なみのおと音楽教室で実施したアンケート調査で、65.7%の人が「1か月以内にウクレレが弾けた」と回答しています。
ウクレレは1か月で弾けます!
では、1か月でどんなことができるの? というと、ざっくり次のようなイメージです。
- ウクレレで弾き語り(歌いながら自分で伴奏)できる
- 自分でいろんなコードの押さえ方を調べられる
- さまざまな曲の楽譜の探し方がわかる
- 楽譜さえあれば他の楽器の伴奏ができる
他の楽器と違い、ウクレレはとっつきやすく、こういったことがすぐにできます。
ここから先は難しいのですが、じっくり取り組めばOK。
まずは1か月でウクレレが弾けるようになりましょう。
この記事を書くにあたって、なみのおと音楽教室ののりこ先生に「めちゃめちゃよく出るコード8つ」をあげてもらいました。テッパンの8コードから覚えていきましょう。
ステップ1:ウクレレの持ち方とチューニング
ウクレレは自由な楽器なので 、プロのウクレレ奏者でもさまざまな持ち方をしています。
とはいえ基本は、ハワイアンのウクレレ奏者たちが弾いていたように右ヒジで支えるオーソドックスな持ち方。
写真のように右ヒジでボディを支えながら、そのヒジを支点にストロークします。
左手はこのようにウクレレのネックを支え、人差し指、中指、薬指、小指で指板を押さえます。
ウクレレのコードを押さえる時はネックを強く握り込まず、弦を押す各指はなるべく立てるようにします。
今すぐできるウクレレのチューニング方法
ウクレレの音を合わせることをチューニングといいますが、チューニングには写真のようなチューニングメーター(クリップチューナー)を使います。
持っていない人はスマホのアプリでも合わせることができます。
スマホアプリについては、なみのおと音楽教室で約100個インストールして試してみました。さまざまな観点から見て、初心者にとってベストなアプリは以下の2つと考えています。
この2つのチューナーはとにかく直感的に使えて、音を合わせやすいのが特長です。上級者にもおすすめできます。
また、ウクレレの各弦の音は以下の写真のように合わせます。
例えば3弦であればCの音に合わせます。
ほとんどのチューナーでは、音が合った瞬間に針やインジケーターがまん中にきて「Cに合いましたよ」と教えてくれます。
チューニングには少しコツがいるので、時間がある人はチューニングを詳しく解説した別記事を読んでみてください。
ステップ2:最初に覚える4つのコード「C、F、G、G7」
ウクレレの楽譜の大半は キーC(ハ長調) またはキーF(ヘ長調) です。とくにCの曲が多いので、まずはCのスリーコードで出てくるC、F、G、G7を覚えましょう。
もともとCのスリーコードはC、F、Gですが、G7のほうがかっこいいという事で、C、F、G7も多用されます。
コードCと押さえ方解説
Cは1弦の3フレットを薬指で押さえます。上のような図をコードダイヤグラムといいますが、一番上が1弦です。実際に誰かがCのコードを弾いているところを見るとこんな感じです。
コードダイヤグラムは、Cを押さえたままウクレレを自分の方に向けた状態を表しています。
コードFと押さえ方解説
コードFは人差し指で2弦1フレット、中指で4弦2フレットを押さえます。
コードG、G7と押さえ方解説
コードGは中指で1弦2フレット、薬指で2弦3フレット、人差し指で3弦2フレットを押さえます。
コードG7は薬指で1弦2フレット、人差し指で2弦1フレット、中指で3弦2フレットを押さえます。
4つのコードを覚えたら、右手のストローク(ジャーンと4つの弦を鳴らすこと)に挑戦しましょう。
ストロークのことをストラムともいいます。
一番簡単な親指でのダウンストローク
親指で4弦から1弦へ(上から下へ)ぽろろんと弾くのがいちばん簡単です。親指のはらの部分を使います。
人差し指でダウン&アップストローク
上から下だけでなく、下から上にも弾く時は人さし指を使います。ダウンストロークは爪で、アップストロークは人差し指のはらで弾きます。
ストロークについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
ウクレレの右手の基本を解説。ストロークの基礎とアルペジオ|関連記事
ステップ3:練習曲「ロンドンばし」でコードチェンジを覚える
コードは覚えましたが、この後最初の難関は演奏しながらコードを切り替えること! これをコードチェンジといいます。
初めてのコードチェンジを練習するために、コードが2つの「ロンドンばし」を用意しました。上の動画のように弾いてみましょう。
右手は人差し指のアップ&ダウンストロークで弾いています。
練習曲「ロンドンばし」楽譜ダウンロード
まず最初に、下のボタンから「ロンドンばし」の楽譜をダウンロードしてください。プリントしても、タブレットなどに表示してもOKです。
練習曲「ロンドンばし」ダウンロードCとG7しか出てこないので、比較的弾きやすいと思います。CからG7へコードチェンジする時のコツは、Cを薬指で押さえること。そのまま薬指は動かさず、人差し指を2弦1フレット、中指を3弦2フレットにもっていくとG7になります。
G7からCにコードチェンジする時は、人差し指と中指を放すだけです。
ステップ4:2つの練習曲をダウンロードして3コードの曲を弾く
スリーコードの「ハッピーバースデー・トゥ-・ユー」です。「ロンドンばし」で練習したC、G7に加えてFが出てきます。
練習曲「ハッピーバースデー」楽譜ダウンロード
まず以下のボタンから「ハッピーバースデー・トゥ-・ユー」の楽譜をダウンロードしてください。
練習曲「ハッピーバースデー」ダウンロード3拍子なので、1小節あたり「ジャン、ジャン、ジャン」と3回弾きます。今回新しく出てくるのはC→F→G7というコードチェンジ。Cのコードは薬指で押さえますが、その時使っていない人差し指と中指でFを押さえるため、やってみると案外簡単です。
FとG7は「人差し指で2弦1フレットを押さえている」という点が共通しています。人差し指を動かさずにコードチェンジする事を意識すると、スムーズに演奏できます。
練習曲「茶色の小瓶」楽譜ダウンロード
Cのスリーコードの曲をもう1つ練習するなら、ジャズナンバーとしてもよく演奏される「茶色の小瓶」がおすすめです。
練習曲「茶色の小瓶」ダウンロードこの曲は|C |F |G7 |C |
という、ものすごくメジャーなコード進行を4回繰り返す構成です。このコード進行を毎日5分ずつ弾き続けると、1~2週間で「おっ!スムーズに弾けてきた」という感じになります。
その時もう一度、この動画にあわせて「茶色の小瓶」を弾いてみると、かなり弾けているはずです。
ステップ5:4つのコード「Am、Dm、Em、B♭」を覚える
あともう4つだけ覚えるなら、ハ長調のダイヤトニックコードAm、Dm、Emと、ヘ長調のスリーコードに出てくるB♭。どれも避けられないコードです。
EmとB♭はちょっとだけ難しいので、押さえ方を詳しく解説します。
コードAmと押さえ方解説
Amは中指で4弦の2フレットを押さえます。
コードDmと押さえ方解説
Dmは人差し指で2弦1フレット、薬指で3弦2フレット、中指で4弦2フレットを押さえます。
コードEmと押さえ方解説
Emは人差し指で1弦2フレット、中指で2弦3フレット、薬指で3弦4フレットを押さえます。
押さえにくいと感じる時は、まず人差し指を意識してください。最初に人差し指で1弦2フレットを押さえると、中指と薬指は自然に動いてくれます。
コードB♭と押さえ方解説
B♭はセーハコード(バレーコード)です。一本の指で全部の弦を押さえることをセーハ(またはバレー)といいます。
B♭を押さえる時は、まず上の写真のように人差し指で4本の弦を全部押さえてしまいます。この時、人差し指のはらで押さえるのではなく、人差し指の側面を使い、人差し指と親指でネックを挟むようなイメージをもつとうまくいきます。
人差し指で2フレットをセーハしたら、中指で3弦の3フレット、薬指で4弦の4フレットを押さえます。
セーハについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
ステップ6:練習曲「ロンドンばし(改)」でかっこいいコード進行に挑戦
ここで覚えたコードを練習するため、のりこ先生に「ロンドンばし」をリハモナイズしてもらいました。
リハモナイズ(リハモ)というのは、コードの流れを作り変える、アレンジの一種です。
ちょっとだけ難しくなっていますが、ここまで練習してきた人なら弾けるはずです。難しいのはCからEmへのコードチェンジですが「最初に人差し指のポジションを意識する」というコツを思い出せば大丈夫です。
どうしてもEmを押さえられない! という人は、最初のうちは5小節目をCで弾いてもかまいません。
3小節目と7小節目のDm→G7のコードチェンジは少し忙しくなりますが、人差し指を動かさなくても弾けるので、そんなに難しくありません。
この曲が弾けたら、次の章に進んでください。たった8個のコードでいろんな曲が弾けることがわかります。
8個以内のコードで弾ける曲は?
ここまでに覚えた8個のコードで弾ける曲はたくさんあります。一例として、おすすめの練習曲とコード譜へのリンクを紹介します。こういう曲が弾けると、けっこう楽しくなってきますよ。
日曜日よりの使者(ハイロウズ)|J-Total Music
マリーゴールド(あいみょん)|J-Total Music
ルージュの伝言(荒井由実)|J-Total Music
恋するフォーチュンクッキー(AKB48)|J-Total Music
Country Roads(ジョン・デンバー)|J-Total Music
ステップ7:コードの探し方を知りさまざまなコードを調べる
ウクレレを始めたばかりの頃は、「コードはいくつ覚えればいいの?」と疑問に思うはず。答えは「まず29個覚えましょう」です。
以下の記事ではのりこ先生が、ウクレレアレンジでよく出てくる29のコードを厳選しています。
ウクレレ初心者が最初に覚える「29個のコード」と押さえ方解説|関連記事
これだけ覚えればウクレレで多用されるハ長調、ヘ長調の曲がたくさん弾けますし、わからないコードが出てきた時は調べれば解決します。
調べ方を覚えてしまえば、弾きたいコードはすぐにわかります。
無料のウクレレコードブック(PDF)ダウンロード
コードを調べる時はコードブックかアプリを使います。上の写真は市販のコードブックですが、最初はこのサイト(「大人のウクレレ入門」)で無料ダウンロードできるコードブックで十分練習できます。
無料コードブックは以下の記事中でPDFをダウンロードできます。また、詳しい作り方も掲載しています。
次の章では、おしゃれアレンジの「聖者の行進」を題材に、コードの調べ方も解説しています。
ステップ8:練習曲「聖者の行進」おしゃれアレンジ
黒人霊歌であり、デキシーランド・ジャズのナンバーでもある「聖者の行進」をウクレレ伴奏用にアレンジしました。これまで出てこなかったコードが登場します。
- CM7(Cメジャーセブン)
- C6(Cシックス)
などなど、コードブックで調べる方法から解説していきます。
おしゃれアレンジの「聖者の行進」楽譜ダウンロード
CM7を調べる時は、コードブックの「C」のページを開きます。「大人のウクレレ入門」の無料コードブックの場合は4ページにあります。
次に、同じページにあるC6を見てみると次のように表示されています。
C6は何も押さえない(ドミソラの)音です。
これらのコードを調べ、順番に演奏すると、上の動画のようになります。
このように、わからないコードが出てきたら、コードブックで探すと解決。どんな曲でも弾くことができます。
難しい曲は練習が必要ですが、最終的には弾けます!
ステップ9:好きな曲をどんどん探して弾くコツ
肩ひじ張って「練習だー!」と意気込むより、好きな曲をたくさん弾いた方が長続きします。普段口ずさんでいる大好きな曲を弾いてみるのが、結局は上達のいちばんの近道かもしれません。
ここからは、楽譜を探し、好きな曲をたくさん弾くためのヒントを掲載しています。
好きなJ-POPの曲で練習するなら楽譜サイトか歌本
毎年年末になると、いろいろな出版社から「歌本」が発売されます。これはヒット曲の歌詞にコードが付いている、弾き語りのための本。電話帳のようにぶ厚く、数百曲掲載されているのが普通です。
コスパで選ぶなら徳間書店の「ヒットソング大全集」がおすすめです。1980円で605曲収録されています。
洋楽中心に弾き語りするならネットで楽譜が見つかります
この動画はフィリピンの歌姫ルネ・ドミニクの「Can't Take My Eyes Off You」。1967年のヒット曲ですが、2022年にウクレレ1本で弾き語りするとこんなにいい雰囲気になります。
こういう曲が歌いたくなったら、海外のサイトを探してみるとコード譜が見つかります。
Can't Take My Eyes Off You|Jim's songs
洋楽の楽譜を探す時は、別記事で制作しているリンク集を利用してください。
確実に1か月でマスターするならDVD講座もおすすめ
ここまでの解説で「難しいな」と感じたら、古川忠義先生のウクレレDVD講座を試してみてください。プロのミュージシャンでもあり、10か所以上のウクレレ教室で教える古川先生のノウハウが詰まった、わかりやすい講座です。
教材の完成度は高く、とくにDVDについては、テキストなしで見ているだけでもしっかり頭に入ってきます。
教材のよさだけでなく、最大のポイントは「不明点を質問し放題」というサポートの手厚さ。LINE、メールのほか、急ぐ場合はわからない点を電話で聞くこともできます。
質問の回数に制限はなく、また期間にも制限はありません。標準的な受講期間(3か月)を過ぎても、講座の内容に関連することなら、半永久的に質問できてしまいます。
これで上手くならないはずがない、というおすすめのウクレレ講座です。
まとめ:次のステップはアルペジオのマスター
おそらく、1か月あればこの記事の内容をマスターし、ある程度自由にウクレレで弾き語りができているはず。
練習は1週間に1度まとめてやるより、毎日15分ずつコツコツやるほうが身につきます。「寝る前に」「晩ご飯の後」「朝起きてすぐ」など、習慣づけて少しずつウクレレに触れてください。
ここから先は、アルペジオを練習し、ソロ演奏やアンサンブルにも挑戦すると一層ウクレレを楽しめます。
次のステップに進むための、おすすめ記事をいくつかご紹介します。