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持ち家のリスクと賃貸のリスク。家を買うべき理由・買わないほうがいい理由

確かに「家を買うリスク」もあります。とくに、しっかり下調べをしないと、危険な買い方をしてしまう可能性があります。

家は買っても買わなくてもリスク要因に…

しかし一方で、「家を買わないリスク」もあります。

とくに老後に家賃を払い続けることで、老後資金が大幅に不足するリスクは深刻です。

この記事ではマイホームに関するリスクを、できるだけヘッジする方法を考えていきます。

賃貸か持ち家かという問題を、コストやライフスタイル面から考えた別記事もおすすめです。

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「家を買う」リスクと「家を買わない」リスク

持ち家には自然災害やローン破綻のリスクが…

私は、家を買うリスクといえば、

  1. 隣人とのトラブル
  2. 地震や災害のリスク
  3. 住宅ローンが払えなくなるリスク

の3つが最重要だと考えています。これらについて、どうすれば危険性を低くして、リスクヘッジをすることができるか考えてみましょう。

一方、家を買わないことの最大のリスクは、

  1. 老後に資金が不足すること

少子高齢化が進み、都心部への一極集中が進む中で、老後まともな賃貸住宅に住もうと思ったら大変です。また、老後も家賃を払い続けるとしたら3000万円~4000万円の赤字になってしまいます。

マイホームのない老後は避けたい……。しかし、持ち家のリスクをどう回避するかを考える必要があります。

隣人ガチャ!「トナリスク」を調査する2つの方法

隣に住んでいる人がとんでもない人物だったら?

いわゆる隣人リスクについて、最近とくに注目されるようになりました。「隣人ガチャ」という言葉まであり、マイホーム購入は危険だ! という人もいます。

では、どれくらい危険かをデータで見ると、思ったより危険性は低いとわかります。

隣人との関係性アンケート調査結果
データ出典:株式会社トナリスク

上記は隣人との関係性を調査したアンケート結果ですが「全く関わりがない」「あまり関わりがない」をあわせると、75.2%になります。

つまり、ほとんどの人は近所づきあいをしておらず、隣人ガチャの影響もなかったことがわかります。

残りのごく一部の人が隣人ガチャでハズレを引いているわけで、がんばれば何とか回避できそうです。

無料でできる「おすすめ隣人調査」

隣人に挨拶をして話すだけでも情報が得られます

超おすすめの調査方法は、普通に物件前に立っていて、誰か出てきたら話をしてみること。

「この家を買おうかと思ってるんですが、このあたりは住みやすいですか?」

と質問してみてください。

私は不動産屋としてたくさんの物件を買い取りましたが、この方法で、

  • 物件内で老人が孤独死していた
  • 建物下を他人の下水管が通っていた
  • 以前の持ち主が建物内で自殺していた
  • 近所のおじさんがズバリ売主の想定最安価格を知っていた

……という情報収集に成功したことがあります。

とくに興味津々でのぞきに来るおばちゃんは最強の情報源ですから、絶対に話をしてみてください。

余談ですが、クレヨンしんちゃんの野原家も、家を買う時に近所のおばちゃんと話をして決めていました。

意外と格安な「プロの隣人調査」もアリ(5万円~)

隣人調査はプロに頼んでもあまり高くない

不動産購入前の隣人調査という、特殊なジャンルの会社があります。探偵会社MRの取締役が立ち上げた株式会社トナリスクという会社で、ふつうに探偵会社に頼むのに比べて1/10くらいの価格から依頼できます

現地調査をお願いして、役所調査などの「自分でできること」はセルフでやると、税別5万円~という低価格で隣人調査ができてしまいます(初回相談無料)。

また、トナリスクは住宅購入後のトラブルにも対応しており、

  1. 予期せぬ隣人トラブル時に警察OBが駆けつけるサービス
  2. すでに発生した隣人トラブルを仲裁するサービス

などなど、ユニークな事業も展開しています。

購入前の隣人調査をお願いしておくと、何かあった時に強力な助っ人になってくれるはずです。

トナリスクのサービス提供エリア
トナリスクのサービス提供エリア

ただし、トナリスクの提供エリアは上記地図の通りです。残念ながらエリア外だった場合は、自力で調査するか、探偵会社に相談することになります。

地震など災害リスクにはどこまで対応できる?

東日本大震災時のマンション被災状況アンケート調査結果
東日本大震災後の調査(マンション被災状況)

社団法人高層住宅管理業協会の資料によると、東日本大震災で同協会の加盟業者が管理していたマンションの被害状況は上のグラフの通りです。

大破したマンションはゼロで、中破が1.6%。大半は軽微な損傷でした。

むしろ怖いのは津波で、東日本大震災で倒壊した13万棟のうち、12万棟が津波による被害です(総務省調査)。地震で倒壊したのは1万棟で、大半が旧耐震の建物でした。

あれほどの巨大地震であっても、新耐震基準の住宅は耐えうると証明されているわけです。

新耐震基準で設計された建物は、構造部材に軽微なクラックや、コンクリート落下などはみられたも のの、主体構造の被害はほとんどなかった。

「東日本大震災記録集 3.3物的被害の状況」総務省消防庁

付け加えると、軟弱地盤の上に立っている建物は新耐震基準で建てられていても被害を受けました。

そこで、

  1. 新耐震基準はマスト
  2. 地盤や災害の危険性をチェック

という2点を押さえておく必要があります。

新耐震基準の家を買うのが絶対条件

まず、持ち家リスクを回避するために、マイホームは必ず新耐震基準の家にするべきです。1981年6月以降に建築確認された建物がそれに該当します。

1981年以降も、住宅品確法にあわせた改定(1999年)や耐震性能の強化(2000年)など、度々見直しもされています。

建物は新しければ新しいほどいいのですが、1981年6月以降に建築確認された物件を選ぶことが最大かつ絶対の基準となります。

旧耐震の木造建築物は絶対NGです。

ハザードマップで災害の可能性や地盤をチェック

ハザードマップポータルサイトのキャプチャ

住宅を買う時に「ハザードマップを確認しました!」という人は少数派ですが、プロは必ずチェックします。

たとえば横浜市鶴見区を見てみると、鶴見区役所周辺まで津波が来ると予測されています。

ハザードマップの例

JR鶴見駅は大丈夫そうですが、国道駅、花月園前駅、生麦駅周辺は危険だと判断できます。

このエリアにはマンションを含む住宅が多く立っています。今から買うならハザードマップを参照して、災害の危険が低い土地を選ぶほうがいいでしょう。

また、土砂災害の危険や地盤についても、ハザードマップで確認することができます。

洪水、土砂災害など、面倒でもすべてのハザードマップに目を通しておきましょう。

魅力的な物件でも「買わない」決断が必要

耐震基準などを満たしていないけれど、魅力的に見える物件があります。

特に注意したいのが、不動産屋が売主として販売しているリフォーム済み物件。耐震性が低い物件を、見た目だけきれいにしているケースもあります。

どんなに見た目がきれいにリフォームされていても、旧耐震で建てられた物件はパスしてください。そういった判断の積み重ねで、持ち家を買うリスクをヘッジすることができます。

家を買う具体的な手順については、上記の記事にまとめました。

住宅ローンが払えなくなるリスクは1.2%程度

住宅ローン滞納率
住宅ローン滞納率

持ち家のリスクとして、よく「住宅ローンが払えなくなること」があげられます。

確かにそれはリスクですが、住宅ローンの滞納率はコロナ禍の2020年でも1.2%と低く、ほとんどの人が住宅ローンをきちんと払えていることがわかります。

住宅ローン滞納率の推移

コロナ以前の2019年にはさらに滞納率が低く、1.1%くらいの水準でした。

そこで、「ある程度気をつけておけば、住宅ローンを払えなくなる可能性はほとんどなくなるのではないか?」と考えられます。

住宅ローン返済比率を2割に抑える

金利タイプ別住宅ローン返済比率

住宅金融支援機構の調査発表で住宅ローンの返済比率(返済負担率)をみると、15%から20%程度の人が多いことがわかっています。。

つまり、手取り40万円の人であれば、月々の返済が6万円~8万円くらい。しかもボーナス払いナシです。

そこから「現在住宅ローンを借りている人たちは意外と返済比率が低い」といえますし、だからこそ、住宅ローン破綻が少ないのだともいえます。

返済比率(返済負担率)とは、手取り収入に対して住宅ローンをいくら返済するかという比率です。一般には「3割以内で」といわれますが、実際にはもっと少なく抑えるべきです。

こういった点を調べずに不動産屋に行ってしまうと、適正な予算より高い物件を勧められることがあります。

まず住宅ローンを知り、返済比率をきちんと考えた上で持ち家を買うのが正解です。

住宅ローンを可視化する「モゲチェック」

とはいえ住宅ローンはかなり複雑で難しいので、モゲチェックというサービスを利用するのが安心です。

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モゲチェックは銀行などが支出する広告費で運営されているので、ユーザーは無料で利用できます。それなのに、自分に適した銀行や金利タイプ、いくら借り入れできるかを正確に診断してくれます。

住宅を買う時は、まず自分自身が借入できる住宅ローンについて、しっかり調べるところからスタートしましょう。

その家、高すぎませんか!

マンション購入時の所要資金推移
出典:住宅金融支援機構「2019年度フラット35利用者調査」

日本では30年間実質賃金が上がっていないのに、住宅の価格は右肩上がりに伸びています。35年ローンを組まないと家が買えない原因は、そこにありそうです。

データ出典:住宅金融支援機構「2019年度フラット35利用者調査」

住宅を買う人の平均的な年収は800万円前後です。たとえば新築マンションであれば、年収の7.1倍という高額な物件を購入しているので、5680万円くらいのマンションが普通となっています。

こういう家の買い方をすると、西村博之(ひろゆき)さんにダメだしされてしまいそうです。そもそも返済比率(返済負担率)が高すぎるのも問題です。

年収800万円で2500万円くらいの借り入れ

世の中でローンを組んでいる人の平均的なレベルを目指すなら、物件価格を年収の3倍くらいに抑えておくのがおすすめです。

年収800万円の人なら2500万円くらいが目安ですが、これなら25年ローンを組んでも月々の返済は92,638円。返済比率は2割以下です。

金利1.2%のフラット35で、ボーナス払いなしの25年償還で試算した場合。

持ち家を買うべき人、買わないほうがいい人

当社撮影

ここまで読んでおわかりの通り、家を買うのは簡単なことではありません。家を買わないほうがいい人は、ズバリこんな人だといえます。

  1. 勉強したりものを考えるのが苦手
  2. 難しいことは人に決めてもらいたい
  3. よくわからないがとりあえず家を買いたい

そういうことであれば、賃貸住宅の方が安全です。持ち家を買うには、さまざまな問題をしっかり考え、いくつもの合理的な選択をしないといけないからです。

そこで、家を買おうと考えたら、まず物件を見る前にモゲチェックなどで住宅ローンを把握する必要があります。

金融機関と提携して、「どの銀行が自分に有利か」を提案してくれるサービスはモゲチェック以外にありません。

また、物件調査については自分自身でも行う必要があります。不動産業者も隣人までは調査していませんから、隣人調査については必ずやっておくべきです。

自分で隣人調査を行ってもいいですし、手に負えない場合はトナリスクを利用するか、探偵会社などに依頼します。

ただし、探偵会社に依頼すると数十万円レベルの予算が必要になることがあります。

また災害リスクの調査も、できれば自分で行っておきたいものです。不動産業者も一応の調査は行いますが、重要事項説明の義務がないポイントは省略していたりします。

多くの災害の教訓を生かして、現在はほぼすべての市町村でハザードマップを公開しています。上のリンクから検索することが可能です。

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