マンションのセルフリフォームはどこまでできる? 実体験でわかったDIYの限界と魅力

マンションのセルフリフォームは、簡単なようで難しい。それは、自分でできる部分と、手ごわいプロの領域があるからかもしれません。

そこで、千葉県から愛媛県松山市に移住したハニーさんと、ご主人のサンタさんが経験した、初めてのマンションリフォーム体験をおうかがいしました。

飾らないおふたりのお話は、失敗談も成功体験も、意外な発見も盛りだくさん。これからリフォームに挑戦する方の参考になるはずです。なんといっても印象的なのは「もう一回やれといわれたら?」という質問に、

「またやりたい」

と、前向きなコメントをもらえたこと。ハニーさんはむしろ、「新しい物件を手に入れて、またセルフリフォームにチャレンジしたい」という希望を持っているそうです。

おふたりの略歴

ハニーさん(1966年生)千葉県我孫子で生まれ育つ。会社員を経てライター、作家に転身。現在は、Amazon電子書籍の制作サポート、御朱印アーティスト、占い師。

サンタさん(1959年生)愛媛県松山市に生まれ育ち美容師として活躍。美容室モンローウォークのオーナー美容師。

目次

築47年のマンション空き室との出会い

このマンションを購入してみては? という話をつないでくれたのは、サンタさんの美容室のお客様でした。あるとき冗談で「中古マンションありません?」と言ったことが、購入のきっかけになったといいます。

「僕、その時は、家を手放して賃貸に住んでて。今さら家なんて買えないし、ずっと賃貸で住もうかなと思ってたんです。買ってももうローンは組めないし、ローンが組めたとしても、あと10数年くらいだから、買うのは無理があるなと。ほんならもう賃貸で行くしかないなって。だけど年取ったら不安でしょ、家賃だと……」(サンタさん)

最初にオファーがあったのは2025年4月頃。ただ、その時点では部屋の状態があまりに壮絶で、一度は辞退しています。

「その時はどうしようかなと思ったんですけどね。一人でここに住んでもしょうがないなと思って。やっぱり『僕やめます』って言って、一旦、断ったんですよ」(サンタさん)

ところが2025年10月に、ハニーさんとお見合いしたことに加え、「他に買い手がつきそう」という連絡を受けたことで、事態がふたたび動き出しました。

「一応、話が来てるから急いでくださいって言われたんでハニーさんと一緒に鍵を借りに行って。その時には、置きっぱなしだった家具や仏壇は全部処分されとったんです。それから彼女(ハニーさん)もリフォームやDIYが好きなんで、そこで話が盛り上がって」(サンタさん)

「まず、なぜ中古物件なんだって、友達からもワイワイ言われました。新婚さんになるのに、なんで築47年!? って言われたんですけど、いろんなご縁が重なって、この物件だから手に入るっていうことだったんですよね」(ハニーさん)

相場より大幅に安かった理由

購入価格は周辺相場と比べても、かなり安い水準だったといいます。

「バス停も近いし、スーパーも近くに2軒あるし。この地区ってすごく便利なんですよね。まず環境が気に入りました」(ハニーさん)

しかも、かなりの破格。ですが、この価格は一般的な相場ではなく、個人的な信頼関係にもとづくものでした。

「このマンションを紹介してくれた美容室のお客さんは、ほぼ僕と同い年で。僕が25歳で独立した時から来てくれているお客さんなんです。それから40年経った時に、『お互い頑張ったよね』っていうことを思っててくれていたようなんです。だから、応援してあげたいという気持ちがあったらしくて、そういうご好意の値段なんですよ。普通に売ったら相場通りの値段で売れたと思うんですけど」(サンタさん)

一方で、築年数の古さについて不安の声もあったといいます。

「築年数が古いから大丈夫なの? って心配してくれる友達もいました。ただ、私の仲人をしてくれたユミさんがこの現場を一緒に見てくれて、『とにかく立地がいいから、あなたたちが買わないならうちの娘に買わせてほしいぐらい』という勢いで……。そんなにいい物件なんだって、その時思いました」(ハニーさん)

賃貸を続けるか、購入に踏み切るか。サンタさんの中では、月々の支払いが同程度なら購入の方が合理的だという考えがありました。

「ずっと賃貸で行っても、このマンションに引っ越してきたとしても、毎月かかるお金が一緒だったら、最終的に払ったら自分のものになる方がいいんじゃないかと……。年齢的にも、買うならこれがラストチャンスかなという気もしました」(サンタさん)

「私はなんでその話を受けなかったのかなって。最初聞いた時びっくりして、もったいないと思って。だって賃貸だったら家賃払ってるだけで終わっちゃうけど、同じことをしてて数年後には自分のものになるんだったら、その方がいいのに、なんでかなと疑問でした」(ハニーさん)

一方で、家具が残されたままの物件を自分たちで片付ける負担も理解していました。

「以前住んでた人の家具がそのままだったり、要するに空っぽにして『すぐにでも売りますよ』っていう風に整えてなかったわけです。だから『自分たちで何とかかしてくれ』っていう、その代わり安いよっていう物件だったから、一人じゃちょっとやる気が出ないっていうのもわかります。あまりに荷物も多いし。私も自分の実家を片付ける時に、専門の業者さんに見積もりしてもらったら70万円とか言われたことがあるので」(ハニーさん)

ところが、サンタさんとハニーさんの縁談が進んだタイミングで内見に行くと、ちょうど家具が片付いた状態でした。これが購入の後押しになったそうです。

「友達がみんなで見に来て『これいいじゃん』って話になったんです」(ハニーさん)

内見時はすさまじい状態だった

実際に見た部屋の状態は、写真を見ても分かる通り、壮絶なものでした。

「片づける前の状態は、写真で見てわかる通りすさまじいですね。とにかく10年間この部屋は空いていたし、上の部屋も何年も空いておったらしいんですけど、雨漏りしていたことに上の階の人も、この部屋の所有者も気づいてなくて、そこの天井は腐っているし、もうひどかったんですよ」(サンタさん)

「もともとお住まいだった方が使っていた家具も全部この部屋に押し込んであって。仏間では、なんかすごい仏具が下に転がってて、お化けが出そうな感じだったんです」(サンタさん)

リフォーム前の浴室の状態

浴室は「置き型のお風呂」という、あまり見かけない仕様でした。

「これは置き型のお風呂なんですよ。市営団地などでよく使われているタイプですね。そういわれても、最初は意味が分からなくて。『置き型のお風呂って何?』と思って。つまり、風呂桶の栓と排水溝がつながっていない。お風呂の栓を抜くとそのままお風呂の床に水がダーっと流れ出す仕組みでした。その分、新しい浴槽を買って配置するのは楽でしたけど。ネット通販で買った置き方浴槽を二人で必死に運び込みました」(サンタさん)

仏壇は閉眼供養で処分できると判明

一番気が重かったのは、仏壇の扱いだったといいます。

「一番嫌やなと思ったのは、この仏壇。位牌は持って出てるんだけど、仏壇はそのまま残ってて。上に仏様の絵……写真じゃなくって、仏画みたいな。上のほうにはそういうものが描かれていて、床には親族の遺影が2、3人分床に転がってたんです」(サンタさん)

家具一式の処分は購入者側の費用負担という条件でしたが、仏壇だけはただゴミとして捨てることに抵抗があり、お寺に相談したそうです。

「タンスとか捨てるのはいいんだけど、この仏壇を捨てるっていうのは、ちょっと罰当たりな感じがしますよね。ゴミ捨て場に持っていっていいのかどうか悩みました。それでお寺さんに相談してみたら、閉眼したらいいと。この仏壇を終わらせますっていう、お坊さんが来て閉眼ということをやれば、仏壇自体はゴミとして捨てていいということらしいんです。ただの家具の一つという扱いになるから、閉眼だけしたら、粗大ごみで捨てていい」(サンタさん)

宗派によって対応が異なる場合もあるため、同じように古い仏壇の処分に悩んでいる方は、菩提寺や近隣のお寺に一度相談してみるのが確実でしょう。

雨漏りを直せたのは管理組合の対応のおかげ

誰も気付かないうちに進行していた雨漏り

リフォームの中で、自分たちの手が及ばない部分もありました。その代表が、雨漏りによる天井の腐食です。

「一番問題があったのが、寝室にしているこの部屋の上からの雨漏り。この部屋にも人が住んでなかったし、上の部屋にも人が住んでなかったので、長い間雨漏りに気がつかなかったんです。家具をどけてみたら天井に穴が開いていたという状態で……。それを管理組合に交渉して直してもらったんですけど」(サンタさん)

躯体や共用部分にかかわる修繕は、専有部分のセルフリフォームとは切り分けて、管理組合を通すのが基本です。今回はその交渉がうまくいき、思わぬ副産物もありました。

管理組合に天井まで補修してもらえてすっきり

「その時にこの部屋の天井のクロス張りと、隣の部屋もやっぱり雨漏りの影響があってきれいじゃなかったので、どっちも天井にクロスを張っていただけることになったんですよ」(サンタさん)

管理規約や修繕の範囲は、マンションによって異なる場合がありますが、「共用部分は管理組合が管轄、専有部分は所有者が担当する」というのがルール。上階とこの部屋の仕切り部分のうち、コンクリートスラブなどは共用部分ですから、上下階を貫通する雨漏りは管理組合担当です。一方、天井の板やクロスは専有部分に該当し、本来は所有者の責任でリフォームすべき部分ですが、ここも管理組合の責任で修復してもらえました。

ドアと壁紙は自分たちでリフォーム

戸棚の扉にもおそろいのクロスを施工

一方、ドアや壁のクロス張りは、自分たちで手がけた部分です。もとは茶色っぽい内装で、全体的に暗い印象でした。

「全体的に茶色かったんだけども、このドアもずっと茶色っぽかったんですよ、昔ながらの建具という印象で。そこでそろいの柄の白系のクロスを貼りました」(ハニーさん)

きっかけは、知人がセルフリフォームした様子を見て「素人でもできる」と感じたことでした。

「私の友達で、長野の方で古民家をリノベーションして、シェアハウスやったり宿にしたりしてる人がいるんですよ。同じくらいの年代の女性で。彼女がそれをやってるのを見てたから、『あっ、扉にクロス貼るぐらいは素人でもできるんだな』って思って」(ハニーさん)

「はにーちゃんは、壁紙クロス貼りにちょっと燃えてたね」(サンタさん)

トイレのドアなどから始め、最後に手をつけたのが洗面所の壁でした。

施工が難しい洗面のクロスにも挑戦

「最初はトイレのドアとか居間のドアとか、取り外しができて貼り合わせがいらない部分に壁紙を貼っていきました。洗面所の壁も薄暗い感じだったんです。コンクリートの壁にはってあった壁紙が、カビて剥がれかかっていたから、ぜんぶきれいにはがして、お友達のえりこちゃんとふたりがかりで貼っていきました」(ハニーさん)

その感想を聞いてみると、意外にポジティブ。

「いやあれは大変だった、壁張るのはやっぱり。でも楽しくなっちゃってたんで」(ハニーさん)

変形部分の多い施工でしたが、後にプロから評価されたそうです。

「プロの人に後で聞いたら、『こんなところ、よくやりましたね』って言われて。『これ、変形のところが一番難しいんだよ』って。『知らないからやれたのかも…』と思います」(サンタさん)

一番大変だったのは床の間の解体だった

なぜか床の間が窓をふさいでいた

数ある作業の中でも、一番苦労したのは和室の床の間の解体だったといいます。

「僕が一番大変やったのは、床の間を壊す作業。YouTubeで検索したら、女の子が『今から床の間を壊します』と言って、バールで解体し始めたんです。ほかの動画では男の人もやるんだけど、みんなバールで壊すんですよね」(サンタさん)

解体の道具選びには、過去の経験も影響していました。

「僕が以前経営していた美容室では、内装をこだわって作ったんですよね。そのとき、作業をお願いした職人さんが腕をタオルで押さえていて、タオルが真っ赤になってたんですよ。『どうしたんですか?』って聞いてみると、丸ノコが吊るしとったワイヤーに当たって、ノコ歯が折れてパスッと腕に入った」(サンタさん)

そんな体験がトラウマになっているそうです。

「あれを見てるから、丸ノコは恐い」(サンタさん)

そのため、丸ノコは避けて、動画を参考にバールを使うことにしました。

「最初、バール買いに行くの馬鹿らしいなと思って。あと使わんし。それで、とりあえず洗濯棒で隙間から入れたらバキッといくんだけど、それ以上いかんないんですよ。で、バール買いに行ったら、バールやったらきれいにスムーズに効くんですよね」(サンタさん)

とはいえ、コツをつかむまでには、試行錯誤があったといいます。

「YouTubeで言ってたのは、『作った工程の逆でやっていかんといかん』ということ。うちのマンションでは、ところどころで根太に対して斜めに木ネジで留めとるんですよね。上から剥がしていこうとして、そこに気付かないとバールが効かんのですよ」(サンタさん)

床の間撤去後のすっきりした状態

もうひとつ手を焼いたのが、40年前のネジでした。

「もう40年前に止めてるから錆びたり腐っとるんですよ。それを外そうと思ったらネジ山がつぶれるんですよ」(サンタさん)

「あと、一度はずした戸を戻すとき、後から蝶番のネジを打ち直すのも超大変で、ちゃんと電動ドリルでガーッてやらないと付けられないって後から聞いて。手で最初やろうとしたら重さがあるから、うまくいかないんですよ」(サンタさん)

道具の有無が作業効率を大きく左右することにも実感しました。

「ちゃんとした道具があったら時間はかからない。僕ら道具をそろえずにスタートした分、時間がかかった感じですけど」(サンタさん)

壁を抜くかどうか? これからの目標

床の間の解体を経験したことで、当初は業者に頼むつもりだった壁の撤去も、自分でできるのではないかという手応えが出てきました。

「僕が前に住んでたのは2LDKですけどね、そのとき壁を抜きたかったんですよ。西からものすごくいい風が来るんです。その風が遮断されてるから、壁を抜きたいなと思ってたけど、賃貸だからできない。しかもその時に、自分は『壁を抜ける』とも思ってないわけですよ、その時は。でも、セルフリフォームを経験してみた今では『できるやん』って思うんですよ」(サンタさん)

冷蔵庫の置き場所を確保したいというハニーさんの希望も、壁と関係しています。

「あとは、ハニーちゃんがここに冷蔵庫を入れてほしいというんです。冷蔵庫置き場がちょうどいいのがなくて、前に住んでた人の写真でも、そこに冷蔵庫を置いたことによってひとつ扉が開かないっていう。意味ないじゃんっていう感じの置き方になってたんですよ」(サンタさん)

「ハニーちゃんの希望では、壁を抜けば冷蔵庫が置ける。壁の裏が和室の押し入れになっているから、そこに収まるはずなんです。和室の押し入れを半分つぶして、そこに冷蔵庫を押し込めば、うまい具合に収まる」(サンタさん)

とはいえ無理はしない、が結論

技術的にはできそうな手応えを得ながらも、最終的な判断には意外と慎重な面もありました。

「もしかして、自分でやってもいけるかもしれない。でも業者さんに頼みたい部分もある。自分たちにできること、できないことがあるなという事もわかってきました」(サンタさん)

「頑張りすぎても腰を壊しちゃうよ」(ハニーさん)

「なので、和室の続きとかここ(間壁)を抜く抜かないは、ちょっと予算取りをしてプロに相談しようかなって、ハニーちゃんと相談しています」(サンタさん)

「あの時(入居前)は急いでたし、引っ越してくる前にどうしてもやっちゃった方がいいと思って、1カ月しか時間がなかったのに、自分たちで一生懸命やった。だけどね、この先は体に無理がないように。と、今は思っています」(サンタさん)

構造にかかわる壁は、専有部分であっても撤去が可能かどうかは物件によって異なります。「できそうだからやる」ではなく、こうして立ち止まって専門家に相談する判断も、セルフリフォームを続けるうえでは大事な姿勢だと思います。

費用はおよそ40万円

リフォームにかかった費用は、記録をつけていたそうです。

「ここのリフォームに使ったお金を合計したら40万円くらい。ドアノブとか、壁紙代、戸車代などひとつひとつは小さい金額ですが足していったら結構な金額になるなと思いました」(ハニーさん)

仲人をしてくれた知人からは、なるべく物を買わずに、譲ってもらえるものは譲ってもらうようにと助言を受けていました。

「仲人をしてくれたユミさんが、『とにかくあなたたちは自分たちでやって、物を買わないようにしなさい』ってアドバイスしてくれて。机にしろ、どこかからもらってきたりできるから。とにかく買うな、何か欲しいと思ったらまず私に相談して、って言われていました」(ハニーさん)

実際、作業台にした机や、折りたたみテーブル、椅子などは、知人から譲り受けたものだったといいます。

「業者さんに頼んだら、そんな額ではできないと思います」(サンタさん)

業者依頼と比べれば大幅に安く抑えられていますが、材料費や小物代を積み上げると、想像以上にかかることも実感したようです。

セルフリフォームは小さな達成感の積み重ね

セルフリフォームは大変だし、思ったよりも予算は必要。しかし、小さな部品を直したときの達成感は、印象的なエピソードでした。

「サッシの下の戸車。あれも、もう換えんといかんから、それをホームセンターに買いに行って。サッシの戸車と、網戸のところも付け替えたんです。そうしたらサッシがスーッと開け出して。それだけで感動できる」(サンタさん)

「業者だったらなんてことない一つの工程かもしれんけど、たかが戸車でも自分がやってみたら感動することが印象的でした」(ハニーさん)

奥がガスオーブンを撤去したキッチン(新品に交換)

不用品の処分でも、ちょっとした工夫と発見があったようです。

「ガスオーブンをね、粗大ごみに無料で捨てることもできるんです。でも軽トラに積んで金属の買い取り業者さんにに持って行ったら、1800円ぐらいで買ってくれたんですよ」(サンタさん)

そんな体験から、サンタさんは「意外と何でもやったらやれるし、工夫の余地があるんじゃないか」と感じたそうです。

これからやりたいこと

和室をどうするかが課題

現時点で手をつけられていない部分も、まだ残っています。ひとつは、和室の仕上げです。

「今、和室って人気ないでしょ。だけどここで畳の部屋にいると、畳ってあった方が落ち着くなって思うんです。これからは和室をちょっとずつ仕上げて、きれいに仕上げていきたいわけです」(サンタさん)

ただし、和室の使い道については、夫婦で希望が異なる部分もあるようです。

「私はあそこをアトリエで使いたい」(ハニーさん)

「今は別に僕はそこで何かしたいわけじゃないから「別にいいよ」とは思っとるんやけど、だけどどっかでやっぱりこう、使わんにしてもきれいな和室があった方が落ち着くなと思っている。なかなか作業は進まんのですけどね」(サンタさん)

もうひとつはベランダを使いやすくすること。

「ベランダはちょっと奥行きがあるんです。あそこをきれいにして、天気がいい時とか、日当たりのいい時に過ごせるベランダにしたいんです。とりあえずベランダの上にテントのような、タープのような屋根を作って、洗濯物も濡れないようにして、使いやすいように、仕上げていきたいなと思っています」(サンタさん)

おふたりの中の優先順位の違いについても、率直に語ってくれました。

「価値観と優先事項が違うから……。彼女が大事にしたのは冷蔵庫のスペース。僕の価値観はそこまで便利さは求めなくて、ベランダをおしゃれにしたい。そこは喧嘩はしませんけどね。価値観は違うなとは思うんです」(サンタさん)

ハニーさんは、また別の物件でも同じような経験をしてみたいという意欲があるそうです。

「私としては一回やったら面白かったので、またこういうことをやれるチャンスがないかなって狙ってます、別の建物で。私の友達が格安で家を手に入れて、手を入れてそこをシェアハウスにしたりB&Bにしたりしてるのを見てるので。そういうのもいいなって思ってます。新たな価値を生み出すのが面白かったです」(ハニーさん)

ハニーさんのお父さんは日曜大工が得意だったそうで、その背中を追いかけたい気持ちもあるようです。

「難しそうですけど、なんか秩序立ててきちんと作れるようになりたい気持ちが強くなりました」(ハニーさん)

マンションのセルフリフォームはおすすめできる?

最後に、今回セルフリフォームを経験してみて、ほかの人にもおすすめできるかどうかを尋ねてみました。

「業者さんに頼んだら、こんな額でリフォームはできなかっただろうと思います。そういう意味ではよかったですし、面白かったです。ただ、人に勧めるかといったら、無条件に進める感じではないかな。『面白いことをしたい』という人なら、やったほうがいいと思います。お金を出せば解決することではあるけど、リフォームの作業を面白く感じるんだったら、自分で挑戦する意味は絶対あると思います」(ハニーさん)

今回お話をうかがったおふたりの経歴

ハニーさん(1966年生)千葉県我孫子で生まれ育つ。会社員を経てライター、作家に転身。現在は、Amazon電子書籍の制作サポート、御朱印アーティスト、占い師。

2000年~2019年の間、埼玉県の田舎暮らし。DIYで戸棚を作ったり、シェルフの組み立てや分解、網戸の張替えなども行っていた。浴衣をほどいてワンピースを自作(写真)するなど手作りを満喫している。2026年9月、電子書籍「59歳の婚活顛末~困らない女」を発表予定。

サンタさん(1959年生)愛媛県松山市に生まれ育ち、理容師・美容師として活躍。25歳で独立し店舗を拡大。現在は、マンツーマン施術の美容室「モンローウォーク」のオーナーであり美容師。モンローウォークの外装・内装は自分で行っている。海岸で集めたシーグラスや貝殻を使った装飾が評判。

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