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「家いちば」の物件は安いのか? 現役宅建士が査定してわかった格安物件の選び方

家いちばというサイトがあります。「不動産を直接売りたい人のための掲示板サイト」と銘打っており、さまざまなメディアでも紹介されていますので、ご存じの方も多いと思います。

一般的には「直接売買するから、安く物件を買える」という評価を受けています。

しかし、全部が安いわけではないようで、眺めていると「ん?」と引っかかる物件も。

そこで気になった物件をいくつか査定してみました。そして見えてきた価格の傾向は「100万円以下」「100万円台」カテゴリーは格安物件が見つかるものの、それ以外はむしろ高い! という事実。詳しく解説していきます。

逆に「不動産売却で家いちばを使いたい」という人は、以下の記事を参照してみてください。実際に当社物件を売り出して書いたレビュー記事です。

普通の不動産屋も扱う物件は高い

そこそこ売れ筋のエリアにあって、通常の流通に乗りそうな物件は、一般的な相場通りか、むしろ高い価格で掲載されているようです。たとえば、以下の物件。

沖縄県豊見城市豊崎の築浅マンション。物件の情報には書かれていませんが、プレミスト豊崎ですね、コレは。そこで、レインズに登録されていた2018年の取引事例を利用して、ざっくりと査定してみました。

家いちば掲載価格3780万円
査定額2466万円

家いちばの情報では所在階が記入されていなかったので、中層階と想定して査定していますので、誤差はあるはずです。しかし、2500万円前後が相場であることは間違いなく、現在高騰を続けている海近・オーシャンビュー物件のプレミア分を乗せても、3000万円前後が上限でしょう。というわけで、この物件は相場より高いです。

沖縄県内のほかのマンションも査定してみましたが、同様に割高でした。たぶん、普通の流通で売れるような物件をあえて家いちばに載せているということは、むしろ「ちょっと高めで売りたいから、変わったサイトで広告してみようか」という意図がありそうです。

思い入れがある系もちょい高め

下記は、京都府亀岡市の古家付き土地。最近までご自分で住んでいた住宅を古家付き土地として売却するそうで、価格290万円と総額では安そうに見えます。

しかし、土地面積は140.62㎡(42.54坪)しかなく、坪単価は68,000円ほどになります。そこで、レインズで京都府亀岡市畑野町千ケ畑の売出事例を調べてみました(現在売出し中の物件)。登録は9件あり、一番安い事例が坪単価1万円。一番高い事例が坪単価76000円でした。最も集中している価格帯は、坪単価23,000円から25,000円。約半数の事例がこの価格帯に集中していることから、「坪単価25,000円くらいの地域ではないか」と推測できます。

また、同じエリアの戸建て住宅は180万円から売り出されており、290万円という価格が特に安いわけではないことがわかります。

このように「最近まで住んでいた自宅を売却します」といった、ちょっと思い入れのある物件の場合も、安くないというかちょっと高い可能性さえある価格で登録されています。このあたり、冷静に見ておかないと、かえって高い買い物になるかもしれません。

では、買うべき物件は?

家いちばを利用するなら、「100万円未満」「100万円台」というリンクの二択でしょう。このどちらかをざーっと眺めて、自分が希望するエリアに物件があればラッキー。その情報をじっくりと読み込んでみてください。

「自分の知識とスキルでこの物件をモノにできる!」と思ったら、詳細に検討する価値あり。ただし、重要事項説明書に記載されるような基本事項の調査を自ら行う必要があります。法令上の制限を把握した上で、次にリフォーム可能かどうかを判断する、という高いハードルを超える必要があるため、大変といえば大変。しかし、中にはお宝が眠っているような気はします。

個人的に「いいかも」と思ったのは以下の物件。1965年築のマンションですから、100万円という価格が安いのかといわれると「うーん」とうなってしまいますが、スケルトン状態なのがよいところです。フルリフォームするなら手間が省けていい感じです。とはいえ、リフォーム代は安くすませても500万円コースですから、総額で600万円以上の買い物になるかな、という感じ。「自宅用にキャッシュで購入する」という場合におすすめできる物件でしょうか。ただし、耐震性能などには疑問が残りますから、そのあたりは自己責任で、ということになります。

100万円未満とか100万円台の物件を買ってどうリフォームすればいいの? と思った場合は、以下のカテゴリーが参考になります。

参考リフォーム(フドマガ)……当サイトの「リフォーム」記事インデックス

実際に家いちばで物件を買うとどういう流れになるか?

家いちばは無料ではありません。買主の場合は次のような料金がかかります。

売買価格400万円超の場合成約額の1.5%+3万円
売買価格400万円以下の場合成約額の2%+1万円
売買価格200万円以下の場合成約額の2.5%

それに加えて成約基本料6万円がかかってきます。たとえば100万円の物件を購入した場合は次のようになります。

(100万円 × 2.5%) + 6万円 = 85,000円(+税)

そのため家いちばでは、取引の途中から不動産業者(宅建業者)と司法書士が入ってきます。これは安心要素でもありますが、完全に個人売買をしたいと思う場合は、希望と違っているかもしれません。

その点を把握した上で利用した方がよいと思います。

家いちばの物件問合せは地雷あり!

家いちばで物件問合せボタンを押すと、上記の図のような画面になります。ここで、ほぼ100%近い人が間違えているポイントがあります。

上の赤で囲った「買いたいと思った理由、経緯」「希望金額・条件」は、売主に公開されます。

しかし、当社で家いちばを利用して物件を売り出したところ、ほぼすべての人が「ここは家いちばの運営事務局への通信欄ではないか」と間違えているようで、売主に読まれたら困ることを堂々と書いています。

「なるべく安く値切りたい」「希望とは違うが一応見るだけ見たい」といったことを書いてしまう人が多いですが、これは痛いです。

フドマガ
フドマガ
じゃー売らないよ!

となってしまうので、ここには売主が見ても問題ないことだけを買いてください。

ここが家いちば最悪のポイントかなと思います。

家いちばで物件を買う時にローンは組めるのか?

家いちばの不動産取引も一般の不動産取引と同じ流れで行われるので、住宅ローンを組むことも可能です。

ただ、仲介業者が入らないため、銀行についてはすべて自分で手配する必要があり、知識が要求されます。

金融関連に自信のない方であれば、無料で使える「モゲチェック」を利用してみてください。自分にとって最適な金融機関、最も有利な金利を提案してくれます。

ほぼすべての大手銀行、ネット銀行と提携しており、ユーザーは無料で利用できます。

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