この記事を書いている4月から5月にかけて、ヤマトシロアリの羽アリが飛ぶ季節です。また、6月から7月はイエシロアリの羽アリが飛ぶ時期です。
飛んできた羽アリが「シロアリかも?」と心配になった場合は、以下の画像と、本記事の「見分け方」を参照してください。
ヤマトシロアリの羽アリ
イエシロアリの羽アリ
ここからは、
- シロアリの羽アリの見分け方
- シロアリの羽アリを見た時の対処法
の2点を解説していきます。また、より詳しい情報へのリンクも掲載しました。
シロアリの見分け方・特徴
シロアリと黒蟻の羽アリが、同じ時期に飛ぶ場合もあります。そこで、今目の前にいる羽アリが「シロアリか黒蟻かわからない」という場合のチェックポイントを紹介します。
シロアリの羽アリの特徴
- 胴体がずんどう
- 触角がまっすぐで、よく見ると数珠状
- 4枚の翅の大きさが同じくらい
黒蟻の羽アリの特徴
- 胴体にくびれがある(蜂のような体型)
- 触角がくの字にまがった形
- 翅の大きさが違う(前の2枚が大きく後ろが小さい)
こういった点を見ると、違いがわかりやすいでしょう。より詳しい見分け方は以下の記事を参照してください。
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シロアリの種類による違いと出現時期
写真はヤマトシロアリの羽アリです。すでに述べたように、4~5月頃に見られますが、特徴は日中に飛ぶこと。
日の当たる時期に群飛(スウォーム)するため、紫外線対策としてメラニン色素を備えています。
色が黒いのはそのためです。
また、首のあたりに黄色(オレンジ色)の輪っかがあるので、黒蟻と見分ける時のポイントになります。
イエシロアリの羽アリは、6月から7月ごろの、蒸し暑い夜に群飛します。日が暮れてから一斉に飛び始め、移動距離は200m以内程度といわれます。
シロアリの発生時期についての詳しい解説は、以下の記事を参照してください。
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危険度別:シロアリの羽アリを見かけた場合の対処法
シロアリの羽アリを見た場合、まずは落ち着いて、冷静に対応してください。焦ってネット検索し、上位の業者に連絡をするのは危険です。検索最上位は広告表示ですし、その中にはぼったくり業者も多いといわれます。
それよりもまず、以下のポイントを確認してください。
シロアリを見たら確認したいポイント
- 本当にシロアリの羽アリか(上記の特徴と比較してください)
- どこから侵入しているか
- すぐに翅を落とすか、なかなか落とさないか
危険度低:外から侵入してきた場合
シロアリの羽アリが外から来ている場合は、そこまで危険度が高くないでしょう(ケースバイケースですが)。
そこで、まずは羽アリを掃除機で吸い取るか、ティッシュなどにくるんでゴミ箱に捨ててください。
その後、必要に応じてシロアリ駆除業者の無料調査を依頼すれば大丈夫です。
危険度中:なかなか翅を落とさない場合
シロアリの羽アリが外から来ていても、なかなか翅を落とさずに歩いている時は、注意が必要です。
至近距離から飛び立った可能性がたかいからです。
この場合は警戒度を引き上げて、なるべく早めに専門業者の無料調査だけでも受けておいてください。
おすすめ業者や価格相場については、以下の記事で解説しています。
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危険度高:室内から出てきた場合
室内から羽アリが飛び立っている場合は、すでに家の中にシロアリの巣(それも成熟した巣)が作られている可能性があります。
リフォームの必要性も考え、大手の駆除業者に調査を依頼してください。大手業者は損害保険をかけて、シロアリ再発の場合のリフォーム費用も補償してくれるからです(このような会社は多くはありません)。
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シロアリは、家屋の構造体や木材を食害する厄介な存在です。被害が進行すると建物の倒壊危険性も出てきます。
室内からシロアリが飛び立つのを見てしまった場合は、早めに専門業者に相談してください。
ただし、焦りは禁物。数日で被害が大きく進行するわけではないので、落ち着いてシロアリ駆除業者を選定してください。
羽アリ以外にシロアリが侵入してくるケースと危険なか所
実は、ここまで解説してきたシロアリの羽アリはまだ見つけやすく対処しやすいのですが、シロアリはもっと静かに侵入してくることがあります。
上の図のように、地下を通って家の中に侵入するケースも少なくありません。
そこで、以下のようなポイントにも注意してください。
1. シロアリは基礎から侵入してくる
筆者が沖縄で不動産会社を経営している時、複数のシロアリ駆除業者から「シロアリは地下生物だから、床下から来るよ」といわれました。
実際、シロアリが地面から侵入してくることもよくあります。
よく見かけるのは蟻道を作って基礎を乗り越え、基礎パッキンのすき間や地窓から侵入するパターン。または、基礎の弱い部分に穴を開けて侵入してくることもあります。
シロアリはなぜか玄関から入ってくる
シロアリ駆除業者さんはよく「シロアリは礼儀正しい虫」という冗談をいいます。裏口でなく、玄関から入ってくるからです。
その理由はさまざまで、
- 玄関下に土を盛っている場合が多く、よそから盛ってきた土にシロアリがいた可能性
- 玄関を水洗いすると湿気が溜まり、また構造上乾燥までに時間がかかる
古い家の玄関框がシロアリの被害にあっていることは多いので、ここも忘れずにチェックしておいてください。
シロアリ発生の定番は「水回り」
在来工法の浴室は、年月が経過すると水密性が低下して、周りに湿気を含んでしまいます。そのため、湿気を好むシロアリが発生しやすい環境になります。
また、常に水を使う台所まわりもシロアリ被害にあいやすい場所です。
こういったポイントを確認してみて、怪しい場合は専門業者に調査をお願いしましょう。より詳しいシロアリ被害の見分け方は、以下の記事で解説しています。
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まとめ:春先から初夏にかけての羽アリはシロアリの可能性あり!
日本に住む、主なシロアリは以下の2種類です。
ヤマトシロアリ | 日本のほとんどの場所に生息 | 4~5月の日中に飛ぶ |
---|---|---|
イエシロアリ | 西日本を中心に温暖なエリアに生息 | 6~7月の夜飛ぶ |
「シロアリのようだ」と思ったら、以下の点を確認してください。
シロアリの羽アリと黒蟻の羽アリの違い
もしシロアリの羽アリだった場合、被害が軽微であれば、シロアリ110番など格安の業者でも十分対策できます。
シロアリ110番 |公式サイト
ただし、被害か所が広範囲だったり、主要な柱などが食害されている場合は注意が必要です。万が一の再発時に、損害保険が適用される大手シロアリ駆除業者を選んでください。
万が一の時に、被害か所のリフォームまで保証してくれるのは、ほぼ大手だけだからです。
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