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不動産一括査定やってみた!自社物件をガチで売って判明した注意点を解説

筆者は不動産会社の立場で長年不動産一括査定サイトを利用しました。

加えて、一般ユーザーの立場で大阪府下のマンションと栃木県の一戸建てを査定依頼してみて、以下の点がポイントだと考えています。

  1. 都市部では査定が正確で売却力がある大手不動産会社に依頼するべき
  2. 地方では一括査定が役立つが、迷惑電話対策と査定額を見極める知識が必要

なぜかというと、大阪でも栃木でも、査定額がバラバラで信頼性が低かったからです。特に、実際より高い「釣り査定」を出す業者には注意が必要です。栃木県では釣り査定率が高く、危険だと感じました。

この記事では、そのような「不動産一括査定サイトの実際」と「迷惑電話や釣り査定への対策方法」を、宅建士目線で解説していきます。

不動産一括査定を実際に使ってみた結論から報告

シーサイド貝掛外観写真
今回、実際に売ってみた物件

本記事では、実際に自社所有マンションを売却し、さらに知人の戸建て住宅の一括査定を取得した際のレポートを掲載しています。

細かい内容が多く、長くなってしまうので、まず要点をまとめておきましょう。

  1. 都市部では大手仲介業者に査定依頼をするほうが安心
  2. 地方では一括査定サイト利用が便利だが注意点あり

一括査定サイトの査定額はばらつきが多く、どれが正しいか分かりません(大阪と栃木で実証)。

今回の実証実験で、一括査定の査定額は最大1200万円もブレることが判明しました。この状況では、価格査定の正確性を担保できる大手不動産会社への査定依頼は不可欠といえるでしょう。

その点、「正確な価格査定」を打ち出す三井のリハウスなら、正確に相場を反映した価格査定を出してくれます。年間31万組の相談データと直営280拠点の情報網から膨大なデータを蓄積し、短期間で値下げせずに成約できる価格を提示してくれます。

まずはリハウスのような正確な価格査定を見て「より高く売るには?」という戦略を考えないと、不動産売却が暗礁に乗り上げてしまいます。

ただし、大手仲介業者は地方に弱いので、郊外では不動産一括査定サイトを利用することになります。その点は押さえておいてください。

では、詳しくレポートしていきましょう。

不動産一括査定やってみた!①大阪編

シーサイド貝掛からの眺望
築古ながら眺望のいいマンションでした

まず、大阪府阪南市にある、写真のマンションを売却した際の体験談をご紹介します。

売却したマンションは会社の所有物件ですが、事務所として使用しなくなったもの。そこで、不動産一括査定サイトを複数利用して売却を進めました。

物件は、以下の場所に位置しています。

シーサイド貝掛所在地マップ
物件所在地

関西空港からほど近く、海も望めますが、築年数が古く、床面積も狭めのマンションでした。

物件概要

所在大阪府阪南市貝掛
物件種別分譲マンション間取2LDK
構造鉄筋コンクリート専有面積43.75㎡
土地権利所有管理費4100円
築年昭和48年12月修繕積立金2300円
備考電気、水道、集中浄化槽、プロパンガス

利用した5つの不動産一括査定サイト

今回利用したのは以下の5つの一括査定サイトです。

サイト名登録不動産業者数
イエウール2300社以上
リガイド900社以上
リビンマッチ1700社以上
マンションナビ2500店舗
イエイ1700社

登録業者数が多いサイトが良いと思われますが、登録数は各サイトが主張している数値であり、そんなにたくさんの会社が本当に登録しているかは不透明です。

査定サイトによる違いはあまりなかった

実際に査定依頼をかけるまで、どれだけの不動産会社から査定書を受け取れるかは分かりませんでした。

大阪府阪南市で実際に査定依頼に対応してくれた業者数は次の表のとおりです。

リガイド3社
リビンマッチ2社
マンションナビ1社
イエイ1社
イエウール1社

たくさん業者が登録しているはずの一括査定サイトがダメで、地味に見えたリガイドが優秀だったのが印象に残りました。

「思ったより、どこも大差ない」という感じです。

また、以下のような業者が対応してくれました。

A社売買中心。チラシのポスティングや看板で勝負するタイプ
B社売買中心。顧客を囲い込みがちな傾向の業者
C社賃貸管理中心。ホームページがスマホ非対応
D社不動産買取の看板をたくさん出す業者。仲介も行う

いい査定書とダメ査定書の差は大きい

送られてきた査定書のうちの2通
左は合計17枚の詳細なもので右はペラ1枚の雑なもの

査定対応してくれた4つの不動産会社の信頼性には、大きなばらつきを感じました。

A社17ページにわたる詳細な査定書で価格もちゃんと相場内
B社A4用紙1枚の薄い査定書
C社査定書なし。電話で口頭による価格提示のみ
D社2番目に優秀な査定書で価格も相場の範囲内で納得

査定書の内容が一番良かった業者は、しっかりした不動産査定ソフトを使用し、登記簿も取得して、17ページにわたる詳細な報告書を提供してくれました。

一番悪かった査定書は、A4サイズ1枚で価格の根拠も不明瞭でした。簡易な物でもいいので、査定ソフトくらいは使ってほしいと感じました。

査定書を出さずに口頭で価格を提示する業者もありました。

査定額と売却価格

査定額はおおむね120万~150万円でした。

一番高い査定額を提示した会社は250万円でしたが、これは物件を取り違えていたようで、かなり問題がありました。

仲介はしっかりした査定書を出してくれたA社とD社に依頼しました。売り出し価格に関しては、両社とも150万円程度からの設定でした。

3か月後、若干の交渉の末、120万円で契約が成立しました。

ポイント

3か月という目安の期間内に成約できたので、A社とD社の査定額は満足できる物だったと思います。

今回の体験からおすすめするサイトは地方なら「リガイド」

今回の実証実験で分かったのは「南大阪エリアでは、一括査定サイトをたくさん利用しても、結局は4つの不動産会社にしかアプローチできない」ということです。

その4社のうちの3社がリガイドに登録していたため、リガイドを利用するのが効率的だと感じました。

その他の実験結果でも、地方都市であれば全般的にリガイドの成績がいい傾向がありました。

不動産一括査定やってみた!②栃木編

知人から栃木県宇都宮市での自宅売却について相談を受けたことをきっかけに、一括査定サイトの実験とレビューを行うことになりました。

今回査定を依頼したのは、以下の一戸建て住宅です。

土地面積約250㎡(76坪)
建物面積約199㎡(60坪)
建物の構造軽量鉄骨造
建築年月平成8年8月
ハウスメーカー積水ハウス

しかし、査定依頼をしてみると、不動産会社によって査定額に1200万円の差がありました。

不動産のプロとして考えると、この物件で1000万円を超えるブレは異常です。「相場を理解していない」または「高額査定でダマす」のどちらかの可能性が高いです。

利用した4つの不動産一括査定サイト

今回は以下の4つのサイトを利用しました。

  • イエウール
  • イエイ
  • リガイド
  • リビンマッチ

宇都宮市は栃木県の県庁所在地であり、「対応している仲介業者は多いはず」と期待していましたが、結果的にはのべ4社の不動産業者にしかアクセスできませんでした。

全ての一括査定サイトに同じ業者が登録していることがその理由です。

驚くほどバラバラだった査定額

宇都宮の物件の投書査定額一覧
宇都宮では査定額に異常なバラツキが見られた

最も低かった査定額は1450万円で、最高は2710万円でした。たぶんここで「我が家が2710万円で売れるなら!」と喜ぶユーザーがいるから、こういう商売を続けるのかと思います。

A社2200万円売買中心の業者
B社1869万円売買中心の業者
C社2710万円売買中心の業者
D社1450万円賃貸管理中心の業者

さすがに大手仲介業者はこういうことをしないので、怪しい場合は大手のセカンドオピニオンを聞くのがおすすめです。

この結果を受けて、物件所有者には「1つでいいから大手業者の査定書を取った方がいい」とアドバイスしました。

その後、家族会議を経て、この家を建築した積水ハウス系列の不動産業者に査定依頼を行うことになりました。

大手業者の査定額を基準にする

大手系列を入れた宇都宮の査定額一覧
積水ハウス系列の査定額を加えたグラフ

全般的に査定書の信頼性が低かったため、積水ハウス系列の不動産業者に再度査定を依頼したところ、かなり相場観のある数字が出てきました。

積水ハウス系の査定額は1170万円でした。

筆者も概算査定を行いましたが、積水ハウス系列の会社の査定が正しいと確認しました。

大手仲介業者はコンプライアンス意識が高いので、バレたら困るような査定額の操作などは行わない傾向があります。

ただし、担当営業マンに遵法意識がない場合などはこの限りではなく、査定額の操作が不可能とまではいえません。

今回の体験からおすすめするなら……

今回の実験で驚いたのは、宇都宮市でも一括査定サイトを4つ利用して、結局4つの不動産仲介業者にしかアクセスできなかったことです。

また、宇都宮で対応した仲介業者はレベルが低いと感じました。

宇都宮の業者が全部ダメというわけではなく、たまたま対応してくれた業者がダメだったということかもしれません。

このように査定額が信用できないケースでは、大手の仲介業者にセカンドオピニオンを聞くのがおすすめです。

とくに三井不動産リアルティ(三井のリハウス)は、全国の不動産業者中、おそらく唯一「正確な価格査定」を打ち出しています。

上記の公式サイトを少しスクロールすると、査定についての考え方が書かれています。また、三井不動産リアルティについて、詳しくは以下の記事で解説しました。

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不動産一括査定やってみた!③業者の立場編

筆者は、不動産を売却するユーザーの立場だけでなく、不動産仲介業者としても一括査定サイトを利用してきました。

そこで、不動産屋から見た、各一括査定サイトの評価・見解をまとめてみます。

不動産業者として利用したことがある4つの一括査定サイト

不動産業者が一括査定サイトを利用する場合、「情報に対する課金が重い」というのが正直な感想です。

最近は、ユーザーの査定情報1件あたり1万5,000円~2万円くらいが相場なので、それを支払っても元を取らないといけないという事情があります。

長く使った査定サイトはユーザーさんの質がよかったところ=ユーザーさんが納得して利用してくれているところと考えられます。

ユーザーが納得して査定依頼をかけているので、そのまま商談に結びつきやすいわけです。

一番好きだったのはリガイド

不動産屋として、筆者が一番好きだったのはリガイドです。

リガイドの良い点は2つあります。

  1. 不動産業者への課金が控えめ
  2. ユーザーを欺くような宣伝をせず、情報の質が高い

他の一括査定サイトは業者数が2,000社以上など、大規模な印象を与える宣伝をしていますが、リガイドは控えめな数字を提示しています。

また、ユーザーをだますような広告を出さず、誠実な印象に好感が持てました。

公式サイトもオーソドックスなつくりで、むりにCVRを上げるような仕掛けもありません。

一括査定である以上、当たり外れはありますが、外れが少ないサイトだと考えています。

一番長く利用したのはリビンマッチ

リビンマッチは、かつてスマイスターという名前で運営していました。

その時代から10年近く利用したサイトで、だんだん内容がよくなっていった印象です。

農地や倉庫など売りにくい物件の査定依頼も多く、個人的には楽しく仕事ができたと思っています。

IT企業なのに全国に支社を展開しており、サポートも手厚かった記憶があります。

IT企業としての技術力を感じたのはイエウール

イエウールは、運営元企業の技術力が高い印象がありました。

サイトの性能が高く、高い集客力を誇りますが、そのために対応しきれないほど多くの案件が送られてきたこともあります。

ドライで優秀な印象ですが、不動産業者としてはあまり長く利用しませんでした。

すぐ利用しなくなったのはイエイ

イエイは不動産一括査定サイトの先駆け的存在です。筆者も、一番に契約したものの、送客の質が悪く、短期間で利用を中止しました。現在でも、その実力には疑問符が付きます。

結論は都市部なら大手、地方なら不動産一括査定サイト

結論からいうと、以下のように考えるべきだと思います。

  1. 都市部であれば大手仲介業者に査定依頼
  2. 地方ではいくつかの価格査定サイトを利用する

今回レビューした栃木県宇都宮市の事例で分かるとおり、不動産査定サイトに登録している業者は玉石混淆で、正直どの査定書が正しいかわかりません。

そこで、すくなくとも1つは大手業者の査定を取っておくと安心です。

あえて1社あげるとしたら、査定額の正確さを打ち出している三井不動産リアルティ(三井のリハウス)がいいでしょう。

三井のリハウスは、業界でほぼ唯一「正確な査定」を打ち出しています。

ただし、大手仲介業者は地方に弱いという傾向があります。

もし大手に査定依頼ができない場合、一括査定サイトを利用して、複数の地元業者に査定を出してもらうことになります。

今回実験したところではリガイドが優秀でしたが、エリアによって対応業者数はまちまちです。そこで、以下の記事を参照して、いくつかの不動産一括査定を試してみるのが現実的でしょう。

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不動産屋はなぜ「しつこい営業電話」をするのか?

不動産一括査定をやってみたときの流れは、上の図のように、ユーザーが査定依頼をすると、査定サイト側が複数の不動産会社に査定情報を転送する、というのが基本的な仕組みです。

このように不動産一括査定をやってみた場合、不動産会社は最初から競争ありきで営業活動をスタートします。しかも、情報1件につき15,000円前後の情報料を支払うため、それを取り返す必要があります。

お金を払って熾烈な競争に参加している以上、不動産会社はそのコストを回収しなければいけません。そこで、熱量の高い、しつこい営業をかけてでも投下した予算を回収しようとします。これが、しつこい営業がどうしてもなくならない理由の一つです。

しつこい電話を大幅に減らすノウハウ

不動産屋がしつこい営業をするのは、仲介を取りたいからです。であれば、仲介を取るためにどうすればよいかというルールを提示すればよいわけです。

まず、電話が来た時点で「以後の連絡はメールでお願いします」と明確に伝えてください。

そのうえで、査定書を確認し提案内容を精査した上で、信頼できると判断した不動産会社に仲介を依頼する予定であることも伝えてください。

その際、「こちらがお願いしたルール(メールでの連絡)をきちんと守ってくれる会社に仲介を依頼する予定です」という旨も添えておくとよいでしょう。

それでも、あえてしつこく電話をしてくる業者であれば、仲介は依頼せずにお断りしてください。断る理由は「ルールを守れない会社に、大切な不動産の売却を安心して任せられないから」と伝えれば十分でしょう。しつこい営業に対する詳しい対策方法は、以下の記事で解説しています。不動産一括査定をやってみた際の具体的な対応も確認してください。

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高すぎる「釣り査定」を見抜く相場の調べ方

高すぎる「釣り査定」に惑わされてしまうと、結局は売却期間が無意味に長引き、最終的に値下げを繰り返して成約します。

相場の価格より高いのですから当然です。

そこで、不動産一括査定を利用する場合、まずは高すぎる「釣り査定」を見抜き、正しい査定額に基づいて売却戦略を立てる必要があります。

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不動産の査定に不正な「釣り査定」が多い理由

最近「不動産の査定が信頼できない」といわれています。特に、実際よりも高すぎる「釣り査定」が多いということも話題になっています。

なぜ高すぎる「釣り査定」が多いのかというと、少し上の章で述べたように、不動産一括査定の場合は、不動産会社同士の競争が前提ですから、各社は他社を出し抜いてでも仲介を取る必要があるためです。

手っ取り早く仲介を取る方法として、実際よりも高い査定書を出し、ユーザーに「そんなに高く売れるなら仲介を任せたい」といわせる手法が一般化してしまいました。

もちろん相場より高い値段では売れませんから、不動産屋は「後から建物の瑕疵が見つかった」「時期が悪かった」などの理由をつけて値下げを迫ります。

その結果最終的には相場価格で売却する、というのがよくあるパターンです。

中には「不動産一括査定からの査定依頼には相場の1.5倍の価格を付けておく」といった社内ルールを決めている会社もあるため、注意が必要です。

査定書の信頼性をチェックする「査定根拠」の見方

私たちは不動産のプロですから「釣り査定」を見抜くのは簡単です。ただ、一般の方であっても相場が分かっていれば、ほとんどの「釣り査定」は見抜くことができると思います。

そこで、まずは路線価などを確認し、不動産の相場の価格を把握しておいてください。これだけでも「釣り査定」には十分対応できるはずです。

詳しくは以下の記事で解説しています。

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また、不動産の価格査定書を見るときは「その査定額の根拠が何か」という点に着目するのもポイントです。

通常、不動産会社の価格査定であれば「取引事例比較法」という手法を使って査定を行います。

取引事例比較法では、近隣の類似物件の、なるべく新しい取引事例を参照し、それと比較することで査定したい物件の価格を出します。このとき、どのような取引事例を使ったのかなどを詳しく見ておくと、査定の正確性を判断する材料になります。

「査定額」と「売出価格」の違い

査定額が高くても、あまり意味がありません。査定額とは、相場を基に「3カ月程度で売れる適正価格」を推測した数値だからです。

「相場より高く売りたい」という場合でも、まず正確な査定額を出します。

査定額で売り出さなければならないわけではありませんから「どうすれば査定額より高く売れるか」を検討します。つまり「査定額」と「売出価格」は異なってもかまいません。

一般論として、不動産価格は相場より高ければ成約までに時間がかかり、時間をかけるほど高く売れる可能性が高まります。そこで、ある程度時間をかけてじっくり取り組むのも、高く売るための方法といえるでしょう。

その他には、建物内外をきれいにしておき「ホームステージング」などで第一印象をよくしたり、ホームインスペクションを活用して「建物のコンディションを明示する」といった方法で、少しでも高く売るように努力を行います。

このようにして、「査定額」を売却戦略のスタート地点として、早く売りたい場合は「売出価格」を相場内に設定し、高く売りたい場合はやや高めの「売出価格」に設定しつつ、じっくりと時間をかけて売却にのぞみます。

気をつけたい「不動産屋との付き合い方」

この記事でも解説してきたように、不動産の価格査定は間違っている場合もけっこうあります。

高い査定額が出ても、本当にその金額で売れなければ何の意味もありません。

そこで、不動産屋を選ぶ時は「査定額が高いから選ぶ」というのは避けてください。

それよりも、不動産営業マンの知識・人物・人柄で選んだ方がいいでしょう。

たとえば、

  • 近隣の相場に詳しく取引情報が頭に入っている
  • 登記簿などの資料を正しく判断できている
  • 売主が気づいていない問題点も指摘してくれる

といった人なら安心です。

囲い込み行為に注意

不動産の売却で注意したいのは「囲い込み行為」。不動産業者が顧客よりも自社の利益を優先し、他の業者に物件を紹介せず囲い込む事です。

とくに販売力がない零細業者に囲い込まれた場合は弊害が大きく、この点気をつけておいてください。

詳しくは以下の記事で解説しています。

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不動産業者の黒歴史は国交省のサイトで確認できる

国土交通省が過去5年以内に行政処分を行った業者を公表するサイトがあります。これは法律に基づいて設置されているもので、誰でも閲覧可能です。

不動産屋(宅建業者)だけでなく、建設業者なども処分を公表されているので、ぜひ確認しておいてください。

詳しくは以下の記事で解説しています。

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3か月売れない場合

三井のリハウスの売却期間
正確な査定に基づく場合、売却期間は短め

上の図は三井のリハウスで、売却にかかった時間をグラフにしたもの。精密な査定額に基づいて売り出せば、短期間で売却できていることがわかります。

そもそも、不動産の価格査定とは、およそ3か月以内に売れそうな相場の価格を出す物ですが、最近は不当に高い査定額で顧客を誘惑する業者も増えています。

そこで、3か月たっても売れず、問い合わせも少ない場合は、仲介業者を変更するひとつのメドになります。

仲介契約は3か月でいったん終わりますので(専任・専属専任媒介の場合)、ちょうどいいチャンスといえるでしょう。

また、価格査定のしくみについて、詳しくは以下の記事で解説しています。

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ただし現在、首都圏のマンションの売却には6か月、一戸建ての売却には11か月もかかっているというデータがあります。出典:中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査(アットホーム)

そもそも一般媒介で複数社に依頼するのも手

不動産の仲介は、必ずしも1社だけに依頼するものではありません。媒介契約(仲介の契約のこと)の形態によっては、複数社に依頼することができます。

流通に問題がない物件であれば、筆者はへたに専任媒介で1社に依頼するより、一般媒介で2~3社に依頼することをおすすめしています。

一般媒介のメリットについて、詳しくは以下の記事で解説しています。

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まとめ「本当に正しい査定額を知るためのコツ」

今回、大阪府と栃木県の2か所で、実際に不動産一括査定サイトを利用してみたレポート記事を作成しました。

結論として、

  1. 思ったより対応できる不動産業者数が少ない
  2. 査定額はあまりあてにならない

ということがわかりました。

対応してくれた業者の中には、しっかりした会社もありましたが、信頼性が低い会社もありました。

さらに、約10年間不動産会社を経営した経験も加味して結論を出すと、

  1. 都市部ではまず大手仲介業者の価格査定をとったほうが確実
  2. 地方・郊外では大手が対応していない場合が多いので、一括査定サイトを複数利用

という対応が、現実的ではないかと思います。

都市部で一括査定を利用するのもアリですが、その際でも1つは大手の査定をとっておき、それを基準に判断してください。

大手ならどこも一定のコンプライアンス体制はありますが、査定の正確さであれば三井不動産リアルティがおすすめできます。

三井は業界でおそらく唯一「正確な価格査定」を大きく打ち出す会社です。とりあえず三井の査定をとっておけば、ひとつの判断基準になります。

また、三菱地所系列が立ち上げた「タクシエ(TAQSIE)」というサービスも着眼点がよく、かなり信頼感のあるサービスです。

大手仲介業者から350人のトップ営業マンを選別した精鋭部隊から、会社に関わらず「担当者を選ぶ」というサービスで、人によるブレが大きい業界に、ひとつの解決策を提示したものといえます。

詳しくは以下の記事で解説しています。

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その上で、大手仲介業者が利用できない郊外エリアであれば、今回成績の良かったリガイドを筆頭に、不動産一括査定サイトを利用するのがいいでしょう。

ただし、エリアによっては1つの一括査定サイトだけでは、複数の価格査定を出してもらえないこともあります。

その場合は、他の一括査定サイトも利用してみることになります、

一括査定サイトに入力したがキャンセルしたい、といった場合は、以下の記事を参照してください。

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