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不動産屋が嘘つきなのはなぜ? 元業界人だからわかるその理由と対処法

不動産屋は、もちろん嘘をつきますよ。

一般の業種よりも、嘘が多い業界です。

筆者も約10年にわたって不動産会社を経営していましたが、良心的であろうとしつつも、重要なポイントを詳しく説明せずにすませたことはあります。

ちょっと不誠実な不動産屋なら、そこに嘘を混ぜてくるでしょう。

しかし一方で、お客さんも嘘をつきます。

お客さんがついた嘘

  • 孤独死物件であることを隠す
  • 主要な柱に亀裂があるのに、何も問題はないと説明する
  • シロアリ被害にあった過去を隠す

……これらは、実際にあった「客の嘘」です。

ではなぜ、不動産が絡むと、人は嘘をつくのでしょうか? この記事ではその理由と、効果的な対処法をお話しします。

不動産屋が嘘をつく背景とお客さんが嘘をつく理由

圧倒的に大きな理由は、不動産が高額商品であることです。

たったひとつの高額商品を、誰かに売らなければ商売が成り立ちません。

また、売主も必死です。たとえばマイホームの住み替えであれば「ほしい物件が決まっているのに、自宅がまだ売れていない」という状況もあります。

不動産の営業マンに与えるプレッシャーも相当なものです。

結果、「目の前にあるこの家を売らなければいけない」ということだけにとらわれてしまい、買い手に対して誠実に向かい合うことが難しくなります。

何とかして売りたいからやること

  • 少々の瑕疵や欠点については説明せず、触れもしない
  • 顧客がよいと思ってくれそうな方へ話を誘導する
  • 近隣の開発予定などについて、聞かれなければ触れない

こういったことを、法令に触れない範囲で行おうとします。

そもそも売主が嘘をついていて、それを信じてしまうことも……

筆者はある時、知り合いの業者から紹介された一戸建て住宅の物件調査を行っていました。

しかし、周辺の聞き込み調査中に、物件近くに住むおばさんから驚くべき情報を得ました。その物件の前の持ち主が孤独死しており、死後約1ヶ月放置されていたとのこと。

この事実は、筆者に物件を紹介した不動産業者も知らなかったようです。売主が「親の孤独死という事実を伝えると安くなってしまう」と考え、仲介業者にも伏せていたためです。

さらに売主は特殊清掃業者に依頼して、何事もなかったかのように完璧に掃除していました。

孤独死があった物件の価値は、少なくとも20~30%は下がってしまうといわれています。筆者の感触では、半額程度になることも多いと考えます。

「隠しておきたい」という売主の気持ちがわからないでもありませんが、しかしそれは、法的に問題がある行為です。

不動産屋の調査が甘い場合、売主の嘘を見抜けず、結果的に買主に嘘をつくことになってしまいます。

歩合制の会社では、営業マンが嘘をつきがち

不動産会社の中には、固定給の部分が少なく、成果に応じて支払われる歩合給が多い会社もよくあります。

こういう会社では、1件の成約が自分の給料に直接影響します。

その結果営業マンは不都合なことを明かしたがらず、できれば無難に成約を進めたいと考えてしまいがちです。

当然、これはコンプライアンス的に問題があります。本来は顧客の利益を第一に考え、不都合な点も全て明らかにしてから販売すべきです。

また、営業成績に対するプレッシャーが強い会社では、成績が良くないと働きづらくなり、成約を増やすために不都合な点を隠す傾向もあります。

お客さんの知識不足につけ込む傾向もある

不動産の取引では、業者と顧客の知識には差があります。お客さんが不動産についてあまり詳しくない一方で、不動産業者は専門知識が豊富です。

悪質な営業マンは、お客さんの知識不足につけ込むことがあります。その中でよく見られる手法が、「重要事項説明を早口で済ませる」ことです。

重要事項説明書には、法律で定められた事項が記載されており、中には買主に不利な条件もしっかり記載されています。しかし、多くの営業マンは、不都合な部分を目立たなくし、早口で事務的に済ませたいと考えています。

その結果この業界では、重要事項説明書を契約当日まで渡さず、かつ早口で読み上げてしまうことが一般的化しています。しかし、こうしたやり方には問題があります。

筆者は、数日前にメールで重要事項説明書の下書きを送り、ゆっくりと内容を確認することを提案しています。しかし、残念ながら多くの宅建業者は、重要事項説明書を契約当日に交付しています。

不動産取引においては、お客さん自身も注意が必要です。知識差を埋めるためにも、事前に情報を確認し、重要事項説明にはじっくりと目を通すことが大切です。

不動産屋が嘘をつく理由をまとめると2点に集約できる

不動産業界では、他の分野よりも「嘘が多い」といわれます。その裏には、主に以下の2つの理由がありす。

①嘘をつくメリットがあること

不動産は高額な商品であり、売買においては大きな額のお金が動きます。

しかも不動産は、たった1つしかない商品です。

そう考えると「たった1つの商品をなんとかして売りたい。しかも高額商品だから、売れると大きく儲かるし、売れないと利益がゼロだ」という前提で、目の前のお客に接することになります。

売主であれ買主であれ、不動産屋にとっては「とにかくこのお客を逃したくない」という思いが根底にあるわけです。

食品や雑貨のような商品であれば、たくさん売って売り上げを立てますから、1つ1つに執着する必要がありません。

不動産特有の、物件への執着が、嘘をいとわず販売活動を行う理由となっています

②お客が勉強していないこと

不動産取引は他の商品と異なり、お客の知識が不足していることが大半です。

例えば、文房具や衣類を買った経験は、誰でも複数回あるはずです。それなりに詳しくなり、自分の判断だけで商品を選ぶことができるでしょう。

しかし、不動産の売買は、人によっては一生に一度の大きな取引です。

そのため、ユーザーである買主や売主が不動産について知識を蓄積しにくく、知識の格差が大きい状況が生まれます。

これにより、不動産業者とユーザーとの間には知識の非対称性が生まれ、嘘がまかり通ることになります。

筆者は、こういった事情から不動産業界では嘘が多いと考えています。

不動産屋の嘘を見抜く3つの方法

自分の資産を守るため、不動産取引において最低限の知識を身につけることが重要です。

特に、不動産業者に全てを判断してもらうことは避けるべきです。

不動産ポータルサイトを利用して物件情報を把握するだけでも違います。また、取引に疑問がある場合は、大手業者にセカンドオピニオンを求め、相談してみるのも有効です。

住宅ローンの組み方も、不動産屋ではなく、専門家の意見を聞くべきです。

今はスマホひとつで自分に最適な金融機関や、自分に借入可能な、いわゆる「融資枠」を確認することができるようになりました。

不動産取引について最低限の知識を身につける

約10年間にわたり不動産会社を経営してきた経験から、多くのお客さんに共通する重要なポイントを指摘します。

知識ゼロで不動産屋を訪問し、一から十まで全ての情報を不動産屋に聞く人がかなり多いですが、これは危険です。

不動産業者に悪意がある場合、簡単にだまされてしまうからです。

また、業者に悪意がなくても、誤解やミスをしていることもあります。こういった点に気づくことができないのは、大きな金額が動く取引では致命的です。

絶対に、基礎知識や相場情報を頭に入れておいてください。

例えば、ローンの組み方について、不動産屋に教えてもらうのもおすすめしません。

不動産業者は不動産のプロですが、金融の専門家ではないからです。このような金融関連の事柄については、きちんとした金融の専門家に相談することが重要です。

今は、スマホがあれば、わずかな手間で融資可能な金額や最適な銀行を確認できます。以下にリンクしたモゲチェックであれば、銀行の広告費で運営されており、ユーザーは無料で利用することができます。

モゲチェックは、ほぼすべてのメガバンクやネット銀行、多くの地方銀行と提携しているので、非常に正確な判断ができるのが強みです。

こういったツールを活用し、不動産に関する基本的な知識を身につけ、主体的に情報収集を行うことが第一歩です。

また、以下の記事では不動産屋に対抗するための知識を詳しく解説しています。

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できるだけ交渉の主導権を握る

不動産屋に「こんな物件がほしい」と希望だけを伝えて、後は任せてしまうお客さんが多いのが現実です。

しかしそんな場合、一般的に不動産屋は自分が売りたい物件を売り、自分が貸したい物件を賃貸しようとします。

不動産屋の利益

売買自社専任物件などを売ると他社物件の2倍の利益
賃貸自社管理物件を貸すと他社物件より2倍の利益+管理費が入る

この表でわかるとおり、不動産屋が売ったり貸したりしたいのは、自社が直接仲介契約をもらっている物件です。

もちろん、不動産屋は商売ですから それが悪いということではありません。会社法にも書かれている通り、会社というのは利益を上げることが目的です。

そうであれば、ユーザーは、不動産屋に一から十までまで話を聞くのではなく、まずは自分から相場を調べてどんな物件があるのかを把握すべきです。

それが、最低限の自衛手段といえるでしょう。

現代は情報化社会です。不動産屋がもっている物件情報の質や量と、ネットでしっかり調べて得られる物件情報の質や量に、そこまで大きな違いはありません。

物件情報に関して、筆者がおすすめしているのは、ほとんどの不動産ポータルをまとめて検索できるニフティ不動産です。

売買したいエリアが決まっていれば、売る場合も買う場合も、ニフティ不動産をたんねんにチェックしておき、相場を把握しておいてください。

目的は、購入や売出しの交渉で、不動産屋に主導権を預けるのではなく、できるだけ主体的に考え、行動することです。

それだけで、不動産屋としても簡単にだまそうとは思いません。

自己判断できない場合はセカンドオピニオンを聞く

たとえば、もしあなたが仲介物件を1つしかもっていない零細不動産屋だったとしたら?

当然、たった1つの物件を必死で売ろうとしますし、そのために多少の嘘をついたり、物件の欠陥を隠そうとするかもしれません。

一般に、仲介物件数が少ない小規模な業者は、各物件に強い執着心を持ち、その物件を必死に売りたいと考える傾向があります。

そこで、不動産屋の言動が怪しいと感じたり、強引だと感じた場合は、セカンドオピニオンを聞いてみてください。

特に不動産の「売却」において疑問を感じた場合は、大手仲介業者にセカンドオピニオンを求めることが望ましいでしょう。

筆者も大手仲介業者(三菱地所系列)の仕事をしたことがありますが、そのコンプライアンス意識の高さを実感しました。

なかでも、売却査定額に疑問がある場合は、三井のリハウスで知られる三井不動産リアルティがおすすめです。三井は業界でもほぼ唯一「正確な査定額」を打ち出している仲介業者だからです。

上記の公式サイトでも、査定の正確さを大きく打ち出していることが確認できます。

また、首都圏限定ではありますが、三菱地所系列が新しいコンセプトで運営する「タクシエ(TAQSIE)」というサービスにも注目しています。

タクシエには、業界を代表する大手仲介業者から、エース級の営業マンが選別・登録されています。

ユーザーは仲介業者ではなく「営業マンを選ぶ」という新しいコンセプトで、人による品質のブレが多い不動産業界に、新しい考え方をもたらしました。

こういったサービスを利用してセカンドオピニオンを聞くことで、中小業者による不当な契約を防止することができるはずです。

しかし一方で、小規模な不動産屋が独自のルートで仕入れた魅力的な物件も存在し、小さな業者を排除するべきとは考えません。

ただ、消費者も賢くなって、万が一にもだまされない対策を考えておくべきだということです。

筆者は現在ウェブ制作やディレクションの仕事をしていますが、三菱地所ハウスネットのカウンセルの一部記事の編集を担当し、先方のガバナンスやコンプライアンス意識の高さに驚いた経験があります。

(参考)非公開物件や未公開物件は 嘘つき不動産業者のフラグ

ウェブサイトや店頭看板で「非公開物件数百件」「未公開物件数百件」とうたう不動産業者が存在しますが、これはまさに「嘘つきフラグ」。こういう業者を見かけたら、なるべく避けるのが賢明です。

こんなものが嘘である理由はシンプルです。

非公開物件の嘘

  1. 物件をみだりに非公開にすると宅地建物取引法に違反する可能性もある
  2. 情報化社会において、非公開や未公開の物件が存在する余地はほとんどない

具体的に説明しましょう

不動産業者は法的に、積極的に営業活動を行うことが求められています。

また、不動産の売主に対しては、定期的な報告義務が課せられています。このような状況で、のんびりと物件を非公開で売るはずがありません。

国もまた、不動産流通の近代化を促進するために、仲介の依頼を受けた物件を大規模なデータベースである不動産流通機構に登録することを法的に義務付けています。

言い換えれば、まともに仲介依頼を受けた場合、物件情報を全国規模のデータベースに登録するというのが、法律で規定されたルールなのです。

従って「非公開物件数百件」と宣伝する業者は、まったく不誠実です。

逆にいえば、こういったポイントを確認することで、どの業者が嘘をつきやすいかを見極めることができます。

まとめ:嘘に対抗する方法

これまでご紹介したように、不動産は高額商品を扱う仕事であり、そのため不動産屋や売主も時には嘘をつくことがあります。

それは不動産屋が悪いというより、不動産という商品の特性によるともいえます。

そこで、不動産売買においては、不動産屋に対抗できる知識を身につけ、理論武装を行うことが重要です。

主体的に相場や物件情報を調査し、不動産屋との交渉にのぞむことは必須といえるでしょう。

その上で、判断に迷った際には、以下のようなサービスをセカンドオピニオンとして活用することが有益です。

住宅ローンについての確かな情報を得るなら、「モゲチェック」がおすすめです。このサービスは銀行の広告費で運営されており、ユーザーは無料で利用できます。

モゲチェックを利用すると、自分がどの金融機関からいくら借り入れできるのか、またどの金融機関が有利なのかを迅速に知ることができます。

不動産売却時には、三井のリハウスまたはタクシエにセカンドオピニオンを聞くことも有益です。

三井不動産リアリティは、1970年代から不動産流通の近代化や透明化に注力しており、価格査定も正確です。

また、現在のところ首都圏限定ですが、三菱地所系列が運営する新しいサービスタクシエも検討してみる価値があります。

タクシエは、不動産業界の大手企業からエース級仲介営業マンを抜擢し、約350人のチームを組んでいます。顧客はその中から不動産業者ではなく「エージェントを選ぶ」という視点で仕事を依頼できます。

これらの新しいサービスを活用しつつ、主体的に行動することで、不動産屋にだまされず、納得のいく不動産取引が実現できることをお祈りしています。

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