ボロ家購入で失敗しない方法|直せない問題の見極め方とリフォーム費用の考え方

ボロ家購入の失敗要因は、簡単に直せない物件を買ってしまうことにあります。物理的な問題もありますが、法令や権利関係の問題も重要です。

再建築不可の土地や境界未確定の物件は、お金をかけても解決できません。さらに、2025年4月の建築基準法改正により、再建築不可の土地ではスケルトンリフォームも事実上難しくなりました。

越境問題を見落とした筆者自身、物件取得後に測量・分筆費用を含めておよそ100万円の追加負担を経験しています。安い物件ほど、見えないリスクの代償は大きくなります。

この記事では、ボロ家購入で確認すべき注意点を、建物の構造・法令・費用・賃貸需要の4つの観点から整理していきます。購入前に使えるチェックリストも用意したので、物件の物件購入の判断に利用してみてください。

ボロ家は、正しく選べば小さな資金を活かせる投資対象になります。問題は物件のボロさではなく、購入者の判断精度。

「どうすれば、いいボロ家を見つけることができるか?」

この記事で整理していきます。

この記事は、アップライト合同会社の立石秀彦(宅地建物取引士)が制作しました。不動産の調査・マーケティングを専門とし、複数の不動産メディアを運営しています。

目次

ボロ家の注意点はボロいことではなく「直せない」こと

内装が古い、床がきしむ、壁紙が剥がれている。そういった問題は、工夫をすれば直せます。

問題は、お金をかけても直せない物件です。初心者にとって本当に危険なのは「簡単に直せない」「安く買っても高額な修繕費用がかかる」物件です。

ボロ家選びには、かなり深い知識が必要になる点は、最初に意識しておいてください。

接道などが原因の再建築不可は直せない物件の代表格

建物の老朽化は、費用さえあれば対処できます。うまく直せば、安い費用で修繕することも可能です。しかし、法令上の問題があり、再建築できないとなると話は別。

建築基準法では、建物を建てるために原則として「幅員4メートル以上の道路に、2メートル以上接すること」が定められています(接道義務、同法第43条第1項)。

この条件を満たさない土地は、再建築不可になります。建物が火事で全焼しても、老朽化で倒壊しても、新しい家を建てることができません。

さらに、2025年4月の建築基準法改正により、木造2階建て以上の建物(新2号建築物)では、主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)の過半を超える大規模修繕・模様替えに建築確認申請が必要となりました。再建築不可の土地では、この確認申請が通りません。

つまり、スケルトンリフォームによる再生が事実上困難になりました。

ただし、建物規模や工事内容、接道状況、建築基準法第43条第2項の認定・許可の有無によって異なるケースもあります。

そこで、まずは再建築の可否を左右する「接道義務」について、以下の記事などで内容を把握しておいてください。

建築基準法42条をわかりやすく解説|道路種別と接道義務の調べ方(私道ラボ)

雨漏か結露かの見極めも意外と難しい

天井に染みがある場合、問題は「どこから水が入っているか」の見極め。

屋根の谷樋の劣化なのか、サッシ周りのシーリング切れなのか、外壁のクラックからなのか。

原因によって、修繕の方法も費用もまったく変わります。

散水試験や専門家の調査でも原因が特定できない場合、屋根の全面葺き替えや外壁の全面張り替えが必要になることがあります。その場合の費用は、統一的な相場はありませんが、業者によっては数百万円規模になることもあります。

サッシ周りや壁に漏水跡がある場合も、原因の特定は難しく、かなり高度な知識が必要になります。

傾きは床の問題か地盤・基礎の問題かで費用が変わる

床が傾いている場合、原因は大きく2つに分かれます。

一つは、根太や大引きの腐食など、床下の部分的な問題。もう一つは、地盤そのものが不均一に沈む「不同沈下」です。

前者は、数十万円程度の床下補修で対処できることがあります。後者は、基礎のジャッキアップ(アンダーピニング工法)や地盤補強が必要になり、費用が大きく膨らむ可能性があります(地盤補修の費用は、規模や工法によって大幅に異なります)。

その点、1室だけの床の傾斜を確認しても、建物のコンディションを把握できません。傾斜が局部的なものなのか、あるいは床・壁・柱が同じ方向に傾いているかを調査します。全体が同じ方向に傾いていると確認された場合、地盤や基礎の問題を疑う必要があります。

セルフチェックだけで構造的な原因を断定することは難しいため、疑わしい場合は専門家に調査を依頼してください。知識が豊富な不動産会社(できればホームインスペクター資格を持っている人が望ましい)などに同行してもらうと安心でしょう。

越境と境界問題は予想外の費用負担につながるおそれ

ボロ物件ではよくあることですが、こちら側の屋根が隣に越境していたり、逆に隣家の塀がこちらの敷地に越境している場合があります。

こういった問題がある物件を購入した場合、隣人と関係がこじれるとめんどうです。筆者は物件買取後に隣地所有者から「越境部分の土地を買い取れ」と要求されたことがあります。測量・分筆費用を含め、おおよそ100万円ほどかかりました。

こういった越境問題は、甘く見ているとあとで過大な予算がかかってしまいます。

放置しておいて隣人との関係がこじれると、リフォームで足場を組む際に隣人の同意が得られない、将来売却しようとしても買い手が住宅ローンを使えない、といった問題が残り続けます。

「境界杭がない」「確定測量図がない」という物件は、決して軽く考えず、解決策が見えてから購入を決断するようにしてください。

契約不適合責任免責の場合は細心の注意を払う

中古のボロ家取引では、「売主は契約不適合責任を負わない」という特約が付されることがあります。筆者の経験上、ボロ家売買ではデフォルトのように付される特約です。

もちろん民法上、売主が知りながら告げなかった不具合については免責が認められない場合がありますが(民法第572条)、実際にはほとんどの不具合の責任は、買主が負うことになるでしょう。

引き渡し後に雨漏り・シロアリ・配管の破損が見つかっても、免責特約がある場合は売主への責任追求は難しくなります。

安いからこそ、見えない部分のリスクを最大限確認するようにしてください。

築年数だけで性能が決まらない難しさ

ボロ家であっても、新耐震基準で建てられた1981年以降の建物であれば、一定の耐震性が確保されているはず。また、2000年以降はさらに耐震基準が引き上げられています。

その点を踏まえ、建築年と建築基準法の改正点を把握し、年代ごとの危険性を予想することも必要になります。

しかし「1981年以前の建物は旧耐震だから危ない」と単純に判断できないのが、ボロ家購入の難しさの一つです。

1981年の新耐震基準で想定する地震が変わった

1981年(昭和56年)6月1日から、建築確認の基準が大きく変わりました。

旧耐震基準では、震度5強程度の中規模地震に対して倒壊しないことが基準でした。新耐震基準では、これに加えて「震度6強〜7程度の大規模地震でも倒壊・崩壊しない」ことが基準となりました。

壁量の増大や許容応力度設計の導入によって、構造的な強度の基準が引き上げられたわけです。

2000年基準で接合部・基礎・耐力壁配置が明確化された

1995年の阪神・淡路大震災では、新耐震基準(1981年以降)で建てられた木造住宅にも、「接合部の抜け」や「耐力壁の偏り によるねじれ倒壊」という被害が見られました。

この教訓をもとに、2000年(平成12年)6月1日からさらに基準が強化されました。

主な改正内容は3点です。

– 地盤に応じた基礎設計(地盤調査が事実上義務化)

– 柱頭・柱脚・筋交い端部の接合金物の明確化

– 耐力壁の配置バランス(偏心率)の確認が義務化

この2000年基準の適用を受けているかどうかは、耐震性を判断する上で重要な目安になります。

基準の区分は竣工日ではなく建築確認時期で確認する

登記簿に記載されている「新築年月日」だけで耐震基準の適用を判断することはできません。

判断の基準になるのは「建築確認の完了日」です。

たとえば、登記簿に「昭和56年8月」と記載されていても、建築確認が1981年5月31日以前であれば、旧耐震基準が適用されています。

といっても、ボロ物件の場合は検査済証や確認済証が保管されていることは稀です。建築確認時の書類が見当たらない場合は、自治体の建築指導課等(建築主事がいる役所)で、「台帳記載事項証明書」を取得してください。

めんどうでも、この一手間をかけると、物件についての判断がクリアになります。

雨漏り・シロアリ・増改築によって耐震性は低下する

建築時の耐震基準を満たしていた建物でも、その後の劣化や改修によって耐震性が低下している場合があります。

主な要因は4つです。

  • 雨漏りや結露による柱・土台の腐朽
  • シロアリによる木部の食害
  • 壁を撤去した増改築(耐力壁が減る)
  • 不同沈下による地盤の変形

築年数が浅くても劣化が進んでいる物件がある一方、築年数が古くても適切に維持管理されていれば状態が良い場合もあります。

耐震性は築年数だけでは判断できませんから、現場で建物のコンディションをしっかり見極める知識が必要になります。

既存住宅状況調査と耐震診断は別の調査

購入時に「ホームインスペクション済み」と説明を受けても、それが何を確認した調査なのかを理解しておく必要があります。

既存住宅状況調査は、目視・非破壊による「劣化の有無」を確認するものです。耐震性能を確認するものではありませんし、地盤も見ません。

木造住宅の耐震診断は、図面や部材配置をもとに「上部構造評点」を算出する専門的な診断であり、建築士かつ木造住宅耐震診断技術者の講習修了者が実施します。

しかし「ホームインスペクション済み=耐震性に問題なし」ではありません。耐震性が気になる場合は、別途耐震診断を依頼する必要がある点に注意が必要です。

購入価格に加えて諸費用・工事費用を正確に見積もる

価格が安いボロ物件だからこそ、リフォーム費用をどんぶり勘定にしないこと。加えて、仲介手数料や税金などを正確に見積もっておく必要があります。

なぜなら、そもそもの物件価格が安いぶん、ちょっとした出費で諸費用が物件価格を上回ってしまうこともあり得るからです。

諸費用・リフォーム費用は正確に計算しておく必要あり

まず、購入後の名義変更にかかる費用を見積もる必要があります。ボロ家・ボロ物件の場合、仲介手数料は特例により33万円(税込)となるケースが多いですから、その点を押さえておいてください。

加えて、名義変更(登記費用)も必要になります。火災保険もすみやかに加入すべきですから、その費用も見積もっておいてください。

少なくとも、合計で50万円程度は必要になります。

屋根・外壁・基礎・防蟻など建物を守る工事

建物の耐久性を維持するための工事で、ここをおろそかにすることはできません。後回しにすると、被害が広がって費用が増える可能性があります。

主な工事は以下のとおりです。

  • 屋根の塗装または葺き替え
  • 外壁塗装・シーリングの打ち替え
  • 基礎ひび割れの補修
  • 防蟻処理
  • ベランダ防水

入居後に突発的な修繕が発生するリスクを下げる工事ですから、ここはケチらないのが特栽。収支計画に必ず組み込んでください。

シロアリ駆除費用等については、以下の記事で詳しく解説しています。

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浴室・キッチン・トイレ・配管などの設備工事

生活するための基本設備の工事です。ボロ家の場合、設備一式の交換を前提に予算を組むことが多くなります。

設備本体の交換だけで済む場合と、配管や電気配線の引き直しが必要になる場合では、費用が大きく変わります。

また、在来浴室(タイル貼り)をユニットバスに変更する工事では、解体後に土台の腐朽が見つかることがあります(筆者の感覚では土台が腐朽していることがむしろ当然)。

その場合は補修費用が上乗せされます。

設備費用はサイズや条件がうまくはまれば、ホームセンターの定額セット販売を利用する方法もあります。

入居募集に必要な内装・美装工事

入居者の目に直接触れる部分の工事も必要です。

壁紙の張り替え、床材の貼り替え、畳の表替え、建具の塗装、網戸の交換、ハウスクリーニングなどが含まれます。

費用は物件の広さや状態によって変わります。全国一律の公的な相場は存在しないため、複数の業者から単価明細の出た見積もりを取ることが必要です。

アスベスト調査と廃材処分も予算に入れる

2006年(平成18年)9月1日以前に着工された建物では、アスベスト(石綿)含有建材が使用されている可能性があります。

法律により、リフォーム・解体工事の前には有資格者(建築物石綿含有建材調査者等)による事前調査が義務化されました。請負代金総額(税込)100万円以上の改修工事、または床面積80㎡以上の解体工事では、調査結果の行政報告も必要です。

アスベストが含有建材として確認された場合は、撤去・処分に特別な対応が必要となり、費用が増加します。

また、残置物(前の所有者が残した家具・家電)の撤去費用も、予算に含めておく必要があります。

「工事一式」ではなく工種ごとの見積もりを取る

見積書に「リフォーム一式 ○○万円」とまとめて記載されている場合は、内訳を確認するほうがいいでしょう。

何にいくらかかるのかが不明なままでは、工事開始後に追加費用が発生したとき、金額の妥当性を判断できません。

各工種について、面積(㎡)・延長(m)・人工(日当数)の単価が明記されているかを確認してください。複数の業者から見積もりを取り、比較することも有効です。

解体後に発生する追加工事の条件を確認する

在来浴室の解体後、外壁塗装の施工後、床を剥がした後——こうした工程で初めて発見される損傷があります。

追加工事がどのような条件で発生するか、そのときの費用負担はどうなるかを、契約前に業者と確認しておくことが重要です。

「見積もり額の20〜30%程度を追加対応の予備費として確保しておく」という考え方がありますが、これは公的な基準ではなく、実務上の目安として語られているものです。物件の状態によって必要な備えは変わります。

DIYできる工事と資格が必要な工事を分ける

費用を抑える方法の一つとして、内装等のDIYが考えられます。壁紙の貼り替えや床材の敷き込みなどは、材料を調達して自分で施工できます。

ただし、電気工事(コンセント・配線の移動)は第二種電気工事士の資格が必要です(無資格での施工は法令違反)。

ガス工事・耐震補強にかかわる壁の撤去なども、資格や専門知識が必要な工事です。DIYで対応できる範囲と、専門業者に依頼すべき範囲を事前に整理したうえで資金計画を立ててください。

高利回りでも借り手がいなければ単なる負債になる

「表面利回り30%」という数字は確かに魅力的です。しかし、その物件に入居者がいるとは限りません。

そこで、物件広告の利回りだけで判断するのではなく、その裏付けを自ら調査する必要があります。

売主業者の数字を過信せず現場を歩いてみる

ポータルサイトに掲載されている想定利回りは売主(売主側不動産業者)の希望的な金額です。実際に借り手がついた価格ではありません。

近隣の賃貸募集広告を精査し、そのエリアの戸建て賃貸で実際に成約した事例と家賃水準を収集しないと断言はできません。

また、空室がどれくらいの期間続くかも重要です。3〜6ヶ月の空室が発生するだけで、年間の収支計画は大きく狂います。

そこで、筆者はボロ物件を購入する前に、そのエリアを実際に歩いてみます。賃貸物件(とくにボロ戸建てと競合するファミリー向けアパート等)に空室がないかどうかをチェックして回ります。

カーテンが掛かっておらず空室に見えるアパートが多い場合は、賃貸経営が難しい可能性が高いと判断し、投資対象から外す決断を下しましょう。

戸建て需要は駐車場・学区・生活動線で変わる

戸建て賃貸の需要は、立地の特性によって大きく変わります。

子育て世帯を想定するなら学区を確認します。小中学校へのアクセスはかなり重要です。

郊外であれば駐車場の台数、生活動線(スーパーや病院へのアクセス)なども需要に影響します。

アパートでなく戸建て賃貸を希望するとしたら、その人は「どういう属性で、どんな理由で借りるのか」。その点を具体的にイメージし、投資可否の判断を行います。

売却と解体まで含めた出口価格を設定する

賃貸運用を続けた後、最終的にどう処分するかを購入前に考えておく必要があります。

再建築不可の物件や境界が未確定の土地は、更地にしても買い手が付きにくくなります。解体費用(木造30坪で数十万〜150万円程度が目安とされています。ただし規模・工法・搬入条件によって変わります)を負担して更地にした後、売れるまでの間は固定資産税が上がります。

また、投資用として他人に貸し出した物件を売却する場合、相続した空き家に適用される「譲渡所得の3,000万円特別控除」は使えません。

出口価格をあらかじめ設定し、それが成立する物件かどうかを購入前に確認してください。

ボロ家購入前チェックリスト

購入判断の前に確認すべき項目を、分野ごとに整理しました。すべての項目を確認できなければ「買わない」という判断も、正当な選択です。

土地・道路・境界

確認項目確認方法
接している道が建築基準法上の道路か役所(建築指導課)で確認
敷地が道路に2m以上接しているか現地・公図で確認
境界標(コンクリート杭・金属鋲等)が全箇所にあるか現地確認
確定測量図または地積測量図があるか法務局で取得
隣地・道路からの越境物(屋根・配管・ブロック等)がないか現地確認
公図と現地の形状に大きな差異がないか法務局・現地で確認

境界が未確定の場合、売主の費用負担で確定測量と筆界確認書の取得を行うことを、契約の条件として交渉できるかを確認してください。

もっとも、ボロ家の場合は境界確定してもらえることのほうが少なく、それを価格交渉に反映するほうが現実的かもしれません。

基礎・外壁・屋根

確認項目確認方法
基礎にひび割れ(幅0.5mm以上)や欠損(深さ20mm以上)がないか現地目視
基礎の一部が沈下しているように見えないか現地目視
外壁に触れたとき白い粉(チョーキング)がつくか現地確認
外壁サイディングの目地(シーリング)が切れていないか現地目視
屋根材(スレート・瓦等)に割れ・ずれ・欠損がないか高倍率カメラで確認
軒・雨樋に変形や外れがないか目視(高倍率カメラ推奨)

外壁のチョーキングは塗膜の劣化を示すサインですが、それだけで雨漏りが起きているということはまれです。ただし、放置すると外壁からの雨水の侵入が心配ですから、早めの対応が必要です。

小屋裏・床下・シロアリ

確認項目確認方法
小屋裏点検口から梁・野地板の染みを確認できるか目視(懐中電灯使用)
床下点検口から基礎・土台・根太を確認できるか目視(進入調査は専門家に依頼したほうが確実)
基礎や土台に蟻道(土のトンネル)がないか目視
柱や土台を叩いたとき空洞音がしないかハンマー等で打診
床を歩いてフカフカとたわむ箇所がないか歩行確認
動物の糞・臭い・断熱材の乱れがないか小屋裏・床下で確認

シロアリ被害の実情は、以下の記事で確認しておいてください。

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また、床下や小屋裏への進入調査は、釘等によるケガ・感電等のリスクがあります。状態が不明な場合や点検口が確認できない場合は、専門家(ホームインスペクター・駆除業者)に依頼してください。

 床・壁・柱の傾斜

確認項目確認方法
床の傾斜を3m以上の距離で測定しているかレーザー墨出器等で測定
壁・柱の傾斜を2m以上の距離で測定しているかデジタル水平器等で測定
6/1000以上の傾斜がある箇所はないかレーザー墨出器等で測定
床と壁が同じ方向に傾いていないか(不同沈下の疑い)測定結果を照合
部屋によって傾斜の方向が異なる箇所はないか(建物のゆがみ)複数室で測定

畳の上や柔らかい床材の上からの測定は正確な値が出ません。フローリングなど硬い面で測定してください。

傾斜の数値は、瑕疵の存在可能性の参考基準です。6/1000以上だからといって絶対に重大な欠陥があるわけではありませんが、専門家による追加調査が必要なレベルです。

給排水・電気・ガス

確認項目確認方法
屋外の排水桝を開けて、油の塊・異物の詰まりがないか現地確認(桝のフタを開ける)
上下水道の引き込み経路が他人の敷地を通っていないか自治体水道局で台帳確認
給水管・排水管が金属管のまま残っていないか床下確認または業者に確認
分電盤の種類・年数・漏電ブレーカーの有無を確認しているか現地確認
ガス・水道が現在使用可能か、または開通申請が必要か関係業者に確認

水回り設備がリフォーム済みでも、床下の配管が古い金属管のまま残っているケースがあります。

念のため配管まで更新されているかを確認したほうがいいでしょう。

 建築・登記・増改築履歴

確認項目確認方法
登記事項証明書の床面積と実際の建物の広さが一致するか法務局・現地で確認
確認済証・検査済証があるか(紛失の場合は台帳記載事項証明書)役所(建築指導課)で確認
増改築が行われているか。行われている場合は確認申請を経ているか役所・売主への確認
建ぺい率・容積率に違反する増築がないか固定資産評価証明書と照合
2006年以前着工の場合、アスベスト含有建材の調査が必要か有資格調査者に確認

ボロ家・ボロ物件の場合は、書類がないこともよくあります。その場合でも、できるだけ台帳の記載事項は確認しておいてください。

契約条件・契約不適合責任

確認項目確認方法
売主は個人か、宅地建物取引業者か媒介契約書・重要事項説明書で確認
契約不適合責任の免責特約があるか売買契約書で確認
告知書(物件状況報告書・付帯設備表)に記載のない不具合はないか告知書を精査・現地と照合
床下・小屋裏の調査を売主が拒否していないか内覧時に確認

免責特約があっても、売主が知りながら告げなかった不具合については、一定の範囲で責任を問える場合があります(民法第572条)。

ただし個別の契約内容や事実関係によるため、疑問がある場合は法律の専門家に相談してください。

賃貸需要・修繕費・出口価格

確認項目確認方法
仲介会社3社以上に戸建て賃貸の成約事例と家賃水準を確認したか現地ヒアリング
購入価格+リフォーム費用を分母にした実質利回りを計算したか要自己試算
固定資産税・保険・管理費・修繕積立を収支に組み込んだか要自己試算
火災保険への加入可否を事前に確認したか保険代理店に確認
解体・売却・土地利用の出口が成立するかを確認したか不動産会社・土地家屋調査士に確認
総投資額(購入+リフォーム+予備費)が自己設定の上限以内か資金計画で確認

まとめ|ボロ物件の目利きを相談できます

ボロ家購入の失敗は、物件のボロさが原因ではありません。「直せない問題」を見落としたまま買ってしまうことが原因です。

再建築不可・傾き・越境・契約不適合責任免責。こういった問題は、購入後に発覚しても手の打ちようがなくなるケースがあります。費用の見積もりも同じで、諸費用・リフォーム費用・追加工事の予備費を正確に積み上げなければ、「安く買ったのに高くついた」という結果になります。賃貸需要と出口の設計は、買う前の話です。

この記事で整理したチェックリストは、「どの物件なら買えるか」を判断するための道具です。すべての項目を確認できない物件は、買わない判断が正解かもしれません。

もし今「目の前のボロ物件を買うべきか迷っている」という場合は、無料の不動産相談をご利用ください。

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