【初心者向け】不動産業界の専門用語集|わかりやすい解説付き

不動産の売買や賃貸の場面では、普段の生活では耳にしない専門用語が次々と登場します。言葉の意味を理解しないまま契約を進めると、不利な条件を受け入れてしまうことにもなりかねません。本記事では、不動産を売る人・買う人・借りる人が最低限知っておくべき専門用語100語+αをジャンルごとにまとめ、わかりやすく解説します。

取引・仲介に関する用語

両手取引

売主と買主の双方を1社の不動産会社が仲介する取引。業者は両方から仲介手数料を得られるが、利益相反が起こりやすい。

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囲い込み

売却物件の情報を他社に流さず、自社顧客にしか紹介しない行為。売主の販売機会が減り、不利益になる可能性が高い。

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レインズ(REINS)

不動産業者専用の物件情報システム。専任媒介契約などを結んだ物件は登録が義務付けられている。

専任媒介契約

売却を1社に限定して依頼する契約。自己発見取引は可能で、定期的な販売活動報告が義務。

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専属専任媒介契約

最も拘束力が強い契約。売主が自分で買主を見つけても、必ずその業者を通して契約しなければならない。

一般媒介契約

複数の業者に売却を依頼できる契約。自由度は高いが、各社の販売熱心さが下がる傾向がある。

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元付け業者

売主から直接物件を預かっている不動産会社。販売の主導権を持つ。⇔客付け業者

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客付け業者

買主を見つけて物件を紹介する不動産会社。元付け業者と協力して契約を成立させる。⇔元付け業者

売主・買主直取引

不動産会社を介さず直接契約する取引。仲介手数料を節約できるが、専門知識がないとトラブルになりやすい。

業者間流通

不動産会社同士が物件情報を共有して取引機会を広げる仕組み。レインズなどの公的なもの以外にもathomeのATBBなどがある。

内見(内覧)

実際に物件を訪問して状態を確認すること。購入・賃貸の判断に直結する重要なステップ。

買付証明書(買付申込書)

買主が「購入したい」と意思表示する書類。法的拘束力は弱いが交渉の前提となる。

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契約書面交付義務

宅建業法により、不動産会社が契約内容を書面で交付することが義務付けられている。

宅建業法(宅地建物取引業法)

宅地建物取引業を規制する法律。免許制度や消費者保護ルールを定めている。

契約・法律に関する用語

重要事項説明(重説)

契約前に宅建士が行う説明。買主・借主が不利益を被らないよう法律で義務付けられている。

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契約不適合責任

契約内容と異なる物件が引き渡された場合に売主が責任を負う制度。

瑕疵担保責任(旧制度)

2020年改正前の制度で、隠れた欠陥に対して売主が責任を負う仕組み。現在は契約不適合責任。

瑕疵物件

雨漏りやシロアリなどの欠陥がある物件。心理的瑕疵(事故物件)も含む。

告知事項あり物件

事故や事件、近隣トラブルなど買主に影響を及ぼす事実が存在する物件。

手付金

契約時に買主が支払う金銭。解約時には放棄や倍返しで契約解除に使われることがある。

解約手付

契約後でも手付金を放棄、または倍返しすることで契約解除できる制度。

内金

購入代金の一部を前払いする金銭。手付金とは異なり契約解除には使えない。

ローン特約

住宅ローン審査が通らなかった場合に契約を白紙解約できる条項。

買戻し特約

売主が一定期間内に売却した不動産を買い戻せる権利。

敷金

賃貸契約時に預ける保証金。退去時に原状回復費用を差し引いた残額が返還される。

礼金

賃貸契約時に貸主へ支払う謝礼金。返還されない費用。

更新料

賃貸契約更新時に借主が貸主へ支払う費用。地域によって慣習が異なる。

定期借家契約

更新できず契約期間が満了すると終了する賃貸契約。

普通借家契約

自動更新される一般的な賃貸契約。借主保護が強い。

定期建物賃貸借

建物を一定期間貸す契約で、期間終了後は更新できない。

任意売却

住宅ローンを払えないとき、競売にかけられる前に債権者の同意を得て売却する方法。

競売

裁判所が強制的に不動産を売却する手続き。市場価格より安くなる傾向がある。

サブリース契約

不動産会社が一括借上げし、オーナーに一定賃料を保証する仕組み。ただし契約内容には注意が必要。

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代理契約と媒介契約

代理契約は業者が売主に代わり取引を行う。媒介契約は仲介のみ。

土地・建築に関する用語

セットバック

敷地が接する道路の幅が4m未満の場合、建築基準法により道路中心から後退して建てる必要がある規制。敷地が狭くなるため、建築可能な床面積にも影響する。

建ぺい率

敷地面積に対して建てられる建物の面積の割合。例:建ぺい率60%なら100㎡の土地に60㎡まで建築可能。都市部や用途地域によって制限値が異なる。

容積率

敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合。都市部では高層マンションを建てられるよう容積率が高めに設定されるケースが多い。

用途地域

都市計画で定められた土地利用の区分。住宅専用地域、商業地域、工業地域など全13種類あり、建築可能な建物の種類や規模を制限する。

都市計画区域

国や自治体が都市の健全な発展を目的に指定する区域。市街化区域や調整区域に区分され、建築や開発の可否が大きく左右される。

市街化区域

今後10年程度で優先的に市街化を進める区域。住宅や商業施設の建築が認められ、土地価格も比較的高くなる傾向がある。

市街化調整区域

市街化を抑制する区域で、原則として建物は建てられない。農地や自然環境の保全を目的に指定されるため、家を建てたい人には制約が大きい。

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接道義務

建物を建てるには、敷地が幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない規定。接道がない土地は「再建築不可物件」となるリスクがある。

旗竿地

細い通路の奥に敷地がある土地形状。プライバシーは保ちやすいが、日当たりや駐車のしにくさがデメリット。建築可能だが利便性や資産価値が劣る場合が多い。市場価格は整形地より安い傾向。路地状敷地ともいう。

再建築不可物件

接道義務を満たさないなどの理由で建て替えができない物件。価格は安いが、住宅ローンが組めず流通が難しいため注意が必要。

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既存不適格建築物

建築当時は合法でも、その後の法改正で現在の基準に適合しなくなった建物。売買は可能だが、建て替え時に規制を受けるリスクがある。

建築確認申請

新築や増改築の際に、建築基準法に適合しているか役所に確認申請する手続き。許可を得ないと工事を始められない。

検査済証

建築完了後、検査で基準に適合したことを示す証明書。中古住宅売買で重要視され、ない場合は住宅ローン審査が厳しくなる。

建築基準法43条但し書き道路

通常は建築できない土地でも、特例許可を受ければ建築が可能になる制度。条件が厳しく、専門家の助言が必要。

二項道路(42条2項道路)

幅4m未満でも「将来拡幅する前提」で道路と認められたもの。建築する際は敷地を後退(セットバック)しなければならない。

位置指定道路

開発時に所有者が造成し、行政から「道路」として認定された私道。通行権や維持管理を巡りトラブルになりやすいため注意が必要。

私道負担

土地の一部を私道として利用している状態。所有者が維持管理や固定資産税を負担する場合があり、購入前に確認が必要。

共有持分

土地や建物を複数人で所有する場合の持分割合。単独で処分できないため、売却や利用に制限がある。

区分所有権

マンションの専有部分を所有する権利。土地や共用部分は持分割合で共有する形になる。

敷地権

マンションの専有部分と一体化した土地の権利。単独で切り離して売却することはできない。

借地権

他人の土地を借りて建物を建てる権利。借地法により更新や譲渡が保障され、価値のある財産権として扱われる。

底地

借地権が設定されている土地。借地権者との関係があるため自由に処分しづらく、取引が難しい。

定期借地権

期間限定で土地を貸す権利。契約終了時に更新できず、更地で返還されるのが原則。住宅より事業用に多く使われる。

区分地上権

土地の特定部分(例:地下にトンネル、地上に高架)を利用する権利。公共事業やインフラ整備でよく用いられる

価格・査定に関する用語

査定価格

不動産会社が過去の取引事例や市場動向を参考に算出した「見込み価格」。売出価格の目安となるが、必ずその値で売れるわけではない。

売出価格

売主が市場に提示する価格。査定価格や希望条件をもとに決められるが、市場の反応を見て値下げされることも多い。

成約価格

実際に売買契約が成立した価格。市場相場を把握する上で最も信頼できる指標であり、査定価格との差が交渉材料になる。

路線価

国税庁が毎年発表する土地の価格基準。相続税や贈与税の計算に用いられ、公示価格の約80%程度が目安。

公示価格

国土交通省が毎年公表する土地価格。標準地を基準に算出され、一般的な土地取引の指標や公共事業の補償金算定に使われる。

固定資産税評価額

市町村が固定資産税を課すために決める評価額。実勢価格より低めに設定されるのが一般的で、3年ごとに見直される。

相続税評価額

土地や建物を相続する際の課税評価額。路線価や倍率方式で算出され、相続税の基準になる。

実勢価格

市場で実際に取引されている価格。需要と供給で変動し、査定価格や公的価格より現実的な指標として重視される。

標準地価格

都道府県が毎年発表する基準地の価格。公示価格とほぼ同じ方法で算出され、地価の動向を把握する材料になる。

時価

その時点での市場価格。売主と買主の合意で決まるため、景気や需要に大きく左右される。

不動産一括査定サイト

複数の不動産会社に一度に査定依頼できるインターネットサービス。相場を把握できるが、営業電話が多いデメリットもある。

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収益還元法

賃料収入など将来得られる利益をもとに不動産の価値を算出する評価方法。投資用不動産の査定に多用される。

原価法

再建築にかかる費用を基準にし、経年劣化分を差し引いて価格を求める方法。新築や特殊用途の建物で使われやすい。

取引事例比較法

類似する取引事例と比較して価格を算出する方法。土地やマンション査定の標準的な価格査定手法。一戸建ての場合は取引事例比較法で土地価格を出し、上物価格を合算する。

利回り(表面利回り・実質利回り)

投資額に対する収益性を示す指標。表面利回りは単純計算、実質利回りは経費や空室率を考慮するため現実に近い。

キャップレート

不動産投資で用いられる還元利回り。収益と価格のバランスを示し、投資家が購入判断をする重要な指標。

インカムゲイン

不動産投資から得られる定期的な収入(賃料収入など)。安定性を重視する投資家にとって重要。

キャピタルゲイン

不動産を購入価格より高く売却した際に得られる値上がり益。短期的な利益を狙う投資家に重視される。

賃貸・マンション管理に関する用語

管理費

マンションやアパートで、共用部分(エントランス・廊下・エレベーターなど)の清掃や維持にかかる費用。区分所有者や入居者が毎月支払う。

修繕積立金

マンションで将来の大規模修繕に備えて住民から積み立てるお金。外壁塗装や屋上防水工事などに使われ、額が不足すると一時金徴収となる。

共益費

アパートや小規模集合住宅で用いられる費用。ゴミ置き場や共用灯の電気代など、住民全員で使う部分の維持管理費に充てられる。

保証会社

賃貸契約で家賃滞納が起きた場合、代わりに立て替えてくれる会社。連帯保証人を立てられない人でも契約しやすくなる。

保証人不要制度

保証会社を利用することで、親族などの連帯保証人を付けずに賃貸契約できる仕組み。近年はほとんどの賃貸契約で普及している。

敷引き

敷金の一部を償却して返還しない契約方式。関西圏で多く見られ、例えば「敷金30万円・敷引き10万円」と設定される。

更新事務手数料

賃貸契約更新時に不動産会社へ支払う手数料。貸主に払う「更新料」とは別に請求される場合があるため、契約前に確認が必要。

定額修繕費

入居時に定額で支払う修繕費用。退去時の原状回復費用を事前に清算する仕組みで、追加費用が発生しにくいメリットがある。

フリーレント

契約開始後の一定期間、家賃が無料になる契約条件。新築物件や空室対策で利用されるが、短期解約防止の違約金が設定されることも多い。

ペット飼育規約

ペット可マンションや賃貸で設けられるルール。飼育可能な動物の種類や数、しつけや共用部分の利用方法が規定される。

原状回復義務

退去時に入居時の状態へ戻す義務。ただし通常の生活で生じた経年劣化や損耗については借主の負担ではないと国交省ガイドラインで定められている。

管理組合

マンション区分所有者全員で構成される組織。共用部分の管理・修繕計画・規約改定などを決定する。

理事会

管理組合から選出された役員で構成される執行機関。管理会社と協力して日常の運営を行う。

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長期修繕計画

マンションで30年程度を見据えた修繕スケジュールをまとめた計画書。修繕積立金の金額や将来の一時金徴収に直結する重要な資料。

税金・費用に関する用語

登録免許税

不動産を購入した際に登記を行うと課税される国税。所有権移転登記や抵当権設定登記などで支払う。税率は登記の種類によって異なる。

不動産取得税

不動産を取得したときに都道府県が課す地方税。住宅の場合は軽減措置があるが、登記後半年〜1年ほどで納税通知が届くのが特徴。

固定資産税

土地・建物を所有している人が毎年支払う地方税。評価額を基準に計算され、4月〜6月ごろに納税通知書が届く。

都市計画税

都市計画区域内の土地・建物に課される税金。固定資産税と合わせて徴収され、用途地域ごとに負担が決まる。

印紙税

不動産売買契約書やローン契約書に貼る収入印紙として納付する税金。契約金額に応じて税額が変わる。

譲渡所得税

不動産を売却して利益が出た場合に課される所得税。所有期間が5年を超えるかどうかで税率(長期・短期)が大きく異なる。

住民税(譲渡所得にかかる分)

不動産売却益に課される住民税。譲渡所得税とセットで課税されるため、売却益が大きいと負担も増える。

登記費用

不動産登記をする際に必要となる費用。登録免許税に加え、司法書士へ依頼した場合は報酬も含まれる。

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仲介手数料

不動産会社に支払う成功報酬。上限は宅建業法で定められ、売買価格が400万円を超える場合「売買価格の3%+6万円+消費税」が一般的な計算式。

火災保険料

住宅を所有・購入するときに加入する保険料。火災だけでなく風災・水害などの補償も含まれる場合が多い。住宅ローン利用時は加入必須。

地震保険料

火災保険に付帯する形で加入する保険。地震による倒壊や火災をカバーするが、保険金額は建物評価額の50%が上限。

司法書士報酬

不動産登記手続きを司法書士に依頼した場合の報酬。所有権移転や抵当権設定などで必要となり、数万円〜十数万円程度が相場。

投資・特殊用語

REIT(不動産投資信託)

投資家から資金を集め、不動産を購入・運用し、その収益を投資家に分配する金融商品。少額から投資でき、株式のように証券取引所で売買できる。

匿名組合出資

不動産クラウドファンディングでよく用いられる契約形態。投資家は事業者に出資し、利益分配を受けるが、法律上は事業運営に関与しない。

不動産クラウドファンディング

インターネットを通じて少額から出資できる不動産投資。従来の現物投資より参入しやすいが、元本保証はなくリスクもある。

任意整理(不動産ローン関連)

住宅ローンや借金の返済が困難な場合、裁判所を介さず債権者と交渉し返済計画を立て直す手続き。不動産所有者の債務整理の一手段。

サービサー(債権回収会社)

金融機関から委託を受け、不良債権を回収する会社。住宅ローン延滞が長期化するとサービサーに債権が移ることがある。

デューデリジェンス

不動産取引や投資前に行う調査・分析。権利関係、建物状態、収益性、周辺環境などを精査し、リスクを洗い出す。

インスペクション(建物診断)

専門家が建物の劣化状況や欠陥を調べる調査。中古住宅売買の際に利用され、修繕費の見積もりや購入判断の参考になる。

ホームステージング

物件を売却する際、家具や小物を配置して魅力的に演出する手法。第一印象を高め、早期売却や高値売却につながることがある。

レバレッジ投資

借入金(ローン)を活用して自己資金以上の規模で不動産投資を行う方法。成功すれば利回りが高まるが、空室や値下がり時にはリスクも大きい。

キャッシュフロー

投資における収入(家賃など)から支出(ローン返済・管理費・税金)を差し引いた残額。プラスであれば黒字経営、マイナスなら資金ショートの危険。

まとめ

不動産業界は、取引・契約・土地・価格・賃貸・税金・投資といった幅広い分野で、一般の人にはなじみのない専門用語が非常に多く存在します。これらを正しく理解することで、不利な契約を避け、安心して売買や投資を進められるようになります。

特に大きなお金が動く不動産取引では、言葉の意味を理解しているかどうかが「損得」や「安心感」に直結します。本記事を参考に、不安な用語が出てきたらぜひ振り返って確認してください。

もし取引で迷ったら、複数の不動産会社に査定依頼をしたり、専門家へ相談してみるのがおすすめです。

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