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イエウールの評判とデメリットは?安全性やキャンセル方法まで宅建士が解説

不動産を売却したい方にとって、どの査定サイトを使うべきかは悩ましい問題です。

本記事では、イエウールの特徴や他の不動産一括査定サイトとの違い、さらには「釣り査定」や「撒き餌査定」といった問題点もやさしく解説しながら、メリット・デメリットを詳しくまとめています。

結論からいえば、イエウールは社会的信頼性の高い会社が運営しており、効率よく複数の不動産会社に査定を依頼できる便利なサービスです。

ただし、査定額を鵜呑みにするのではなく、相場感や契約の種類、サービス内容をきちんと理解することで、後悔しない不動産売却を心掛けましょう。また、目的に応じて次のように価格査定を進めてください。

価格だけ知りたいHowMaのAI査定のみ利用HowMaのAI査定は都市部でかなり正確
売却を前提に査定イエウールなどを利用して3~4社に依頼査定額のブレ幅が大きいので複数社必須
信頼性を重視タクシエ(TAQSIE)で大手に査定依頼大手のみ83社限定の一括査定サイト

この記事を読めば、あなたがイエウールを安全かつ有利に使うコツや、他サービスと比較したときの具体的なチェックポイントがわかります。ぜひ、読み進めてください。

イエウールとその他不動産一括査定サイトを比較

不動産一括査定サイトのしくみ

不動産一括査定サイトの仕組みは、ごく一部の例外を除き、どこも同じと考えていいでしょう。どの査定サイトもユーザーが不動産の価格査定を依頼すると、加盟している複数の不動産会社に転送します。

不動産一括査定サイトは、情報1件につき1つの不動産会社からおよそ1万5000円程度の料金を受け取ります。もし1件の査定依頼情報を6つの不動産会社に送信すると、それだけで査定サイト側は9万円の利益になります。

このように利益が大きい点が、不動産一括査定サイトが増えている理由でしょう。現在、以下の表のように非常に多くの不動産一括査定サイトが誕生しています。

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イエウールに限らず、ほとんどの不動産一括査定サイトは同じ仕組みで運営されており、サービスの質に大きな違いはありません。

特徴的な不動産査定サイトを挙げるとすれば、AIを活用した「HowMa」や、大手不動産会社限定で売却相談ができる「タクシエ」が挙げられます。

タクシエは超大手の三菱地所関連会社(三菱地所リアルエステートサービス)が運営しており、関東・関西・中部・九州や北海道、東北、中国地方の一部で、選抜された700人のエース級職員のみに売却相談ができるサービスです。

登録しているのは、大手社限定の83社です。

HowMaの場合は、サービスをユーザー目線で設計し、一括査定を依頼する前の段階で、AIによる価格査定をユーザーに提示する仕組みです。ユーザーはAIによる査定を見た上で不動産会社に査定を依頼できるため、「釣り査定」や「撒き餌査定」に騙されにくくなるわけです。

これはユーザーの判断に必要な情報を提供するという意味で、よく考えられたサービスです。一般の不動産査定サイトを利用するよりも、自信を持って査定書のよしあしを判断できるでしょう。

以下の記事で詳しく解説していますので、参照してみてください。

その他の不動産一括査定サイトは、おおむね同じ仕組みで運営されています。イエウールなどの不動産一括査定サイトを比較した記事もおすすめです。

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ところでイエウールとは?使っても問題ない?

イエウールの運営元である株式会社Speeeは2007年の設立以来、不動産やリフォーム、介護といったレガシー産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進してきたIT企業です。

2020年には東京証券取引所ジャスダック市場に上場しており、2022年に当省スタンダードへ移行。社会的な信頼性も高い企業といえます。

イエウールのサービス内容

イエウールは一戸建て、マンション、土地などの不動産を売却する際に、1度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できる無料のウェブサービスです。全国で2600社以上の不動産会社と提携しているとされ、規模としては業界の中でもかなり大きい方です。

また、入力しやすいインターフェースにも特徴があり、チャット方式のランディングページを早期から導入。ユーザインターフェースの改善にも積極的に取り組んでいます。

他サービスとの仕組みを比較「何が違う?」

反面、サービスに大きな特徴はあまり見られず、他の不動産一括査定サービスとそれほど仕組みは違いません。

公式サイトでも特徴的なコピーを打ち出しているわけではなく、あえていえば提携会社数が国内最多の2600社以上という点をメインで強調しているように見受けられます。

したがって、他の不動産一括査定サービスと比較して何が違うのかというと、実はほとんど違いはありません。

ただし、昔ながらの方法で不動産会社を一件一件、尋ねて回るやり方に比べるとはるかに効率的ですので、その点を評価するなら、積極的に使ってみるのもいいでしょう。

イエウールをキャンセルする方法

イエウールで査定依頼をすると、すぐに折り返し確認のメールが届きます。このメールの末尾に連絡先が書かれているので、入力後すぐにキャンセルしたくなった場合は、この連絡先にキャンセルしたい旨を伝えてください。

もし査定依頼情報の入力から時間がたった時点でキャンセルをしたくなった場合は、査定を出してきた各不動産会社にキャンセルしたい旨を伝えます。不動産会社も必ず仲介契約に進むとは考えていませんので、丁寧にお断りすれば納得してくれるはずです。

なお、イエウールのキャンセル方法について、詳しくは以下の記事で解説しています。

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筆者が実際にイエウールを使ってみたレポート

筆者は不動産会社の立場で「イエウール」を始めとする不動産一括査定サービスを利用してきました。それとは別に、会社所有の不動産を売却する時にイエウール、リビンマッチ、リガイド、マンションナビ、イエイという5つの不動産一括査定サイトを利用しました。

実際に利用してみた結論としては、次の2点が強く印象に残っています。

  1. どの不動産一括査定サイトも提携不動産会社数が不足しており、結果として5つのサイトを利用する必要がありました。
  2. どの不動産一括査定サイトを利用した場合も、不動産の査定額の信頼性は低く不自然に高すぎる価格を出す会社がありました。

具体的な査定内容のばらつき方などは以下の記事で解説していますが、とにかく査定額自体はあまり信用できません。

そこで、くれぐれも査定額で判断しないようにしてください。

イエウールなどの不動産査定サービスを利用する前に、ある程度そのエリアでの土地や建物の相場感をつかんでおき、相場感から大きく外れている査定を出した会社はむしろ契約しないほうがいいでしょう。

査定額と査定書に関する詳しい実態は、以下の記事で解説しています。

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イエウールの口コミSNSの書き込みを信じてもいい?

そもそも不動産屋はいい仕事をしても、SNSでほめられたりはしません。

しょっちゅう仲介依頼をしてくれるお客さんであっても、飲みに連れて行ってくれるありがたいお客さんであっても、SNSに何かポストしてくれたりはしません。

そう考えるとほめているポストを、うのみにすべきではありません。

Xなどの口コミに見るネガティブコメント

Xで見かけるネガティブコメントはこのパターン。広告で「高く売れる」とあおりすぎている点を批判するポストが目立ちます。

その結果「高いなら試してみようかな」と売る気がない人がイエウールを試すことに。そして不動産屋としては、儲からないのに課金だけされることになります。

その結果……

ネガティブコメントは、おおむねこの2種類に大別できます。なお、広告案件ポストなどを見抜くなら、以下の記事も参考になります。

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Xなどでほめている口コミの特徴は?

わざわざXでほめているのは広告っぽい(案件っぽい)物が多いですね。ほめている口コミやポストを、あえて参考にする必要はないでしょう。

結論として不動産一括査定のデメリットは3つ

不動産一括査定は無料で使える便利なサービスですが、デメリットもあります。まず、価格そのものが不正確であるという点は大きなデメリットです。その背景は、この章で解説します。

また、超大手と言われる三井不動産リアルティや住友不動産販売等は、一般の不動産一括査定サイトに登録していません(すまいValueに集約)。したがって、超大手不動産会社に査定してもらえないという点も、不動産一括査定の全般的なデメリットです。

加えて、個人情報に関しても少し心配な点があります。

デメリット1:不自然に高すぎる「釣り査定」が横行している

不動産一括査定サイトの営業環境を不動産会社目線でいうなら、シンプルに過当競争といえる状態。通常であればお客さん一人ひとりに対してしっかり時間をとって向き合い、売却戦略などを詳細に提案するところですが、不動産一括査定の場合は同時に6社や9社に査定依頼が届いています。しかも、ほとんどのユーザーは査定額だけで判断します。

そうなると、ひとまず高い査定額を出しておかないと検討の土俵にも乗らないということになります。

そこで多くの不動産会社は少しずつ高めの査定額を出すようになり、それがどんどんエスカレートしていき、現在では信じられないような高値を出す不動産会社も出てきました。

筆者が実際に査定依頼をかけてみた事例では、当然のように相場の2倍を出してきた会社がありました。大阪でも栃木でも、同じような状況でした。

このように不動産の査定額自体が信頼できないという、かなり残念なデメリットがあります。この構造的な問題については、以下の記事で詳しく解説しています。

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デメリット2:超大手不動産会社に査定を出してもらえない

三井不動産リアルティや住友不動産販売、三菱地所といった本当の大手不動産会社は、イエウールを始めとする不動産一括査定サイトに登録していません。

さまざまな理由が考えられますが、1つには自社で十分な集客力があること。もう一つは「クオリティーが低い不動産会社と並んで評価されることを避けたい」という気持ちもあるのでしょう。

そこで不動産査定では、ほとんどの場合、大手不動産会社からの査定書を出してもらえないのが現状です。

その点、三菱地所関連企業が運営している「タクシエ(TAQSIE)」という不動産査定サイトは、唯一、大手不動産会社のみに絞った一括査定サイトです。

都市部の不動産を売却する場合は、まずタクシエを試してみるのがいいでしょう。タクシエで対応会社が見つからない場合、イエウールなどの不動産査定に切り替えるという作戦が確実です。

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デメリット3:個人情報の取り扱いに不透明な部分がある

イエウールを運営する株式会社Speeeなどは非常にしっかりとした会社ですし、個人情報の取り扱いについても安心できるのですが、しかしその個人情報は最終的に提携不動産会社に送信されます。

全国に2600社もの提携不動産会社があるわけですから、その全てが個人情報の管理に気を配っていて、しっかりと法令を遵守しているとは限りません。そう考えると、仕組みとして、不動産一括査定の個人情報保護方法には限界があるといえるでしょう。

これは、どの不動産一括査定サイトでも同じです。

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メリット1:買取よりも売却価格が高くなる傾向あり

不動産一括査定には様々なデメリットがありますが、それでもよくあるネット上の不動産買取サービスを利用するよりも、高い値段で不動産を売却できる可能性があります。

不動産の買取では、どうしても相場の値段をつけることができません。

不動産会社もビジネスですから、買い取った価格にコストや利益を載せて再販しなければいけません。そうするとどんなに頑張っても相場より3~4割程度安く買う必要があります。理想をいえば半額以下で買わないと、しっかり儲かる事業にはならないのです。

そのため不動産会社による買取は、かなり安い価格になってしまいます。それに比べると、イエウールなど不動産一括査定サービスで売却する場合は、おおむね相場の範囲内で売却できます。

不動産の買取について、詳しくは以下の記事で解説しています。

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メリット2:地元不動産屋を探すときに便利

都市部の不動産と地方の不動産で、不動産会社を使い分けるのが得策です。

東京23区や大阪市内、京都市内のような都市部であれば、大手不動産会社が強く、特に人気エリアの一戸建て物件やマンションなどは、誰もが名前を知っているような超大手系が強いといえます。

しかし、都市部以外では、大手不動産会社が強いとは限りません。

大手は、あまり人気のない物件に時間をかけて向き合うこともしません。大手不動産会社の営業マンはノルマがあり、またたくさんの物件を扱わなければいけないため、非常に忙しいからです。

そこで田舎の物件や不人気物件を売却する場合は、そのエリアの物件にじっくりと向き合い、時間をかけてでも売却をしてくれる地元不動産屋を探す必要があります。そんな時、イエウールを始めとする不動産一括査定サイトは、地元不動産屋を探すためのツールとして大変役に立ってくれます。

詳しい背景については、以下の記事で解説しています。

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イエウールが「怖い」ってどういうこと?

Googleの検索窓にイエウールと打ち込むと「怪しい」「最悪」「怖い」「しつこい」「トラブル」などネガティブなサジェストが出てきます。

これはどういったことなのか、この章で詳しく検討してみましょう。

イエウールは不動産屋にとって「怖い」サイト?

SNSなどでイエウールは「怪しい」「怖い」といった意見もあります。しかしユーザー目線で考えてみると、イエウールを使うことで何か直接的な損害を受けるとは考えにくいでしょう。

一方、イエウールと提携している不動産会社の立場で見ると、イエウールは会社規模も大きく「怖い」存在に見えるかもしれません。

イエウールは不動産会社からしっかりと料金を取っていきますから、その点が「怖い」と映るのかもしれません。

一般ユーザーの立場では、イエウールを使ったからといって何か大きな出来事が身に降りかかるということはありません。その点は安心して利用してください。

イエウールを査定のみで使うのは絶対NGな理由

よくある質問のひとつとして「イエウールは査定のみ利用しても良いのですか」というものがあります。

不動産一括査定サイトは不動産会社がお金を出しており、不動産会社が仲介を獲得するためのツールとして運営されていますから、査定のみ利用していいはずがありません。

筆者は不動産会社の立場でさまざまな不動産一括査定サイトと契約をしましたが、その際、どの査定サイトからも「全く売る気がないのに査定だけさせるような不正な査定依頼は極力排除しています」という説明を受けています。

また、不動産会社は情報1件あたり1万5000円前後の料金を支払っていますから、そんな不動産会社に査定だけさせようというのは絶対にやめて欲しい行為です。もし不動産の価格のみを知りたい場合は、HowMaのAI査定などを使ってみてください。

HowMaについて詳しくは以下の記事で解説しています。

またイエウールを査定のみで使うことの是非に関して、より詳しい内容は以下の記事にまとめています。

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不動産一括査定サイトが不動産会社に課金する金額については完全に非公開となっており、断定が難しいところです。筆者のケースでは、情報1件あたり7500円~15000円でした。ただし、不動産会社によっては、それよりも高額に課金されているというところがあり、筆者が確認した最高額は18000円です。

イエウールに途中まで入力してやめても問題ない?

イエウールに関して、「途中まで入力をしてやめたけれども、問題はないのか」という点を検索している人もたくさんいます。この点については、途中まで入力してやめても全く問題ありません。

筆者はエリアごとにどの不動産会社が対応しているのかをテストするため、何度も途中まで入力をしてやめた経験がありますが、一切何も起きていません。

また、イエウールを始めとする不動産一括査定サイトの仕組みとして、POSTメソッドを利用してデータを送信していますから、送信ボタンが押されるまでは運営会社宛にデータが送信されることはありません。

この点について詳しくは以下の記事で解説しています。気になる方はぜひ読んでみてください。

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イエウールで不動産を高く売るコツ・安全に売るコツ

イエウールを利用して失敗する人の特徴は、不動産会社が出してきた実態の伴わない高すぎる査定額(いわゆる「釣り査定」)を鵜呑みにし「こんなに高く売れるならぜひ売ってほしい」と任せてしまうパターンです。

そんな値段で売れるわけがありませんから、結果として販売は長期化し、徐々に値段を下げて、相場もしくは相場以下で売却することになります。

このように何も考えずイエウールを利用してしまうと、売却が長期化するだけで、結局高値で売れず、むしろ安くなったということになりがちです。

「撒き餌査定」「釣り査定」に注意して業者の信頼性を見抜く

最近知られるようになってきましたが、イエウールなど不動産一括査定サイトを使った場合、不動産会社の競争が過度に激しくなります。

その結果、どの会社も他社より少しでも高い査定額を出そうと競う傾向があります。

しかし、本来不動産の売却査定とは「市場で売れるであろう価格を推定する」ものです。

したがって意味なく高い査定額を出したとしても、その価格で売れるという保証は全くありません。それどころか、売却が長期化すると市場から嫌われ、不動産の価格が安くなってしまうことになります。

そこで実態よりも高すぎる撒き餌査定・釣り査定を信じず、きちんと相場の価格を出してきた不動産会社に仲介を依頼するようにしてください。

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実は「登録不動産会社数は多くない」という点を理解しておく

イエウールの登録不動産会社数は2600社以上と、競合サービスより多いのですが、しかし不動産会社は全国に約14万社あります。そう考えると、登録会社はごく一部にすぎません。

全国に市町村は1718もあります。提携会社2600社のうち、大半は都市部に集中していますから、多くの市町村ではイエウール提携の不動産会社がゼロというのが実態です。

そこで地方では、イエウールを利用しても複数の不動産会社が見つからない、あるいは全く不動産会社が見つからないという可能性があることは想定しておいてください。

そのような場合は複数の不動産一括査定サイトを利用して、少なくとも3~4社程度とコンタクトを取るように努力してください。

少々めんどうですが、それでも1社ずつ不動産会社を回るよりも手間が少なく、またある程度ITリテラシーのある不動産会社が対応してくれるはずです。以下の記事を参照して、他の一括査定サイトも検討してみるといいでしょう。

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「専属専任媒介」は締結しない

不動産の仲介を法律の用語で媒介といいます。媒介契約には以下の3つの類型があります。

専属専任媒介専任媒介一般媒介
自分で買主を見つける
他の不動産会社への依頼✕(1社のみ)✕(1社のみ)〇(複数社OK)
レインズへの物件登録義務あり(契約から5日以内)義務あり(契約から7日以内)任意(義務なし)
売主への活動報告義務あり(1週間に1回以上)義務あり(2週間に1回以上)任意(義務なし)
契約期間の上限3か月3か月

この中で専属専任媒介はユーザーにとってメリットがほとんどないため、専属専任媒介をごり押しする不動産会社は避けてください。

専属専任媒介の場合、ユーザーが自分自身で購入希望者を見つけた場合でも、仲介業者を通さないと取引できないという無駄なしばりがあります。

結論として、不動産の仲介契約を締結する場合、一般媒介もしくは専任媒介のいずれかから選ぶことになります。詳しくは以下の記事で確認してください。

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マンションと土地は机上査定で十分

よく「机上査定では不正確だから訪問査定がいい」と解説している記事があります。しかし宅建士として実務を行ってきた経験上、筆者は「マンションと土地は机上査定でも相当程度正確に査定額が出せる」と考えています。

実は机上査定であっても1度は現地を見に行きます。

土地の場合は外観から見ればほぼ正確に確認できますので、訪問査定の必要はありません。またマンションの場合もかなり定型的な査定業務になるので、建物外観を確認すればある程度正確な査定額を出すことができます。

それなのに「訪問査定がいい」という理由は何でしょうか? 不動産会社の営業戦略から逆算して考えてみてください。

明らかに「あなたに営業をかけたいから訪問査定がしたいのだ」といえます。したがって、無駄に営業をかけられたくない場合は、イエウールでも机上査定を選んでください。

ただし一戸建ての場合だけは、机上査定だと大きめの誤差が出る可能性があります。その点は理解しておき、一戸建てで正確な査定を出してもらいたい場合には訪問査定を選ぶといいでしょう。

イエウールでは机上査定か訪問査定かを選べないので、最初のコンタクト(メール・電話)がきた時点で「机上査定にしてほしい」と伝えてください。

イエウールについてのQ&A

最後に、この記事に書き切れなかったイエウールについてのよくある質問と答えをまとめました。不動産売却はめったに経験する物ではないため、不明点があるかと思います。もしこのQ&Aでも解決しない場合は、記事の下部にある

Q1. イエウールは無料ですか?費用はいつ発生しますか?
イエウールの利用自体は無料です。費用が発生するのは、仲介会社と媒介契約を結び、実際に売却が成立したときの仲介手数料のみです。また仲介手数料は成功報酬なので、成約できなかった場合は支払わなくてもかまいません。

Q2. 営業電話は来ますか?しつこいですか?
営業電話は来ます。筆者(大阪府阪南市でマンションを売却した際)にも実際に電話連絡がありました。「電話は来る」という前提で使うのが現実的ですが、過度にしつこいケースはそれほど多くありません。コントロールするには、最初に連絡手段と時間帯の希望を伝え、用が済んだ会社にははっきり辞退を伝え、必要に応じて着信を制限してメール中心に切り替える、という運用で十分です。

Q3. しつこい営業を角を立てずに断る方法は?
結論と削除依頼をセットで伝えるのが効果的です。例えば「他社に依頼することに決めました。名簿からの削除をお願いします。」「今回は見送ります。以後はメールでのご連絡のみでお願いします。」「当面は動きません。再連絡は不要です。」と要点を短く伝えると意図が伝わりやすいでしょう。なお「検討中です」と曖昧に答えると連絡が長引きがちです。

Q4. 申し込み後のキャンセルはできますか?
可能です。申し込み直後で、まだやり取りが始まっていない場合は、受付メール末尾に書かれた窓口へキャンセル希望の旨を返信します。不動産会社とやり取りが始まっている場合は、各社に直接「依頼の取り下げ」を連絡します。いずれも案件IDや物件住所を添えると処理がスムーズです。

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Q5. 何社くらいに査定を出すのがベストですか?
3〜6社が目安です。少なすぎると相場のブレを掴みにくく、多すぎると連絡管理の負担が増えます。比較に必要な幅と、運用のしやすさのバランスを取ると、このレンジに落ち着きます。

Q6. 大手にも査定してほしい場合はどうすればいいですか?
本記事では大手のみが登録するサイト「タクシエ」を紹介しました。超大手を含む複数社の査定情報を横断的に確認でき、選択肢を広げやすくなります。詳しくはタクシエ公式サイトをご確認ください。

Q7. 個人情報は大丈夫ですか?
一括査定の性質上、物件情報や連絡先などの必要最小限の情報は仲介会社に共有されます。各社のプライバシーポリシーを確認し、連絡手段や連絡希望時間を最初に伝えておくと安心です。なお、匿名のままで正確な査定を受けることはできませんので、ある程度個人情報を出すことは避けられません。

Q8. 査定額がバラバラで迷ったときはどう選べばいいですか?
「一番高い額」だけで選ぶのではなく、根拠の明確さで比較します。直近の成約事例や査定ロジックの説明に納得できるか、販売戦略(初期価格の設定、値下げの基準、広告面)が現実的か、囲い込みを避ける運用方針か(レインズ公開など)――こうした観点で腹落ちする会社を選ぶと、結果的に早く、適正価格で売れやすくなります。

まとめ「イエウールなどで不動産を高く売るコツ」

この記事では、実際に筆者自身がイエウールを含む複数サービスを比較利用し「5社使ってようやく納得のいく査定に出会えた」「AI査定や大手限定サービスも視野に入れると安心」といった体験談も交えて解説しました。

イエウールは確かに無料で、複数の不動産会社に効率よく査定依頼をすることができます。

しかし、その裏側では「不動産会社の過当競争」がおきており、その結果「実態よりも高すぎる査定額(釣り査定)」を出してくる業者も増えています。

つまり、査定額を見極める目を持つことが必要なのです。

もし、不動産の相場感に自信がない場合は、価格査定の正確さに定評のある「三井のリハウス」に査定を出してもらいましょう。リハウスは、業界でほぼ唯一、公式サイトで「正確な査定」を大きく打ち出しています。

ある程度不動産リテラシーに自信がある方であれば、以下の記事などを参考に、不動産一括査定サイトを探してみてください。

出典・データ

本記事の提携会社数などは、2025年7月時点の公式発表等に基づいています。

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