イエウールの評判について、様々な口コミサイトや掲示板サイトを見ていくと、良くない評判については主に以下の2つにまとめることができます。
- 営業の電話がしつこい。
- 査定額が不正確でばらつきが多く、どれが正しい査定額かわからない。
反面、手軽に複数の不動産会社に価格査定を依頼でき、大幅に手間を軽減できて便利ではあるのですが、肝心の査定額が不正確では心もとないですね。
しかし、しつこい電話はコツをつかめば対応可能ですし、正しい査定額を出してくる不動産会社もあります。ポイントはどの査定額が正しいのかを見抜くコツをつかむこと。この記事ではそういった点を踏まえ、イエウールのネガティブな評判に対して、どのように対処すればうまく使えるのかを解説します。
筆者は不動産会社の立場で10年近く不動産一括査定サイトを利用してきました。また一般利用者としてイエウールを使って所有マンションの売却査定を行い、実際に成約した経験もあります。
しっかりとした知識さえあれば、イエウールのネガティブな評判についても克服することができます。ぜひ正しい知識をもとに、不動産売却を成功させてください。
営業電話は当日〜翌日にくるのがふつう

イエウールで査定依頼を出すと、当日〜翌日に電話が入るのが普通です。
実際、筆者が大阪(阪南市貝掛)のマンションを売却したときも、4社に依頼して4社すべてから電話連絡がありました。
ただし、しつこい電話営業を仕掛けてくるのはその中のごく一部です。
筆者が実際に査定依頼をしてみたところ全社から電話あり
筆者が大阪府阪南市にある事務所用マンションを売却した時、4社に依頼して4社すべてから電話連絡が入りました。当日連絡をしてきた会社が3社、3日ぐらいしてから連絡をしてきた会社が1社だけありました。
前提として、電話連絡をするのには意味があります。
不動産の価格査定では個人情報を含むセンシティブな情報を送信する必要があります。その点、まずは一度電話をして「査定依頼をしてきた人が本当の所有権者なのか、ちゃんとした権限を持った人なのか」という点を確認しておく必要があります。
筆者の場合はイエウールやリビンマッチなどの一括査定サイトから査定依頼が届いた場合、まず登記簿を取得し登記名義人を確認します。その後査定依頼をした人に電話をしてみて、所有者本人か、もしくはその家族など正当な権利者なのかどうかを確認し、それから査定書を作成して送信していました。
こういった手順を踏まなければ、第三者に、個人情報を含んだ査定書を送信してしまいかねません。そこで、まずは一度電話をしてくるというのは仕方のないことだと考えましょう。ただしそれとしつこい営業電話をすることとは全く別ものです。
なお筆者が実際にイエウールなどの一括査定サイトを使って物件を売却した時のレポート記事は、以下のリンク先で読めます。
電話対応を考えると査定依頼社数は4社まで
やみくもに、たくさんの不動産会社に査定依頼をすると電話対応が増えすぎてしまい、効率が悪くなります。筆者が考える、最適な会社数は4社です。
経験上地方の不動産会社4社をピックアップすると、そのうちの半数程度は信頼性が低い業者ですが、半数程度は仲介を依頼しても問題ないレベルの会社です。
実際に大阪のマンションを売却した時も4社の不動産会社に査定依頼をして、そのうち2社はちゃんとした査定書を送ってきてくれました。残る2社は査定書も雑で、対応もよくありませんでした。
結果、信頼性が高いと判断した2社の不動産会社に一般媒介で仲介を依頼しています。
一方、栃木で一戸建ての査定依頼をした事例では、5社の不動産会社に価格査定を依頼して、妥当な査定額を出してきたのは、そのうちの1社だけでした。このように場合によっては信頼性の高い会社が少ないエリアもありました。
もし4社に依頼して「いい会社がない」と思える場合は、1~2社程度増やしてみるのもひとつの手でしょう。
地方ではイエウールだけで4社確保するのは難しい場合もあります。その時は、以下の記事を参照して、その他の不動産一括査定サイトを試してみてください。
営業電話を減らすコツははっきりルールを伝えること

不動産一括査定では、査定情報は一瞬にして複数の不動産会社に送信されます。各社はお金を払って情報を送ってもらっているため「まずは査定依頼主に会って営業をかけたい」と考えます。
一度電話に出るのは避けられませんが(本人確認の意味があります)、重要なのは、この時点でしっかりと「ルールを伝える」こと。
- メールで連絡してほしい。査定書もメールで。
- 追加の連絡も必ずメールで問い合わせてほしい。
- 仲介をお願いするときはこちらから電話する。
上記を、ていねいに、しかしきっぱりと伝えてください。
ポイント
- ていねいに対応
- しかしハッキリと言い分を伝える(曖昧はダメ)
- 電話内容はすべてメモに残しておく
この3つが大切です。
この点を徹底しているのにメールでなく電話をしてくる会社は、候補からはずしてください。ルールを守れない会社だとわかったわけですから、お断りした方が安心です。
ここまでを徹底するだけでも、電話営業に悩まされる事は激減します。さらに詳しい情報は、以下の記事に掲載しています。
カドが立たないキャンセル方法

「送ってしまったけど、やっぱり査定を取りやめたい」。そういうこともあり得ます。
結論からいうと、イエウールはどの段階でもキャンセルできますし、料金を請求されることもありません。まずは落ち着いて、査定サイトから届いた自動返信メールの末尾にある窓口(問い合わせ先)を確認してください。
査定依頼直後であれば、そこに書かれた連絡先にメールすればOKです。
ただし、査定情報は短時間で不動産会社へ自動転送されてしまいます。その場合は、イエウールなどのサイト側にキャンセルの意思表示をするより、連絡してきた不動産会社に「キャンセルします」と伝える方がはやくて確実です。
タイミング別にキャンセル方法を切り分けておきましょう。
- 依頼直後(送信からごく短時間):まだ各社へ転送前なら、査定サイトへ直接キャンセルを申請。
- 当日〜翌日:多くは各社へ届いているので、連絡が来た不動産会社に「キャンセル希望」と伝える。合わせて査定サイトにも一報を入れると親切です。
- 査定書受領後:査定書を送ってきた会社へ丁寧にお断り。媒介契約前なら問題なくキャンセルできます。
不動産会社に伝える一言はシンプルなもので十分です。
「事情が変わり、今回は見送ります。査定サイトにも私からお断りを入れておきます。」
不動産会社は査定サイトに1件あたり数千〜数万円のリード費を支払う仕組みですから、このように「査定サイトにも断りをいれておく」というのがポイント。その際、査定サイトには「今後売る予定がなくなった」と断言してください。そうしないと、不動産会社は強引に課金されてしまいます。
利用者からサイトにもキャンセルが入れば、それだけで課金を除外してもらえる可能性が出ますから、不動産会社としてもしつこく営業する必要がなくなります。
なお、キャンセル理由を詳細に答える義務はありません。聞かれても「売却を白紙撤回しました」でOKです。
詳しくは以下の記事で解説しています。
査定は値段でなく「根拠」を見る

不動産の査定は、基本的に「取引事例比較法」で行われます。精度を左右するのは、どの成約事例を、どんな理由で採用したかという「選び方」です。
相場から外れた高値の事例だけを寄せ集めて金額をつり上げる、いわゆる「釣り査定」はぜひとも避けるようにしてください。
また査定書を見るときは、採用した事例の妥当性が説明されているか、担当者のヒアリングが管理状況や修繕歴、方位・階数といった個別要因まで踏み込めているか、そして近隣の実勢・成約データが裏づけとして示されているか――この三点が揃っているかを落ち着いて確認しましょう。
その上で、依頼者側があらかじめ相場感をつかんでおく努力も必要です。
マンションならSUUMOやLIFULL HOME’Sで同一物件の売出価格の相場感をつかみ、土地は路線価で「ざっくりした相場の下限」を押さえます。
一戸建ては路線価から土地価格を概算し、建物は残価を見積もって全体に妥当なレンジを推定しておくと、査定書の数字が現実的かどうか判断しやすくなります。
釣り査定とは?
査定ユーザーが喜ぶ高値の査定を出し、それをエサにお客を釣り上げるための「実態を伴わない高値の査定」です。不動産一括査定サイトが増えてしまい、不動産会社間の競争が激しさを増す中、釣り査定を出す会社が増えているといわれます。注意してください。
一度も電話をしない会社はむしろ信用できない

1点注意しておきたいのは、1度も電話してこない会社が良い会社ではないという点です。イエウール評判を聞いて「電話をしてほしくない」と考える方も多いですが、筆者は必ず1度だけ電話をして、それ以降はメールで対応するようにしていました。
その理由は、不動産一括査定からの査定依頼に、時々所有者ではない第三者からの不正な査定依頼が混じっているからです。
筆者の経験だけでも、全く所有者ではない人が隣の土地の値段を知りたいという理由で、人の土地の査定依頼をしてきたことがありました。
この時は登記簿を取り、登記名義人とは違う人物だったことから問い合わせてみたところ、本人の土地ではなく、他人の土地であるということがわかりました。この査定依頼に関しては丁寧にお断りしています。
他にも両親が所有する自宅の土地の価格の査定依頼を未成年の子供が送ってきたことがあります。これについても両親の許可を得ておらず、しかも未成年であることから査定をお断りしました。
このような事例は意外と多く、電話を一度もせずに、何の確認もなく査定書を出してしまうと、個人情報を含むセンシティブな情報を第三者に送ってしまうということになりかねません。
これでは問題があるので、筆者は必ず一度だけ電話をし本人であることを確認していました。所有者や権利者に対して送信するのであればいいのですが、赤の他人の第三者に重要な情報を送信するというのはコンプライアンス上もいかがなものかと思います。
そういった事情ですので、一度くらいは電話に出てあげてください。なお筆者は1度も電話に出ない人には査定書を送らないようにしていました。
イエウールで査定を依頼する際も、一度も電話してこない不動産会社より、最低限、法的・倫理的な意味で依頼者を確認する不動産会社の方が信頼性が高いといえるでしょう。
イエウールが向いている人/向かない人

イエウールが向いているのは、路線価などの基礎情報を自分でも確認し、3〜4社の提案を落ち着いて比べられるタイプの方です。
特に地方では提携社数が多いぶん、複数の対応不動産会社を確保しやすく、複数の会社の中から、信頼できる1〜2社を見つけやすくなります。
ただし、地方へ行けば行くほど、イエウールの対応不動産会社数も少なくなります。もしイエウールだけで4社程度に査定依頼できない場合は、他の不動産一括査定サービスを利用して4社以上に査定依頼するようにしてください。
以下の記事も参考になります。
一方で、首都圏・関西・名古屋などの三大都市圏や、いわゆる地方四市のような都市部では、超大手不動産会社の売却スピードと集客力を活用しないのはソン。超大手ならではの、買い手データベース、広告網、社内ノウハウを利用し、安心・確実に不動産売却をすすめるのがいいでしょう。
三井のリハウス
|公式サイト
三井のリハウスについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
さらに、「大手だけに絞って比較したい」「担当者の当たり外れを極力避けたい」という方には、エース級営業に最短でアクセスできるサービスもあります。実績に基づいて担当者をマッチングしてくれる「大手仲介業者のエース級営業マンをマッチングしてくれるタクシエ(TAQSIE)」なら、短期勝負や価格を下げずに売り切りたいケースでも、最初の一手から質の高い対応が期待できます。
TAQSIE(タクシエ)|公式サイト
タクシエについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
結局のところ、「自分の物件と目的に合う手段を早めに選ぶ」ことが、早く・高く・確実に売る近道です。
地方や複数社比較前提なら、まずはイエウールを使ってみるのがいいでしょう。都市圏の好立地の物件を効率的に売却するなら三井のリハウス、担当者の質にこだわるならタクシエと、切り分けてください。
迷ったら上記の記事を起点に、最短ルートで一歩踏み出してください。
まとめ:不安は段取りで解消できる

イエウールについての評判で、必ずあがるのは次の2点です。
- 営業電話がかかってくる
- 査定があまり正確ではない
電話については、最初から方向性を決めてこちらが主導すれば大丈夫。最初の電話が来た時点で「今後はメールでやりとりする」というルールをはっきり伝えてください。そのルールを守れない不動産会社には、仲介を依頼しないようにしましょう。
次に、査定が不正確という問題。
筆者の経験では4~5社のうち、1~2社はしっかりした会社で査定額も妥当という傾向があります。そこで、不動産一括査定サイトを利用するときは、だいたい4社程度に絞って査定依頼を送信してください。
4社未満の場合は、リビンマッチやリガイドなど、イエウール以外の査定サイトも利用して、4社にコンタクトをとるほうがいいでしょう。
すると、そのうちの1~2社はしっかりした会社である可能性が高いです。
イエウール|公式サイト
初めての不動産売却では、失敗の危険性があるのも当然。それを織り込んだ上で、自分自身でも「本当の相場は?」という調査を行っておいてください。マンションならSUUMOやLIFULL HOME'Sの物件情報を見ておくだけでもかなり違います。
不動産一括査定の仕組み上「電話が一斉に鳴る」「しつこく営業しようとする会社がいる」のはしかたがないことですが、上記のように準備をしておくだけで、かなりストレスを軽減できます。
また、都市部であれば価格査定が正確な三井のリハウスに、まず査定を出してもらうのが安心でしょう。
三井のリハウス
|公式サイト
地方であれば、以下の記事などを参考に、複数の不動産一括査定サイトを活用してみるのもいいでしょう。