2024年6月現在、沖縄県、広島県、石川県、宮城県にシロアリが多発しています(シェアリングテクノロジーのシロアリ発生指数による)。
シロアリ駆除が必要ない家も、もちろんあります。新築であれば薬剤が効いているので5年は大丈夫。また、防蟻工事をしてから5年ほどの間は、ある程度安心できます。
その期間を過ぎてもシロアリが発生しない場合もありますし、発生する場合もあります。
では、日本の住宅の何割がシロアリの被害にあっているのかというと、約2割というデータがあります。
日本におけるシロアリ被害の割合は、およそ2割です。自宅と敷地を接する家(5軒)のうち、1軒にシロアリ被害が発生しているという計算になります。
2割と聞くと「たった5軒に1軒程度か」と思ってしまいますが、上の図のような状況です。やはり注意をしたほうがいいですね。
シロアリ被害があるとどうなる?
シロアリの被害があっても、めったに家が倒れたりはしません。ただし、問題は地震などの災害で被害が大きくなることです。
シロアリ被害あり | 8割が倒壊 |
---|---|
シロアリ被害なし | 2割しか倒壊しなかった |
阪神大震災の直後に入った調査チームの報告で、シロアリ被害がある家の8割が倒壊したと判明しています。シロアリ駆除をした場合の4倍もの確率で、家が倒壊してしまいます。つまり「シロアリ被害は、震災時に人命を奪う」と判明したのです。
阪神大震災で亡くなった方の多くが倒壊住宅の下敷きになった圧死であったことを考えると、シロアリによって多くの人命が奪われたということができます。
ではシロアリ駆除をするとしたら実際にはどうなる? という点は、自宅に業者さんを呼んでシロアリ防除を施工した時のレポートを掲載しています。
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シロアリ駆除・予防が必要ない家の条件
「理屈や統計からシロアリ被害にあいにくい」とわかれば、その家にシロアリの防除工事をする必要はありません。
では、どのような住宅がシロアリ被害にあいにくいのでしょうか?
マンションは被害にあいにくいが例外あり
一般にマンションであればシロアリの被害にあいにくく、ある程度安心することができます。しかし、カンザイシロアリだけは例外です。
アメリカカンザイシロアリについては記事後半で補足解説していますが、水がなくても木材を食べることができる外来種で、マンションまるごと1棟が被害にあったこともあります。
全国に被害が点在していますが、和歌山県などは被害報告が多く、注意が必要です。
ただしマンションの場合は一戸で対策するのは難しく、管理組合に相談することになります。またカンザイシロアリの駆除は難しいので、日本しろあり対策協会など信頼できる団体に相談するのがよいでしょう。
新築5年以内なら一応シロアリ駆除は必要ない
この記事で「木造の新築住宅なら危険性が低い」と判断した理由は、法律に防虫処理が定められているからです。
メモ
構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面から1メートル以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない。
建築基準法第49条
現在の新築木造住宅では、1階の床下部分にシロアリを寄せ付けない薬剤を加圧注入した木材が使用されています。
建築現場で時々見かける緑色の木材はACQを加圧注入したものです。ホウ酸などその他の薬剤を加圧注入する例も多く、そういった場合は色がついていません。
いずれも上図のようなチャンバー内に木材と薬剤を入れて、圧力をかけて木材の内部に浸透させています。
こういった加圧注入剤の場合は薬剤の効果が長持ちするので、相当長期間シロアリを寄せ付けません。そこで、新築の場合はしばらくの間(一応)シロアリ対策は不要と考えられています。
新築5年を過ぎるとシロアリ被害が増加。防除が必要に
しかし新築後5年を過ぎると、シロアリの被害は増加していきます。
加圧注入剤を使っていてもシロアリの被害にあうのはなぜでしょうか? 実は、シロアリは加圧注入剤を避けて、防蟻処理されていない木材を食害できるからです。
グラフの「シロアリ防除保証切れ」はシロアリ防除剤の効果が切れた建物です。加圧注入剤を使っていても、防蟻処理されていない木材からシロアリの被害が発生していきます。
住宅には、加圧注入剤以外の木材もたくさん使われています。新築後5年を経過したら(6年目から)は、シロアリの対策を考える時期にさしかかります。
築15年目からはシロアリ防除は必須に
新築後6年くらいから発生し始めるシロアリ被害。そのペースが急増するのは15年目以降です。その頃からシロアリ被害の発生率はどんどん増加していきます。
築30年くらいで一度発生率が下がるのは、そのあたりで防蟻工事を施工しているためと考えられます。
まとめるとシロアリ予防の薬剤が切れると被害が増加する傾向
築年数別の蟻害発生率をまとめると、新築から5年間はかなり少なく、薬剤の効果が切れる6年目以降に被害が増加します。
この時点で、防蟻工事をしていない新築住宅では7~8%程度に被害が出ています。築浅でも油断できないことがわかります。
築年数とシロアリ被害
基本的には築年数に比例して、シロアリ被害の発生率が増加していきます。
ここからは、建物構造別にシロアリ被害の危険度を考えていきましょう。
建物構造別!一戸建て住宅のシロアリ防除必要度
原則としてすべての一戸建て住宅で、何らかのシロアリ防除工事をしておいたほうがよいことは間違いありません。
とはいえ、建物の構造ごとにシロアリ防除の必要度が異なります。ここでは、建物ごとの具体的なポイントを見ていきます。
木造軸組(在来)工法=シロアリ被害にあわない早期警戒を
木造軸組工法は歴史があり、なおかつ現在も主流の工法なので、物件数が非常にたくさんあります。細かいポイントは、以下の記事の「シロアリ予防が必要な家、予防工事をすべき時期」というか所を読んでみてください。築年数とシロアリ被害の関係も、さらに掘り下げて解説しています。
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ポイント
木造住宅の場合、イエシロアリなどの被害にあうと致命的な問題に直結します。
木造住宅、とくに木造軸組み工法の場合は、木の柱で建物を支えています。シロアリはその重要な柱を加害するため、そもそも被害にあわないことが大切です。防除工事もしておいたほうがいいですが、何よりもまず「シロアリの調査」や「シロアリ予防」を心がけてください。
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ツーバイフォー工法はシロアリ駆除の必要度が高い?
国土交通省の補助を受けて実施された調査事業で、シロアリの発生率について気になる指摘があったのがツーバイフォー(木造枠組住宅)。
仮説1 密閉性や保温性の高さがあだに?
密閉性・保温性が高く、人が住むのに快適な建物ですが、その密閉性があだとなり、シロアリにも快適な住居となっている可能性が考えられます。
メモ
保証期限内の建物では、枠組壁工法がもっとも被害発生率が高い。この原因については築年数、構法などもう少し詳しい分析が必要である。
国土交通省補助事業「シロアリ被害実態調査報告書」
仮説2 非常にシロアリに弱い木材が使われている可能性
ツーバイフォーではSPF材という非常にシロアリに弱い木材を使うことがあります(最近は使いませんが、古いツーバイフォー建築の一部に見られるそうです)。そのSPF材が集中的に被害にあっているという説もあります。
特に平成前半の格安ツーバイフォー物件が危ないとも報告されました(日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合)。
シロアリに強い木材と弱い木材については、以下の記事で詳しく解説しています。
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ただし、ツーバイフォー住宅に特化してシロアリ被害を調査したデータはいまのところ存在せず、この調査で断言まではできないようです。今後の調査や報道に注意しておきましょう。
軽量鉄骨造でもシロアリ防除は必要
軽量鉄骨造の住宅のシロアリ被害は、床下、小屋裏(屋根裏)、玄関まわりなどに発生しています。
鉄骨造の住宅であっても、床(特に1階床)を支えるために木材を使用しています。根太や束柱といった部材はどうしても木製が主流になります(注1)。
鉄骨造の鉄部分がシロアリに食べられるということはないのですが、建物内部の木部が被害にあうと、意外と高額な修理が必要になることもあります。
ネット上では「シロアリは蟻酸で金属を溶かす」という記述を見かけますが、それは間違いです。
注1……束柱に関しては金属製のものが増えてきました。
「鉄筋コンクリート造はシロアリ駆除が必要ない」は間違いだった
鉄筋コンクリート住宅の躯体部分(構造を支える部分)は鉄とコンクリートでできてるので、基本的にはシロアリの被害を受けません。
「シロアリはコンクリートも食べる」という記述を見かけますが、それも間違いです。
構造自体が壊れてしまう木造住宅に比べると、鉄筋コンクリート住宅はシロアリに強いといえます。
しかし、鉄筋コンクリート住宅で大規模なシロアリ被害にあった場合、内部造作をすべて撤去して作り直す、スケルトンリフォームが必要になることもあります。
こうなるとかなりの大工事で、相当な金額がかかります(上の写真)。
建築基準法の規定にも注意
木造住宅と違って、鉄筋コンクリート住宅では、防虫工事が法律で義務づけられていません。木造であれば原則として地面から1mの高さまで防虫・防蟻処理が義務付けられていますが、RC住宅では防虫処理されていないケースもあります。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造住宅でのシロアリ対策、シロアリ被害については、以下の記事で詳しく説明しています。ご自宅が鉄筋コンクリートや鉄骨造の方は、ぜひ読んでみてください。
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「シロアリ駆除は意味ない」という人は何をどう判断してるの?
日本中の建物の約2割にシロアリの被害が見られます。しかも築年数が古くなるにつれて、シロアリ被害の確率はどんどん増加していきます。
シロアリ駆除や防除が必要ない、ということは、「たまたまシロアリ被害にあわなかったから何もしなくていい」という判断といえるでしょう。
特にイエシロアリが生息する西日本でシロアリを放置すると、住宅全損の可能性も考えられます。
シロアリ110番 |早めの対応でコストを抑えられます
また、以下の記事ではシロアリに強い木材や弱い木材を解説しています。自宅にどんな樹種が使われているかわかるようなら、この記事で耐蟻性を調べてみてください。
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「乾燥していればシロアリ予防は必要ない」は間違い
アメリカカンザイシロアリという外来種のシロアリは、1975年に東京都江戸川区で発見されて以来、日本中に広がりつつあります。
よく……
床下が乾いているから大丈夫ですよ~。
という人がいますが、アメリカカンザイシロアリは乾燥を好むタイプのシロアリです。在来種のシロアリのように水を必要としません。いきなり小屋裏(屋根裏)や建物の2階、3階に侵入して、そこに営巣します。
日本国内のマンションにアメリカカンザイシロアリが発生したという記録もあり、この種に限っては「マンションだから安心」ともいえず、かなりやっかいな状況です。
アメリカカンザイシロアリは、もともとアメリカ太平洋岸沿いに分布している建物害虫。日本にも侵入してきましたが、乾燥を好むやっかいな種です。北は宮城県仙台市、南は沖縄県那覇市で被害が報告されており、今後ますます注意が必要だといわれています。
カンザイシロアリに注意したい都道府県といえば、筆頭は沖縄県。沖縄にはアメリカ軍基地があるので、外来種のアメリカカンザイシロアリが心配です。それに加えて、沖縄にしかいないダイコクシロアリというカンザイシロアリも生息! 詳しくは以下の記事で解説しています。
ではシロアリはどうやって家の中に侵入するの?
シロアリは名前に「アリ」とつきますが、実は黒い蟻の仲間ではありません。昆虫の中では古いグループに属しており、むしろゴキブリに近い種類に分類されます。
ゴキブリにもキゴキブリなど、森の木を食べる種類がいます。そこからシロアリが進化して、森の木を食べて土中に大きな巣を作るようになりました。
シロアリの生態について、詳しくは以下の記事で解説しています。
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「シロアリがゴキブリの仲間だ」というのは本当です。この記事ではさらに、以下の内容を解説しました。 シロアリとクロアリ(蟻 ...
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庭のシロアリは駆除すべきか?
ヤマトシロアリやイエシロアリは土の中に巣を作る土壌性のシロアリなので、家に侵入する時も、土の中から床下へと到達します。
最近の住宅は床下にしっかりとコンクリートを打設したベタ基礎を採用していますが、シロアリはそれでも侵入することができます。
いったん庭の切り株や木杭を餌として、その地下に営巣したシロアリは、そこから蟻道を伸ばして建物内部に入り込みます。
コンクリートを食い破ることはさすがに困難ですが、上下水の配管などのすき間から床下に入っていくことはできます。
シロアリは森にいた時と同じく土の中を通って、餌(あなたのお家)に迫ります。庭にシロアリを発見したら、駆除しておかないと心配ですね。
シロアリが大量発生する時期や発生原因
日本で住宅に被害を与えるシロアリは、主にイエシロアリとヤマトシロアリの2種類です。羽蟻が大量に飛ぶ時期は、それぞれ以下の表のとおりです。
シロアリの種類 | 群飛時期 | 群飛する時間 |
---|---|---|
イエシロアリ | 6月~7月 | 夕方暗くなってから |
ヤマトシロアリ | 4月ごろ | 日中(午前中) |
イエシロアリは温暖な地域に分布しており、ヤマトシロアリは沖縄から北海道中部の広い範囲に分布しています。
シロアリの羽蟻が大量発生するのは、王アリと女王アリのペアとなって、新しい巣を作るためです。
シロアリの発生時期と原因については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
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羽蟻を見たら急いでシロアリ駆除をするべき?
室内に羽蟻がいる場合、それがシロアリなのか黒蟻なのかは以下の図を参照すればわかります。
シロアリも黒蟻も4枚の翅をもっていますが、シロアリは4枚の翅がほぼ同じ大きさです。それに対して黒蟻は前翅が大きく、後翅が小さいので、そこで見分けることができます。
さらに、シロアリの羽アリは体がずんどうで、黒蟻の羽蟻はハチのようなくびれがあります。触覚も違っていて、シロアリの触覚は数珠をつないだようにツブツブが並んでいます。蟻の触覚はツブツブではなく、全体がくの字型をしています。
上の写真は顕微鏡で拡大したものですが、目で見てもツブツブが連続した形だとわかります。
室内でシロアリの羽アリを見かけたら?
上の図などでチェックしてみて「シロアリだ!」と気づいても、慌てずにどこから来ているか見てみてください。窓の外から入ってきているようなら、シロアリを掃除機で吸い取ってしまえばOK。まだ家の中に巣は作られていません。
一方、室内のどこかから大量に飛び立っている場合は、かなり危険です。
その場合、家の中にすでに成熟した巣ができており、そこから羽アリが飛び立っている可能性があります。最低でも無料調査を行い、少しでも怪しい場合はシロアリ駆除をお願いしてください。
また、室内に羽アリが出た時の詳しい解説は、以下の記事で読むことができます。
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関連記事羽蟻を見たら即シロアリ対策が必要?シロアリか黒蟻かの見分け方も解説します
シロアリの羽アリを見て、慌ててシロアリ防除工事を依頼するケースは多いと思います。その時、注意したい点は2つ。 羽アリが窓 ...
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一戸建てのシロアリ駆除費用は?
では、シロアリ駆除・シロアリ予防にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか? 一般的な住宅の場合、10~30万円くらいに収まることが大半です。
施工単価の目安をあげると、以下の表のようになります(一軒家のシロアリを駆除する場合)。
業者の規模 | 平米単価 | 坪単価 |
---|---|---|
地場・小規模業者 | 1,000円前半 | 3,000円前後 |
中規模業者 | 1,500円前後 | 5,000円前後 |
大手業者 | 2,500円前後 | 8,000円前後 |
価格は1階部分の床面積で計算しますが、50㎡~60㎡くらいまでの住宅の場合、大手と中小規模業者の間の価格差は思ったほど大きくありません。
たとえば施工面積50㎡の場合、低価格で知られるシロアリ110番と、大手のダスキンを比較すると、その差額は約3万6000円。とにかく安心できる大手業者に頼もう! という場合は、ダスキン、アサンテ、サニックスといった超大手業者を含む約100社に無料調査を依頼できる、タウンライフリフォームのシロアリ特集がおすすめです。
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まとめ:シロアリ防除は築6年目以降で必要
この記事で見てきたように、新築木造住宅でシロアリの被害が発生するということはまれなケースです。
シロアリ被害が発生するのは、予防薬剤の効果が切れる6年目以降。この時点からシロアリ防除工事を5年おきにする、というのが理想です。
では、シロアリの被害にあった家は、どうなるのでしょうか? 実は阪神大震災の時のデータでは、シロアリ被害のある住宅のうち8割が地震で倒壊する、ということがわかっています。
シロアリ被害がない家は、2割しか倒壊しません。
つまり、シロアリ被害がある家は、目に見えないけれど構造が弱くなっていて、地震で簡単に倒壊してしまうということです。
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シロアリの被害を放置する、見て見ぬふりをしてしまうことは非常に危険です。最低限、シロアリ防除の無料調査を利用して「シロアリがいるか? いないか?」というチェックだけはしておいてください。
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参考文献
吉村剛、岩田隆太郎、松浦健二ほか(2012)『シロアリの事典』(海青社)ISBN978-4-86099-260-6
日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合(2013)「国土交通省補助事業 シロアリ被害実態調査報告書」