沖縄の真冬の気温は東京の春先ぐらい。
沖縄気象台によれば那覇の平均気温年平均気温は摂氏約23度。これは東京や大阪に比べて6~7度気温が高いということです。
とはいえ冷え込む日はそこそこ冷え込みますし、冬場は晴天率が悪くそこまでトロピカルなイメージでは過ごせません。
そこで、沖縄への冬だけ短気移住の目的は、トロピカルな雰囲気を満喫するというより、寒さを避けてのんびり過ごすことになります。
この記事では数字や具体例を交えて、沖縄の冬だけの短期移住について解説します。
ポイント
オフシーズンの沖縄滞在費用は、ゲストハウス(個室)利用で1か月4万円くらい、家具家電付きのマンスリーマンション利用で1か月7万円くらいから。それに交通費、現地での生活費などを加えた費用が冬だけの短期移住にかかるコストです。
沖縄の冬の気温は東京の4月なみ
宮古島では水温が10℃以下になると魚が仮死状態になり、浜に打ち上げられると言われています。
筆者は宮古島を仕事で訪れた際、地元の新聞の記事でこれを知り、「普段はそれほど温暖なのか」と驚きました。
沖縄と内地の気温差はそれほど大きく沖縄の1月、2月の平均気温は、おおよそ東京の4月の平均気温くらいです。
つまり、沖縄には内地の厳冬期に相当する季節がありません。
沖縄の冬を過ごすのに必要な服装
沖縄での寒さに対応するために必要な服装は、せいぜいユニクロのウルトラダウンベストくらいです。
分厚いダウンジャケットは、真冬の最も寒い日であっても暑すぎるはずです。
室内での普段着は、スウェットの上下で問題ありません。
沖縄の冬はだいたい東京の春先くらいの陽気なので、春先の花冷えの日をイメージすればいいでしょう。
ただし、沖縄では暖房設備が完備されていないことが多いため、冬の飲食店などでは窓際が思いの外寒いこともあるかもしれません。
念のため、軽く羽織れる上着を用意しておくと安心です。
沖縄の寒さを実感するのは2年目以降
沖縄に移住した人々が異口同音にに言う言葉があります。
「最初の1年は冬でも暖かく感じたが、2年目以降になると沖縄の冬が寒く感じる」
沖縄に慣れてしまうのか、2年目、3年目以降の冬は寒さが体にこたえるようになります。
冬だけの短期移住であっても、2年目以降には沖縄の冬が寒く感じられるかもしれません。
地元のこどもは冬でも薄着なので、メンタル的なものかもしれません。
正月びーさーや戻りびーさーの日は10度以下に冷え込む事も
1月と2月でも平均気温が17℃台と温暖な沖縄ですが、年に数回寒波が訪れます。
地元の人々は「正月びーさー」や「戻りびーさー」などといった名前で呼んでいますが、だいたい一冬に3~4回くらいの頻度でやってきます。
とはいえ、そのように冷え込む日でも、Tシャツの上に長袖シャツを着て、さらにウルトラライトダウンジャケットを羽織るぐらいで問題ありません。
地元の人たちは、正月びーさーの日でも裸足で島ぞうりだったりします。
新暦のお正月の前くらいにも、一度冷え込む年が多いです。また、沖縄で冷え込む日は内地に寒波が来ている時です。そのあたりのタイミングは一致しています。
冬だけ沖縄に短期移住するその他のメリット
冬だけの短期移住、やはり暖かいことが最大のメリットですが、沖縄の文化や観光を楽しめることも大きなメリットです。
沖縄では冬でもアクティブに過ごせますし、釣りやサイクリングなどの趣味を楽しむのもおすすめです。
一足先に桜を観賞し、冬でもアクティブに過ごせる
沖縄の桜はヒカンザクラ(緋寒桜)という種類で、1月から2月頃に開花します。
ソメイヨシノと違い、すぐに散ってしまうわけではなく、長く観賞することができます。
また真冬でも日中は20℃を超える日が多く、天気さえよければ屋外でアクティブに過ごすことができます。
真冬に桜を鑑賞し、お弁当を広げてピクニックをしたり、動物園に行ったり、釣りをしたりと、冬をアクティブに過ごせるのが沖縄の魅力です。
杉の木がなく花粉症に悩まされる事が少ない
よく言われることですが、沖縄には杉林がなくスギの花粉症に悩まされている人にとって暮らしやすい土地柄です。
ブタクサなどの花粉はあるようですが、スギ花粉がないだけでも相当楽になります。
花粉症に悩まされている人は、ぜひ沖縄冬だけ短期移住を検討してみてください。
沖縄特有の紫外線がちょっとマシ
沖縄の紫外線はとにかく強烈で、夏場はしばらく日に当たるだけで肌が赤くなり、全身ヒリヒリしてしまいます。
沖縄の女性は日焼け対策に相当気を使っており、全身を黒布で覆ったり、長袖の洋服を着て紫外線対策をするなど、日々努力をしています。
沖縄の紫外線はそれほど強烈なのですが、冬場は少しましになります。
ビーチに行くときなどはそれでも日焼け止めをしておいた方がいいですが、すぐに真っ赤になるほどではありません。
そのため、夏場よりも冬の晴れた日のほうが外遊びに向いています。
冬を沖縄で過ごすデメリット
沖縄で冬を過ごす際のデメリットは、意外にも天気が悪いことと、内地の冬の味覚を楽しめないことです。
寒い夜に温かい鍋料理と日本酒でほっこり過ごすことも期待できません。
といっても、短期移住ではデメリットを意識することは少なく、本格的に沖縄で暮らし始めた後のことかもしれません。
仕事についてはかなりハンディあり
沖縄への本格的な移住の場合でも、就職の機会は少なく、給与水準も低い傾向があります。
とはいえ、アルバイトの求人はけっこうあります。
なかでも、リゾート関連のアルバイトは時給が高めで、内地の人材を求めているケースも多く、おすすめできます。
沖縄県の最低賃金は853円ですが、リゾート系のアルバイトでは1000円台半ばの求人が多数あります。
詳細については、以下のウェブサイトなどで調査してみてください。
リゾバ.com |公式サイト
実は冬の晴天率は低くどんよりとした日が多い
トロピカルなイメージが強い沖縄ですが、実際には晴天率が低く、雨や曇りの日もけっこうあります。
特に冬場は晴れることが少なく、どんよりと曇った日が多いのが特徴です。
沖縄気象台によれば、1月の月間の日照時間は100時間未満とかなり低水準です。一方、沖縄の7月は月間日照時間が約230時間です。
つまり、夏と比べて冬の日照時間は半分以下ということになります。
冬の季節感がない
沖縄ではクリスマスでもビーチで膝までつかって水遊びをしたり、天気がよければお正月でもTシャツで過ごすことがあります。
そのため、鮮やかな紅葉の風景や雪景色などは絶対に見ることができません。
もちろんその分暖かく過ごせるのですが、沖縄からたまに冬の東京や大阪に帰ると何か「ふるさとに帰ってきた」という感じることがあります。
とはいえ、最初のうちは「むしろ季節感のなさがいい!」と感じるかもしれません。
冬の間沖縄に短期移住するのに必要な費用は?
最低価格に収めるとすると格安ゲストハウスの宿泊費が月額24000円(ドミトリー)または4万円(個室)くらい。
もう少しプライベートを確保したい場合は、マンスリーマンションになるでしょう。こちらはだいたい7万円くらいからの料金設定です。
たとえばマンスリーマンションに3か月滞在するとしたら、21万円+諸費用+沖縄往復交通費+現地での生活費が、沖縄短期移住の全コストとなります。
格安ゲストハウス
那覇市内のゲストハウスの宿泊費を調査してみると、Booking.comのボリュームゾーンが1泊あたり1500円~3000円くらい。
浮島通りにあるゲストハウス「リトルアジア」を例にとると、以下の表のようになります(女性専用の部屋もあります)。
ドミトリー | 1泊 | 1,200円 |
1週間 | 7,200円 | |
1か月 | 24,000円 | |
個室 | 1泊 | 2,500円 |
1週間 | 12,000円 | |
1か月 | 40,000円 |
ゲストハウス利用であれば、このあたりが価格の目安になりそうです。
リトルアジア|公式サイト
コンドミニアム・マンスリーマンション
沖縄のマンスリーマンション情報ではグッドマンスリーというサイトが強いので、そこを参照しながらまとめてみました。
現在、那覇市内の物件は170以上登録されており、1ルームや1LDKの最低価格ラインは、月額7~10万円くらい。高いと20万円くらいする物件もあります。
そこで、マンスリーマンション利用であれば7~10万円以上と考えておけばいいでしょう。
グッドマンスリー|公式サイト
ただし、1ルームや1LDKのマンスリー物件は、定員1名のケースがほとんど。2名で申し込めるかどうかは管理会社次第です。
その点、確実に2名に増やせるのがレオパレス21の「短期プラン」。2名での短期移住であれば、こちらも見ておいてください。
レオパレス21の「短期プラン」
沖縄のレオパレスには、1か月単位で契約できる「短期プラン」があります。原則1名利用ですが、1日1人あたり110円で同居人を追加することができます。
沖縄のレオパレスはすべて鉄筋コンクリート造なので、内地のように界壁が薄くて隣の声が聞こえるといった問題はありません。ただし、メリット・デメリットがあるので整理しておきます。
レオパレス短期プランのメリット
- 2名で申し込める
- ネットであらかじめ申し込んでおける
- 大手なのでそれなりの安心感あり
レオパレス短期プランのデメリット
- 地元企業のマンスリー物件より割高
- 2名で申し込んでもベッドは1つ
- 都市部では駐車場無しの物件が多い
那覇市では駐車場がない物件が多い点は要注意です。
レオパレス21|公式サイト
駐車場がない場合は、那覇市でなく周辺の市町村を狙ってください。糸満市や豊見城市などでは、駐車場の空きがある物件も見つかります。
思い切って買ってしまう
「どうせ毎冬行くから買ってしまうか」となった場合、沖縄の物件はかなり高騰しており、お手頃なものは非常に少ないのが現状です。
那覇市内のワンルーム、1LDKマンションは、相当古くてぼろくても500万円くらいから。
おもろまち駅から徒歩20分くらいの首里ハイム観音堂前はよく売り出されていますが、1975年築でかなり狭めの1ルームが、だいたい500万円くらいです。
15年まえの2.5倍くらいの価格になっており、簡単に買えないのが残念ポイント。
しかし、資金的にはセカンドハウスローンが使える可能性があります。銀行ローンだけでなく、フラット35のセカンドハウスローンもあり、こういうものを利用して購入するのであれば、少し実現できそうな感じもしてきます。
ただ、セカンドハウスローンには「別荘ではなくセカンドハウス」という要件があり、ひとまず専門家に相談しておいた方がいいでしょう。
住宅ローンツールのモゲチェックなら、登録後専門家に質問できるので、セカンドハウスローンが組めるかどうかを確認できます。
モゲチェック|公式サイト
モゲチェックはほぼすべてのメガバンクやネット銀行と提携しており、銀行が支出する広告費で運営されています。そのため、ユーザーは無料で利用できます。
買ってしまって民泊で稼ぐ
せっかくの沖縄なので、冬だけの家やマンションを購入したら、使わない期間は民泊やマンスリーマンションとして貸し出すことも考えられます。
では、民泊でどれくらい稼げるのかを考える場合、民泊管理バンクさんの記事が参考になります。
民泊経営の平均年収は455万円!100万円以上売上アップする方法とは?|民泊管理バンク
東京都内の事例ではありますが、民泊運営を行っているホストさんの平均年収は465万円。1ルームでの年収も330万円だそうです。
沖縄でもロケーションがよければ、同じくらいの売上が立ちそうです。ただし、遠方の物件の場合は運営を委託する必要があり、売上から何割かは差し引いておく必要があります。
まとめ:本格移住前の冬だけ短期移住も悪くないですよ
ここまで見てきたように、沖縄の真冬は東京の4月くらいの気温です。
寒いといえば寒いですが、お天気がよければ日中25℃を超えることもあり、南国ならではの暖かい冬を過ごすことができます。
そんな沖縄への冬だけ短期移住では、スギ花粉症から解放されたり、1月に桜を観賞できたりと、さまざまなメリットもあります。
宿泊費用は、格安ゲストハウスなら1か月約2,4000円~、コンドミニアム・マンスリーマンションは月約7万円~が目安のライン。これに生活費や沖縄までの往復交通費を加えると、短期移住に必要なコストが見えてきます。
沖縄でバイトもしてみようという場合は、リゾート系のアルバイトをおすすめします。沖縄県の最低賃金は時給853円と低いのですが、リゾートバイトの場合は1000円代なかばの求人が多数探せます。
リゾバ.com |公式サイト
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