この記事では、シロアリとよく間違える虫をリストアップし、画像で解説します。目の前の虫が「シロアリなの?」と疑問に思った時、読み進めてください。
まず最初に、シロアリの画像を掲載しますので、特徴を押さえておきましょう。
シロアリの職アリ
こういう虫が庭や家の柱にいたら、すでにシロアリの巣がつくられています。
シロアリの羽アリ
シロアリの羽アリは、室内に侵入したらすぐに翅を落とします。ヤマトシロアリでは少し黒っぽい個体もいるので「シロアリと違う虫かな?」と思いがちですが、体に蟻のようなくびれがない点が特徴です。
「これはヤバい」となったら、専門業者の無料調査だけでもお願いしてください。
以下の記事では、筆者が自宅にシロアリ業者を呼んだ時のリアルなレポートで、無料調査の手順から、施工した場合の具体的な料金を掲載しています。
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では、シロアリと間違えがちな虫を画像でチェックしていきましょう。
【重要】シロアリと黒い蟻の羽アリの違い
まず、4~6月頃を中心に、羽アリが家の中に入ってきた時は、上の図のポイントをチェックしてください。
普通の蟻の羽アリの場合、胴体にくびれがあり、前と後ろの翅の大きさが違っています(後ろの翅が小さい)。
それに対して、シロアリは胴体がずんどうで、前後の翅がだいたい同じ大きさです。また、家に侵入してすぐに翅を落とすのもシロアリの特徴です。
触角にも特徴があります。黒蟻の触角はくの字に曲がっていますが、シロアリはまっすぐ。また、シロアリの触角をよくよく見ると、数珠がつながったような形状です。
シロアリの触角を拡大
上の画像のようにツブツブがつながっているのが、シロアリの触角の特徴です。
シロアリの体型・特徴を写真でチェック
写真は、筆者の自宅に侵入後、すぐに翅を落としたシロアリ(ヤマトシロアリ)の有翅虫(羽アリ)です。
シロアリの羽アリを見分けるポイント
- 体の形がずんどう(横から見ると平たい)
- 触角が曲がっておらずまっすぐに見える
- 床を歩き回る(2匹ペアの場合が多い)
- 色は真っ白でない個体もあり
これを見ても、数匹程度ならあわてなくてもOKです。ティッシュにくるんで捨てるか、掃除機で吸い取ってください。
掃除機の中で乾燥して、すぐに死んでしまいます。
ただし、多数発生している場合や、家の中から大量に飛び立っている場合は注意が必要です。すでに家の中に巣を作っているかもしれません。
普通の蟻の翅の形や体形を写真でチェック
写真はガラスにとまっている黒蟻の有翅虫(羽アリ)を、なるべく横から撮影したもの。胴体にくびれがあることがわかります。
また、触角が「く」の字に曲がっていることもわかります。
これと比べてみて「黒蟻と形が違う……」と思ったら、専門業者の無料診断を受けてみてください。
何もなければ、それはそれで安心できます。また、調査だけなら大手でも無料ですから、信頼度の高い大手に依頼してみるのがおすすめです。
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半透明な茶色っぽい蟻もいます
写真はヒメオオズアリという、黒蟻の仲間です。ほかにもアメイロアリの仲間やイエヒメアリなど、黒くない蟻がいます。
「シロアリかな」と思った場合は、胴体のくびれと触角が「く」の字かどうかをチェックしてみてください。
写真のヒメオオズアリも、胴体にくびれがあることがわかります。
半透明で黒くない蟻は他にもいますが、すべて触角の形と胴体のくびれで判別できます。
その他シロアリと間違える虫
最もシロアリと間違われやすいのは、ここまでに紹介した黒蟻の羽アリです。シロアリが人目につくのは羽アリとして群飛(スウォーム)する時期だからです。
シロアリが群飛するのは、主に4月~6月いっぱいくらいの時期です。種類によって異なる場合があります。
一度木材の中に巣を作ってしまうと、シロアリはほとんど人目につくことなく、静かに食害を続けます。
そんなシロアリと間違われやすい、その他の虫を紹介していきます。
形と質感がシロアリと間違われやすい「チャタテムシ」
チャタテムシは家の中にもよく発生する害虫で、食品(乾物類)や建具(押し入れ内部や畳を含む)に発生するカビ等を食べます。
翅がある種類とない種類がありますが、翅がないものはシロアリの働きアリ(職アリ)に似ています。
白っぽく半透明(薄茶色)の外見が、少しシロアリに似ているからです。
チャタテムシとシロアリ(職アリ)を見分ける時は、行動パターンに注目してください。シロアリは日光を嫌うので、床を歩いたり、日が当たる場所で長時間行動したりしません。
チャタテムシは木材を食害しませんが、ぜんそく発作のアレルゲン(アレルギー原因物質)となることがわかっており、できれば室内での発生を抑えたいもの。カビが生えない環境を心がけてください。
シロアリの羽アリと間違われる「クロバネキノコバエ」
クロバネキノコバエも「シロアリの羽アリでは?」と疑われることがある虫です。シロアリという名前に反して、羽アリには黒っぽいものもいますので、たしかにクロバネキノコバエと似ている点もあります。
南相馬市のサイトには「(クロバネキノコバエは)一年中発生が見られますが、梅雨の時期に大量発生することがあります」と書かれており、シロアリと発生時期がかぶることもあります。
しかし、体長がまったく違うので、大きさで見分けることができます。
シロアリの羽アリは体長10ミリ前後ですが、クロバネキノコバエは1~2ミリと、かなり大きさが違います。
クロバネキノコバエによる人への直接的な害は報告されておらず、「不快害虫」とされます。
クロバネキノコバエの発生について|南相馬市
色や大きさでシロアリと間違われる「シミ(ヤマトシミ)」
ヤマトシミ(大和紙魚)は、体長8~9ミリで、金属粉のような鱗粉(りんぷん)で覆われています。
高温多湿の環境を好み、食物ではなく空気中の湿度から水分を得ています。
ヤマトシミとシロアリも、行動パターンの違いで見分けることができます。
シロアリと違って単独で行動することが多く、またシロアリほど日光に弱くないため、畳の表面を歩いていたりします。
シミ類について|名古屋市
被害跡がシロアリと間違われやすい「キクイムシ」
キクイムシは、シロアリとはまったく見た目が異なる甲虫です。しかし、同じく木材を食害するため、被害跡から「これはシロアリでは?」と間違われる虫のひとつです。
ヒラタキクイムシに代表されるキクイムシに食害された木材には、直径1~2ミリの小さな穴が多数あいているのが特徴です。
室内の柱や家具を食害された場合、穴から非常に細かい木くずがこぼれ落ちていることがあり、その点もシロアリと異なっています。
名古屋市のサイトによると「何世代にもわたって同じ場所を食害するので、放置すると修復不可能なほどに被害が拡大する」と書かれており、シロアリではないものの注意が必要な害虫のひとつです。
ヒラタキクイムシ類について|名古屋市
すでにシロアリ被害を受けている場合を画像でチェック
上の図のように、ヤマトシロアリは北海道南西部以南の、日本全域に生息しています。また、オレンジのエリアには、より被害が深刻化しやすいイエシロアリも生息しています。
そこで、これらのエリアに該当する場合は、定期的にシロアリの調査を入れた方が安心できるでしょう。
自分でチェックする場合は、次のようなポイントを見ていきましょう。
庭の切り株や木杭を確認する
写真は、庭の切り株にいたシロアリです。いくつか切り株があったので、念のため撤去しようと掘り返すと、ヤマトシロアリが営巣していました。
こういった場合、シロアリの巣の本体は、地下1mあたりにあるといわれています。
この写真は、屋外(公園)に設置されていた柱ですが、蟻害跡が見られます。庭の木杭についても、こういった蟻害がないか確認したり、一度引き抜いてみて、土中に埋まっている部分にシロアリがいないか確認するといいでしょう。
柱に土っぽいものがついている場合は要注意
家の中に、見慣れない土のようなものがある場合も要注意です。これは蟻土(ぎど)といって、シロアリが運んできたものです。
蟻土は、木くずや土、シロアリの排泄物で作られており、直射日光を嫌うシロアリの通り道にもなります。
「震災で倒壊した建物の8割にシロアリ被害」シロアリの恐ろしさ
シロアリの被害にあっても、意外と家は倒れずに立っています。しかし、柱の中身はスカスカになっているので、強度が大きく低下しています。
そのため、阪神大震災では、シロアリ被害のある住宅の多くが倒壊したといわれています。
シロアリの被害にあっても、意外と家は倒れずに立っています。しかし、柱の中身はスカスカになっているので、強度が大きく低下しています。
そのため、阪神大震災では、シロアリ被害のある住宅の多くが倒壊したといわれています。
阪神大震災の後、被災地ではシロアリ被害のある建物が多く倒壊したことが報告されましたが、その後の地震でも、たびたび蟻害と倒壊の関連が調査されています。
たとえば、2017年の能登半島地震に関する園田里見氏らの論文では「被害建物の多くに顕著な蟻害・腐朽がみられる」と報告しています。
また、この論文には以下のように書かれており、シロアリ被害と地震による倒壊の関連性がより明確になっていることがわかります。
蟻害 ・腐朽の構造被害への影響は従来明確にできない部分があったが、能登半島地震の被害ではこの点に関する知見が報告されている。
平成19年(2007年)能登半島地震における木造住宅の被害
このように、シロアリ被害のある建物が地震で大きな被害を受けたことがあきらかになっています。シロアリ被害と地震の関連について、より詳しくは以下の記事で解説しました。
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FAQ:シロアリについて覚えておきたいこと
ここからは「シロアリがいるかも」と疑われる場合に役立つ知識をまとめました。
まず、シロアリが好む環境・好まない環境を切り分けてみてください。また、シロアリの被害が疑われる場合の、業者選定方法についても解説しています。
シロアリが好む環境と自分でできるかんたんな対策
シロアリ被害にあいやすい家には特徴があります。
- 建物の基礎がベタ基礎でなく布基礎
- 外壁や屋根に雨漏り(雨水の浸入)がある
- 建物の施工が悪く基礎などにすき間がある
- 水回り(浴室など)が在来工法である
- 敷地内に廃材や段ボールを放置している
- 庭に切り株や木の杭がある
こういったケースではシロアリの被害が発生しやすく、逆にいえば、雨漏りなどをなくして換気をよくすることでシロアリを寄せ付けにくくすることができます。
自分でできる最も簡単なシロアリ予防は、庭に放置された木材や段ボールを撤去すること。シロアリは段ボールも好んで食害するため、「倉庫の床に段ボールを敷き詰めている」というのはNGです。
シロアリがいる家・いない家の特徴について、詳しくは以下の記事で解説しています。
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シロアリ業者の探し方・NGな依頼方法
シロアリ防除の業者を探す時、Google検索に「シロアリ駆除」などと打ち込んで、出てきた業者に電話をしてしまう人がいます。
しかし、これは絶対に避けてください。
なぜなら、検索で上の方に出てくるのは「広告」だからです。
一見激安風の広告表示をしながら、実はぼったくり価格という業者もいます。この点に注意して、まずは適正価格を把握した上で、しっかりした業者を選んでください。
筆者はシロアリ被害が多い沖縄県で、不動産会社を経営してきました。そこで多くのシロアリ防除業者を見てきましたが、実力の差は大きいと感じました。
そこで、最低限、格安でも全国で手順を統一しているシロアリ110番に依頼したいと考えています。できれば、多少高くなってもダスキンなどの大手に任せられれば安心です。
実際にシロアリ110番の防除工事を依頼した時のレポートは、以下の記事に掲載しています。
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シロアリ防除の費用・価格相場を把握しておく!
シロアリ防除の工事費は、家全体の床面積ではなく1階の床面積で決まります。
ご自宅の1階床面積(正しくは建築面積)がわかったら、以下の表を見ながら施工単価(平米単価)を掛けると、大まかな金額がわかります。
業者名 | 平米単価(税込) | 備考 |
---|---|---|
キャッツ | 880円 | 格安で信頼できるが西日本非対応 |
シロアリ110番 | 1320円 | 全国対応では最安クラス |
ダスキン | 2475円 | 全国対応の大手業者 |
1坪は3.30578平方メートルです。ざっくり3.3で計算してもOKです。
防除工事の価格で迷ったら、以下のように考えてみてください。
- 被害が深刻でなかったり、予防工事であれば格安業者でもOK。キャッツかシロアリ110番がおすすめ
- 深刻な被害が発生してしまっている場合は、再発時にリフォーム代をカバーしてくれる大手業者がベスト
そこで、予防的な場合は、東海地方以東ならキャッツ、それ以外はシロアリ110番がコスパ的に魅力があります。
公式サイト
キャッツ|公式サイト
シロアリ110番 |公式サイト
一方、施工後に損害保険を掛けて「再発時のリフォーム代まで補償してほしい」という場合は、ダスキンなどの大手にしてください。1000万円までの保険を掛けてもらえる場合が多いので安心できます。
また、ダスキンだけでなく、アサンテやサニックスなどの有力大手企業にまとめて調査依頼・見積依頼できる「タウンライフリフォーム」を利用するのが効果的です。
公式サイト
タウンライフリフォーム(シロアリ特集)|公式サイト【PR】
タウンライフリフォームは、被害が大きく「安心できる施工をしたい」という場合に選んでください。
まとめ「シロアリを画像で確認」
この記事では、「目の前にいる虫はシロアリだろうか?」と迷った時、画像を参照しながら判断できる情報を掲載しました。
とはいえ、シロアリかどうかを判断するには、シロアリの特徴を知ることが一番大切です。
シロアリの特徴
- 羽アリが翅をすぐに落としペア(2匹つがい)で歩く
- 体にくびれがなくずんどう(蟻との違い)
- 触覚がまっすぐで拡大すると数珠状
- 職アリ(働きアリ)は集団で行動する
- 日光が嫌いで蟻道を作って進む
もしこういった虫を見かけたら、一度プロの無料診断を受けてみてください。
安くあげるなら、業界最安クラスで評判もいい、シロアリ110番の無料相談がおすすめです。
シロアリ110番 |公式サイト
一方、業界大手のシロアリ業者に来てもらいたい場合は、タウンライフリフォームを利用してください(シロアリ特集ページ)。
タウンライフリフォーム(シロアリ特集)|公式サイト【PR】
タウンライフリフォームはダスキンやサニックスなど、大手のシロアリ業者にまとめて問い合わせができる唯一のサイトです。損害補償の手厚さなどが格段にいいので、安心感が違います。
詳しくは以下の記事で解説しています。
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