この記事ではシロアリの天敵を紹介し、天敵によってシロアリを退治できるのかを解説します!

シロアリを天敵でやっつけたい!

シロアリの被害額は年間3800億円。シロアリ被害の発生件数は年間200万件を超えるといわれています(国土交通省資料「施設の性能に影響を与える木材の経年変化」)。
ものすごく強そうなシロアリですが、実は1匹(注1)だととても弱い昆虫です。シロアリを食べてしまう天敵はたいへん多く、身の回りは天敵だらけと言ってもいいくらいです。
なのに、どうしてシロアリは絶滅しないのでしょうか? 天敵でシロアリを絶滅する、いわゆる生物的防除はどうしてできないのでしょうか?
その理由は、この記事を読めば分かります。実はシロアリはめちゃめちゃ弱いくせに、めったなことでは全滅しないのです。

実際にシロアリ防除工事を依頼した時のレポートは以下の記事で読めます。
注1……シロアリは、正しくは「1頭、2頭」と数えます。
シロアリは天敵に取り囲まれている!

シロアリ一匹一匹は弱い生き物で、まさに天敵に取り囲まれて暮らしています。昆虫を捕食する小鳥や、肉食昆虫に見つかった場合、足が遅いので逃げることは困難です。また、有効な反撃手段も持たず、戦って勝つこともできません。
この章では、シロアリを捕食する天敵の数々を紹介していきます。
羽アリも働き蟻も捕食するクモ類

シロアリの天敵として、まっさきにあげられるのはクモ類です。
巣を張らないハエトリグモは、あちこち歩き回って見つけた獲物を捕食します。シロアリのように動きの遅い昆虫は、ハエトリグモの格好の獲物になります。
ジョロウグモなど網を張るタイプのクモも、羽アリを捕まえて食べてしまいます。クモの巣に引っかかった羽アリを見た方も多いはずです。
ただし、クモ類は地下や木の中の巣まで追いかけていくことはできず、シロアリを根絶することはありません。
シロアリの捕食に特化した種もいる黒蟻(普通の蟻)
また一般的に、黒蟻もシロアリを捕食して食べてしまいます。
中でも、日本でも普通に見られるオオハリアリは、ヤマトシロアリの捕食に特化した種として知られています。

オオハリアリ
職蟻(働き蟻)の体長は4ミリから4.5ミリくらい。黒色で、全体に細長い体型が特徴です。北海道から沖縄まで、日本全国に生息していて、一般家庭の庭でも普通に見つかります。お尻の先に毒針を持っていて、うっかり触ると刺されることも。ハチよりはましですが、刺されると結構痛くて1時間から1日弱くらい痛みが続きます。
シロアリの羽アリを捕食するヤモリ

ヤモリは昆虫なら何でも食べ、シロアリの羽アリも好んで捕食します。筆者は沖縄に10年以上住んでいましたが、毎年イエシロアリの羽アリが群飛する時期には、部屋の窓に集まったヤモリが次々とシロアリの羽アリを食べている光景を目撃しました。
内地では羽アリの時期はまだやや肌寒く、ヤモリがたくさん出てくるわけではありませんが、タイミングさえあうようなら、動きが遅いシロアリは格好の餌食になります。
同じくシロアリの羽アリを捕食するカエル

ほとんどのカエルは肉食で、シロアリも、羽アリであれば捕食します。地中に巣を作ってしまうと手出しできませんが、羽アリの状態であれば簡単に捕食できます。シロアリがペットショップなどで爬虫類・両生類用の餌として販売されていることから分かるとおり、栄養価が高く、カエルなどが好む昆虫です。
ムカデやゲジゲジもシロアリを捕食

肉食性の昆虫であるムカデやゲジゲジも、シロアリを捕食します。とくにオオムカデは地下でも活動でき、時にシロアリの巣に浸入して捕食することがあります。
地中の捕食者モグラもシロアリが好物

モグラもシロアリ(主にイエシロアリ)を捕食します。モグラは地中に「探餌道」と呼ばれるトンネルを掘り進み、地中のミミズや昆虫などを捕食しています。また、モグラは1日あたり体重の半分ほどの餌を食べる大食漢で、半日餌を食べないと死んでしまいます。
そこで、モグラがイエシロアリの巣を発見してしまうと、女王アリを含む大量のシロアリを食べ尽くしてしまい、場合によっては巣が全滅することもあります。
ツバメなどの小鳥もシロアリを捕食

ツバメをはじめとした小鳥類もシロアリを捕食します。筆者の自宅は海から近いのでハマヒヨドリがよく飛来しますが、シロアリのはアリを見かけたらつかまえてしまいます。ほかにもスズメ、ムクドリ、シジュウカラ、コゲラなど身近な小鳥はほとんどシロアリを捕食します。
なぜ天敵でシロアリは駆除できない?

ネットの記事では「シロアリの天敵を利用してシロアリを駆除しよう」といった記事も見受けられます。しかし、それはムリでしょう。
なぜなら、シロアリの天敵のほとんどは手頃な昆虫なら何でも食べるからです。別にシロアリだけを食べているわけではなく「シロアリがいたら食べる」というくらいのスタンスです。また、シロアリを食べるといっても、その大半は羽アリを食べるということであって、土の中や木の中にいるシロアリを食べるのはほとんど不可能です。

ヤマトシロアリの捕食に特化したオオハリアリだけは、もしかしたらシロアリ駆除の効果があるのかもしれません。しかしオオハリアリは人間を刺すので、床下にばらまいたりすると危険です。そのため、天敵でシロアリを退治することは現実的ではありません。

生物的防除
このように、天敵を使って害虫を駆除しようという方法を生物的防除といい、天敵昆虫学というジャンルで研究されています。九州大学の上野先生のページはおもしろく読めておすすめです。しかし当サイトで調べた範囲では、シロアリの生物的防除について研究をしている人は見当たりませんでした。
もし「家の中にシロアリがいるけど、天敵でやっつけられないかな?」と考えている場合は、ぜひ普通にシロアリ駆除をお願いしてください。以下の記事はシロアリ110番にシロアリ駆除をお願いした時のレポートです。低価格でしっかり駆除してくれるのでおすすめです。
兵アリは天敵と戦う? 強いの?

シロアリの大半は職アリ(ワーカー)で、これは俗にいう働きアリです。食糧集めや女王アリのお世話をするのが仕事です。また、ほとんどのシロアリの種では、職アリのほかに、外敵と戦う兵アリがいます。
シロアリの兵アリは、防衛のために頭が硬くなっています。攻撃方法は顎で噛み付いて外敵に向かっていくのが一般的。シロアリの種によっては、顎を勢いよく開くことで敵を跳ね飛ばして撃退することもあります。といっても、シロアリの兵アリは、どちらかといえば強くはありません。
また兵アリの攻撃性は、シロアリの種類によって異なっています。
ヤマトシロアリの兵アリは攻撃的ではなく、外敵から攻撃を受けると職アリと一緒に逃げてしまいます。ただし硬くなった頭で狭い蟻道を塞いでしまい、身を挺して敵から仲間を守ることがあります。どちらかというと戦うというより、自分を犠牲にしてがんばるために存在しているのかもしれません。
イエシロアリの兵アリはそれより攻撃的で、ある程度外敵と戦うことがありますが、それでも黒蟻と戦うと負けてしまいます。
つまり全体としてシロアリには天敵が多く、また戦うとかなり弱く、すぐに食べられてしまうというのです。
天敵の黒蟻と同居!?
ときには腐った木の中で、シロアリと黒蟻の巣が同居していることがあります。メカニズムは完全に解明されていないそうですが、こういったケースではシロアリが一定数の仲間を食料として黒蟻に差し出すことで、ふたつの種が共存できているのではないか? といわれています。シロアリの暮らしもかなり切ないですね。
こんなに弱くてもなぜシロアリは全滅しないの?

シロアリが絶滅しない理由はふたつあるといわれています。ひとつは「繁殖力が強いこと」、もうひとつは「外敵に見つかりにくいこと」です。また、昆虫界最長クラスの寿命をもち、地下や家の柱の中で、長い間生き続けるという点も押さえておきたいポイントです。
シロアリの繁殖力と驚異的な寿命
シロアリの繁殖力が極めて強いということが、絶滅しない原因です。社会性昆虫であるシロアリは、職アリがいろいろな仕事をこなし、生殖アリ(女王アリ)が産卵に専念しています。そのため非常に強い繁殖力を備えています。
また万が一女王アリが死んでしまっても、その時は他のシロアリの中から新しい女王アリが誕生して巣を維持します。こういった女王アリを副生殖虫といいます。いわばバックアップの女王が次々に現れるシステムで、このメカニズムにはホルモンの働きが関係しているといわれています。
また、シロアリのオスは寿命が長く、京都大学の研究では「100年生きる可能性もある」とさえいわれています。
詳しくは、以下の記事を読んでみてください。驚異的なシロアリの寿命の秘密がわかるはずです。
シロアリはなかなか見つけられない

シロアリが絶滅しない理由のひとつは、シロアリの巣が土の中や木の中という、非常に見つかりにくい場所にあること。ひっそりと隠れて暮らすことで、外敵に見つかることがなく、従って食べられてしまうこともありません。
例えばシロアリが巣にしている木杭等を引き抜くと確認できます。シロアリが現れるとすぐに黒蟻が集まってきて、餌として自分の巣に持ち帰ってしまいます。つまり、シロアリは非常に弱いものの、なかなか見つからないから絶滅していないのです。
そのように発見しにくいシロアリ被害。今すぐ実践できる見つけ方については、以下の記事を参照してみてください。
結局シロアリの駆除に必要なものは?

シロアリを根絶するには、ここまで見てきたシロアリの性質を理解する必要があります。つまりシロアリは土や木の中にいるため、大変見つけにくい昆虫なのです。そして見つけたとしても、巣全体を完全に駆除してしまわなければ、また新しい女王アリが誕生して、その勢力を拡大していきます。
そのため、天敵に頼ってシロアリを絶滅させようというのはかなり無理がありますし、自分でシロアリを駆除しようというのも、どちらかというとお勧めすることはできません。
巣を完全に駆除するということが非常に難しいからです。
もし自分の家にシロアリがいるのではないかと心配な場合は、専門業者の無料シロアリ調査を頼んでみることをお勧めします。
きちんとした専門家であれば、非常に発見しにくいといわれるイエシロアリの巣も発見することができます。
当サイトではコストと技術力のバランスの良い、シロアリ110番をお勧めしています。平米単価1,320円(税込)と低価格で高品質な駆除を行ってくれることと、東京証券取引所上場企業が運営する安心感、追加費用が一切かからない点など、総合点でベストなシロアリ駆除業者選びができます。
シロアリ110番|公式サイト
シロアリ110番の加盟業者であれば、不要な防除工事をムリに勧めてくることはありません。とりあえずの不安を解消するためにも、無料調査はぜひ行いたいところです。
また「ちょっとシロアリを見かけたけど、防蟻工事をすべきだろうか?」と疑問を感じる場合、住宅別の危険度を解説した記事も参照してみてください。以下の記事ではどんな住宅が危ないかを解説しています。
参考文献
今井祐嗣・角田邦夫・吉村剛『住まいとシロアリ』海青社
岩田龍太郎「日本のシロアリ研究の最前線」『家屋害虫』2006年6月