マンション売却時に「汚い」のは減点対象。データで見るその影響とおすすめ清掃方法

マンションが売れない理由は、

の２点が上位を占めています。データからも、その２つのポイントが重要だと確認できます。

そこで、マンション売却時には正確な価格を出した上で、効率的にきれいに見せる工夫が必要になります。

ステップ１として、マンションに強い業者をマンション専門の査定サイトで探してください。

参考マンションナビ……マンション売却に特化した査定サイト

信頼できる業者が見つかったら、ステップ２として、

といった手段で、見た目を改善しましょう。

「汚い」はマンションが売れない理由になる！

部屋が汚い、見た目が悪いというのは、マンションが売れない重大な理由です。

そこで、一般的な売却期間で成約しない場合、何らかの方法で見た目を改善する必要があります。

では、一般的にマンションがどれくらいの期間売れない場合、売却戦略に改善が必要になるのでしょうか？

マンションは通常１～３か月で成約するが……

一般的にマンションは、短期間で成約する傾向があります。

不動産調査会社大手の東京カンテイが発表したプレスリリースでは、首都圏のマンションの場合約４割が１か月以内に成約していました（注１）。

期間	１か月以内	２か月	３か月	４か月	５か月	６か月	６か月以上
事例シェア（％）	39.6	15.9	11.8	9	6	4.4	13.3

３か月以内に成約した事例は、全体の67.3％を占めています。

マンションの場合は相場が比較的はっきりしているということもあり、土地や一戸建てに比べると成約期間は短めです。

また不動産の価格査定でも、３か月で成約する価格を算出することになっています。

そこから４か月以上売れない、特に６か月たっても売却できないといったケースでは、販売戦略を見直す必要が出てきます。

まとめると、

ということがいえます。そこで、一定期間売れない物件は対策を立てる必要が出るということです。

その時把握しておきたいのは、自分の物件がなぜ売れないのかという「売却できない理由」です。

注１……データの出典は2017年に東京カンテイが出したプレスリリース「首都圏　売出し開始から１か月以内で成約に至った住戸の価格乖離委率は-3.00％」によります。

売れない理由は「高すぎ」「汚い」がツートップ

マンション買取再販事業を営む株式会社すむたすが2021年１月に実施した調査では、不動産売買のプロが考える「売れない・売れづらい不動産の理由」として、第１にあげられたのが希望価格が相場より高いこと（注２）。

第２位以降、見た目の問題が複数登場します。

築古で室内状況が劣化している、共有部が汚い・状態がよくない、整理整頓されていない・室内が散らかっているなど、合計すると「価格が相場より高すぎる」ことよりも「見た目がよくない」問題の方が深刻です。

	当てはまる	やや当てはまる	どちらともいえない	あまり当てはまらない	まったく当てはまらない
希望価格が相場よりも高く設定されている	318	200	80	21	4
築古で室内状況劣化	219	226	117	45	18
治安リスクがある	205	205	133	44	38
水害・浸水リスクがある	203	210	130	55	27
近くに嫌悪施設がある	191	208	143	49	32
地盤が緩い	187	212	136	58	31
最寄り駅が遠い	183	233	139	55	16
共有部が汚い・状態がよくない	175	271	110	47	21
管理費・修繕積立金が高額	172	254	138	47	11
設備が古い	167	267	130	44	17
日当たりが悪い	162	262	133	52	18
整理整頓されていない・室内がちらかっている	131	189	178	95	31

上の表が株式会社すむたすの調査結果です（一部抜粋）。治安リスクよりも室内の状況が悪いことのほうが、売却の障害となることがわかります。

注２……上記の調査は不動産売買に関わる仕事をしている人（業歴１年以上）641人に対し、インターネットでのアンケート調査を実施し、集計したものです。

汚いまま売るなら３～５割引きと大損することに

マンションに限らず不動産がなかなか売れない場合に、買取業者による買取を勧めてくる不動産屋もあります。

不動産買取業者も商売ですから、買った価格に上乗せをして利益を確保する必要があります。

そこで買取の場合は、相場の価格の５割から７掛け程度でしか売却することができません。

どうしても面倒なのですぐに手放したい、という場合は不動産買取でもいいのですが、一般的には安くなりすぎるためオススメはしづらい状況です。

よくよく考えた上で、どうしても急いで売却しないといけない場合のみ、以下のような価格査定サイトを利用してみてください。下記はいずれも買取り査定に対応したサービスです。

参考リビンマッチ……買取りに対応するほか農地など売りにくい物件もＯＫ

お金をかけないおすすめの汚部屋対策

不動産の物件価格にもよりますが、あまりお金をかけてしまうと、かけたコストを回収できないこともよくあります。

そこで、まずはほとんど予算をかけない「自分で清掃」という手段からスタートし、どうしても手に負えない場合に、最低限のコストで高い効果を狙う方法を考えましょう。

「清掃」は簡単だが効果が高い

不動産を売却する場合、生活の痕跡をできるだけ消してしまい、すっきりきれいに見せた方が成約しやすくなります。

不動産のプロであれば、多少汚れていても相場からある程度物件の価値を正確に把握することができますが、買い手はプロではなく、一般の方です。

不動産を購入するのが初めてというケースが多いですから、第一印象に左右されてしまいがちです。その結果、部屋が汚いというだけで購入意欲が削がれてしまいます。

そこで、「自分でがんばって大清掃をする」という対策だけでもそれなりの効果が期待できます。

特に力を入れて清掃しておきたいのは、キッチンの換気扇周りやコンロ。このあたりは生活感が出てしまうので、極力その痕跡を消してください。

システムキッチンの引き出しや戸棚の中も、簡単にきれいになる割に効果が高いので、ぜひ清掃をしておいてください。

これまで使ってみて「キッチン清掃でコスパが高い」と感じたのは、以下の製品です。

仕事で使うには耐久性が気になりますが、家１軒をきれいにするだけならかなり頼りになります。この価格でこれだけ汚れが落ちれば文句ないなと感じました。楽天で4,000円ちょっとで買えます。

浴室の清掃も効果的です。鏡の汚れを取ったり、漂白剤でカビを落とすだけでもかなり効果的があります。

次に費用対効果が高いのは、面積が広い床をきれいにしておくこと。ホームセンターで売っている床用ワックスをかけるだけでも、かなりきれいに見えます。下記のような安いもので、十分な効果が期待できます。

ゴミ屋敷でも10～50万円で片付く可能性あり

相続をした物件で中に残置物が大量に残っている、プチゴミ屋敷のような部屋もよく見かけます。

こういうケースでは、大抵の売主さんは「現状で売却したい」といいます。しかし、うまく手配すればかなり格安で残置物を処分することができますから、ぜひトライしてみてください。現状のままより格段に有利です。

お勧めの手順は、

このツーステップで、効率的に残置物を処分することができます。

リサイクルショップは価格がつくようであればラッキーと考え、価格がつかなくても無料で引き取ってもらえるなら、持っていってもらいましょう。

下記のサイトでは、対面せずに査定してもらえる宅配買取りが利用できます。ブランド品や金などは、こういったサービスの利用がおすすめです。

参考エコリング……送料無料で買取り査定してもらえます

注意したいのはピアノで、中に大型金属部品が入っており処分が大変です。以下のサイトであれば、アップライトピアノやマイナーメーカー品、30年くらい前のピアノでも引き取ってくれるので、こういったサービスを利用してみてください。

参考ピアノの買取屋さん……出張料、手数料、送料すべて無料です

最後に残ったものを市町村の環境美化センターに持ち込むか、廃品処分業者に有料で引き取ってもらいます。ただし廃品処理業者は意外とホームページなどを持っておらず、チラシと口コミで商売しているケースが多いです。今でもＮＴＴのタウンページなどで探すのが効率的です。

参考iタウンページ……全国の業者が探せます

安くて効率のいいピンポイント・リフォーム

最後に、予算を少し出せるようなら、効果が高い部分だけをピンポイントでリフォームすることを検討してみてください。

詳しくは以下の記事で解説していますが、壁紙（クロス）だけを交換するとか、畳表を安くて見栄えのよいものに交換するといった方法で、低コストで効果の高いリフォームが可能になります。

参考マンション売却時にリフォームをしておくべきケースと不要なケースは？データから分析

私がもっとも売却に苦労した「汚部屋」の事例

売主さんの立場で考えておいてほしいことがあるので、過去に私が対応した中で最も苦労した汚部屋の事例をご紹介します（一戸建ての事例）。

売主を仮にＡ子さんとします。

物件は敷地数千坪の豪邸で、Ａ子さんは一人暮らしでした。査定額は約７千万円で、Ａ子さんも納得してくれて売り出しを開始。

しかし彼女はいわゆる汚部屋女子だったのです。

内覧時に飼い犬のフンが室内に落ちていたり、古いカーペットの処分が面倒なので、ベランダから外に投げ捨ててあったり……。

不動産業者の立場でも、ある程度指摘はするのですが、根本的に「あなたの物件は汚部屋です」と伝えるのも難しく、状況を改善するのに時間がかかりました。

まずゴミだらけの外観をなんとかするために、ショベルカーを手配して外回りのゴミを片付け、雑草や勝手に生い茂った樹木を処分しました。

その後少しずつＡ子さんに（部屋が汚すぎる）ということを納得していってもらい、結局３年かけてこの豪邸を売却することができました。

この一件で、改めて不動産売却時には室内の清掃が重要だ、と認識しました。

まとめとマンション売却のおすすめ手順

マンション売却では、相場内の価格で売り出すことと、部屋の中をきれいにしておくことはデータからも非常に重要だとわかりました。

そこで、マンション売却に強い不動産業者を一括査定サイトで見つけて、しっかりとした売却戦略を持って売出しをスタートしてください。

参考マンションナビ……マンション売却に特化した査定サイト

マンション売却、不動産売却については以下の記事も参考になります。時間があればぜひ目を通してみてください。

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