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おひとりさまの老後の住まい方。40代・50代からやるべき事は?

90歳まで生きる確率は、女性の場合50.5%、男性では26.5%です。「長い老後を独身で過ごそう」と考えるなら、資金不足に備えておく必要があります。

老後、私たちは年金だけで暮らせないからです。

必要な老後資金は?

それでは、おひとりさまの老後資金として、いったいいくら必要なのでしょうか?

ナビナビ保険が総務省の「2019全国家計構造調査」を元に試算したところ、月々の不足額と必要な老後資金は以下の通りでした。

月々不足必要資金
男性13,000円1000万円
女性20,000円1300万円

ただしこれは、総務省などの役所が想定する「一般的な事例」です。この記事では「不動産で老後資金対策」をテーマに、

  1. 賃貸と持ち家で老後の必要資金はどう変わるか?
  2. 老後の資金不足を補ってくれる優秀な持ち家とは?

に焦点を当て、データに基づいて考えていきます。

この記事のポイント

40代から、賃貸でなく持ち家に暮らすことで640~840万円のプラス資産が手に入ります(横浜市鶴見区で試算)。

記事の最後にまとめたように、家を買えるかどうかはスマホだけでチェックできる時代。「自分に買えるのか」「買うべきか」の確認だけは、しておいたほうがいいでしょう。

上記の「老後必要な資金」には月々不足する生活費のほか、介護費用などが含まれています。

老後を考えたプレシニア期の住まい方を計算する

データ出典:「少子化社会対策白書(2021)」等

日本人の生涯未婚率は急上昇しており、男性の場合4人に1人が生涯未婚。女性でも16.4%が生涯結婚しないといわれています。

熟年離婚も増えており、おひとりさまの高齢者は、今後さらに増加するはずです。

老後を考えるのは面倒、という場合はシンプルに「どんな家に住むか」だけを考えてください

  1. どのみち家は必要
  2. しかも1000万円レベルの資金を作れる

と、普通に暮らしながら老後資金(資産)を準備することができるからです。

逆にいえばプレシニア期と呼ばれる40代・50代の家の選び方で、老後の資金は大きく影響を受けます。

結論からいうと、持ち家を上手に選ぶ事で、少なくとも640万~840万円の資産を用意できます。

おひとりさまの老後。リアルな生活費は月々15万円

データ出典:総務省「家計調査」2022年 1~3月期

総務省の家計調査によると、高齢単身世帯の消費支出は月々約15万円です(正確には146,054円)。

この調査結果から2つのことがいえます。

  1. 毎月の支出は年金だけだと少し不足する
  2. それに加えて介護費用などを見込む必要がある

そのため、おひとりさまの場合、男性で1000万円、女性で1300万円程度の貯蓄が必要といわれるわけです。

男女で必要な資金の額が違うのは、一般的に男性の方が年金額がやや多いこと等が理由です。

みんなが老後に備える時期はけっこう遅すぎ?

データ出典:内閣府世論調査

内閣府の「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」によると、老後の生活設計を考える年齢として、一番多いのが60歳以上。これはすでに老後の入口に立ってから、ようやく老後の人生を考えていることになり、遅すぎるといえるでしょう。

さらに、「考えない」が31.3%と、日本人は老後をあまり気にしていないことがわかります。

確かに「老後をどうするか?」と考えても実感がわかない上に、貯蓄や投資の話はめんどうで、考えたくないのも事実です。

そんな場合、最低でも「賃貸をやめて持ち家に」という対策だけはしておくべきでしょう。理由は3つあります。

  1. 同じ家に住むならコスト面で持ち家の方が有利
  2. 老後も賃貸に住み続けると家賃が大きな負担になる
  3. 持ち家であれば最終的に売却でき、老後資金になる

コスト面では間違いなく持ち家が有利ですから、現役時代に家計消費をおさえて貯蓄に回すことができます。

この点を詳しく計算した記事があるので、時間があれば参照してみてください。

関連記事「賃貸と持ち家で1300万円の差」は本当なのか検証してみました

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「賃貸のほうがお得」と言っている人はほとんど不動産の素人なので、気にしなくてもかまいません。

「自分に家が買えるのか」はスマホでチェックできます

「そうはいっても、自分に家を買えるのかな?」と疑問な場合は、スマホだけで「ローンが組めるかどうか」チェックする方法があります。

ほぼすべてのメガバンク、ネットバンクと提携するモゲチェックを利用すれば「自分に借り入れできる額」「借入の可能性」などを5分くらいで診断してもらえます(AIによる判定・提案の場合)。

モゲチェックについて詳しくは以下の記事で解説しています。

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住宅ローンを組む時にモゲチェックを利用するかしないかで、結果がかなり変わってきます。モゲチェックは個人情報管理もしっかりしており、安心して利用できます。

子ども部屋おじさんが増加。親と同居した場合の未来は?

データ出典:週刊朝日2019年2月1日号

中高年になっても親と同居する人は1990年頃から大幅に増加しはじめ、現在はおよそ15%に達しています。

フドマガ
フドマガ
親と同居し、自分もそこで老後を過ごすというパターンは、コスト的にもっとも有利です。

住宅のメンテナンスに失敗すると貯蓄ゼロになる危険も

ただし、親と同居パターンで心配なのは、老朽化する建物のメンテナンスに失敗した場合のコストです。

たとえばシロアリの被害にあってしまった場合、駆除と被害か所のリフォームで100万円単位の費用がかかることは十分考えられます。

古い家の場合は地震保険に加入することができないため、震災で被害にあうと、再建築したほうがいいくらいのコストがかかります。

1981年(昭和56年)6月以前の旧耐震基準の建物は地震保険に加入できません。

古い家に住み続ける場合は、

  1. 建物のメンテナンスをきちんと行う
  2. 行政の補助を利用して耐震改修しておく

といった対策は必須といえます。自治体によりますが、耐震改修については行政の補助がかなり役立ちます。

市町村役場で「耐震改修について知りたい」と相談してみてください(市町村によって違いが大きいので、全国をひとまとめに解説できないため)。

また、外壁塗装やシロアリ防除については別記事で解説しています。

我が子が老後の面倒を見てくれない確率は4~5割

データ出典:H15内閣府調査

「親と同居」とは逆に「子どもと同居して面倒を見てもらいたい」場合はどうでしょう?

「子どもと同居したい」という希望を持つ人は多いのですが、子どもの側は、意外と「親の面倒を見たくない」と考えています。

親の介護を子どもがすべきか、という調査でも48.6%が「当然すべき」と回答していますが、「どちらとも言えない」「する必要はない」の合計が5割を超えています。

離婚等が原因で老後をおひとりさまで過ごすことになった場合でも、子どもをあてにするのはやや危険だとわかります。

老後子どもと同居できるのは一部のケースと考え、やはりマイホームを確保しておくべきでしょう。

平均的な年収を想定したプレシニア期のシミュレーション

40代前半社会人の平均年収は、男女で大きく異なっています。

男性 563万円
女性302万円

賃金構造統計基本調査、民間給与実態統計調査に基づいて、平均年収.jpが算出した40代の平均年収は上の表の通りです。

そこから月々の手取額を試算すると、次の表のようになります。

性別額面年収手取年収手取月収
男性563万円431万円35万9000円
女性302万円238万円27万3000円

住居費を手取月収の25%程度に収めるとすると、適正な家賃・住宅ローンの金額は以下の通りです。

性別適正な住居費
男性89,750円
女性68,250円

40代前半の平均賃金で暮らすとしたら、ざっくり7~9万円の住居費に押さえるのが適正だといえます。

この住居費で、40~64歳までの25年間を過ごした場合、賃貸と持ち家でどのような違いが出るかシミュレーションをしてみましょう。

横浜市鶴見区の駅近物件で比較します

ここでは条件を揃えるため、横浜市鶴見区に住み、賃貸と持ち家に住んだ場合を想定して計算していきます(すべての事例で横浜市鶴見区内で駅徒歩圏としました)。

結論としては、40~65歳までを賃貸で暮らしても持ち家で暮らしても、かかる費用に大きな違いはありません。違うのは以下の点です。

  1. 持ち家は25年後に売却すると640万~840万円の資金が手に入る
  2. 賃貸の方がかなり狭く設備のグレードが低い
  3. 持ち家は若干駅から遠くなる傾向がある
  4. この価格帯だと持ち家は築古リノベ物件に限られる

地震等で被害を受ける可能性をのぞくと、持ち家の方が有利だと考えていいでしょう。少なくとも持ち家なら、老後の資金を蓄えることができます。

平均賃金で40~65歳を賃貸で過ごした場合の試算

プレシニア期を賃貸で過ごした場合のメリットとデメリットは以下の通りです。

賃貸で過ごした場合のメリット
  1. 比較的築年数が新しい物件が選べる
  2. より駅に近い物件が選べる可能性がある
賃貸で過ごした場合のデメリット
  1. 床面積が狭く収納が少ない
  2. 25年後に残る資産価値はゼロ

具体的に、どのような物件に住めるか見てみましょう。

賃貸だと1ルームか1K

賃貸の場合、この家賃(約7万円~8万円)で駅徒歩圏に限定すると1ルームもしくは1Kになります。

年収563/302万円で適正な住居費の物件
年収563万円のケース
賃料81000円専有面積21.73㎡
管理費等4000円敷金1か月
間取り1K礼金1か月
交通機関京急鶴見駅徒歩2分
25年住んだ場合の費用
総家賃¥25,500,000
更新料¥1,012,500
保証料¥34,000
保証料月額¥255,000
鍵交換料¥33,000
口座振替手数料¥33,000
セーフティ保証料¥171,000
礼金¥81,000
仲介手数料¥81,000
合計¥27,200,500
年収302万円のケース
賃料65000円専有面積24.99㎡
管理費等2000円敷金1か月
間取り1K礼金なし
交通機関京急生麦駅徒歩1分
25年住んだ場合の費用
総家賃¥20,100,000
更新料¥812,500
保証料¥33,500
保証料年額¥250,000
鍵交換料¥16,500
口座振替手数料¥33,000
お客様サポート¥264,000
礼金¥0
仲介手数料¥65,000
合計¥21,574,500

平均賃金で40~65歳をを持ち家で過ごした場合の試算

持ち家は同じ支払いで広くて設備がよい

プレシニア期を持ち家で過ごした場合のメリットとデメリットは以下の通りです。

持ち家で過ごした場合のメリット
  1. 広くて設備のグレードが高い
  2. この価格帯ではリノベ済み物件が多く快適に住める
  3. 不動産価格が下落しても一定の価値は残る
持ち家で過ごした場合のデメリット
  1. この価格帯では築年数が古い物件になる
  2. 駅からの距離は若干遠くなる可能性がある

具体的に、どのような物件に住めるか見てみましょう。

男女それぞれの40代前半平均年収で買える物件は以下の予算におさまる物です。

平均年収で買える物件の価格
男性の平均年収563万円物件価格2440万円まで
女性の平均年収302万円物件価格1347万円まで

金利0.8%、元利均等、ボーナス払いナシ、25年償還として試算。ただしマンションの場合は管理費・修繕積立金を考慮して、借入を上記より低めにおさえるべきです。

築古リノベ物件なら駅徒歩5~10分の立地が狙える

駅から遠い築浅物件と駅近の築古物件。マンションであれば「立地が大事」といわれていますから、築古でも駅前を狙うべきです。

年収563/302万円で適正な住居費の物件
年収563万円のケース
価格1680万円間取り3DK
管理費7880円/月専有面積49.26㎡
修繕積立金13300円/月築年月1978年11月
交通京急生麦駅徒歩6分
25年住んだ場合の費用
ローン+積立金等¥24,895,500
仲介手数料¥620,400
所有権移転費用等¥200,000
合計¥25,715,900
年収302万円のケース
価格1280万円間取り1LDK
管理費4030円/月専有面積29.16㎡
修繕積立金6210円/月築年月1971年8月
交通JR鶴見駅徒歩7分
25年住んだ場合の費用
ローン+積立金等¥17,198,700
仲介手数料¥488,400
所有権移転費用等¥200,000
合計¥17,887,100

持ち家の試算には固定資産税や火災保険を含んでいません。これらを含めると賃貸の場合と同じくらいのコストになるでしょう。

築古マンションの価値はいくら残る?

データ出典:三井住友トラスト不動産

このグラフは三井住友トラスト不動産のデータを元に作成した物ですが、三大都市圏のマンション価格は、築20年から40年くらいまで、ほとんど変わらないことがわかります。

築40年を過ぎると徐々に価格が落ちていきますが、大暴落するわけではなく、その後も長期間価値が残り続けます(特に都市部の場合)。

ローン完済時にどれくらいの資産価値が残るのかは、かなりケースバイケース。人気駅から歩いてすぐのマンションであれば、高築年数でもビンテージマンションとして価値が落ちない可能性もあります。

たとえば価格が半分に下落したら?
1680万円の物件840万円の価値が残る
1280万円の物件640万円の価値が残る

たとえ半額になったとしても、住みながら資金を貯めたような形になりますから、賃貸よりも持ち家の方が有利です。

フドマガ
フドマガ
老後、介護が必要になって施設に住むとしても、自宅を売却して資金を捻出できるメリットがあります。

資金的な優位性を考えるなら、プレシニア期はぜひ持ち家で過ごしてください。

今回試算した物件を購入したとすると、住宅ローンを払い終えた25年後の時点で、少なくとも640万~840万円程度の試算が手元に残る計算になります。

堀江貴文(ホリエモン)さんやひろゆきさんは「賃貸のほうが安上がり」といいますが、間違いです。ちゃんと計算すれば持ち家の方が安上がりで、しかも住宅ローンを払った後は住居費がほとんどかかりません。

まとめ「おひとりさまの終のすみか」

この記事では、おひとりさまの老後は…

  1. 年金だけだと1000万~1300万円不足する
  2. マイホームを買えば640万~840万円確保できる

という点を確認しました(横浜市鶴見区で試算/40代前半平均年収で試算)。住んでいる地域により具体的な数字は若干変わってきますが、それでも老後の資金不足を不動産だけで大幅に解消できます。

気になる方は「自分に家が買えるかな?」「住宅ローンが組めるかな」という点だけでもチェックしてみてください。今は、5分あればスマホで確認できます。

ほぼすべての大手銀行やネット銀行と提携するモゲチェックなら、正確に「自分に住宅ローンが組めるか」「どの銀行でいくら借りられるか」を診断できます。

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おひとりさまの終のすみかに新しい選択肢も

最近取材したライフケア吹田というマンションは、私たちの老後に、ひとつの選択肢を増やしてくれたと感じました。

運営会社のライフケアビジョンは、多くの介護施設やサ高住(サービス付き高齢者住宅)を運営していくなかで、行政に頼らない高齢者向け賃貸住宅を作りました。

普通の人の年金で暮らすことができ、テクノロジーの力で「見守り」を行う。それによって、いわゆるアクティブシニア期(70代前半くらいまで)を自由に暮らすことができるマンションです。

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たとえば持ち家を売却してこういったマンションで暮らし、その後、必要になったら施設に移る…という流れを作っておくことも、誰にも頼らない「おひとりさまの老後」には必要なのかもしれません。

参考文献

独身者は老後にいくらお金がかかる?老後資金の目安と準備方法を解説(ナビナビ保険)
https://www.navinavi-hoken.com/articles/single-after-retirement

【年齢別比較・検証】40歳、41歳、42歳、43歳、44歳、45歳の平均年収事情を徹底リサーチ!(平均年収.jp)
https://heikinnenshu.jp/kininaru/40sainenshu.html

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