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Google May 2026 Core Update について:米国のSEO会社の発表まとめ

026年5月21日から6月2日にかけて、Googleがコアアルゴリズムアップデート(May 2026 Core Update)を展開しました。2026年で2回目のコアアップデートです。

展開期間は約11日21時間。検索結果の大規模な入れ替わりが観測され、SEO業界では「3月のアップデートより体感的に大きい」という声が相次ぎました。

本記事では、Googleの公式発表、および複数の独立系アナリストが収集した定量データをもとに、何が起きたのかを事実ベースで整理します。推測・仮説については、そのことを明記した上で末尾にまとめます。

基本情報

項目内容
名称May 2026 Core Update
展開開始2026年5月21日 08:40(米国太平洋時間)
展開完了2026年6月2日 05:40(米国太平洋時間)
所要期間約11日21時間
2026年通算第2回コアアップデート

Googleの公式コメントは定型文のみです。「あらゆるサイトから関連性の高い、満足のいくコンテンツをより適切に表示するための定期的なアップデート」——それ以上の説明はありませんでした。

前回のMarch 2026 Core Update(3月27日〜4月8日)から約6週間というインターバルで展開されており、コアアップデートの間隔が短縮傾向にあることは、SEO業界から注目されています。

変動規模:複数ツールが高いボラティリティを観測

ロールアウト期間中、主要な検索モニタリングツールが揃って高い変動を検知しました。

SE Rankingが追跡した検索順位の実数データは以下の通りです(出典:SE Ranking「Google May 2026 Core Update Analysis」)。

指標数値
上位3位内のURL変動率76.03%
上位10位内のURL変動率88.39%
上位100位内のURL変動率97.99%
上位10位→100位圏外への転落率約20.0%

Semrush Sensorはピーク値78/100を記録。ボラティリティの山は5月23〜24日、5月30日、6月2日(完了直前)の3回確認されています(出典:xpert.digital)。

SISTRIXは英米両国市場で二段階の評価ウェーブを観測。特に英国市場では5月29日〜6月2日にかけて急激な変動が集中しました(出典:Aleyda Solis分析)。

March 2026との比較:「体感」と「統計」の乖離

業界では「March was meh, but May is big(3月はたいしたことなかったが5月は大きい)」という発言が飛び交いました。Glenn Gabe氏(GSQi)などが実際にXで発信した言葉です。

ところが、SE Rankingによる統計的なURL変動率を見ると、実際には3月のほうが数値が高いことがわかります。

指標March 2026May 2026
上位3位内URL変動率79.5%76.03%
上位10位内URL変動率90.7%88.39%
上位10位→圏外転落率24.1%約20.0%

なぜ、このような乖離が生じたのでしょうか。

March 2026は検索インデックスの構造そのものを再構築した動きと見られているのに対し、May 2026はすでに再構築されたインデックスを前提に、ユーザーの検索意図に最適なソースを「再配分・再整列」することに焦点を当てていたことが原因でしょう。

全体のボラティリティ数値はやや低くても、特定のパブリッシャー層が受けた打撃が大きかったことが「May is big」という体感を生んだという説が目立ちます(出典:SE Ranking、xpert.digital)。

勝者と敗者:業種別の傾向

今回のコアアルゴリズムアップデートによる勝者と敗者を説明することは難しく、複雑な動向がうかがえます。英語圏のSEO業界では、「アグリゲーター(Aggregator)が下落した」という考え方もありますが、それが正しいとも言い切れません。

「アグリゲーターはすべて下がった」は正しくない

今回のデータで明確になった重要な点として、「アグリゲーターが一律に評価を落とした」という簡易的な説明は誤りです(出典:Aleyda Solis)。

Googleが識別しているのは、より細かい区分です。

ユーザーがその場でホテル予約・航空券購入・求人応募などの行動を完結できる「トランザクション型アグリゲーター」は大きく上昇しました。一方で、他サイトから情報を集めて再掲載するだけの「二次的アグリゲーター」は大幅に評価を失いました

具体的な数値(出典:Aleyda Solis、SISTRIXデータ):

上昇したアグリゲーター

  • trip.com:+82.2%(米国)/ +33.9%(英国)
  • skyscanner.com:+47.1%(米国)
  • ziprecruiter.com:+44.8%(米国)
  • glassdoor.com:+36.6%(米国)
  • indeed.com:+25.9%

下落したアグリゲーター

  • hinative.com(多言語Q&A):-62.9%
  • letras.mus.br(歌詞):-49%
  • onelook.com(辞書まとめ):-36.5%

EC・小売:ローカライズシグナルの急強化

英国市場において、ドメインの所在地を重視する「ローカライズシグナル」の強化が顕著でした(出典:Aleyda Solis)。

英国ドメインのamazon.co.ukが+21.3%、ebay.co.ukが+22.6%上昇したのに対し、米国の.comドメインは英国SERPから大きく排除されました。

  • amazon.com:-54.6%(英国)
  • walmart.com:-59.5%(英国)
  • alibaba.com:-55.3%(英国)
  • ebay.com:-53.7%(英国)

SISTRIXの5月29日時点の初期データでは、amazonが222ビジビリティポイントを失い、最大の敗者として記録されています(出典:SISTRIX)。

YMYL(医療・金融・ギャンブル)

医療・健康分野では、一次エビデンスと網羅的な臨床情報を提供するwebmd.comが+8.8%(英国)/ +5.7%(米国)上昇。一方、価格比較機能に留まるgoodrx.comは-80.0%(英国)/ -17.5%(米国)と壊滅的な数値を記録しました(出典:Aleyda Solis)。

ギャンブルカテゴリでは5月30日の第2波タイミングで顕著な変動が集中。Glenn Gabe氏は「超YMYL(hyperYMYL)カテゴリ」と表現しています(出典:Glenn Gabe @glenngabe)。ただし、日本ではギャンブルカテゴリーはメジャーでなく、その点参考になりません。

UGC・SNS:プラットフォームによって明暗が分かれた

Reddit全体では英国-23.8%、米国-13.7%という大幅な縮小を記録(出典:Aleyda Solis)。同様にStackExchange(-31.8%/UK)、Quora(-31.3%/UK)も大きく後退しました。

一方でX(旧Twitter)は+14.5%(米国)、Pinterest+10.6%(英国)、Fandom+10.2%(英国)と上昇しているサービスも存在します。UGC全体が一律に下がったわけではありません。

YouTubeについては、通常のオーガニック検索結果における上位3位内の表示比率が2.50%から2.14%へと微減。これはアルゴリズムによる評価変動というよりも、GoogleがYouTubeを独立した動画カルーセル枠へ移行させている検索表示形式の最適化を反映していると見られています(出典:SE Ranking)。

専門特化サイト・ブランド直営

学術・言語参照の分野では正規パブリッシャーが強く評価されました。cambridge.org+40.9%(英国)、thesaurus.com+39.7%(英国)など(出典:Aleyda Solis)。

自社拠点で専門サービスを提供するローカルビジネスや特定テーマに特化したB2B SaaSは、ボラティリティの影響を受けず安定して推移したことが報告されています(出典:bradleebartlett.com)。

不動産カテゴリ

SE Rankingが追跡した全20カテゴリの中で、不動産カテゴリのTOP10 URL変動率は83.50%と最も低い数値でした(出典:SE Ranking)。他カテゴリと比べてボラティリティが低く、安定した推移だったことが確認されています。

AI Overview・Google I/Oとの関係

展開開始はGoogle I/O 2026(5月19日)の2日後です。タイミングは近いですが、I/Oとコアアップデートの直接的な関連性は確認されていません。

ただし、展開と並行してGoogleはAI ModeのデフォルトモデルをGemini 3.5 Flashに切り替えました(出典:Clique Studios)。この移行によってユーザーが外部サイトをクリックする必要性が下がる「クリック抑制」効果が強まり、可視性の上昇がトラフィック増加につながらないケースが複数報告されています。

関連する定量データ(出典:bradleebartlett.com):

  • AI Overviewが表示される場合、オーガニック1位を獲得したサイトのCTRは58%減少(2025年12月時点)
  • 主要AI検索で引用されたURLのうち、同時にGoogleオーガニック10位以内に入っているのは10%未満
  • AI検索の引用ソースの68%は第三者の独立したレビューや言及ソース。ブランド自身の公式サイトからの引用は32%にとどまる

また、SISTRIXの17週間・82,619プロンプトの追跡調査では、Google AI Overviewsで一度引用されたURLの56%が翌週には別のURLに入れ替わっていることが判明しています(出典:SISTRIX)。

なお、GSCに「AI OverviewおよびAI Modeにおけるサイトの露出数を表示する新しいAIパフォーマンスレポート」の提供が開始されましたが、現状ではクリックデータの追跡項目がありません(出典:MADX Digital)。

日本語検索への影響

JADEによるMay 2026版の確定レポートは現時点(2026年6月7日)では未発表です。同社の最新の公式レポートはMarch 2026 Core Update分にとどまっています(出典:ja.dev)。

国内の初期観測データとして以下が確認されています。

Pivo-te(ピボット)が5月25日に発表したデータによると、他社コンテンツを無断リライト・コピーしている転載系サイトは検索流入が最大-48%の急落を記録。一方、オリジナルコンテンツや独自の体験談を持つサイトは上昇傾向を維持しました(出典:pivo-te.co.jp)。

鈴木謙一氏(suzukikenichi.com)の観測によると、国内のYMYLクエリで順位を落としたサイトには「他サイトから集めただけで独自の専門性がないリスト型記事」「アフィリエイト誘導を目的としたまとめ記事」が共通して見られ、回復の兆しが確認できていないと報告されています(出典:suzukikenichi.com)。

グローバルで観測された「アグリゲーターからオリジナルソースへの回帰」というトレンドは、日本語検索においても同期して発生していると見ることができます。

データの限界と確認事項

本記事作成時点(2026年6月7日)で確定していないデータについて明記します。

項目状況
Amsive / Lily Ray によるMay 2026詳細分析未発表
SISTRIX勝者・敗者リスト(確定版)順次公開中(完全版は6月9日以降)
GSCデータの安定6月9日以降に比較推奨(Googleも同様に案内)
JADEによる日本語検索レポート未発表

GSCで本アップデートの影響を診断する場合、Googleは「展開完了から少なくとも1週間後のデータ(6月9日以降)と、展開開始前の1週間のデータを比較すること」を推奨しています。

また、展開中の5月22日前後にGSCのリンクレポートが表示されない・数値が激減して見えるインフラのバグが世界的に報告されました。これは被リンクの消滅ではなくシステム障害です。

現時点でわかっていること:全体像の整理

複数アナリストのデータを統合すると、今回のアップデートは以下の3つの軸で整理できます。

軸①:インテント×ソースタイプの精緻化
Googleが評価しているのは「コンテンツの内容」だけでなく「そのコンテンツがユーザーの意図に対して最適な形式で提供されているか」です。トランザクション型の検索に対してはトランザクション型のプラットフォームが評価され、一次情報を求めるクエリには一次情報を持つサイトが評価される——という「インテントとソースの整合性」がより高度に判定されるようになっています。

軸②:ローカライズシグナルの強化
英国市場での観測が特に顕著でしたが、グローバルなドメインパワーよりも地域に根ざしたローカルドメインを優遇する傾向が強まっています。

軸③:AI検索の拡張によるランキングとトラフィックの切り離し
AI Overviewの拡大により、検索順位を維持・改善してもクリックが伴わないケースが増えています。可視性指標とトラフィック指標の両方を追跡することが、これまで以上に重要になっています。

推測・仮説(確定情報との分離)

以下は確定データから直接検証できないものの、複数のSEO専門家コミュニティ(Search Engine Journal等)で共有されている見解です。

AI最適化の過剰対策への制裁
AI検索に引用されるためのヘッダー過剰最適化や偽FAQスキーマの設計など、AI向けの過剰最適化を実行しているサイトがアルゴリズムの評価から排除されている可能性があるという見解が存在します。

寄生SEO(サブドメイン・ディレクトリ貸し)の無効化
2024年末以降段階的に強化されてきたSite Reputation Abuseポリシーが、今回のコアシステムに自動統合された可能性を示唆する動きが観測されています。

インフラの動的スケーラビリティ
アップデートで順位が急上昇したサイトがトラフィック爆発によりサーバー過負荷を起こし、エラー頻発で二次的に順位を落とすケースが現実化しました。SEO対策とインフラ整備を一体で考える必要性が、実際の問題として浮上しています(出典:xpert.digital)。


参考情報

  • Google Search Status Dashboard:https://status.search.google.com/incidents/wdAXJk6LRRihEjpzEeWE
  • SE Ranking「Google May 2026 Core Update Analysis」:https://seranking.com/blog/google-may-2026-core-update-analysis/
  • Aleyda Solis「Google May 2026 Core Update Analysis」:https://www.aleydasolis.com/en/ai-search/google-may-2026-core-update-analysis-intent-market-fit-and-source-type-drove-the-biggest-visibility-shifts/
  • SISTRIX「May 2026 Core Update: Visibility Analysis」:https://www.sistrix.com/blog/may-2026-core-update-visibility-analysis-and-data-updates/
  • 鈴木謙一氏「Google May 2026 Core Updateリリース」:https://www.suzukikenichi.com/blog/google-has-rolled-out-the-may-2026-core-update/
  • Pivo-te:https://pivo-te.co.jp/article/593
  • WebTan Impress「2026年5月のコアアップデート」:https://webtan.impress.co.jp/e/2026/06/05/52740/page/1

本記事の情報は2026年6月7日時点のものです。各種分析レポートは順次更新されており、特にAmsiveおよびJADEの詳細レポートが公開された時点で内容を加筆する予定です。

筆者:立石秀彦(アップライト合同会社 代表/宅建士)

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