高いといえます。

また、山の近くもかなり危険です。

山を歩いてみると、シロアリに食害されている立木や切り株は多く見つかります。そこから羽アリが飛び立つと、半径200~300mの範囲に到着し、新しい巣を造ってコロニーを拡大していきます。

自宅から歩いて3~4分の範囲に森や山がある場合は注意が必要です。

近くに池や川があり湿気が多い場合も、同様に注意が必要です。湿気の多い環境ではシロアリが発生しやすいからです。

近所でシロアリ防除工事をしていたら要注意

一戸建て住宅でシロアリ防除工事をした場合、シロアリの一部が近隣に避難してそこに住み着くことがあります。

イエシロアリやヤマトシロアリは、地下を通って移動することができるので、一見するとわからなくても侵入しているケースもあります。

そこで、隣近所でシロアリ駆除工事を施工していた場合、自宅に逃げてくる可能性には注意をしておいてください。

そもそも温暖な地方はシロアリが多い

都道府県別にシロアリの被害発生率は異なります。イエシロアリに関しては、温暖な地方にしか住めず、茨城以北では発見されていません。

ヤマトシロアリの場合は寒冷地でも生きていけるため、北海道南部にまで生息していることがわかっています。

しかしもともと熱帯性の昆虫なので、日本国内でも温暖で湿潤な地域ほど、シロアリが活発に活動しています。

沖縄県はシロアリの被害が多く発生しており、シロアリの種類も内地より多く発見されています。本州では和歌山県のシロアリ被害発生率が高く、こういった地方ではシロアリが発生しやすい点に注意しましょう。

さらに詳しく知りたい時は?

シロアリが好む環境や繁殖しやすい条件については、以下の記事で詳しく解説しています。「うちはシロアリに好かれそうだ」と思ったら、ぜひ読んでみてください。

参考シロアリが大量発生する時期と発生原因。シロアリ被害にあいにくくする方法も紹介

実際に被害が発生している時の「シロアリ・サイン」は?

基礎にシロアリの通り道「蟻道」が

ここまでで「シロアリが発生しやすい」という条件に該当してしまったら、念のためシロアリ・サインがないかも確かめておいてください。

次のような症状があると、シロアリの被害が発生している可能性があります。

シロアリ・サイン チェック
床下をのぞくと蟻道がある
室内から大量の羽アリが飛び立った
今までしっかりしていた床がぶかぶか沈むようになった
これまでスムーズだった引き戸の開け閉めがしにくい
柱を叩くと空洞音がする
床に砂のようなもの(フン)が落ちている

もし「目の前にシロアリらしきものがいる」という場合は以下の記事が参考になります。シロアリと黒蟻の見分け方や、対処法をまとめています。

参考羽蟻を見たら即シロアリ対策が必要?シロアリか黒蟻かの見分け方も解説します

シロアリがいない家の特徴をデータで確認

新築時には防蟻処理が義務づけられている

一方シロアリがいない家の特徴は、①湿気がなく、②使用している木材に防蟻処理がされていること(薬剤の有効期間内であること)があげられます。

具体的には、次の2つのポイントを満たしていればシロアリが発生しにくく、比較的安心できる環境と言えます。

新築から5年以内

日本長期住宅メンテナンス有限事業組合の『シロアリ被害実態調査報告書』でも、築年数別の蟻害発生率を調査しています。

データ出典:日本長期住宅メンテナンス

新築から5年間はシロアリが発生する確率が非常に低く、5年を超えると徐々に増加していくことがわかります。

これは新築時にはシロアリなど害虫に対する処理を行うように、法律で定められているからです。その防虫処理の効果は5年度ほどで切れるため、5年を経過するとシロアリの被害が発生しはじめます。

最後のシロアリ駆除から5年以内

データ出典:日本長期住宅メンテナンス

上のグラフも日本長期住宅メンテナンスの調査データをグラフ化したものですが、シロアリ防除工事の保証期間が切れてからの年数と、シロアリ被害率には相関関係があることがわかります。

多少上下しながらも、シロアリ駆除の保証が切れてから、時間が経過すればするほど、シロアリの被害にあう確率が上昇していきます。

最後のシロアリ駆除から5年以内であれば保証期間に該当するため、ほとんどシロアリの被害が出ないということもわかります。

不安なときは無料のシロアリ調査がおすすめ

もし、今目の前にいる羽アリがシロアリなのかどうか? また、シロアリが住み着いてしまったのかどうか心配なときは、無料のシロアリ調査をおすすめします。

多くのシロアリ駆除業者が「調査は無料でやりますよ」と表明しています。しかし、地元の業者さんにお願いしてしまうと、シロアリがいなくても工事を断りにくいかもしれません。

そんな時は上場企業のシェアリングテクノロジーが運営する、シロアリ110番がおすすめです。実際にシロアリ調査を頼んでみましたが、押し売りする気配は一切なく、不要なら断りやすいと感じました。

ちなみに、我が家ではシロアリが発見されてしまったので、待ったなしで翌週に防蟻工事を施工してもらいました。

無料調査でシロアリが見つからなければ、それだけでも一安心です。

【自宅に呼んでみた】実際にシロアリ110番の防除工事をお願いしたレビュー

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参考文献

角田邦夫(2008)「腐れとシロアリ食害から家を守る
吉村剛(2003)「シロアリと水の話
日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合(2013)「国土交通省補助事業 シロアリ被害実態調査報告書

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