リフォームを計画しているということは、家のどこかに不具合があるはずです。その破損が風水害による場合は火災保険が下りることはご存じでしょうか?
リフォームをしてしまうと保険金の請求ができなくなります。そこで、どうせならリフォーム前に保険金を請求しておこうというのがこの記事の目的です。
火災保険の風水害保証で平均100万円の保険金がおりるとして、諸費用を控除した手取りは約70万円になります。
この記事では住宅の火災保険を利用してリフォーム代を削減する方法を解説します。
住宅をリフォームする前に「火災保険請求」をすべき理由
リフォーム前の火災保険請求について、知っておきたい事実は次の通りです。
- 一戸建ての8~9割が火災保険に加入している
- 実は火事以外の自然災害でも火災保険が適用される
- 築5年以上の住宅の7割で保険金がおりる
- その額は平均で100万円前後にのぼる
- 火災保険は等級制度がないため何度申請しても保険料は上がらない
以上の事実を前提として考えると、リフォーム前に一度火災保険の申請を検討すべきだといえます。
リフォームをしてしまうと破損か所がきれいになってしまうため、火災保険の申請ができません(注1)。そこで、リフォーム前に火災保険申請を検討するのがよいタイミングだといえます。
住宅の修理に関する保険トラブルに注意
国民生活センターや日本損害保険協会が警告していますが、実は火災保険請求代行業者による被害相談が増加しています。このような保険トラブルについても、あらかじめ知っておいたほうがよいと思います。
ポイントは以下の3つです。
- 訪問販売でクーリングオフにも応じない
- 全額保険適用といいながら、実際には高額な自己負担を要求する
- 主に高齢者を狙った詐欺的手法である
トラブルが多いのは、訪問販売でリフォーム見積りも出さずに契約をさせたり、全額保険でリフォームできるというウソをついて契約させる事例です。
日本損害保険協会が作成した、参考動画もぜひ見てみてください。
火災保険でカバーできるのはリフォーム全額ではありません。元の状態に戻すための修繕費用のみです。
この記事はその修繕費用だけはきっちりもらっておきましょうという主旨で作成しています。
もうひとつの注意点
また、災害等で壊れたのではない住宅損壊部分を「台風で壊れた」などと偽って保険請求してしまうと、詐欺罪に該当してしまいます。
とはいえ、どこが正当な保険適用の範囲か素人には判断できないケースもあります。確実性を求めるなら、建築、法律、保険契約約款のすべてを理解した担当者に依頼して「どの部分に保険が適用されるか」を判断するのが安全といえます。
ポイント
実際にリフォームをするにあたって、本当に自然災害等で損壊が生じた部分について火災保険を請求するのは正当な権利です。リフォームを予定している方であれば、請求しないのはもったいないといえます。
プロは知っている火災保険の利用方法
実はアパートオーナーさん(大家さん)は、火災保険を上手に利用しています。
中でもアパートオーナーさんがよく使っているのが、風水害や漏水の補償。リフォーム前にこういった保険金を請求しないとソンをしてしまいます。
アパート大家さんは保険をどう活用しているか
私は仕事がら賃貸アパートや賃貸用の一戸建てを管理していました。たとえば「2階から水漏れがあります」といった連絡を受けると、まず保険を使えるかどうかチェックします。
以下は私が業務で対応した、保険適用での修理の一例です。
事例1 | アパート1階で2階からの水漏れ発生。保険適用で補修の上、価値アップのための+αの施工も完了(+α部分は大家さんの自費) |
事例2 | 収益戸建て住宅で屋根瓦が破損して雨漏り発生。保険適用で雨樋含めて補修。雨樋は業者さんの指摘まで気づかなかった |
事例3 | 分譲マンションで天井から水漏れ。数カ月に及ぶ調査の末、外部からの水の侵入につき保険が適用されて大掛かりな補修を完了 |
アパートや賃貸住宅オーナーさんはこのように日常的に火災保険を利用しているので、火災保険が下りるということを知っています。
業者さんに知識と経験があれば、受け取れる保険金をきちんと請求してくれます。
もらえる保険金をもらっていない人が多い
火災保険の加入率は8~9割といわれていますが、その割に保険金を受け取っている人を目にすることはほとんどありません。実は火災以外の風水害等でもらえる保険金を、ほとんどの人が受け取っていないそうです。
ポイント
築5年以上の一戸建ての約7割で、平均100万円ほどの保険が下りるといわれています。
こういった保険の請求には、専門知識が欠かせません。無料で調査をしてアドバイスをくれるサービスがあるので、リフォーム前には一度調査依頼をしておいてください。保険金が下りない場合は無料で、下りた場合に成功報酬で料金が発生します。
現在おすすめなのは、以下のリンク先の「プロレバ」でしょう。弁護士が監修している点が安心ですし、手数料が業界最安水準の28%と良心的です(成功報酬なので保険が下りなければ無料)。
プロレバ|公式サイト
一般に火災保険申請サポートは、成功報酬の手数料が35~50%と高額になるので、その点に注意してサービスを選んでください。
保険申請できるか所がなくても無料で家を点検できたことになり、リフォームプランを立てるのに役立ちます。また、自動車保険と違って火災保険は、使ったから掛け金が上がるというこもありません。
また、料金は成功報酬なので、ユーザーが持ち出しになる危険性もありません。
リフォーム期間に余裕を持つことも必要
保険を利用してリフォームする場合、保険適用の可否を判断する期間として1~2か月ほどみておく必要があります(経験上それより早いことも多いです)。
保険調査~請求の流れは次の通りです。
- 無料調査の申し込み
- 調査対象に該当するかを調べてもらい日程調整
- 現地調査(1時間~1時間半)。外部調査のみのケースが大半
- 保険請求不可能であればこの時点で終了(費用発生しません)
- 保険請求可能な場合は、必要書類作成(無料)
- 保険会社の立ち会い調査
- 保険金の入金(この時点で成功報酬発生)
保険請求の時間が余計にかかりますので、通常のリフォームより早めに対応をスタートすることをおすすめします。
おすすめの保険申請方法は?
ここでは、自分で火災保険申請をする場合の手順と、業者に依頼する場合のおすすめ申請代行サービスをご紹介します。
火災保険請求のしかた
保険請求の手順自体は、それほど難しくはありません。
- 保険会社(保険代理店)から申請に必要な書類をもらう。
- リフォーム業者や工務店から修理の見積りをもらう。
- 写真や必要書類を添えて書類を提出する。
- 必要であれば保険会社の保険鑑定を受ける。
- 保険金の決定・入金。
破損か所や原因が明確で手続きが難しくない場合は自分で請求するとコスパが一番よくなります。しかし、保険が適用されるか判然としないケースや、そもそもどんな場合に保険金が支払われるかわからないという場合には、自分で手続きするのは難しいかもしれません。
現在進行形の問題としては、沖縄県豊見城市のアパート1Fの浸水。台風による浸水だったのですが、保険会社から「経年劣化だ」といわれており、これを覆す立証が非常に難しいと感じています。
破損か所の写真を適切に押さえるなど、保険請求のノウハウに加えて、法律知識や建築に関する知識が要求されるので、ハードルはかなり高いです。
ポイント
比較的カンタンに保険申請ができそうなケースは自分で手続きした方が有利です。しかし、請求が難しい場合は専門業者に頼んだ方が確実です。以下に紹介するお家の保険相談センターは、保険が下りなければ無料なので、ユーザーの持ち出しリスクはありません。
保険申請代行サービスの選び方
おすすめの火災保険申請代行サービスを選ぶ場合、注目したいのは以下の2点です。
- 法律だけでなく建築の知識もあること
- 成功報酬の手数料率が適正であること
建築の知識がないと、適正な保険請求ができません。また建築知識があればリフォームに関する適切なアドバイスも行えます。
もうひとつ手数料率も重要なポイントです。下りた保険金の50%を超える高額な手数料率を設定している業者もあります。そこまでいかなくても、手数料率を50%とする業者も多いです。その中で、手数料率28%のプロレバが最も良心的だと考えられます。
サービス名 | 成功報酬 | 運営会社 | 備考 |
---|---|---|---|
プロレバ | 28% | ルーツ株式会社 | 弁護士監修で安心できる。手数料率が低く良心的。 |
火災保険申請事務局 | 44% | 株式会社アプリケーション | 対象地域は北海道、沖縄、離島を除く全国。 |
保険請求の窓口 | 50% | 株式会社TORUS LINK | 弁護士事務所が提携。 |
保険申請の窓口 | 未記載(要問い合わせ) | ジョイントベンチャー株式会社 | 年間5000件の実績あり。電話問い合わせ窓口あり。 |
修復ナビ | 未記載(要問い合わせ) | 株式会社Tensor | 災害データの分析にAIを使用し認定率アップ。 |
ほけん申請110番 | 未記載(要問い合わせ) | 株式会社Cloud9 | 平均受給額120万円と高め |
また、現地調査を含めた対応をしてもらっても、以下のケースでは無料でOKです。
- 保険申請できそうな破損か所がなかったら無料
- 最終的に保険金がおりなかったら無料
- 保険が適用されてリフォームを運営会社に依頼したら無料
その結果、ユーザーはノーリスクで利用することができます。
プロレバ|公式サイト
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リフォームのコストダウンといえば、分離発注がまず話題に上ります。
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